バンダイナムコエンターテインメントは、「SAO」家庭用ゲームの新作となる「EEchoes of Aincrad」のメディア向け先行体験会/インタビューを実施した。
本記事では、体験会前に行われたタイトルプレゼンテーションを含め、いち早く「Echoes of Aincrad」をプレイした感想、制作担当 八幡泰広氏と「SAO」ゲーム総合プロデューサー 二見鷹介氏へのインタビューの模様をお届けする。

プレイヤー自身が主人公となる「Echoes of Aincrad」は骨太で緊張感のあるアクションが楽しめる
はじめに、八幡氏による「Echoes of Aincrad」のタイトルプレゼンテーションが行われた。なお、システムなどの詳細は、以降のゲームプレイ時にあわせて紹介していく。
「Echoes of Aincrad」は、「ソードアート・オンライン」(以下、「SAO」)のアインクラッド編を舞台に、プレイヤー自身が主人公となってデスゲームを生き抜くアクションRPG。発売日は2026年7月9日(Steam版は7月10日)、対応機種はPS5/Xbox Series X|S/PC(Steam)となっており、プレイボリュームはメイン約30時間、サブ含め計50時間以上を想定し、エンドコンテンツも用意しているとのことだ。ロゴには「ソードアート・オンライン」の文字が入っているものの、タイトル(商品名)にはあえて入れず、既存のシリーズとは一線を画すような決意を感じることができた。
本作の核となるのは、「SAO」の原点である“アインクラッド編”をリブートしたという点。本作では、第1層から攻略を始めることができるほか、プレイヤーはキリトではなく、自分自身のアバターとして参戦。「もし自分があの世界に閉じ込められたら、どう生きるか?」というファンの想像を形にする、シミュレーション体験を目指したと語っていた。
ゲームサイクルやバトルについては、従来の“必殺技を連発する爽快アクション”から“骨太で緊張感のあるアクション”へと変化。探索についても、最初はマップが白紙の状態となり、自身でマッピングを行いながら進むことが要求される。緊張感のある中、主人公はパートナーとともにクエストに挑むことになる。基本は主人公とパートナーの二人でクエストに挑むことになり、操作できるのは主人公のみとなっている。パートナーには、本作のヒロインであるイオリをはじめ、アルゴといったおなじみのキャラも顔をそろえている。
作中にはキリトやアスナも登場するが、アインクラッド編の初期となるとキリトはビーターとして周りから嫌われていた頃。そんなキリトに、主人公たちがどう出会っていくのかも見どころの一つとなっている。
さらに、本作には「SAO」、そしてアインクラッド編ならではの要素をゲーム機能として用意。ゲームオーバー=現実世界での死という原作設定さながらの、ゲームオーバー=セーブデータ削除となる“デスゲームモード”が実装されるとのことだ。
最後には、ポリゴンピクチュアズ制作による110分超の長編プロモーション映像も発表。ゲームの時系列とは異なる独立した物語として、「SAO」の世界をより深く楽しめる内容となっているそうだ。
さまざまな武器とビルドを試しつつ、広大なマップを突き進む!
ゲーム概要を把握した後には、いよいよプレイに突入。開始時には“チェスト”と呼ばれる装備の切り替えなどが行える拠点のような場所からスタートした。


装備自体は、今回用にあらかじめ用意されていたものもあったが、基本は片手剣や細剣などの武器6種類から好きなものが選択可能となっていた。武器種によって攻撃速度などが異なるのはもちろんだが、盾の装備ができるものとできないものも存在する。
また、バーチカルやリニアーといった「SAO」ファンであれば聞き馴染みのある固有のソードスキルも用意。それぞれモーションも異なり、ものによっては癖のある動きのものもあったので、一通り試して自分の好きな武器を見つけ出してほしい。







本作では、レベルアップ時などに獲得できた“グロウポイント”を能力値に割り振り、キャラクターを成長させることができる。体力やスタミナなど7種の能力値が存在しており、どれに割り振るか迷ってしまいそうになるが、その際の判断材料の一つになるのが使用する武器だ。武器には、それぞれに能力を補正する能力値がある。なので、先に自分が使用する武器を決めた上で、能力値を振っていくのが良いだろう。
なお、能力値には“ボーナスMOD”と呼ばれるものもあり、割り振ったグロウポイントが5,10,20のようにキリの良い数値になると、ダメージアップ+〇%といった追加の能力が得られる。そのため、能力値を割り振る際は、キリの良い数値まで上げるというのもポイントとなってくる。
ちなみに、グロウポイントは相応の費用が掛かるものの“振り直し”が可能になっていた。ゲームを進めながら別の武器に変え、それに合ったポイント割り振りにすることもできるので、安心してほしい。

装備を整えた後には、今回の目的であるサブクエストへ出発するため、街へと繰り出した。はじまりの街と呼ばれる場所だが、マップを開いてみると、その広さに唖然としてしまった。その中には、鍛冶屋や道具屋も存在していたのだが、今回のプレイでは詳細を確認することはできなかった。
これだけマップが広いと、それぞれの目的地へ移動するのに手間がかかるのでは? と思うかもしれないが、先ほど挙げたチェストや鍛冶屋、道具屋といった主要な場所へは瞬時に移動できるような機能が搭載されている。
そういった機能を駆使しつつも、時には街を回って風景を見て楽しむというのも良いだろう。




街の風景を堪能した後には、サブクエスト進行のため、フィールドへと出発。主人公、そしてゲーム紹介の時に少し触れたパートナーとして本作のヒロインでもあるイオリが同行。途中にはアルゴに切り替えてプレイを進めていった。
先にパートナーについて紹介しておくと、主人公が武器によってプレイスタイルが変わってくるのと同様、パートナーもそれぞれ特徴・使用するスキルが異なる。使用するスキルを例に挙げると、イオリは回復、アルゴは周囲の敵や宝箱の位置が壁・地形越しに分かるようになるといったものになっている。
また、パートナーは基本的には自動で行動してくれるのだが、“スイッチモード”と“フリーモード”というある程度の指示をプレイヤー側で決めることができる。スイッチモードであれば、一体の強敵に挑む際、フリーモードであれば複数の敵に囲まれたときに有効なものとなっているので、状況にあわせてモードを切り替えていくことが重要になってくる。
その他にも、パートナーと連携した強力なスキルも存在。パートナーには、まだ詳細が公開されていないキャラクターもいるとのことなので、自分の好きなキャラで選ぶのはもちろん、その時の目的や状況、プレイスタイルにあわせてバディを組んでみよう。



フィールドでは、目的地の確認も兼ねてマップを開いてみたのだが、こちらもかなりの広さとなっており驚いてしまった。迷わずにたどり着けるかという不安もあったが、基本的にはマップにも表示されている大きな道に沿って進んでいけば、“セーフティーエリア”と呼ばれる中継地点のような場所へたどり着くことができる。まだ行ったことのないセーフティーエリアについては、光の柱が見えるようになっているので、それを目印に進んでいくのも良いだろう。
セーフティーエリアでは休憩し、HPなどを回復できるのはもちろん、アクティベートすることで周囲の地形がマップ上に表示されるようになる。このように自らマッピングし、探索を進めていくことが本作の魅力の一つとなっている。また、セーフティーエリアからは最初にいた街へと帰還することができるので、一息つきたい時や装備を変更したい時は訪れることになる。
さらに、セーフティーエリアからは道しるべ的なものがフィールド上に表示されているので、困った時にはその方向へ進んでみるとよいだろう。




目的地はもちろん、セーフティーエリアを目指してフィールド上を駆け巡っていたのだが、紹介にもあったように、バトルは中々に歯ごたえのあるものになっていると感じた。
プレイヤーは主人公を操作し、ライト/ヘビーアタックやスキル、回避、ガードなどを駆使してモンスターたちと相対することになる。一体ずつであれば、パートナーがいるということもあり、苦戦せずに倒すことができるのだが、画面上に特殊なエフェクトが発生し、他のモンスターとは少し違う強敵が相手となると状況は一変。強敵だけでも相手にするのが大変なうえに、通常のモンスターを何体も引き連れていることが多く、一瞬の油断が命取りとなるような、緊張感のあるバトルとなっていた。


また、フィールドを進んでいくごとに出現するモンスターも変化していき、空中から攻撃を仕掛けてくるものから、こちらを状態異常にしてくるものなど多種多様となっていた。相手をせずに目的地まで駆け抜けることも可能ではあったものの、一度モンスターに見つかると執拗に追いかけてきて、気が付くと後ろはモンスターの行列のようなことになってしまった。
主人公には体力の他、スタミナが存在し、攻撃やダッシュなどで消費することになる。普段の移動では問題ないのだが、モンスターに見つかった状態だと、ダッシュでもスタミナを消費することになる。なので、モンスターに追いかけられている時だと、逃げ切るために常にスタミナを消費し続け、いずれは底を尽きてしまう。そうなった場合は…と考えると、出会った時にはスキルなどを出し惜しみせず、各個撃破していくのが良いだろう。



フィールドでは、強敵などを倒した時はもちろん、宝箱などからさまざまなアイテムが入手可能。素材のようなものから新たな武器まで種類はさまざま。これらを求めて、フィールドを探索するのも楽しみの一つとなっている。
ただ探索する際に覚えておいてほしい点がいくつかある。一つ目が高所や水地形があるエリアだ。場所によっては岩が連なり、地形の高低が生まれ、「このまま落ちたらただでは済まないだろう…」と思うような場面も。物は試しということで降りてみたが…結果としてはペナルティ的なものは発生せず、それに合わせたモーションが発生し、最終的には元の位置へ戻されることとなった。
二つ目が、メニュー画面などを開いている時。考え事をしつつ、ついつい油断しがちなタイミングだが、ゲーム内の時間は進行している。そのため、遠くにいた敵に見つかり、どんどんとこちらへ近付いてきて、攻撃を受けるといった場面も存在した。
これらの点には気を付けつつ、バトル、そして探索を進めていくことをおすすめしたい。





ゲームにも慣れてきたところで、バトル中に行える有効なテクニックをいくつか試してみることに。それが敵の攻撃にタイミングよくガードすることで発生する“パリィ・スラッシュ”、その回避版となる“ドッジ・スラッシュ”。そして、強敵などが行ってくる特定の攻撃(青いリングエフェクトが発生)から行える“リバーサル・スラッシュ”だ。
どれも強力なものとなっており、決められれば優位にバトルを進められるのだが、なかなかにタイミングがシビア。例えば、パリィ・スラッシュだと、タイミングよくガードを成功させたうえで、他のボタンを間髪入れずに入力しなければならないので、ガードを成功できても追加のボタン入力が間に合わないこともしばしば。リバーサル・スラッシュでも同じようなことになり、結局最後まで発動させることは叶わなかった。
とはいえ、こちらを使用せずともゲームを進めていくことができたので、必須のテクニックとはならなさそうなので安心してほしい。ある程度、ゲームプレイに余裕ができてきたら試し、腕に磨きをかけてみよう。


フィールドの探索や装備を切り替えるなど、さまざまな楽しみ方をしていると、プレイ時間が残りわずかに。まだサブクエストの目的地に待ち受けているであろうボスの姿すら確認できていないので、急いでプレイを進めることに。
目的地に到達すると、そこには予想通りボスが待ち受けていたのだが、その数何と三体。一体を相手にするだけでも手間取っていたのに同時に複数体相手にするのはなかなか骨が折れそうと思いながらも挑むことに。範囲攻撃も複数体が使用するとなると、はたして安全な場所はあるのか、と戸惑いながらもコツコツとヒット&アウェイを繰り返し、ボスのHPを削っていく。
最初は姿だけでも拝めたら御の字だと思いながら戦っていたが、最終的にはそのまま倒し切ることに成功。骨太で緊張感のあるアクションが特長の本作だけに、その達成感も大きいものとなっていた。





今回のプレイでは、「Echoes of Aincrad」のほんの一部を体験するにとどまったが、それでも一人の「SAO」ファンとしては、あのアインクラッド編の第1層、第2層を自身が主人公となって体験できるというだけでもかなり期待感が高まるものとなっていた。それこそ、キリトやアスナたちのような原作キャラクターたちとどのように関わっていくのかなど、気になる点も多いだけに、今後の続報にも期待したいタイトルとなっている。
ヒロインであるイオリは“おっさん”アバターで登場!?キリトの代名詞である二刀流は…
プレイの後には、今回の体験を踏まえた上での制作担当 八幡泰広氏と「SAO」ゲーム総合プロデューサー 二見鷹介氏へのインタビューが行われたので、そちらの模様もお届けする。

――なぜ今アインクラッド編をリブートすることになったのか?開発経緯などをお聞かせください。
二見:過去のゲームシリーズは、原作の75層クリア後から始まる「インフィニティ・モーメント」を起点に展開してきました。
しかし、最新のアニメシリーズ(アリシゼーション)が終わり、次の展開を控える今、改めて“デスゲームが始まった瞬間”をプレイヤーに体験してほしいと考えました。
これまでのシリーズとは異なる世界線で、一から「SAO」を再構築し、プレイヤーが自らアインクラッドを攻略していく物語を楽しんでもらうことが企画の出発点です。
――開発期間はどのくらいかかっているのでしょうか?
二見:企画の構想自体は2019年(フェイタル・バレット終了後)からありましたが、本格的に方向性が決まり動き出したのは2021年頃です。トータルで約4年の制作期間をかけています。
――初期案から大きな変更はありましたか?
二見:初期はマッピングが細かく、リソース管理もシビアで、今よりももっと“デスゲーム”していました(笑)。
あまりにもストイック過ぎたので変更しましたが、マップを開けていく楽しさ、そしてアクションに寄せていきました。
――「デスゲームモード」採用の経緯をお聞かせください。
二見:開発チームで“「SAO」らしさとは何か”を議論した際に出たアイデアです。今の時代、配信者ややり込みプレイヤーが緊張感を持って遊べるモードが必要だという話になりました。
ゲーム自体は、レベル上げればクリアできる仕様にはなっています。レベルを上げ、ビルドを組んでいけば、死なずにクリアできるかもしれないという中、初見で敵の攻撃もわからない、どう挑めばいいのか、というのは「SAO」らしさがあると思い、採用しました。
――本作の難易度はどのように設定できるのでしょうか?
八幡:難易度は「ストーリー」「ノーマル」「ハード」「ベリーハード」の4段階があり、これとは別に「デスゲームモード」の選択が可能です。そのため、アクションが苦手な方でも「ストーリー難易度のデスゲームモード」で緊張感を味わうといった遊び方もできます。
――本作は「プログレッシブ」をベースにしているのでしょうか?
二見:特定の作品をそのままベースにしているわけではなく、「SAO」の始まりである1層・2層を舞台に、ゲームオリジナルの構成にしています。ただ、「プログレッシブ」で生まれた設定や共有できる要素は積極的に取り入れています。
――ストーリーのボリュームや進行についてはいかがですか?
二見:原作の100層全てを作ると開発に10年以上かかってしまいそうなので、今回は「デスゲーム開始直後のエピソード」を1つの大きな物語として濃密に描いています。
特にこだわったのは、当時の「生々しさ」です。例えば、今回登場するイオリというキャラクターは、最初は“おっさん”のアバターで登場します。しかも「俺についてこい」と熱く語る、プレイスタイルが少し鬱陶しいタイプとして描かれています(笑)。しかし、姿をリアルに変えられるアイテムの影響で、実は「超美少女」だったことが判明し、周りがザワつく……といった、当時のMMOらしい空気感を大切にしています。
その他にも、1層時点でのキリトは周囲から「ビーター」として嫌われ、プレイヤーたちも「本当に帰れるのか」という絶望や葛藤を抱えています。アニメのヒーロー的なキリトではなく、当時の殺伐とした空気感を、一般プレイヤーの視点から描く物語となっています。
――キリトの代名詞である「二刀流」は使えますか?
八幡:現状、二刀流は実装していません。二刀流は物語の終盤で発現するユニークスキルという設定があるため、下層を舞台にした本作で安易に出してしまうと、世界観のリアリティを損なうと考えたためです。今回はあくまで一プレイヤーとして、アインクラッドの土台を楽しむ体験を優先しています。
――フィールドはどのような構造になっていますか?
二見:オープンワールドではなく、各層ごとにエリアが繋がっている形式です。メインクエストを進めるごとに探索範囲(ピース)が広がっていきます。
サブクエストも豊富で、メインルートから外れた場所を探索するための動機付けになっています。その他にも、特定のアイテムがないと進めない場所や、松明がないと視界が確保できない暗い洞窟など、MMORPGらしい攻略の楽しさを盛り込んでいます。
――キャラクターとの「好感度」などの交流要素はありますか?
二見:いわゆる恋愛シミュレーションのような「好感度システム」はあえて入れていません。その代わり、クエストを通じてキャラクターの意外な一面を知ったり、深い悩みに触れたりといった「キャラ掘り下げ」には力を入れています。
――アルティメットエディションの特典に「110分超のCGアニメ」を付けた意図は?
二見:ゲームの3Dモデルを活かしつつ、アニメとはまた違う情報量の多さ(モンスターの質感や背景の綺麗さ)を表現したかったためです。
映像はアルティメットエディションに付属し、単なる特典の域を超えたボリュームになっています。アクションRPGとしての本編とあわせて、SAOの世界に浸りたいファンの方にはぜひ手に取っていただきたいです。
(C)2020 川原 礫/KADOKAWA/SAO-P Project
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