カプコンが2026年に発売を予定しているPS5/Xbox Series X|S/PC(Steam)用ソフト「鬼武者 Way of the Sword」。本作の実機プレゼンと開発インタビューの模様をお届けする。
2001年に第一作目が登場した「鬼武者」シリーズは、戦国時代を舞台に、超人的な“鬼の力”を得た若武者である“鬼武者”と世界征服を目論む怪物“幻魔(げんま)”たちとの戦いを描いた作品。本作では、瘴気に侵され妖しさ漂う江戸時代初期の「京都」が舞台となっている。
今回の実機プレゼンでは、「鬼武者 Way of the Sword」の清水寺ステージを舞台にゲーム内容の紹介が行われた。なお今回紹介が行われた部分については、開発中のため製品版と異なる部分があることはご了承いただきたい。

本作の主人公となるのは宮本武蔵。後に剣豪と称されるが、本作ではそこには遠く及ばない修業中の青年として描かれている。武蔵は天下無双を掲げ、強者たちと戦う旅に出ていたが、意図せずして鬼の籠手を付けることに。籠手を外す方法を模索するのが最初の目的となるようだ。
まず紹介されたのは、本作のアクションについて。敵を攻撃すると放出されるのが、「鬼武者」シリーズではお馴染みの“魂”。魂には種類があり、青魂でスキル、黄魂で体力回復、赤魂で経験値獲得などの効果がある。魂は一定時間経過で消えてしまうので、タイミングを見極めながら戦略的に吸収するのが攻略のカギとなる。
また、パリィをすると敵の攻撃を受け流して、敵を壁やギミックにぶつけて倒すことも可能。かがり火に当て、敵を燃やしてダメージを与えるといった、周りのギミックを使った攻略もできる。さらに、受け流しと違う入力でできるパリィ要素“弾き”では、敵の遠距離攻撃を弾き返すことができ、刀などの近接攻撃を正面から弾き返すことも可能となっている。
そのほか、敵の攻撃に合わせてタイミングよく攻撃ボタンを押すと発動できる、「鬼武者」シリーズの剣戟における代表的なアクション“一閃”についても確認できた。本作では攻撃モーションの太刀筋に合わせて、ズバッと切断する気持ちよさにこだわっているとのこと。敵が複数いる状況では、一閃成功後にタイミングよくボタン入力することで連鎖一閃が発動でき、次々と敵を斬ることができる。
ちなみに、本作における防御は全方向から可能となっているが、防御をし過ぎると体勢が崩れてしまうので注意が必要となっている。




ステージを進んでいくと、現れたのが“黒魂”と呼ばれるもの。黒魂は、殺された人たちの怨嗟や負のエネルギーが具現化したもので、これを吸収すると、その場所で起きた過去の映像を見ることができる。
その後には、武蔵が籠手と会話するシーンもあったのだが、その声の主は公開されているPVでも姿を確認できる女性とのこと。彼女が何者なのか、明らかにはなっていないものの、ストーリー上だけではなく、ゲームプレイ以上でも武蔵に協力をしてくれる重要な人物となるようだ。
さらに先に進むと、さまざまな幻魔が出現。時には忍者のような姿、そして素早い動きで翻弄してくるような幻魔も確認できた。そして、幻魔との戦いはもちろん、武蔵と同じように籠手を付けた佐々木巌流に加えて、百穢と呼ばれるボスとの戦闘も。
ボスとの戦闘時には、体力ゲージの下にある“力動ゲージ”についての説明も行われた。力動ゲージは弾きで大きく減すことができ、削り切ると“崩し一閃”が発動可能に。崩し一閃を狙う部位は選択可能で、狙う場所によって効果が変化するとのこと。QTEのように一瞬ではなく、ある程度の猶予がある中で部位選択は可能になるようだ。
佐々木巌流、そして百穢との戦いを終え、実機プレゼンは終了となった。「鬼武者 Way of the Sword」の概要については、別記事でも紹介しているので、あわせてチェックしてほしい。
プレゼンの後には、「鬼武者 Way of the Sword」ディレクター・二瓶賢氏とプロデューサー・門脇章人氏へのインタビューが行われたので、そちらの模様もお届けする。
――シリーズとして約20年ぶりに新作を出すに至った経緯をお聞かせください。
門脇:社内ではずっと「鬼武者」の新作を作りたいという思いはありました。ただ、他にやらなくてはいけないタイトルもあり、そちらを優先せざるを得なかった状況だったため、なかなか着手することができませんでした。
“RE ENGINE”の成熟度が上がり、作れる環境が整った中で、開発のコアになるメンバーが集まるタイミングがあり、そこで作ろうという話になりました。20年の頭くらいなので、もう6年ぐらい前ですね。
――作品としては初代の「鬼武者」に近いものを感じたのですが、初代に原点回帰するというようなコンセプトはあるのでしょうか?
二瓶:公にはあまり言っていないのですが、意識したのは初代のダークな世界観や侍のカッコよさだったので、そういった点では影響を受けていると思います。
――初代の影響を受けているとのお話でしたが、逆にここは過去作を超えようと思っていたポイントはありますか?
二瓶:昨今、侍が活躍するゲームが流行っているので、差別化しつつ、原点に変えるという点は意識していました。鬼の籠手を付けて、魂を吸収しながら駆け引きで戦う部分は、「鬼武者」シリーズの伝統として引き継いでいます。
その中で、一閃の気持ちよさをどう表現するかはずっと考えてきたポイントでした。その1つの手法として、今までできなかった切ったベクトルに合わせて切断に持っていく形で、自分が操作した感覚をより得られるものとなっています。
――「鬼武者 Way of the Sword」は過去の「鬼武者」シリーズをプレイしていなくても遊べる仕様になっているのでしょうか?
二瓶:世界観やキャラクターは過去作とは全く違う、新たに構築したものとなっており、入り込みやすいようにしています。過去作をプレイしていたユーザーと新規プレイヤーの体験を同じにしたいという思いもあったので。
――宮本武蔵のフェイスモデルで三船敏郎さんを起用した経緯があればお聞かせください。
二瓶:“血にまみれ泥にまみれ”というキーワードを映画の中でやっている人は誰だと考えた時に、まさにこの方だったというのがあります。
門脇:私たちが作りたかった宮本武蔵という侍キャラクターのアイコンとして三船さんの顔を使わせていただいたという形です。なので、三船さんだからこういうことができるというのは考えいませんが、三船さんならではの味は使わせていただきたいという思いもあったので、知っている方なら気付けるポイントはあるかもしれないです。
――宮本武蔵と佐々木小次郎は他の作品でも描かれることの多い人物ですが、「鬼武者 Way of the Sword」ならではの特徴、ポイントがあればお聞かせください。
二瓶:本作の武蔵は、かたっ苦しくない人間味あふれるキャラクターとして描いています。巌流に関しては、独学で剣術を磨いたという設定で、性格的には狂気を感じるようなキャラクターとして描いており、武蔵との対比を意識しながら作りました。
――宮本武蔵は細谷佳正さん、佐々木巌流は岡本信彦さんがそれぞれ演じていますが、ボイスについてもキャラクターを意識した上でのキャスティングなのでしょうか?
二瓶:おっしゃる通りで、キャラクターの性格やデザインを含めて考えてきました。
――佐々木小次郎について、なぜ下の名前を巌流にしたのでしょうか?
二瓶:グローバルな言いやすさも含めて、巌流という癖をつけた名前にしました。巌流島で戦うからというダイレクトな理由で付けたわけではありません。
――佐々木巌流がかなり印象的なキャラクターとして記憶に残っているのですが、基本的には今回の清水寺ステージのように急に現れて、武蔵と戦うような場面が多いのでしょうか?
二瓶:そうですね。やはり1回だけ出てきて終わりにしたくないキャラクターなので、深い絡みはストーリーの中で起きていきます。
――ちなみに、巌流の籠手にも武蔵のものと同様に中の人はいるのでしょうか?
二瓶:どうでしょう(笑)。今はまだ言えないですね。
――「鬼武者 Way of the Sword」では、武蔵を軸としたストーリーだけで展開されていくのか、もしくは過去作のように仲間のキャラクターも存在しているのでしょうか?
二瓶:1よりかは仲間となるキャラクターが現れることになります。共闘アクションなどは存在しないのですが、詳細は今後の情報をお待ちいただければと思います。
――ゲーム内での世界観の広がりについてお聞かせください。
二瓶:今回お見せした清水寺を軸としたリニアステージが複数存在し、それを進めることよってストーリーが進んでいくというものがベースの進行になります。また、NPCとの会話でサイドミッションが発生するといった要素もあります。
――過去作ではコミカルな要素も含まれていたと思いますが、「鬼武者 Way of the Sword」ではダークな世界観を前面にした作りとなっているのでしょうか?
二瓶:そうですね。コミカルさよりも、しっかりとしたドラマを描きたいという点は1に近い要素としてあると思っています。ただ、かたい時代劇にしたいわけではなく、武蔵のキャラクター性や巌流の狂気な感じは、人によっては面白く見えたりもするので、そこは受け取り方次第なのかと思います。
――アクションの操作性は複雑なのか、それとも誰でもプレイできるくらい簡単なものになっているのか、どちらでしょうか?また、ゲームの難易度についてもお伺いできればと思います。
二瓶:操作周りについては、アクションゲームが好きだけど苦手なユーザーでも触れられるというところは目指して作っています。制作過程でもボタン配置を変えながら、どうやったらもっと馴染むかなどを考えています。難易度に関しては、死にゲーにはしないというのをチームの目標として設定しております。
――切断表現などはオプションで切り替え可能なのでしょうか?
門脇:部位欠損や出血表現はオプションで調整できるようにしています。デフォルトの設定ではすべてオンになっているので、レーティング的にはおそらくZレーティングになるかと思います。
――最後に作品を楽しみに待つファンへメッセージをお願いします。
二瓶:「鬼武者」シリーズが約20年の時を経っての復活なので、まずはこのように情報を届けることができて嬉しく思っています。これから新しい敵やロケーション、そしてアクションをお見せできると思うので、楽しみにしてもらえればと思っております。
門脇:2月の発表以来、約2ヶ月ぶりぐらいの新情報となりましたが、次は8月の「Gamescom」に出展するのが決定しているので、あわせて新たな情報を出せるように準備しています。もっとご期待いただけるような情報を出していきたいと思っているので、楽しみにお持ちいただければと思っています。よろしくお願いします。

(C)CAPCOM
※画面は開発中のものです。
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