スパイク・チュンソフトが4月25日に配信したiOS用アプリ「かまいたちの夜 Smart Sound Novel」。スマートサウンドノベルシリーズ第1弾として配信された本作のインプレッションをお届けする。
「かまいたちの夜 Smart Sound Novel」は、映像とサウンドを背景に物語を読み進め、プレイヤーの選択によってストーリーが大きく変化する“マルチストーリー・マルチエンディング”というスタイルが特徴のサウンドノベル「かまいたちの夜」を、スマートフォンやタブレットなどの端末向けに最適化したアプリだ。
ストーリーはオリジナル版「かまいたちの夜」の内容が全編収録されており、吹雪で外界と隔絶されたペンションで起こる殺人事件と、そこに閉じ込められた人々が織り成す物語が楽しめる。
また、タッチやスワイプといった操作方法に対応したほか、HD画質で新たに撮影したグラフィックや、オーケストラ演奏を含むサウンドの再収録が行われている。演出にも手が加えられており、ゲームでも電子書籍でもない、新感覚の“スマートサウンドノベル”として物語を読み進めることができる。
アプリを起動してゲームを始めると、まずは背景や文字の明るさ、テキストのサイズにフォント、音量や残酷表現などが設定できる。文字や明るさの設定は、その場でサンプルテキストを見つつ調整することが可能だが、自分に合った設定にするには、実際にプレイして確かめつつ調整するのが一番だろう。
ゲームプレイ中に画面を2本指でタップすると、目次画面が開き、そこから設定のページに移動できるようになっている。ノベルタイプのゲームはストレスなく物語を読み進めることが重要となってくるので、ゲームを始めてすぐのタイミングで設定を合わせておくといい。
「かまいたちの夜」はさまざまなプラットフォームで展開されているが、本作をプレイして始めに気付くのは、テキストの表示方法が従来と変わっていることと、シリーズの特徴でもあるシルエットのキャラクターが登場しないことの2点だ。
家庭用ゲーム機ではボタンを押してテキストを読み進めていくタイプだったが、本作では場面ごとのテキストが一気に表示され、フリックでテキストを上にスライドしつつ読んでいくシステムが採用されている。過去に別のプラットフォームで「かまいたちの夜」をプレイしていた人からすると、徐々に表示されるテキストを読み進めていく形式とは異なっているので、その点に違和感を覚えてしまうかもしれない。
とはいえ、スマートフォンやタブレット向けに配信されているノベルタイプのゲームでは、タップして次のテキストを表示させるまでの少しの間が、テキストを読む速度と合わなかったりしてストレスを感じることもあるだろう。そのストレスがなく、自分のペースで読み進められるのは大きなポイント。
演出の方法が変わっているといっても、力の入れ具合は変わらず、今作ならではのこだわりが感じられる。ページの最後までテキストを読み進めると、上にフリックすることで次のページに進むのだが、その際の音楽の切り替わりが非常にスムーズだった。
例えばゲーム序盤、舞台となるペンションの談話室で脅迫状を見つけてしまった話をしている最中に、陽気な関西人の香山誠一さんが登場してくるシーンなど、場面転換に合わせたBGMの切り替わりは見事の一言。
もちろん逆のパターンとして、明るい雰囲気から一転してシリアスな展開になる場面もある。BGMだけでなく、効果音も緊張感を煽るものがしっかりと用意されているので、事件が起きたとき、一気に物語に引き込まれるような空気感は、何度プレイしても楽しめる味わい深さがある。
登場人物のシルエットがなくなったことで、香山さんの陽気さや、室内でもサングラスとコートを外さない田中一郎さんの怪しさといった雰囲気が視覚的に味わえないのは筆者としても残念ではあるが、背景がオリジナル版と同じ舞台で新たに撮影されているなど、本作ならではの味があるのも確か。
背景も単にグラフィックがHD化してキレイになっただけでなく、一部のシーン、窓が開いた室内でカーテンがはためいている場面では背景がアニメーションによって表現されているなど、細かいこだわりもある。
演出や表現手法が変わったことで、オリジナルの雰囲気が好きな人からすると賛否両論ありそうだが、デバイスに合わせてストレスなく遊べるように作られているタイトルだと感じた。言うまでもなく物語の面白さは折り紙つきなので、iOS向けのアプリで面白いノベルゲームを探している人には特にオススメしたい。
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※画面は開発中のものです。
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