PS3「BEYOND: Two Souls」モーションキャプチャーやインターフェースデザインにこだわるクリエイター陣にインタビュー

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Quantic Dreamは、フランス・パリの同社社屋において、3月19日(現地時間)にスタジオツアーを実施した。ここでは、アートディレクター、ツールプログラマー、ゲームプレイリードを務めるクリエイター陣へのインタビューをお届けする。

PS3「BEYOND: Two Souls」は、不思議な力を持った少女「ジョディ」と彼女だけがコンタクトできる霊体「エイデン」による、数奇な運命を辿るサイコスリラーアドベンチャーだ。

ハリウッド俳優のエレン・ペイジさんやウィレム・デフォーさんを起用。パフォーマンス・キャプチャーと呼ばれる最新技法により顔の表情を再現することで、多彩な感情表現を実現している。

今回、Quantic Dreamのアートディレクター Christophe Brusseaux氏、チーフプログラマー Damien Castelltort氏、さらに、ゲームプレイリード Caroline Marchal氏にお話しを伺うことができた。

隠れたストーリーを感じられる演出を。Christophe Brusseaux氏とDamien Castelltort氏にインタビュー

Christophe Brusseaux氏(以下、Christophe氏)は、2001年にQuantic Dreamに参加。同社では、特長あるアートスタイルを構成する基礎を築きあげ、ゲームアートディレクションを担っている。

Damien Castelltort氏(以下、Damien氏)は、Quantic Dreamで12年間ツールプログラマーを務める。本作では、チーフプログラマーとして活躍し、モーションキットをベースにゲーム内のすべてのキャラクターの自然でリアルな動きを再現するプログラマーチームを統括している。

両氏に、モーションキャプチャーでの撮影、キャラクターや舞台の表現方法について訊いた。

――本作を制作するにあたって、どのようなチャレンジをしましたか?

Christophe Brusseaux氏
Christophe Brusseaux氏

Christophe氏:「HEAVY RAIN」とは異なる新たなエンジンを開発したことと、ハリウッド俳優を起用したことです。

今回、パフォーマンス・キャプチャーに切り替えて、役者の身体や顔の動きをすべてキャプチャーできるようにしました。「HEAVY RAIN」では、同時に2人までしかできなかったキャプチャーを、6~7人まで可能にしました。

また、以前は身体と顔のキャプチャーを別々に行う必要があり、役者にとっては非常にやりづらく、多くの時間を必要としていました。今回は、身体と顔のキャプチャーを同時に行えるようにしたため、役者にとっても演技をしやすくなったと思います。

――Quantic Dreamのゲームは、Davidさんの思想が強く反映されていますが、作業する上で重要なポイントはどこですか?

Christophe氏:Davidと13年間仕事をしてきて、Davidの思想はQuantic Dreamの文化になっています。毎日、Davidとコミュニケーションをとり、考え方を統一しています。

私たちの仕事は、Davidの強いビジョンに向かっての前進をサポートすることです。私たちが作っているのはビジョンではなく、それを実現するためのツールです。

グラフィックについても同じで、メインストーリーに見えない形で貢献できるようなグラフィックを目指しています。たとえば、友だちのアパートに置いてある物から、そこで生活する人物について想像できます。そのように大きなストーリーがあるだけでなく、さまざまな物から隠れたストーリーを感じ取ることができます。

――ホームレスのシーンなどにも隠れたストーリーがあるのですか?

Christophe氏:はい。壁に貼られたポスターに描かれた広告によって、そこで生活する人についてや、何を求めているかを知ることができます。

――Quantic Dreamの作品は、感情を表すことを重視していますが、どのような苦労をされていますか?

Christophe氏:Davidが書いたシナリオによりキャラクターがつくられ、役者の演技が重要な要素になっています。

パフォーマンス・キャプチャーで撮影したシーンをもとに、アニメーションや設定などテクニカルな部分を抽出し、虫眼鏡で演技を拡大するように大事な部分に焦点を当てます。その後、カメラアングルなどを調整し、感情を表現していきます。

映画では、役者の演技に対して、ライティングやカメラアングルなどを調整し感情を引き出しますが、本作でも同じようにライティングなどを使って、優しいところでは柔らかい光を、激しいシーンではドラマティックな光でシーンを盛り上げる演出をしています。

――映画とは異なる演技の要求をされましたか?

Damien Castelltort氏
Damien Castelltort氏

Damien氏:モーションキャプチャーですから、セットも無いですし、実際とは異なった環境で演技をしてもらいました。映画は、2時間くらいのコンテンツですが、ゲームはもっと長くなります。その分、覚えるセリフが多くなりますし、撮影期間も長くなり、役者の負担も大きくなります。

――眼球の動きはどのようにキャプチャーされているのですか?

Christophe氏:実際に眼球の動きをキャプチャーするわけではありませんが、まぶたなどのポイントをキャプチャーして復元しています。

――感情を表現する上で目の動きは大切ですよね。

Christophe氏:はい、もちろん大切です。ジョディが泣いているシーンがありますが、シワには注意を払って、表現しています。

――日常的にスタッフや家族の表情も観察しているのですか?

Christophe氏:はい。地下鉄のライティングや、寝てる人、疲れている人などを毎日観察しています。全てが、影と肌のディテールに見えてきたら、職業病ですね(笑)。

――「Fahrenheit」は雪、「HEAVY RAIN」は雨というテーマがありましたが、本作にはそういったテーマはありませんよね。難しかった点はありますか?

Christophe氏:他の作品が数日間のストーリーであったのに対し、本作は、ジョディの人生を通した大きな物語です。ステージも大きいですし、さまざまな状況におかれます。人生という長い時間を通して、季節や背景など視覚的な部分でも、時間の経過がわかるようにしています。

ジョディのヘアカットや服装も年代ごとに変えており、プレイヤーが今どの時代にいるのかが視覚的にわかるようにしています。

――15年間を描いた物語で、街や背景をつくる上でのこだわりを教えて下さい。

Christophe氏:Davidの台本には、細かいアイデアが書かれています。彼のロケーションに対する思い入れなどがあり、それをどのように表現するかを検討します。ストーリーにリンクされていることが重要で、それに基づいて写真を撮ったりします。重要なのは、ストーリーにとって大事なことは何かということです。

――街や世界の変化も反映されるのですか?

Christophe氏:はい、全て反映されています。服装や環境を通して時代の流れを感じ取ることもできます。

Damien氏:ジョディの周りのキャラクターも年老いてきます。

――ジョディの成長に応じて、ゲームプレイも変わるのですか?

Damien氏:ジョディが赤ちゃんの時は、おもちゃを持ち上げるような操作もあります。成長するにつれて、違う動作もできますし、エイデンの能力も違ったものに変化します。

――ありがとうございました。

直感的な操作をを実現。Caroline Marchal氏にインタビュー

Caroline Marchal氏(以下、Caroline氏)は、2003年にプロデューサーとしてQuantic Dreamに参加。David Cage氏とともに「HEAVY RAIN」の開発に従事する。本作では、ゲームプレイリードを務めている。

本作のインターフェースや操作について、お話を伺った。

――より直感的なインターフェースにするうえで、苦労した点は?

Caroline氏:QTE(Quick Time Event)と同じように幅広いコントロールを可能にすることと、直感的な操作を実現することが難しかったです。

目立たない直感的なインターフェースを実現するうえで、カジュアルゲーマーに対しても、画面を見て、どんな操作をするかわかるようにする点に苦労しました。

――ジョディとエイデンで操作が異なりますが、難しかった点はありますか?

Caroline氏:難しかったですが、同じような感覚で操作できるように心がけました。

――エイデンでのゲームプレイの魅力を教えて下さい?

Caroline氏:エイデンとして一番楽しいことは、透明な存在であり、力をもっていることです。人間以上の力でいろいろな環境に影響を及ぼせる点が楽しいです。E3でお見せしたSWATのシーンにもある通り、さまざまな影響を与えられる点がエイデンの魅力です。

――エイデンがプレイヤーの手を離れて暴走することもあるのですか?

Caroline氏:詳しくは言えませんが、エイデンは驚きに満ちた存在で、時にはジョディの同意しない行動を起こすこともあります。

――メインストーリーと外れた寄り道要素などはあるのでしょうか?

Caroline氏:メインストーリー以外にもマップを探索することができます。今の時点では、コレクタブル要素はありませんが、探索することによって、ジョディのことをもっと知ることができます。

――会話の選択によって話の流れが変わるのでしょうか?また、メインストーリーにも影響があるのでしょうか?

Caroline氏:もちろんです。

――選択肢を選んだあとで、改めて別の選択することは可能ですか?

Caroline氏:人生と同じで、その時の判断がその後のストーリーに影響します。その時点で選択を変えたい場合は、前のチェックポイントに戻って選択し直すことになります。

――これから発売までの期間どのような部分をブラッシュアップしていきますか?

Caroline氏:ゲームの進行速度など細かな調整を行うほか、ユーザーテストを行います。

――ゲームプレイの完成度はどの程度でしょうか?

Caroline氏:85~90%くらいです。最後の10%が一番難しいです。

――どこを注目してほしいですか?

Caroline氏:エイデンの操作感です。新しい要素として入れ込んでいるので是非楽しんでもらいたいです。QTEではない、新しいアクションのゲームプレイも楽しんでもらいたいですね。

――日本のユーザーにコメントを下さい。

Caroline氏:新しいストーリー、ゲーム、体験に期待していて下さい。プレイヤーがジョディの人生に共感できることを期待しています。

――ありがとうございました。

※画面は開発中のものです。

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