7月18日から20日まで京都・みやこめっせ(京都市勧業館)にて開催されているインディーゲームの祭典「BitSummit the 13th Summer of Yokai」。AREA35ブースにて出展されている新作ゲーム「PROJECT BLITZ(仮)」のプレイインプレッションをお届けする。
また、本記事では開発会社であるAREA35の代表取締役社長・由良浩明氏のミニインタビューも掲載している。

「PROJECT BLITZ(仮)」はAREA35が開発中のタイトルで、今回の「BitSummit the 13th Summer of Yokai」には実装予定モードのひとつである見下ろし型のマルチ対戦型シューティングがプレイアブル出展されていた。最大4人で対戦できるパーティーゲームのようなモードで、みんなでわいわい楽しみながらプレイすることができる。
ルールはいたってシンプルで、プレイヤーはそれぞれ人型のキャラクターを操作。装備している銃やフィールド上で入手できる攻撃アイテムなどで相手を撃ち倒すごとにキルポイントが加算されていく。
途中で倒されても一定時間が経過するとスタート地点からリスポーンするので、何度倒されても最後までプレイすることが可能。制限時間終了時に、もっともポイントが高かったプレイヤーが勝者となる。

本作の大きな特徴となっているのが、バトル中にフィールドに投下される「メタル」と呼ばれる戦車ユニットの存在。乗り込んで敵を攻撃することが可能で、さらに誰かひとりが搭乗するとカウントダウンが開始。ほかのプレイヤーにメタルを破壊されたりせず、30秒間乗り続けることができたら一気に10ポイントを獲得することができる。
メタルのHPは画面の右側に表示されていて攻撃を受けるごとに減少。HPがゼロになると破壊されるが、一定時間が経過すると、またフィールド中央に投下される。ただし、通常の銃だけではなかなかタンクのHPを減らすことはできない。砲撃による攻撃も強力なため、うかつに近づくと返り討ちに合う危険があるのだ。


そのため、メタルを倒すにはフィールド内に定期的に投下されるコンテナから入手できるグレネード、ロケットランチャーといった強力な武器の使用が求められる。特に、タンクに対して有効なのがロケットランチャーで、攻撃をヒットさせるとメタルはスタンして操作不能となる。そして、このスタン状態のときに、ほかのプレイヤーが乗り込むことで相手からメタルを奪取できるのだ。
10ポイントを獲得できれば一気に有利になるだけに、最初はメタルをめぐって4人が攻防を繰り広げるのだが、誰かがメタルに乗り込んだら、そこからは相手にポイントを与えないため3人で協力してメタルを攻撃していくことになる。このメタルをめぐる駆け引きが本作の最大の魅力と言えるだろう。
たとえば、あらかじめロケットランチャーを入手しておき、いずれかのプレイヤーがメタルに乗り込んだら即座に撃ち込んで奪取するといった戦略を取ることも可能。また、メタルのHPは回復しないため、HPが低い状態のときにあえてほかのプレイヤーを乗り込ませ、すぐさま強力な攻撃で破壊してキルポイントを稼いだりと、さまざまな戦い方ができそうだ。


今回出展されたバージョンでは入手できる武器はグレネードとランチャーのみだったが、ほかのアイテムの導入も検討されているとのこと。武器やアイテムの種類が増えれば、さらに多彩な駆け引きを楽しめそうだ。
ちなみに、今回出展されたバージョンは数あるモードのひとつにすぎず、ほかのプレイヤーと協力してのPvEといった、さまざまなモードが搭載される予定。対戦の形態も今回はメタルをめぐる攻防がメインになっていたが、ほかにもさまざまな対戦ミッションが登場予定とのことだ。
「BLITZ(電撃戦)」というタイトルどおり、短時間でサクっと楽しめる本作。最初は多少慣れが必要だと思うが、決してハードルは高くはなく、何度かプレイすればすぐにコツをつかめるのではないだろうか。今回出展されたバージョン以外にも多彩な形態の対戦やモードが登場予定とのことなので今後の展開に期待したい。
開発を手掛けるAREA35の由良浩明氏にインタビュー
――メタルをめぐる攻防が最大の魅力になっていますが、このような対戦システムはどのようにして生まれたのでしょうか。
由良氏:僕は1981年の生まれでセカンドジェネレーションといいますか、子供のころには普通にファミコンがあって遊んでいた世代なんです。で、「バトルシティー」とか「ボンバーマン」とか面白かったよね、シンプルで面白くてライトユーザーでもヘビーゲーマーでも誰でもプレイできるようなゲームがいいよね、とか言っているところから始まりました。
立案したのはウチの役員の鈴木卓矢です。「こんなの、いいんじゃないの?」という軽い言葉から始まったんですが、それを聞いて、みんながすごい賛同したんです。「それは絶対に面白いよね」、「そういうのは最近ないよね」、「じゃあ本気出して作ろうか」っていう流れでしたね。
――やはり開発チームは少人数なのでしょうか。
由良氏:メインは4人です。それと、プロジェクトマネージャーと僕ですね。アイディアはトップダウンではなく、ボトムアップでやっています。だいたいこういう道を進んで、みんなにアイディアをいただきながら作っていきましょうというのが僕のスタイルなんです。
僕は「機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム」や「いけにえと雪のセツナ」などで音響監督もしているんですが、声優さんとお仕事をするときも僕たちが指定したキャラクターにするのではなくて、声優さんと一緒にキャラクターを作っていこうというのが基本的な考え方なんです。
この間も声優の小野大輔さんと未発表のタイトルの収録をしまして、新キャラクターなので僕たちのアイディアもあるけれども、小野さんがいいと思っているものを出してもらって一緒に作っていきました。

――現在は「PROJECT BLITZ」という仮称になっています。やはり、「BLITZ」の意味である電撃的な短期決戦型のゲーム、短い時間で楽しめるタイプのゲームになるのでしょうか。
由良氏:そのとおりです。そもそもパーティーゲームが好きなんですよ。僕はカフェも運営していているんですが、そのカフェのチームと「Overcooked」を初めてプレイして、「うわ、これ楽しい」ってなりました(笑)。やっぱりゲームってみんなのものだと思うんです。普段あまりゲームをやっていない人でも楽しめるものにしたいというのがあって、この作品もそう考えて作っています。
もちろん、掘ろうと思えば、メチャクチャ深く掘れます。タメ撃ちとかもできますし、ほかにもグレネードとランチャーをどう切り替えるかとか、そういった戦略的な部分もとことん深堀りできるようになっています。
――対戦専用のゲームになるのでしょうか。
由良氏:いえ、PvEも予定しています。具体的なことはまだ未定ですが、ひとつ言えるのは「協力プレイが楽しめるよ」ということです。スーパーファミコンで発売された「聖剣伝説」シリーズがありますよね。あの作品を見て、「いいな、こういうの」って言いながらディスカッションしていました。
ですから、基本は「みんなと楽しもう」、「仲間がいればいるほど楽しいよ」っていう感じです。それが2名になるのか、4名になるのか、最大8名になるのかは完全に決まっていません。

――今回、公開されたバージョンは数あるモードのなかのひとつになるわけですね。
由良氏:そうですね。なぜ今回の出展を事前にあまり告知しなかったかというと、テストしたいという考えがあったからです。みんながどう思うか、それが一番大事なので。
僕は「ディアブロ3」の録音監督を担当したんですが、そのときに見たブリザード社は画期的で、「ゲームはゲーマーのために」っていうモットーがあったんですよ。これが、すごく僕に刺さったんです。なので、自分が満足するものを作るのではなく、みんなが楽しみをわかちあえるものがいいというのが基本的な考えになっています。
――フィールドマップの種類はどのようなものを考えておられますか。
由良氏:季節が冬であるとか、砂のステージであるとか、いろいろ考えています。ステージの構成もいろいろで、それらの中から自分たちで選んだり、ランダムで選択されたりという形を考えています。
ミッションもいろいろです。今回のバージョンはメタルを占領するというのがメインになっていますが、ほかにもさまざまなミッションを考えています。ミッションによってバトルの形態も変わってきます。これはまだ決まっていないのですが、たとえば何かを町まで運んだら勝ちとか、工場を占領したら仲間を増やせるとか。いろんな勝ち方があって、それを精査しているところです。

――体験版の配布などは考えられていますか。
由良氏:そこまでまだアタマがたどり着いていないですね。まだ開発が始まったばかりでプロトタイプの段階ですので、今回の皆さんの反応を見てまた考えたいです。
――では、発売はけっこう先になりそうですか。
由良氏:でも、いいアイディアってすぐに決まりますからね。僕はゲーム会社、映像会社、音響会社を経営していますが、いいアイディアってピンとくるので本当に早く決まるんですよ。むしろセンスのないもののほうが、ダラダラ時間がかかってしまうことが多いです。
もちろん、葛藤して時間をかけることで、よいものができることもあります。ただ、本作に関してはスパンと決めていきたいです。チームのリソースも無限にあるわけではないですから2026年中には出したいと思っています。
――最後に読者へのメッセージをお願いできますか。
由良氏:みんながゲームで幸せになったらいいなと率直に思っています。こういうご時世ですが、ゲーマー、ノンゲーマー関係なしに、みんなにゲームを愛してほしいし、楽しんでほしいし、それによって幸せになってほしいですね。
――ありがとうございました。
※画面は開発中のものです。
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