バンダイナムコエンターテインメントが2025年9月4日に発売予定のPS5/Nintendo Switch/PC(Steam)用ソフト「みんなのGOLF WORLD」(※Steam版は同年9月5日発売予定)。同作のプロデューサーを務める竹本尭史氏に話を伺った。

タイトルの「WORLD」に込められた意味とは
――今回「みんなのGOLF」の新作が久しぶりに発表となった経緯をお聞かせください。
竹本氏:ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)様が創出されたIPの魅力を世界中に広めたいという思いからSIE様とコミュニケーションさせていただく中で、今回国民的ゴルフゲームとして長く愛され続けている「みんなのGOLF」をお借りさせていただきました。
――「みんなのGOLF WORLD」というタイトルに込められた意味をお聞かせください。
竹本氏:世界各地のコースや世界各国出身のキャラクターが多いことなど、内容的にも“世界”というものを感じられるような体験というところを目指しているので、そこから「WORLD」というタイトルをつけています。また、もう一度「みんなのGOLF」という素晴らしい作品を世界中に届けるという意味も込めています。

――「みんなのGOLF」らしさを出す上で特に気をつけた点、こだわった点はありますか?
竹本氏:シリーズの中で変えてはいけないところはやはり手軽だけど爽快なショットという手触りだと思いますので、そこをまずはしっかり再現することに注力しました。
また、アナウンスメントPVでも使わせていただいた初代の「みんなのGOLF」の映像ですが、みんなで気軽に楽しめるゴルフゲームであり、かつ1人でやってもしっかりとリアルなゴルフを体験できるゴルフゲームの金字塔に対してのリスペクトを込めて使用しています。
――今回新たに追加されたモード「バラエティ」についてお聞かせください。
竹本氏:今回、より幅広い方々に本作を楽しんでいただけるにはどうしたらよいかを考えました。その中で、「みんなのGOLF」シリーズで積み上げられてきた体験・仕組みを基盤として、しっかりしたものを開発させていただくことが第1優先としつつも、そのゴルフ体験を基盤にしながら、ゲームが上手い人もそうでない人も一緒に楽しめるものがあってもよいのでは、と思った次第です。
過去シリーズにも「色物ルール」というルールがあって、トルネードが発生したりカップが大きくなったりしていましたので、モード「バラエティ」はその部分を掘り下げて、ゴルフやゴルフゲームを知らない人にもより取っつきやすいようなルールを採用しています。実力差があったとしても、みんなでより盛り上がって対戦を楽しめるようになっていると思います。

新たな操作方法の狙いとは?
――操作方法について最終的に今回の3つに落ち着いた経緯があればお聞かせください。
竹本氏:最初はやはり「従来の操作の再現」というところに注力して開発をしていました。ただ、開発をする中であらためて様々な方々に開発中のゲームを触っていただいたのですが、その中で操作に関しては従来の操作方法だとハードルが高いと感じる方々もいるのではとチームで協議している中で分かりました。
初めてこのゲームを触る方も含めると、今の時代に合わせたものもあってよいのではないか、ということで、いくつか操作方法を試していき、今回採用させていただいた操作方法に落ち着きました。



――クロスプレイには非対応ということですが、オンラインランキングも同様になりますでしょうか?
竹本氏:オンラインランキングに関してもクロスプレイには対応していない状態です。
――コスチュームなどの課金コンテンツの販売予定はあるのでしょうか?
竹本氏:現状では販売は予定しておりません。全てゲーム内で開放される報酬になっています。
――今回登場するキャラクターには過去作からリバイバルされたキャラクターも多いと思いますが、その選定基準があればお聞かせください。
竹本氏:国籍や年齢などの要素からバランスを考慮して選定しております。

――キャラクターのパラメーターを強化できるアイテムがありましたが、あれはどういった意図で入れられているのでしょうか。
竹本氏:シリーズを通して登場してきた個性豊かなキャラクター達は「みんなのGOLF」の魅力のひとつですが、よりキャラクター達のことを好きになってもらいたいという狙いがあります。
これまでは、ステータスが固定化されていましたが、今作では得意な要素を伸ばしたり、苦手な要素を補ったりして、好きなキャラクターをより一層プレイで使っていただき、楽しんでもらいたいなと思い、パラメーターを強化できるようにしました。
――本作で新たにギアが数多く追加されている意図を教えてください。
竹本氏:そちらもバリエーションの幅を広げるというのが1つの目的にはなっていますが、基本的にはキャラクターのパラメーターと、ギア(クラブとボール)の組み合わせによるパラメーターの変化があります。
それに加えて、コース上では天候、風、地形といった条件が色々重なった上で戦略等もかなり変わってきます。そこの幅を広げるためには、やっぱりギアの種類というところは外せないところかなと思いましたので、今回大きく手を加えました。
リアルなゴルフを追求する上でのこだわり
――時間の変化とか天候変化とかの要素を導入した大きなポイントがあればお聞かせください。
竹本氏:元々シリーズの中でも天候を雨に変えてホールがスタートすることができたのですが、それを基によりリアルなゴルフ体験を追求した結果、導入したものになります。
実際のゴルフでも起こりうる、「雨降ってきちゃったな。芝が重くなりそうだ」というような、状況に応じた計算や戦略の組み立てを取り入れたいと思い、リアルタイムな変化を入れさせていただきました。

――天候の変化というのは経過時間によって変化するのでしょうか?
竹本氏:コースに入ったところから自動的にタイムがカウントされていきます。放置していくとゲーム内でも時間が進んでいって、朝から夕方になったり、途中で雨降ってきたりという変化が起こるようになっています。
雨は分かりやすいところで変化がありますが、そのほかですと雪が降るコースもありますので、そこは凍って滑りやすいといった変化はあります。

――リアルなゴルフというのは音周りへの意識もあるのでしょうか。
竹本氏:本作ではリアルな「音」についてもこだわっています。クラブのショット音やカップインの音などを実際のコース場にて収録しました。また、予めプロとアマチュアのショット音もそれぞれ収録した音を実装しました。音以外にも、夜にコースを回ることができること、ユーティリティのクラブの追加もそうですね。
――そうしたリアルなゴルフを意識しながらも、実際に触りやすいバランス調整として取り組まれていることはありますか?
竹本氏:実際に夜のコースを取材に行ったのですが、本当に真っ暗でラフとかに入ると何も見えなくなって、ボールを見失ってしまうんです。さすがにそこまで何も見えないとゲーム性に関わるので、ゲームバランスを考慮して遊びやすさには取り組んでいます。

――開発の方々が考えられた「みんなのGOLF」らしさというのはどういったところになりますか?
竹本氏:ほかにも簡単でやりやすいゴルフゲームというのはあると思うのですが、その中でも「みんなのGOLF」はよりリアルなゴルフの体験ができるというのは一つの魅力になってくると思います。実際に風が吹いたり、天候が変わったりというところで、色々変化していく状況の中で、それを踏まえて戦略を変えていく必要が出てきます。このクラブだとちょっと飛びすぎるなとか、ボールの回転をかけることで風の影響を受けずにちょうど良くなったりとか、そういう体験がリアルに近いというところですね。簡単で遊びやすいというところもあるのですが、割とコツコツと1人で遊ばれた方も多いと思いますし、ゲームとしての奥行きがあるのではないかと。

――プレイ時間に関して、やり込める要素として想定されているのはどのあたりになりますか?
竹本氏:やり込み要素としては、全キャラクターの開放からステータスの強化、各キャラクターの愛着度、とキャラクターだけにフォーカスしてもかなりの要素があります。その他にも、チャレンジモードやワールドツアーなどの各種モードのクリアなどもありますので、じっくり楽しんでいただけるのではないかと思います。
ただ、ゲームとしては家族みんなでも楽しめますし、1人でもコツコツ楽しめるという意味では時間で縛るというよりはゴルフを楽しむ空間を提供できるという意味で、今回はすごく素晴らしい取り組みをさせていただけているなと思います。

――最後に読者の方に向けてメッセージをお願いします。
竹本氏:シリーズを通してずっと遊んでくださっている方にはしっかりと「みんなのGOLF」の最新作としてお届けしていきますので、ぜひお楽しみにしていただければと思います。また、今まで触れてこなかった方々に向けても、今回は遊びやすい要素を色々入れていますので、ぜひこの機会に手にとって、周りの友達だったりご家族と一緒に楽しんでもらえたら嬉しいです。
――ありがとうございました。
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※画面はPlayStation5版の開発中のものです。
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