イシイジロウ氏の最新作「渋谷実写アドベンチャープロジェクト」の緊急記者会見が、渋谷にあるSHIBUYA SAKURA STAGE内の404 Not Foundで開催された。ここではその現地レポートをお届けする。

「渋谷実写アドベンチャープロジェクト」緊急記者会見レポート!タイトルは「シブヤスクランブルストーリーズ」にの画像

応募者のなかから抽選で60名のファンが選ばれた今回のイベント。まずはイシイ氏から達成率が660パーセントを超えたことに対する感謝が伝えられ、とある企業からの支援を受けて、正式に開発が決定しそうであることが発表された。なお、その企業から全面的なバックアップを受けるのではなく、あくまでこれまでどおりクラウドファンディングのサポートも受けつつ、開発を進めるそうだ。この正式発表については、現在調整中とのことで、7月13日には正式に発表できそうとのことなので、発表を楽しみに待とう。

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続いて「428 ~封鎖された渋谷で~」の脚本を手がけた北島行徳氏、「街 ~運命の交差点~」で雨宮桂馬役を演じたあらい正和さん、「428 ~封鎖された渋谷で~」で御法川実役を演じた北上史欧さんが登壇。それぞれ本プロジェクトに対する思いを語った。

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イシイ氏はあらいさんと北上さんについて、「このふたりが並んでいるだけで感動するでしょ?」とファンに問いかけ。ふたりから許諾がもらえなければ企画をスタートすることはできなかったと本プロジェクトのはじまりを振り返った。

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なお、メインビジュアルであらい氏が手に持っているコーヒー牛乳はイシイ氏が購入したもの。軽くするために中身を飲んだのもイシイ氏で、あらい氏はコーヒー牛乳を飲めなかったことがくやしかったとおどけてみせた。

その後はムービーとともに正式タイトルを発表。本作の正式タイトルは「シブヤスクランブルストーリーズ」であると公開された。ユーザーからアイデアを募ったもののなかに「シブヤスクランブルストーリー」というものがあり、「ズ」を追加したものを最終決定したそうだ。イシイ氏は「428 ~封鎖された渋谷で~」を制作したときに「428」を「シブヤ」と読まれることが多かったため、改めて「シブヤ」という名前が付いたタイトルにしたかったという思いもあったとのことだ。

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ちなみにタイトル発表に使用されたムービーはデザイナーの箕星太朗氏によるもので、箕星氏はロゴやクラウドファンディング特製Tシャツ「NEW ECO」のデザインも担当。ゲームにもデザイナーとして関わるそうなので期待が高まる。

タイトルのあとはサプライズである追加キャストを発表。「428 ~封鎖された渋谷で~」で加納慎也役を演じた天野浩成さん、同じく「428 ~封鎖された渋谷で~」で遠藤亜智役を演じた中村悠斗さんが本作に出演することになった。

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なお、「428 ~封鎖された渋谷で~」の10周年記念イベントではふくよかな体を「亜智の父親役」といじられていた中村さんだが、今回は見事に減量に成功。美しいスタイルを披露した。

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さらに「428 ~封鎖された渋谷で~」で主題歌を担当した上木彩矢さんが本作でも主題歌を担当することが発表され、ファンは大きく盛り上がった。イシイ氏はSNSのメッセージを通じて上木さんとコンタクトを取ったそうで、ほかのキャスト陣に関しても同じ経緯だったそう。イシイ氏はあくまで正式なルートも使っていると伝えつつ、どうしてもハードルが高くなってしまうことを吐露。北上さんはSNSでオファーするのはイシイ氏のスタイルであるとフォローし、天野さんは2年前からSNSをはじめていてよかったと胸を撫で下ろした。

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なお上木さん自身は「428 ~封鎖された渋谷で~」のときはイシイ氏と会話をする機会がほとんど無かったそうで、こうして時を経て会うことができたこと、いっしょにこのプロジェクトを進めていけることに感激していた。

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続いて、キャスト陣が控室で話していたという余談である「街 ~運命の交差点~」と「428 ~封鎖された渋谷で~」の作り方の違いについて。「428 ~封鎖された渋谷で~」は実際に役者が芝居をしているところをカメラで撮影する形だったが、中村さんは「セリフを覚えなくてもいい。心で演技をしてほしい」という言葉を真に受けてしまい、本当にセリフを覚えなかったら大変な思いをしたそうだ。

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そんなエピソードから中村さんは「街 ~運命の交差点~」のほうがよかったのではないかという話になったが、あらいさんからは「街もセリフは覚えないとダメ」という言葉が。なお、そんな中村さんは本作のオファーを受けてから、すでに2回もセリフを覚えられずに苦しむ夢を見てしまったそうだ。

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そんな裏話もありつつ、後半はリワード追加の説明へ。クラウドファンディングはすでに目標を達成しているものの、さらに支援をしたいという声に答える形で追加することを決定。新しいコースの特典は公開されたロゴを使用したグッズが中心となっているので、ぜひサイトでチェックしてみてもらいたい。

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なお、リワードの説明は天野さんがボケまくってイシイ氏をタジタジにさせていた様子がおもしろいので、ぜひ配信のアーカイブをチェックしてみて欲しい。

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最後はメディアの質疑応答へ。まず、どんな役をやりたいかという質問には天野氏は逆にどんな役になるのか楽しみだと回答。脚本の北島氏に話を振ると、「前の作品のように闇堕ちする先輩もいいのではないか」と提案した。また、天野さんは「428」のときの農家エンドのようなおもしろいエンディングを用意して欲しいと答えた。

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続いて中村さんに関しては、天野さんが「弁護士のようなセリフ量がめっちゃあるキャラがいいんじゃない?」と振ると、中村さんは「苦しめたいだけでしょ」と苦笑いしつつ、確かに当時のような若さで勢いのあるキャラではなく、社会の波に揉まれたキャラが当時のアツさを取り戻すようなキャラもやってみたいと意欲を見せた。

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上木さんにもどんな役をやりたいかを振られると、逡巡しつつも「渋谷の女ヤクザとかはどうですか?」と意外過ぎる返答が。

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あらいさんは「街 ~運命の交差点~」で刑事役を演じたが、やはり刑事は憧れるのでまた刑事をやりたいと伝えた。

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北上さんも前作のようなまたアツい男を演じられたら幸せと答えつつ、一度落ちぶれてしまった人間が這い上がるようなストーリーも好きなのでそういうキャラクターも演じたいと熱意を見せた。

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続いて「街 ~運命の交差点~」や「428 ~封鎖された渋谷で~」のほかの出演者が参加する可能性について。イシイ氏から過去作に愛を持っている役者さんには熱意を持ってお声がけしたいと前向きな返答。あらいさんも「街 ~運命の交差点~」のメンバーが増えるとうれしいと展望を語った。

続いて北島氏に「シブヤスクランブルストーリーズ」の役者陣は過去作に登場したキャラクターと似た役柄になるのかという質問が。この質問には踏襲する人が半分、意外な感じに変わる人が半分であると返答した。

ゲームシステムの詳細についての質問には、「428 ~封鎖された渋谷で~」以降はコンパクトな作品が多かったので大きなボリュームのものを作りたいと意欲をみせ、システムに関してはユーザーが手に馴染んだものにしたいとしつつ、開発が決まってからじっくり考えたいと答えた。なお、天野さんはマイクが拾わないところでポソリと「パズルゲームにするのはどうか」と答えたが、この案は却下された。

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その後は渋谷という街が移りゆくなか、今回はどのような作品を作りたいかという質問について、イシイ氏は記者会見の会場となったSHIBUYA SAKURA STAGEの404 Not Foundをはじめとした新しい文化と、古くから残る小さな家やお店の両方を取り上げたいと応えた。現在の構想では古い世代と新しい文化を担う人たちの両方を描くことが作品のテーマになるそうだ。

続いてPVに映った着ぐるみについて、今回も着ぐるみの登場に期待してもいいかという質問。こちらは動画を作った箕星氏が差し込んだアイデアであるが、可能であれば本編にも着ぐるみは登場させたいとのことだった。

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質疑応答が終わったあとは登壇者からのコメントでイベントは締められた。イシイ氏は「街 ~運命の交差点~」や「428 ~封鎖された渋谷で~」とは著作権的にまったくの別物だが、今までのファンの応援が力になるとコメント。天野さんは北島氏にプロットの内容を聞いたところ「めちゃくちゃおもしろい」と確信したそう。会場のファンにも期待して欲しいと伝えた。中村さんはプロジェクトが発表されてからファンに「出演しないんですか?」と幾度となく聞かれたが、ようやく「出演が決まりました」と答えることができることをよろこんだ。

上木さんは自身が手がけることになる主題歌に関して、プレイする人がワクワクするようなファンに寄り添った楽曲を作りたいと意気込みを語った。

あらいさんは「街 ~運命の交差点~」と「428 ~封鎖された渋谷で~」の共演者が交わるのが楽しみだと伝え、完成まで時間はかかるかもしれないが楽しみに待ってほしいとコメントした。

北上さんは天野さんや中村さん、上木さんも参加者に加わったほか、クラウドファンディングの規模もファンのおかげでどんどん大きくなっていることを語り、最終的には素晴らしいエンターテイメント作品が届けられそうだと力強く伝えた。

最後に北島氏は制作が決定したら1年ぐらいかけてじっくりシナリオを書くという決意を語り、たっぷり時間をかける分、笑えて泣ける最高のシナリオを届けることを約束した。

本作は7月25日までうぶごえにてクラウドファンディングが実施されているので記事を読んで気になった人はぜひサイトにアクセスしてみてもらいたい。

クラウドファンディングサイト(うぶごえ内)
https://ubgoe.com/projects/923

1981年生まれ。東京都出身。2000年よりゲーム雑誌のアルバイトを経て、フリーライターとしての活動を開始する。アドベンチャーゲームやロールプレイングゲームなどのジャンルを好み、オールタイムベストは「東京魔人學園剣風帖」。ほかに思い入れのあるゲームは「かまいたちの夜」「月姫」「CROSS†CHANNEL」「ひぐらしのなく頃に」「ダンガンロンパ」「カオスチャイルド」「ライフ イズ ストレンジ」「レイジングループ」など。

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シブヤスクランブルストーリーズ公式サイト
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