声優の三宅麻理恵さんが気になるゲームを実際にプレイして紹介する「マリエッティのゲーム探訪」。第39回はAl FineがSteamで配信中の「クロノアーク」を紹介します。
【第一印象で気になったゲームは深く調べない】ようにして、プレイを開始することが多くなってきました。情報が次から次へと溢れてきて、調べなくても届いてしまうからこそ、そういう傾向になってきたのでしょうかね。
とは言っても、世間の評判や体験談で興味を持って手に取るゲームも沢山あるので、そこは一期一会。自分なりの出会いも大切にしたいですね。
このゲーム探訪から手に取って体験して楽しんでいただいたり、プレイ済みのゲームだったら共感していただく箇所があると幸いです。
そして今回は、キービジュアルで一目ぼれして情報を調べずに私がプレイして面白かった作品、「クロノアーク」を探訪いたします。
事前情報を耳に入れなかったからこそより楽しくプレイできた作品なので、なるべくネタバレがないようお伝えしたいと思います。
ジャンルはRPG・カードゲーム・ローグライクを組み合わせたものとSteamの製品紹介に書かれていますが、プレイした印象だと、ストーリーにも比重が置かれたカードゲームという印象です。
カードゲームというジャンル自体、それだけで延々と遊べるのですが、「クロノアーク」は読み物のアドベンチャーとしてのボリュームもあり遊び応えがあります。これはアドベンチャーゲーム好きとしてもうれしい誤算でした。今回はまさかのカードゲームなのにアドベンチャー要素多めで探訪させていただきます。
ストーリーは、
遠い昔、世界は黒い霧に包まれ、生き残った人類は「アーク」へ待避した。世界を元に戻す方法はただ一つ、「タイムシェイド」を探し出し、時計塔を起動させること。時計塔が起動すると、世界は平和だった頃に戻るはず。プレイヤーはルシーと共に調査団を結成し、「タイムシェイド」を探すための旅に出る…。
というもの。
そのあらすじを踏まえた上でゲームを起動したら始まるムービーがこちら。
一枚目のノイズの入った画像がすぐに二枚目の画像に切り替わる…世界観の説明が為されているのに文章がだいぶ改変されていて不穏です。あらすじと見比べると違和感があり、なんだか心に引っかかりますね。
そんな改変の演出がちらほら見られつつ、メニュー画面でもブレて動き続ける時計塔を見据えるルシーの姿。ゲームを始める前から不穏な違和感があってワクワクしますね!!
ルシーは時計塔を起動させる事以外の記憶を失っており、気付けばアズールという若手の調査団員に助け出される所からゲームは始まります。
まずは仲間と共に歪みの地へ赴き、「タイムシェイド」を集めることになります。
最初は2人を選択し、冒険を進めていくと最大4人まで一緒に戦えます。選択できる仲間は特定の条件を満たすと徐々に解放されていきます。この仲間の選択、初回でもアズールは強制的にパーティに参加ではない事に驚きました。
一番最初に出会って導いてくれるようなキャラなのに…。普通はチュートリアルとして連れて行くのでは?と思いつつも新鮮で興味深かったです。仲間はアタッカー、ディフェンダー、ヒーラーなどキャラクターによって役職が分かれており、さらに個々に特殊な効果を持って戦うので戦略性に富んでいます。
歪みの地はいくつものステージに分かれており、1ステージ毎にいるボスを倒し「タイムシェイド」を手に入れた後にはキャンプが出来ます。
キャンプでは、仲間の回復やカードの強化、そして、仲間にプレゼントを贈って絆を深める事が出来ます。絆を一ランク上げる度に、そのキャラとのイベントが発生します。
イベント内容は、共に世界を救う仲間との交流が描かれます。どのキャラのイベントもしっかり纏まっていて、ストーリーを進めると発生するキャライベントも含め見ごたえがあります。
キャラクター個人個人に主張があり、考えがあり、プレイヤー視点では時にネガティブに見えてしまう部分も人間臭くて憎めない魅力がありました。
どのキャラも展開が豊富で終盤には一つ目のイベント時からは想像できないほど愛着が湧いていきます。
勿論、絆が深まってくると選択できるスキルが増えるというゲームシステムとも嚙み合った構成にもなっています。絆は上げて損はない!!
プレゼントを贈る際に、相手の好きなものだとプレゼントに関してのエピソード(しかも思ったより丁寧なエピソード)も話してくれるので、プレゼントの厳選も余念がありません。
カードゲームのパートに関しまして、難易度の調整や救済措置があります。全滅する度に体力や攻撃、回復力が上がる「希望」モード。全滅してもレベルは据え置きで全滅したステージから始められるので何度もトライ&エラーをしてゲームに慣れていきましょう。
戦闘後に手に入る輝石でレベルを上げられるのですが、どのキャラに割り振るのかはプレイヤー次第。スキルの数が増えてくると忘れる(スキルを捨てる)事も出来ます。デッキは少ない方が好き(ただの私の持論です)。
ローグライクなので「歪みの地」は訪れる度にマップが変化します。入手できるアイテムや装備、戦闘時に効果がある遺物などもランダムで入手できます。
更には遭遇するイベントもランダムでプレイヤー自身で起こすイベントを選択します。TRPGっぽさがあって嬉しい。マップの移動がショートカットでお手軽にできるので隅々まで探索するのがおススメです。
周回前提のゲームなので、クリアすると戦績が表示されます。一周の時間は基本的には3時間以内に収まるくらい。日にちを分けてコツコツプレイもできるちょうどいい塩梅ではないでしょうか。
カードゲームを極めたい方は、チャレンジモードでも楽しめます。やりこみ始めると時間があっという間に過ぎていきました…。
「クロノアーク」で注目してほしいのは冒頭にお伝えした通り、ストーリー。力の入れ具合として、一つのイベントに差し込まれる一枚絵が多い!細かくシーンで切り替わる事もあり没入感があります。ストーリーだけでも一本のゲームとして成立するボリュームです。
二転三転、メリハリの利いたストーリーで細かな演出が心に刺さります。カードゲームの部分とも連動して盛り上がる展開が目白押しなのです。
上記のシーンはゲーム冒頭ですが、笑顔を見せる可愛らしいルシーが、プレイヤーが操作できるタイミングになると無表情な状態に…。仲間が全滅したシーンを目の当たりにするなど、絵柄からは想像できなかったような衝撃の展開もあります。
状況だけではなく、「クロノアーク」は無意識に目をそらしていたものと向き合わされ、考えさせられられる場面が多く見られます。
彼ら彼女らがどう向き合い答えを出すのか、それを受けて自分はどう思うのか…。向き合わずにはいられない面白さをぜひ体験してみてください。
Steamページ
https://store.steampowered.com/app/1188930/_/?l=japanese
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