「ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン」プロデューサー・田付信一氏インタビュー:名作「ロマサガ2」をより多くの人に愛してもらうために意識した部分とは

インタビュー
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1993年にリリースされたスーパーファミコン用ソフト「ロマンシング サガ2」のフルリメイク作品として、「ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン」。ここでは本作のプロデューサーを務める田付信一氏へのインタビューをお届けする。

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「ロマンシング サガ2」を多くのユーザーに届けるために

――「サガ」シリーズはそれぞれ魅力的なタイトルですが、そのなかから「ロマンシング サ・ガ2」(以下、ロマサガ2)をリメイクすることになった経緯を教えてください。

田付:もともと私は2020年に「聖剣伝説3」のリメイクに携わり、その後の1年ぐらいはそのスマートフォン移植の作業をしていました。作業が終わったタイミングで、「サガ」シリーズのプロデューサーを務める市川から「ロマサガ2」のリメイクをやってみないかと声をかけられました。

「ロマンシング サ・ガ」は「ロマンシング サガ -ミンストレルソング-」として2005年にリメイクされており、「ロマサガ2」自体が非常に人気のタイトルであり、まだリメイクされていないということで、今後「サガ」シリーズをさらに盛り上げていくためにこの「ロマサガ2」が選ばれた形です。

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――3Dグラフィック化やフルボイスのほか、“アビリティ”などのさまざまな追加要素や“皇帝退位”“パーティ編成”のような便利要素が増えています。オリジナル版からの味として残そうと思った部分、快適に遊ぶために変えようと思った部分などお聞かせください。

田付:まず、ひらめきや陣形といったシステムはシリーズのアイデンティティであり、ほかのゲームと差別化できる要素なので残そうと思いました。また、河津の作り出す独特のセリフ、「流し斬りが完全にはいったのに…」や「先帝の無念を晴らす!」といった決まり文句は人気なので大事にしたいなと思いました。そのため「ロマサガ2」の独自の世界観やユニークなシステムについては残しました。

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一方で、現代においてはちょっと不便だなと感じる部分や、「サガ」に慣れている人以外には分かりづらいと感じるであろう部分には手を加えました。仲間を自由に入れ替えることができないことや、敵の弱点が表示されていないこと、複数の種類の防御力があるのにひとつしか表示されていないことなど、スーパーファミコン時代では普通だったとしても、現代の令和にプレイすると不便に感じるであろう部分は変えています。その不親切な部分がおもしろいというユーザーさんもいらっしゃるとは思いますが、ここは新規に遊ぶ人がストレスなく遊べるように快適に変えていこうと思いました。

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――スーパーファミコン当時は学校で友だちと攻略方法などについて情報交換していましたが、今ならインターネットで攻略を見ることができますからね。それであれば、わざわざ攻略サイトに飛んで調べるよりは気になったことをゲーム内でチェックできたほうがユーザーもうれしいと思います。

田付:まさにそうです。当時のRPGはちょっとずつ情報を知っていくスタイルでしたが、現代では攻略サイトを見てチェックする人も多いと思い、ゲーム内で表示したほうが便利かなと考えました。今回はひらめくことができる技に電球マークが付くようにしていますが、そういうデータが見えないほうがうれしいユーザーさんもいらっしゃるので、そこはオプションで消せるようにもしています。

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――セリフ部分はいかがでしょうか? もともとの「ロマサガ2」はプレイヤーが背景を想像できるような余白を残すセリフ回しが特徴でしたが、そこもオリジナルの良さとして追加はせずにそのまま再現しているのでしょうか?

田付:いえ。セリフに関してはかなり追加しています。もともとの「ロマサガ2」は、ドットのキャラクターに吹き出しのセリフで表示される形だったため、人形劇のようなものに近かったです。そのセリフのまま3Dのイベントシーンを制作するとだいぶ違和感ができてしまうので、間を埋めるようなセリフを追加してます。ただ、キャラクターの決めセリフなどは原作そのままの味として残しています。3Dのイベントシーンだと違和感が出てきてしまうセリフもあるのですが、そこはわざとそのままにしています。

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――ファンが楽しみにしているであろう「流し斬りが完全にはいったのに…」や「アリだー!」といったセリフはバッチリ収録されていると。

田付:そうですね。期待していただければと思います。

――ゲーム部分について、各クラスに特有の“アビリティ”が追加されたことが大きな変更点だと思うのですが、具体的にどのような効果のアビリティがあるのでしょうか。

田付:HPが30%以上あれば一撃で戦闘不能にならなくなるものや、自動的にパリイをおこなう“オートパリイ”、回復の道具を使うと効果が3倍になるものだったり、一定確率で使った道具を消費しないものなど多岐に渡ります。また、単純にパラメーターが上昇するものも存在します。

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――オリジナルとは違った攻略が楽しめそうですね。クセが強くて使いづらかったクラスなども強く化ける可能性もありますか?

田付:はい。バランスはイチから作り直しているので、原作ではあまり使われていなかったクラスが本作では強いということもあります。

――楽しみです。グラフィックが3Dになったところも特徴ですが、3Dにするのが大変だったキャラクターやマップはありますか?

田付:キャラクターだと最初に作ったのがジェラールで、彼のモデルがすべての基準になるので頭身や表情などの制作に時間がかかりましたね。「聖剣伝説3」のリメイクのときは「聖剣伝説」シリーズ自体がかわいい世界観をしていることもあって頭身を低くしたのですが、シリアスな「ロマサガ2」の場合は頭身をもう少し高めに設定することにしました。また、原作では最初のジェラールの衣装がパジャマっぽいとファンの間では言われていますが、彼の着ている服はもちろんパジャマではないので、どのような構造の服なのかしっかり調べて3D化しました。

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マップに関しても最初に作った“ゴブリンの穴”が基準になるので、ここに時間をかけました。原作の2Dのマップは階段を南に降りていくマップでしたが、3Dになった今回は周囲が絶壁に囲まれているなか、真ん中に穴が開いていて、そこにボスのキングがいるという形にしています。ダンジョンに入ったとき、最初からキングが見えているという仕掛けにしているので、そういうこまかい部分にも注目してくださるとうれしいです。

――もともとのダンジョンから形も変わっているんですね。

田付:はい。形も変わっていますし、広くもなっています。新鮮な気持ちで遊べると思います。

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――ゲームの難易度についてはいかがでしょうか? 「サガ」シリーズといえば難しいイメージがありますが、今回は最初から難易度を選べるようにした理由は?

田付:「サガ」シリーズはファンも多いタイトルですが、敷居が高く感じる人も多いのではないかと思いました。

「ロマサガ2」は歯ごたえのあるゲームバランスも魅力だったと思いますが、決してそこだけが魅力ではないと考えています。たとえば、王位継承のシステムと数千年に渡る大河ドラマもおもしろいですし、キャラクターやセリフも魅力的です。そういった部分を多くの人に楽しんでもらいたいと思い、今回は難易度設定を導入しました。オリジナル、ノーマル、そしてカジュアルという3つの難易度を用意しており、いちばん簡単なカジュアルであれば基本的なルールを理解していれば進めるようにしています。

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――戦闘にタイムラインバトルを採用した理由をお聞かせください。ターン制バトルから変更した理由やどんなところが魅力なのか教えてください

田付:タイムラインという名前なので「サガ スカーレット グレイス」や「サガ エメラルド ビヨンド」のバトルを思い浮かべる人も多いかもしれませんが、全く違うものになっていて、どちらかという「オクトパストラベラー」に近いです。じつは開発段階では原作と同じように5人のキャラクターを最初に入力して、そのあとに敵と味方が一斉に行動するという流れも試してみたのですが、頭身の高いキャラクターだとコマンドを選択したあと、そのまま行動しないことが不自然に感じたのとテンポ感が悪かったんです。

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――テンポ感とグラフィック面として違和感があると。

田付:そうです。「サガ スカーレット グレイス」や「サガ エメラルド ビヨンド」はパズルのように一手を熟考するので違和感がないのですが、エンカウントした敵と戦いながら先に進んでいく「ロマサガ2」でのテンポ感とリアリティが無いなと思いました。

――敵と味方が入り乱れるタイムラインバトルになったことでユニットや陣形が受ける影響も多そうですね。

田付:はい。一手ずつ考えることができるので、敵が1体しか残っていない状態で“でたらめ矢”を打つということなどはなくなります。また、敵が危険行動をするときは事前に表示されるので対処することもできるようになりました。タイムラインバトルになったことで使いやすさが増したユニットも多いです。

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――リメイクにあたり、かなりオリジナルから変更を加えているようですが、生みの親である河津秋敏さんやシリーズ統括プロデューサーの市川雅統さんからのアドバイスや要望はありましたか?

田付:市川からはより多くの人に届けるものにして欲しいという要望があり、河津からは自由に制作するように言われました。ただ、確認しなければ分からない部分に関してはひとつひとつ河津に聞くようにしました。

――それは設定的な部分でしょうか?

田付:はい。たとえば“イド・ブレイク”という技は弓が飛んでいったあとに“シュッシュッシュッ”という特殊効果がありますが、これがなにを意味しているのか聞きました。もともと“イド・ブレイク”は敵に矢が命中しているわけではなく、矢が近くを通ることで“イド”という精神にダメージを与えており、そのイメージを“シュッシュッシュッ”という効果で表現しているらしいです。そういった見ただけでは分からない話を河津から聞き、もとの設定と変わらないように3Dで現代向けに表現しています。

――音楽について、曲のアレンジは伊藤賢治さんにどのようにオーダーされたのでしょうか?

田付:アレンジについては尖ったアレンジや独自のアレンジではなく、原作の曲の高音質化をお願いしました。当時はスーパーファミコンの音源しかなかったのでできることが限られていましたが、もしも当時も今のような音源が使えていたとしたらどのような曲になるのかをテーマに制作していただきました。伊藤さんが多数のアレンジャーの方々を統括する形で制作してくれているので、ぜひ楽しみにしていてください。

――リメイク版だけのやり込み要素などはありますか?

田付:アビリティはたくさん用意したので、ぜひすべてを集めてみて欲しいですね。また、やり込みとは少し異なりますが、七英雄の過去が明らかになる新規シナリオも用意しているので、そちらに注目してみてもらいたいですね。

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――本日配信される体験版の内容を教えてください。

田付:最初のクジンシー戦までをプレイできます。皇位継承はできませんが、ゲームのベースとなる部分は分かるようにできています。製品版への引き継ぎも可能なので、気になる人はぜひプレイしてください。

――発売を楽しみにしているファンにひとことお願いします。

田付:今回は原作からのファンの皆さんはもちろん、新規の皆さんにも楽しめるように作っています。原作にはなかった要素も入れており、新しい体験ができるので、ぜひ多くの人に遊んでみてもらいたいです。よろしくお願いします!

体験版配信開始!

本作の体験版が本日9月19日より配信開始。物語の序盤が体験でき、製品版にデータを引き継ぐことも可能となっている。ぜひダウンロードしてプレイしてみよう。

1981年生まれ。東京都出身。2000年よりゲーム雑誌のアルバイトを経て、フリーライターとしての活動を開始する。アドベンチャーゲームやロールプレイングゲームなどのジャンルを好み、オールタイムベストは「東京魔人學園剣風帖」。ほかに思い入れのあるゲームは「かまいたちの夜」「月姫」「CROSS†CHANNEL」「ひぐらしのなく頃に」「ダンガンロンパ」「カオスチャイルド」「ライフ イズ ストレンジ」「レイジングループ」など。 X(旧Twitter):https://twitter.com/kawapi YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCmN-juj7b73DGuIkRRh6U6A Twitch:https://www.twitch.tv/kawapi

※画面は開発中のものです。

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