作り込まれた独自の世界設定に感心しきりのオープンワールドアクション「Outcast - A New Beginning」プレイレポート

プレイレビュー
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THQ Nordicから発売中のPS5/Xbox Series X|S/PC(Steam)用ソフト「Outcast - A New Beginning」。異種族が住む惑星を舞台とした本作ならではの魅力や特徴をお届けする。

本作の舞台は、アデルファという名の惑星。プレイヤーは、わけもわからぬままこの地に転送されてきた主人公のカッター・スレイドとして、現地の住民たちに協力し侵略者と戦っていくことになる。

ゲームとしては比較的スタンダードなオープンワールドアクションRPGで、昨今のゲームに慣れ親しんだ人であればすんなり馴染めるものとなっている。とりわけ独自の世界設定の魅せ方や、快適なアクション面に魅力を感じたため、その点を中心に本作の魅力を解説していこう。

なお、本作は20年前に発売された「Outcast」の続編だが、筆者は前作をプレイしていないため、触れるのは本作のみの要素に限られる点にはご容赦いただきたい。

作り込まれた独自の世界設定に感心しきりのオープンワールドアクション「Outcast - A New Beginning」プレイレポートの画像

自分で弾の特性をカスタマイズできる銃や、原生生物を利用する攻撃など独自の攻撃方法が楽しい

本作のアクションは、言葉を選ばずに言ってしまえばオープンワールドアクションとしては目新しいものではない。ただし、武器についてはこだわりを感じた。

武器自体の種類はさほど多いというわけではないのだが、銃にパーツを取り付けることで、その銃の射撃方法や発射される弾の特性を変えることができるのだ。

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例えば初期から持っているハンドガンは、そのままでは単発で撃つだけのただの銃だが、ゲームを進めることで手に入るアタッチメントを付けることで、連射式になったりチャージ式になったりする。

別のアタッチメントには、着弾時に地雷が発生するものや、一回の射撃でショットガンのように複数の弾が発射されるようになるもの、発射された弾が誘導弾になるものなども存在した。

そして、これらのアタッチメントはいくつかを組み合わせることが可能だ。つまり、複数の弾を発射したうえで、そのすべてが敵に向かっていく銃を作れたり、連射して無数の地雷をまき散らす銃を作り出せたりもする。

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ただし、アタッチメントは無限に付けられるわけではなく、スロットもゲーム内で手に入る資源を消費して解放していくことになる。

銃はいくつか手に入るものの、それぞれのスロット解放に別途資源が必要になるため、どの武器を強化していくかはプレイヤー次第だ。

銃によって必要なエネルギー(弾薬)が異なるため、ひとつの武器だけ強化していると、いざその武器がエネルギー切れになったときに火力が一気に下がってしまうということもある。それを見据えたうえで、手持ちの武器の改造具合を考えるのが楽しい。

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ちなみに、エネルギーがなくなっても銃自体は使えるので、詰んでしまうことはない。ただしアタッチメントの効果がすべて無効化されるため、厳しい戦いは強いられるだろう。

悩ましいのは、武器のアタッチメントスロットの解放に使う資源は、キャラクターのアクションの強化にも使うということだ。

本作には大きく分けて移動と戦闘の2種類のスキルツリーが存在する。資源を消費することで新しいアクションを開放したり、習得済みのアクションを強化したりすることができるのだが、戦闘のツリーで使う資源は武器のスロット解放と同じものを使用する。

スキルツリーではアーマーやシールドを強化して耐久力を上げたり、近接攻撃を強化したりできるため、安定した立ち回りを目指すのであれば、そちらにも資源を回したくなってしまう。

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一方で移動関連のツリーは独自の資源を使うため、武器と競合することはない。本作の移動は最序盤こそ走るしかなくて大変だが、少しストーリーと探索を進めれば、すぐに快適になっていく。

ジェットパックで地面すれすれを移動したり、高所からグライドしたりすることができるようになれば、起伏が多いアデルファの地もスムーズに移動できるようになる。ファストトラベルも充実しているため、移動回りに関してはほとんどストレスを感じずにプレイできた。

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そしてもうひとつ、ゲームを進めていくと現地民の武器を手に入れることができる。こちらもまたユニークで、特定の原生生物をおびき寄せるビーコンを発射するというものとなっている。

おびき寄せられた生物は、それぞれの生態に応じた攻撃を行う。無数の巨大な羽虫が群がり、酸を浴びせて敵を一瞬で腐食させてしまったり、地中から重力を操作して敵を浮かせたりと、通常の武器とは異なる攻撃方法が可能だ。

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普通に銃を撃つよりも強く、原生生物の脅威を思い知ることができる武器なのだが、一度撃つとクールタイムが生じるため、残念ながら連発はできない。

逆に言えばクールタイム以外には制限はないため、メイン武器のようにエネルギー切れを心配する必要がないのは嬉しい。見た目にも楽しいので、戦闘のいいスパイスとして機能していた。

異なる種族の文化を表現した独自の世界観が魅力!

本作で特徴的だと感じたのは、これでもかというほど独自の固有名詞を使ってくること。地球とは異なる惑星・異なる文化の種族と関わることを考えればごく自然なことだが、これほど多くの独自の言葉を入れ込むのはかなり珍しい。正直、文面だけ見たら何を言っているのか判断がつかない。

例えば「タランのキザールの子供たちが病に苦しんでいて、それを治せるシャマズをアルマイエルが求めている」という感じ。何を言っているかわかるだろうか?

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終始このような感じなので最初は面食らうのだが、実はそれを補う“用語集”機能がかなり優秀なのだ。対応するキーを押すと、会話中にスッと横からスライドしてきて、その会話で出てきている単語の意味をすべて表示してくれる。

この機能のおかげで、独自の言語が出てきて話の内容についていけないということもなく、物語を楽しめた。固有名詞をふんだんに使用した攻めた作品でも、あまりストレスを感じずに遊べる方法があるのかと実感できたのは、大きな発見だった。固有の言葉を多用するタイプのゲームには、ぜひ基本機能として取り入れてほしい。

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そして、この固有名詞の羅列からもわかる通り、世界観の表現にはものすごく力が入っている。本作にはメインクエストのほかにもさまざまなサイドクエストが存在するが、それらの内容も非常にユニークだ。

樹上になっている果実を採ってきたり、畜産用の生物を囲いの中に誘導したり、騎乗用の動物を捕まえる手伝いをしたりと、彼らの生活を垣間見れるようなものが多く、作品独自の世界観を楽しみたいタイプにはたまらない。

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そのクエストの過程で、さまざまな文化にも触れることができる。例えばある村では地面に住む人ほど階級が高く、樹上で暮らす人は労働階級的な扱いを受けているのだが、この村では他者と自分の立場の差を表す際に使う「見下ろす」という表現が通じない。

高いところから見下ろして優越感を感じるのは地球人の感覚であって、この村の感覚では「見上げる」ほうが優越感を得られるからだ。

とはいえ我々の感覚からすれば、本当に見上げることが優越感につながるか疑問に思うかもしれない。しかし本作はそこにもしっかりと意味を持たせている。簡単に言えば、この惑星で信仰される神様のような存在は大地に宿っているため、その神様により近い場所にいるから、という理由付けだ。

もちろん、このような知識はゲームを進めるうえで必要なものではない。実際にNPCと話すときも、クエスト進行に必要な情報は限られており、そこだけピックアップすれば問題なく進められる。それ以外の情報は世間話として、聞きたい人が聞けるという仕組みだ。

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しっかりとした世界設定はありつつも、その情報をプレイヤーに押し付けてこない。そして頻出するワードの意味は、アクセスしやすい用語辞典で逐一カバーする。この形は、世界観を大事にするゲームとして、かなり丁寧に作られていると感じた。

ちなみに、前述した現地の生物を活用する武器だが、装備を手に入れたら無条件で使えるわけではなく、それぞれの原生生物を手なずけるクエストを達成しなければならない。このあたりも考えてみればごくごく当然で、世界設定を大事にしている作品ならではのプロセスだ。

しかも手なずけるといっても、原生生物は人をも食らうような凶暴な生き物だ。犬のようにこちらの指示を聞いてくれるというわけではなく、ただその習性を利用しているにすぎない。戦ってその習性を理解したり、おびき出して強引に捕獲するといった手段でクエストを達成しているのもまたおもしろかった。

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本作は特別に抜きんでた要素があるとは言えないものの、広い空間をジェットパックで快適に動き回れたり、武器カスタマイズが楽しかったりと、おもしろい部分はしっかりと持っている。

また筆者個人としては、構築した世界観をプレイヤーに理解させようとする仕組みは、本作のなかでもとりわけ特徴的で、優れたものだと感じた。異種族の文化などに触れることが好きな人は、ぜひ遊んでみてほしい。

2008年から、主にゲームメディアを中心に活動しているフリーランスライター。海外ゲームを遊ぶ比率が多く、ファンタジーやSFがテーマのものが大好物。特にミニチュアゲームの「ウォーハンマー」やTRPGの「ダンジョンズ&ドラゴンズ」は、もはや人生になくてはならないものとなっています。 それはそれとして日本のかわいいキャラも好きで、「Fate/Grand Order」や「ウマ娘」もプレイ。最近は「ウマ娘」の影響でダンスを始めました。

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