「ハリー・ポッター:魔法の覚醒」をレビュー。原作から数年後のホグワーツを舞台にしたリアルタイムカードバトルRPG。バトルの楽しさに加え、ホグワーツを追体験する楽しさも味わえる一作。その魅力を紹介する。
「ハリー・ポッター:魔法の覚醒」は、NetEase GamesからリリースされたPC、スマートフォン向けのリアルタイムカードバトルRPG。原作でおなじみの呪文はもちろん、魔法生物やキャラクターまでもがカード化。カードを連続使用することで効果を重ねていくという、高い戦略性を持ったバトルが特徴だ。ただ、本作の魅力はカードバトルだけに留まらない。魔法学校の生徒としてホグワーツの世界を体験するという楽しさも存在。「ハリー・ポッター」シリーズのファンであれば、どっぷりハマれる一作に仕上がっている。
いかにカードの効果を重ねて敵を追い詰める!戦略性溢れるカードバトル
まずは本作のジャンル名にもなっているリアルタイムカードバトルから触れよう。このジャンル名が示す通り、本作のバトルはリアルタイムでカードを使用していくというかたち。
時間経過に伴い魔力が蓄積。この魔力を消費することでカードを使用できる。カードには呪文の書かれたものと魔法生物やキャラクターの書かれたものがあり、呪文カードなら即座に魔法の効果が発動。魔法生物やキャラクターのカードであればカードに応じたキャラクターが召喚され、NPCとして自動的に戦ってくれる。
時間経過で貯まっていくリソースを使って魔法の発動やキャラクター召喚を行うという意味で、本作のバトルシステムはディフェンスゲームに近い。ただディフェンスゲームと違って、自分自身がフィールドに存在し、バトルへ参加することになる。
自分自身もHPを持ち、敵の攻撃によってダメージを受ける。なので、敵の攻撃にさらされないよう、移動しなければならない。この移動もカードによって行うスタイルとなっている。
バトルで重要なのは召喚する魔法生物と、魔法、そして主人公をどこに配置するのかという位置取りを適切に組み合わせること。たとえば敵が単独で、かつ主人公を狙ってくるタイプであれば主人公を離れた場所へ移動させつつ、高い攻撃力を持つ「トロール」を召喚。さらに突風で敵をノックバックさせる「ヴェンタス」によって主人公から引き離す…といった立ち回りが考えられる。
「この魔法と魔法生物を組み合わせさえすれば、どんなバトルでも勝てる」といった安直な作りにはなっていない。「トロール」は確かに強力だが攻撃対象は一度に1体のみ。このため、攻撃力は小さいものの一度に6体召喚可能な「小さいクモの群れ」にはカンタンに倒されてしまう。一方「小さいクモの群れ」は1体1体が弱い。このため、範囲攻撃を与える「アクロマンチュラの同駅」で一網打尽にされてしまう。
つまり、相手の立ち回りに応じて適切にカードを繰り出さなければならない。この奥深い戦略性が、本作のバトルの魅力といえるだろう。そして戦略性を最大限楽しめる場として用意されているのが、「決闘」。PvP形式でカードバトルを楽しめるため、駆け引きの楽しさを堪能できる。
正直なところ、このバトルだけで十分一本のゲームとして完成されていると感じた。バトルそのものが持つ戦略性がとても楽しい。おそらく「ハリー・ポッター」シリーズをまるで知らないという人がプレイしたとしても、楽しいと感じるだろう。もちろん、原作の呪文やキャラクターのイメージに対して忠実にカード化しているため、原作をプレイしていればより強く楽しさを感じられるはず。個人的には、仮に本作がこのバトルだけのゲームだったとしても、何も問題がない印象だ。…だが、本作はこれで終わりじゃない。
魔法学校の生活を満喫!ストーリーパート
バトルに並ぶ本作の魅力、それはストーリーパートだ。本作の舞台は原作から数年後のホグワーツ。つまり、ハリーとヴォルデモートの戦いが集結した後。このためプレイヤーはハリーの物語を追体験するのではなく、自分自身の物語を体験することになる。
体験するのは確かに、プレイヤー自身を主人公とした物語だ。といっても、まったく新しい体験をするわけではない。原作で見たあのシーン、このシーンを、自分が主人公として体験するといったかたちになっている。…これがたまらない。ゲームが始まりキャラクターデザインしてホグワーツに着くと、杖を買い、フクロウを買う。原作を読みながら…あるは原作映画を観ながら、「自分に合う杖はどんな杖だろう?」「自分のフクロウはどんなフクロウだろう?」なんて思っていた筆者は、思わず胸が熱くなってしまった。
もちろん、帽子による寮の組み分けも存在。とはいえこれは、帽子によって決定されるのではなく自由に選べるかたちだった。帽子に決めてほしかったという気持ちもあるので、この演出は若干残念。とはいえ、確かに自分の好きな寮に所属したいという気持ちもあるので個人的には納得できる範囲内だ。
そして、ストーリーには探索要素も存在し、ホグワーツ魔法学校を自分の足で探索可能!この探索で魅力に感じたのは、学校の講師陣や建物の描写といった部分は原作準拠でありながら、学生キャラクターはオリジナルという点。確かに探索しているのはホグワーツなのだが、学生キャラクターがオリジナルだからこそ、自分がホグワーツの生徒であると強く実感できるのだ。
生徒たちとのやりとりも、自分事のように感じられる。学生という身分から離れて四半世紀以上経つ筆者は、学生時代をもう一度味わっているかのような甘酸っぱい感覚を味わった。一部のコンテンツはミニゲームになっているのも魅力的だ。たとえば「舞踏会」はリズムゲーム。豊富なコンテンツによって飽きの来ない作りになっているのが素晴らしい。
魔法学校に入学したいと思ったことがあるならオススメの一作
また、個人的にもうひとつ魅力に感じた部分がビジュアルだ。本作のビジュアルは写実的なテイストではなく、ディフォルメされたトゥーン的なテイストとなっている。このテイストが、小説を読んでいる時のイメージに近かった。このため、映像化されたホグワーツというより、小説でイメージしていた自分の中のホグワーツを訪れたような感覚が味わえたのだ。
バトルの紹介で書いた通り、本作は「ハリー・ポッター」を知らずとも楽しめる一作だ。しかし各カードの内容や、作りこまれたストーリーパートの魅力といったことを踏まえれば、「ハリー・ポッター」ファンのための一作であることは間違いない。魔法学校に入学したいと思ったことがあるなら、最大限楽しめることだろう。是非、本作でホグワーツに入学し、魔法学校での生活を味わってほしい。
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