「Cassette Beasts」の真髄は奥深すぎるバトルにあり!プレイレポートをお届け

プレイレビュー
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Raw Furyより配信されているNintendo Switch版「Cassette Beasts」のプレイレポートをお届けする。

「Cassette Beasts」は、カセットテープへ記録したモンスターに自身が変身して戦うオープンワールドRPG。Steamでは2023年4月27日にリリースされ、ユーザーレビューは2023年6月26日現在で“圧倒的に好評“を記録している注目作となっている。

物語の舞台は、モンスターの住む島・ニューウィラル。その海岸で目覚めた主人公は、同じく島へ流れ着いていた少女・ケイリーと出会い、モンスターを記録してその姿に変身できる奇妙なカセットテープを渡される。

主人公は故郷へと帰るため、ケイリーをはじめとする個性豊かな仲間たちとともに冒険を繰り広げることになるのだ。

広大なニューウィラル島を自由に探索しよう!

ゲームをスタートすると、プレイヤーの分身となるキャラクターを作成することに。シンプルなドットで描かれたグラフィックに対して、カスタマイズの幅は広く、老若男女さまざまなキャラクターを生み出せる。

例えば目の形はたった数ドットの差なのだが、全く違った印象になり、改めてドット表現のポテンシャルの高さに気づかされた。

しばらく進めると、島に流れ着いた者たちが集まり作り上げた街・ハーバータウンへ到着。冒険の拠点となるハーバータウンでは、モンスターが記録されたテープに貼ってわざを覚えさせられる「ステッカー」や、回復アイテムなどを購入できるショップがあるほか、島の住人たちからクエストの受注なども行える。

ステッカーは貼って剥がせるタイプ。モンスターによって制限はあるが、かなり自由なわざ構成が可能だ。

クエストはメインクエストのほか、サイドクエストも存在。キャラクターの過去に関係するものから島の謎に迫るものまでさまざまで、攻略する順番は基本的に自由だ。

島の各地にいる「キャプテン」に挑むクエストでは、歯ごたえのあるバトルを楽しめる。

2Dオープンワールドの本作は、マップ開拓や探索も楽しみの一つだ。島にはさまざまなギミックが存在しており、スイッチを押すだけのシンプルなものから、少し頭を使うものまで用意されている。また、特定のモンスターを記録すると、変身していない状態でもそのモンスターの能力を使用可能に。滑空したり高速でダッシュしたりと、移動や探索がより快適になるのだ。

モンスターの能力の活用が必須なギミックもあり、どのモンスターが能力を持っているかは分からないため、「出会ったモンスターはとりあえず記録!」という気持ちに自然とさせてくれるのもポイント。強いと思ったモンスターをずっと使ってしまいがちな人も仲間を増やしやすく、バトルの戦略性もおのずと広がっていくことだろう。

モンスターは空のテープを使うことで記録できる。記録している間、テープを向けているキャラクターは他の行動ができない。相棒がその間にダメージを与えることで、成功率が上がっていく仕組みだ。

なお、記録中の無防備なキャラクターがダメージを受けると成功率が下がってしまい、倒されると失敗となるので注意が必要。記録したいモンスターがいる時には、できるだけ敵の数を減らしておこう。

フュージョンとタイプ相性で深みを増すバトル

本作のバトルは、主人公と相棒キャラクターがそれぞれ所持しているモンスターに変身し、2人で戦うターン制。ターンごとにAP(アクションポイント)が2ずつ溜まり、これを消費することでさまざまなわざを放てる。消費APが0のわざもあるので、小技でAPを溜めて大技を狙うか、そこそこのわざを連発するか、といった判断も重要となってくる。

ここまではよくあるRPGという印象だが、本作のバトルは、そこに特徴的な“フュージョンシステム”と、モンスターやわざごとに設定されたエレメントタイプの相性による“エレメント反応”が加わることで、独自の奥深さを生み出している。

名前の下にあるのがHPゲージ、その下がAPを表している。
左右についているマークは、そのモンスターのエレメントタイプだ。

フュージョンシステムは、変身した主人公と相棒が融合し、パワーアップした1体のモンスターとなって戦えるシステム。バトル中にダメージ受けるなど、特定の行動でゲージが溜まると選択できるようになる。フュージョンしたモンスターは、ステータスが合計されるほか、融合元の2体の技を全て使用可能。ターンごとに溜まるAPも4になるので、強力な技を繰り出しやすくなるのだ。

また、フュージョンするとバトル曲がシームレスにボーカル付きへ変化。圧倒・拮抗・逆転のいかなる状況ともマッチする、ソウルフルな楽曲は必聴だ。また、ストーリー上ではさらに特別な演出が入る場面もあるため、そこはプレイの上ぜひ確認して欲しい。

フュージョンしたモンスターの見た目にも注目。
その種類はなんと1万通り以上!

エレメントタイプは全部で14種類あり、ほのおやみずといったオーソドックスなものから、アストラルやメタル、プラスチック、ラメといった一風変わったものも存在する。そして、それぞれの相性によって“エレメント反応”が発生。やけどやどくといった状態異常系や防御力ダウンなどのマイナス効果、逆にプラス効果が付くものなど、さまざまな状態変化が起きる。

反応やそれによる状態変化は、相性に応じたわざがヒットすれば起こり、重ねがけすればターン数も蓄積されていく。対して相性によるダメージの増加や減少は基本的に無いため、一般的なRPGより状態変化の重要度が極めて高い。つまり、相性と反応の理解がとても大切になってくるのだ。

また、攻撃から数回身を守るウォール系のわざや自身のエレメントタイプを変えるわざ、当てると相手のタイプが変わってしまう反応など、戦略性をアップさせる要素も存在する。

APの下に表示されているのが、状態変化を表すアイコン。
見ての通り、かなり混雑している。

反応の種類はかなり多く、一度に複数起こることもあるため、奥深くも複雑といえるだろう。しかし素晴らしいのは、各反応の仕組みを理解し、覚えていくことへのフォローが凄まじく行き届いている点。

例えば、「みずタイプの攻撃はほのおタイプのモンスターを水でぬらし、火を消して攻撃の威力を下げる」「メタルタイプの鋭い攻撃は、だいちタイプのモンスターをシャベルのようにつらぬき、防御を下げる」など、どうしてこのような反応や状態変化が起こるのか、という理屈を全ての反応に設定し、チュートリアルで表示する、という方法をとっているのだ。

中には「ニューウィラル島で見つかる毒は燃えやすいため、どくタイプのモンスターはほのおタイプの攻撃を受けると燃えてしまう」など、現実世界とは異なる独自の設定もあるのだが、これはこれで世界観を知るきっかけにもなっている。

多くのRPGで暗黙の了解となり、こちらの解釈にゆだねられているタイプ相性の仕組み。本作では、独自のタイプを含め、ゲーム側からしっかり説明を受けることによって、それらを確実にインプットできるという訳だ。

また、タイプ相性表はゲーム内でアイテム化されており、戦闘中にいつでも確認可能。チュートリアルの表示はデフォルトだと一度だけなのだが、反応が起きるたびに出すような設定も搭載されている。

加えて、攻撃対象を選択する際に起きる反応をアイコンで簡単に確認することも可能。プレイヤーの暗記フローやド忘れまでも想定したような、至れり尽くせり仕様となっている。

フュージョンと反応の関係も戦略性を増している。フュージョンでは2体が1体に融合するため、当然手数は減る。ステータスはアップするのでダメージという点では申し分ないが、反応を起こすチャンスは減ってしまう、とも言えるのだ。

反応は威力の低いわざでも起こり、敵を数ターン行動不能にするような強力なものもあるため、場合によってはフュージョンせず、反応メインで戦った方がうまくいくこともある。とりあえずフュージョンしておけばいい、とはなっていないバランスが素晴らしい。

システムの斬新さを押し出すことを重視し過ぎる作品は少なくない。しかし本作は、作り手がその独自性や複雑さを理解し、「分かれば絶対に面白くなる」という自信のもと、丁寧に伝えようとする熱意が随所に感じられるのだ。実際、バトルの奥深さは十二分に伝わっており、その評価の高さが全体の好印象につながっているように感じた。

モンスターのモーションやエフェクトも凝ったつくりになっている。

バトルの部分が長くなってしまったが、クリアした筆者でも、その深淵にはまだ辿り着けていないような気さえする。それほど本作のバトルシステムは奥が深いのだ。

例えば、攻撃対象として味方も選択でき、反応も起こるのだが、あえてプラス効果がかかってしまう不利な相性のわざを味方にぶつけることで戦況を変える……といったこともできるかもしれない(ストーリーで試す機会は無かったが)。本作には難易度設定も搭載されており、AIのかしこさ、レベルスケーリングの2種類がいつでも調整できるので、余裕があれば色々と試してみるのも良いだろう。

先ほども言った通り、威力の低いわざでも反応は起こる。
だからこそ、こんな戦法もアリ……かもしれない。

なお、今回プレイしたNintendo Switch版(バージョン1.1.0)にはパフォーマンスの問題がいくつか見受けられたが、6月29日に行われたアップデートにより、こちらは改善されたようだ。公式Twitterによると、今後は最大8人のオンラインマルチプレイにも対応予定とのこと。さらなる遊びの広がりに期待しよう。

公式Twitter
https://twitter.com/byttenstudio

※画面は開発中のものです。

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