【安田善巳×駒田航】角川ゲームミステリー最新作「Root Film(ルートフィルム)」インタビュー前編―ふたたび島根が舞台になった理由とは!?

インタビュー
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角川ゲームスより2020年4月23日に発売予定のPS4/Nintendo Switch用ソフト「Root Film(ルートフィルム)」。同社代表取締役でプロデューサーの安田善巳氏と、八雲凛太朗役・駒田航さんの対談を前後編でお届け。前編ではゲームのコンセプトや凛太朗のキャラクター像などについて語ってもらった。

PS4/Nintendo Switch用ソフトとして2020年4月23日に発売されるミステリーアドベンチャー「Root Film(ルートフィルム)」。「√Letter ルートレター」に続く角川ゲームミステリー第2弾で、映像作家の青年である八雲凛太朗と若手女優のリホという、2人の主人公の視点で謎の事件を追っていくことになる。

ここでは角川ゲームミステリーを立ち上げ、本作でもプロデューサーを務めている安田善巳氏と、凛太朗を演じる声優の駒田航さんのインタビューをお届けする。

安田善巳氏(左)と駒田航さん(右)

――角川ゲームミステリー最新作である「Root Film(ルートフィルム)」はどのような経緯でスタートした企画でしょうか? 角川ゲームミステリー第1弾の「√Letter ルートレター」が世界的にヒットしたことも要因なのでしょうか。

安田:おかげさまで「√Letter ルートレター」は全世界累計販売本数が43万本を突破しました。もともと角川ゲームミステリーは地方を舞台に、その暮らしや文化を世界中に発信したいと思ってはじめたタイトルだったのでうれしいです。とくにアジアの方々には人気で、「√Letter ルートレター」に登場した松江市のBARに聖地巡礼してくれるユーザーさんもいたそうです。

前作「√Letter ルートレター」に登場した中村BARは松江に実在するお店。
※写真は「√Letter ルートレター Last Answer」のもの。

ただ、一方で作品としては我々の意図とはすこし違うものが大きな話題となりました。主人公であるマックスの個性的なキャラクターなどがバズったおかげもあり、ハリウッドの映画化や中国でのテレビドラマ化が実現するなど、それはそれでうれしい盛り上がりをしていますが、第2弾はきちんと王道のものにして、ミステリーファンにも刺さるようなものを作ろうと思い本作を立ち上げました。

――本作はふたりの主人公を軸に物語が進んでいきますが、片方のリホ編は名家の遺産相続にまつわる話が展開するので、王道のミステリーものが好きならニヤリとすると思います。安田さんとしてもこういった昔ながらの王道のアドベンチャーゲーム作品を作りたかったのでしょうか?

安田:今回のシナリオとディレクターは、「クロックタワー」シリーズや「御神楽少女探偵団」といった数々の名作を手掛けている河野一二三さんに手がけてもらっています。現在はフォトリアルなゲームが世界的に流行しており、テキストタイプのアドベンチャーゲームは減ってしまいましたが、2020年の現在に河野さんがふたたびテキストアドベンチャーゲームを作ったらどうなるのか挑んでみたかったんです。また、河野さんからも私のプロデュースで自分がディレクターをする作品を作りたいという話をいただいていたこともあり、いっしょに本作を手掛けることになりました。

また、河野さんは今回、インターフェースなども監修してくださったのですが、とてもオシャレに仕上げてくださいました。そのため、今回は若いユーザーさんをはじめとした幅広い層に受け入れてもらえるのではないかと思っています。

今回は島根全域の魅力を掘り下げる作品に

――主人公・八雲凛太朗に駒田さんを起用された理由をお聞かせください。

小さな個人事務所「八雲映像」を構える貧乏映像作家。
たまにくる小さな広告動画やインチキ心霊DVDなどの作成で糊口をしのいでいるが、
現状に満足せず常に自己研鑽は怠っていない。

安田:スタッフで主人公役の候補となる人を選んでいたところ、駒田さんを推す声がいちばん多かったんです。今、人気でお忙しい方ですが、お声がけしたところ協力していただけることになりました。

写真を確認したときから格好良いなと思っていましたが、収録現場やインタビュー動画での佇まいもスマートで人気の理由がわかりました。男の自分から見ても格好いい男性だと思います。

駒田:こんなに心地のいいインタビューはないですね(笑)。

安田:いえいえ。駒田さんが主人公役をやることをツイッターで報告したときも、多くの人が拡散してくださり、その人気に驚きました。

――主人公ということでボイスの収録量も多かったのでしょうか?

安田:多いなんていう次元ではないですね(苦笑)。

駒田:そうですね。推理ゲームの主人公ということもあり、ひとつひとつのセリフも長かったです。そのため、1日や2日で終わるようなものではなく、何日にも分けて収録しました。また、「この展開のときにこのセリフのニュアンスで大丈夫だろうか」といった内容を詰める、その場での会議も多かったです。

――本作の舞台は「√Letter ルートレター」と同じ島根ですが、島根を舞台にした理由、島根ならではの魅力を教えて下さい。

安田:ほかの県からも「舞台にしていただけませんか?」というお声がけはかかっていたのですが、島根県のほうからも「前回は松江市が中心だったので、今度は島根全域の魅力を掘り下げてほしい」とお願いされたんです。それで「島根を舞台にするのは今回で最後」と考え、島根の魅力のすべてを伝えることにしました。

――なるほど。駒田さんはそんな本作の舞台である島根には行ったことがありますか?

駒田:残念ながら行ったことないです。いつか行ってみたいですね。

――なかなか行く機会がない県ですよね。

安田:駒田さんの出身はどこなんですか?

駒田:ドイツです。

安田:すごい! ドイツのどこですか?

駒田:ケルンとミュンヘンですね。

安田:大都会ですね。ドイツということはサッカーもお好きなんですか?

駒田:はい、もちろん! 自分が住んでいたのがチームのあるバイエルン地方でしたし、オリバー・カーン選手が全盛期のころだったのでハマッていました。

安田:サッカーは自分でもやっていたんですか?

駒田:はい。サッカーもやっていましたが、ドイツの町中にバスケットコートがあるので、バスケットもストリートの子たちとよく遊んでいました。

――安田さんは河野さんと5日間の弾丸取材ツアーを敢行したとのことですが、そのなかでおもしろい出来事などは起きましたか?

安田:私は日本神話が好きなのですが、河野さんも怪奇ホラーや伝承が好きなので、夜はそういった話でふたりで盛り上がっていました(笑)。

また、隠岐の島に行ったときにあるハプニングが起きたのですが、それをそのままゲームのなかのトリックとして使っています。

――それは、ある意味ラッキーでしたね(笑)。

安田:河野さんがすごいと思ったのは取材ツアーで行った場所や食べたお店などのすべてをゲームのなかに取り込んでいることですね。ゲームをプレイすれば島根の良さが具体的に伝わると思います。

――駒田さんは今回のシナリオを読んで、島根に行ってみたくなったりはしましたか?

駒田:そうですね。風景の描写がこまかく描かれているので行ってみたくなります。たとえば木々が生い茂った場所にある神社などは東京で観るものよりもオーラがあって迫力がありそうです。仕事と関係なくとも一度行ってみたいですね。

――島根を舞台にしたドラマやアニメは少ないので、どんな県なのか想像しづらいですよね。

駒田:はい。島の多さなど今回の作品に参加したことではじめて気付かされることが多かったです。名前は知っていても島根に面していたことを知らなかった地名などもありました。

ビジュアルを見たときは脇役だと思っていた

――キャラクターについてお聞かせください。駒田さんが最初に凛太朗のビジュアルや設定を見たときの感想はいかがでしたか。

駒田:これまでは偉そうなキャラクターやいかにも美形なキャラクターを演じることが多かったので彼のような三枚目のタイプを演じるのは新鮮でした。

ミステリーゲームの主人公を演じさせていただけるということを聞き、最初は格好いい人物だと思ってキャラクターの一覧から主人公っぽいものを捜していたましたが、まさかこのビジュアルが主人公とは思わず凛太朗のことを飛ばしてしまいました(笑)。

その後、凛太朗の設定を見て格好つけるようなタイプではないことがわかり、演じるのが楽しみになりました。

――確かにビジュアルだけを見たら脇役だと思ってしまうかもしれませんね(笑)。

安田:本作では主人公の凛太朗とパートナーの曲 愛音のふたりが事件に立ち向かっていくという内容ですが、駒田さんの演技によって凛太朗がより愛着の持てるキャラクターになったのではないかと思います。

――駒田さんは嫌味なキャラクターにならないように気をつけたりしたのでしょうか?

駒田:そうですね。凛太朗は物語のなかで成長するキャラクターで、最初の段階とエンディング後で雰囲気の変わるキャラクターです。最初のほうは自堕落でやる気のない性格をしていて、現実にいる人のような感じになっています。自分の印象としては「こういう人がいるといいな」というタイプではなく、「こういう人がいるよな」というタイプでした。そのため、2枚目キャラクターのように独特な味をつけるのも違うと思い、あえて普通に演じさせてもらうことにしました。

安田:駒田さんはカメラマンもやっているから、その部分で凛太朗に感情移入できたのでは?

駒田:そうですね。映像制作会社の男という設定は自分のために追加してもらえたのかと思いました(苦笑)。劇中のセリフでも「この画角だとこれが写り込まない」といった専門的なワードを言ったりするので共感することができましたね。

――駒田さんはカメラマンとしてどのような活動をされているのでしょうか?

駒田:これまで番組をやらせてもらったり、宣材写真を撮らせてもらったりしました。ただ、今後はもっと表現者として、カメラを使った大きなエンタメ的なこともやりたいですね。

――カメラに対するこだわりはありますか?

駒田:なるべくたくさんの種類に触れたいと思っています。カメラとレンズでメーカーを揃えなければいけない部分などもあるのですが、用途に合わせていろいろな種類を使いこなせるようになりたいです。


インタビュー前編はここまで。近日公開の後編ではシリーズおなじみの“マックスモード”についてなど、よりディープな部分に切り込んでいく。

※画面は開発中のものです。

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