自称「ゲームソムリエ」の津久井箇人 a.k.a. そそそが、オススメのダウンロードゲームを紹介する連載企画「そそそのダウンロードゲームれこめんど」。第6回は11 bit studios開発、Teyon Japanから発売中のNintendo Switch用ダウンロードゲーム「ムーンライター 店主と勇者の冒険」を紹介!
Gamerをご覧の皆さん、こんにちは。ネット界隈で「そそそ」と呼ばれているゲーム大好き音楽クリエイターの津久井箇人です。“どんな人にハマるゲームか”を実際にプレイしてお伝えしていくゲームプレイレポート【そそそのダウンロードゲームれこめんど】略して【そそれこ】の時間がやってまいりました。
人によっては10連休になったらしい今年のゴールデンウィーク。皆さんはどのように過ごしましたか。筆者はどこに出掛けるでもなく、ほとんど家に居ました。家にこもってのんびり過ごすゴールデンウィークも、それはそれで良いものです。……と書いてみたものの正確には、家の中の、ゲームの中の、ダンジョンの中にこもっていたわけですがね!
「ムーンライター 店主と勇者の冒険」ってどんなゲーム?
プレイヤーは財宝の眠るダンジョンの近くにできた「リノカ」と呼ばれる集落にある商店「ムーンライター」の若き店主「ウィル」です。「ウィル」はダンジョンへお宝探しに行ったり、お宝を自分のお店で売ったりと、非常に貪欲。
「ゼノン」と呼ばれるおじいさんに「お前は商人なんだから、ダンジョンには行くなよ、絶対行くなよ!」という見事な「振り」のもと、ダンジョンの最深部とその先々にあるお宝を求めつつ、お店を切り盛りしていくことになります。
主人公はダンジョンを攻略したい商売人
基本はトップビュータイプのアクションRPG
本作のダンジョン探索は、トップビュータイプのアクションゲームとなっています。しいて言えば初期「ゼルダ」シリーズに近いですが、アイテムなどを駆使して戦うというよりも、プレイヤーのテクニックに比重が置かれているので「頭よりも指先」というゲームバランスです。
この手のインディーゲームには珍しく、物語の冒頭にはビジョアル的にも非常にわかりやすいアクションに関するチュートリアルが用意されています。動作の基本は攻撃アクションと回避アクション。回避アクションを地面の裂け目(穴)を飛び越える際に使うなど、応用テクニックも順番に学べます。チュートリアルでアクションの基本さえ押さえれば、その応用でほぼすべてをプレイしていけるので、まずは本作のアクションに慣れましょう。
ダンジョンは自動生成だけど「ローグライク」にあらず
お店の運営とダンジョン探索というと「不思議のダンジョン」シリーズ、特に「トルネコの大冒険」シリーズを連想しますが、大きく異なるのはやはり戦闘の面。ローグライクの特徴とも言える「ターン制」は採用されておらず、あくまでもリアルタイムのトップビューアクションで敵を倒していきます。
また、ダンジョンの途中で一旦地上に戻れる「ポータル」システムや、倒されても装備がなくならないどころかダンジョンで手に入れたアイテムまでもが一部残るシステム、レベルの概念(ダンジョン攻略による成長)がないなど、一般的なローグライクよりも少し優しさの成分が多め。ローグライクならではのタイトさとは異なる、カジュアルなゲーム性でバランスを取っています。
無理せず帰る勇気
本作の基本ループは【ダンジョン冒険 → お宝入手 → お店で販売 → お金で色々強化 → ダンジョン冒険……】といった感じです。ダンジョンで入手したお宝を地上に無事に持ち帰る方法は大きく分けて2つ。「ペンダント(脱出)」もしくは「ポータル(1回だけ往来)」で地上に戻るか、ダンジョンを攻略するかです。
大事なのは、本作の主人公が基本商売人であること、つまりお金をしっかり稼ぐということです。お金は、自分の装備を整えることや、集落に新しい施設を誘致することなどにつながっていき、その結果ダンジョン攻略も有利に進めていけるようになります。攻略するのが難しいと感じたら、無理せず一旦地上へ戻り、お宝を店で売れば活路も開けてくるでしょう。
小さなことからコツコツと。3歩進んで2歩下がる。本作の醍醐味と言っても過言ではないと思います。
便利なインターフェイス
海外製のインディーゲームはインターフェイスに不便さを覚えることが多いのですが、本作はかなり細かいところまで手が届いていて、ビジュアルで直感的にわかるように作られた丁寧さを感じました。
特にありがたかったのが「欲しいものリスト」登録。例えば次に欲しいよろいを登録すると、手持ちにあるそのよろいに必要な素材に星マークが付きます。間違って売ってしまったり、捨ててしまったりすることを避けられると同時に、どのアイテムが必要かわかりやすくなることで、倒す敵や探索場所などの絞り込みにも役立ちます。便利!
また、お店でお宝を売る際の適正価格を「顔の表情マーク」で表しているのも良い感じです。とにかく文字で説明するのではなく「出来る限りビジュアルで」という気概も感じ、文字情報に頼らないスッキリとした見た目に加えて、逆に情報がないことによる想像の余地も生まれる相乗効果も感じることができました。
気になったところ
ボタン配置がやや独特
個人的には、デフォルトのボタン配置は日本のコンシューマ向けの配置ではないなと感じました。ただし、オプションでスッと変えられる上に、インターフェイス上の表示もしっかりオプションでの設定が反映されて表示されるので、プレイしやすいボタン配置にしてしまえば特に問題なく、むしろ快適でした。
任意のタイミングでセーブしたい
いつセーブされているかわかりづらく、セーブ中のアイコンを見逃すことが多々ありまして。そんなとき、筆者は確認の意味を込めてもう1回セーブしたいのですが、たぶん何かしら行動しないとセーブできません。一番手軽そうな「ベッドで寝る」も、時間を経過させてしまうので出来れば避けたいところ。
もちろん、このテのゲームはやり直しが効くと面白さが半減してしまうので、任意でセーブ出来すぎてもダメなわけですが、そのままセーブして終了のような機能はほしかったです。
ストーリーの薄さ
正直、ストーリーに重きが置かれていないシステムを楽しむゲームと言ってしまえばそれまでなのですが。特に中盤から、主人公「ウィル」の動機付けがやや薄かった気がします。
若干のボリューム不足
決して少なくはありませんが、周回プレイを前提としている部分にやや物足りなさを感じます。「もっといろいろな武器・防具を集めたい」「もっといろいろなダンジョンを巡りたい」という欲に駆られました。
総評:コツコツ着実に、冒険し商売し、そういうものに私はなりたい
ダンジョン攻略とお店の経営で、お金を上手く手に入れることがとにかく重要。お金の使い道は個人の好みとは言え、どの方向から使ってもダンジョン攻略に役立つようになっています。そのゲーム性が絶妙で、お金が「お金」「経験値」など、いろいろな概念を担っていると感じました。
ローグライクとは一味違う、頭よりも指先を使うゲーム性は、RPG好きよりもアクションゲーム好きに向いていると思います。謎解き要素も敵の倒し方程度に留まっており、いかに上手く敵を倒すかといった部分も攻略のポイントになってくるでしょう。
持てる荷物は限られているため、ダンジョンの深部に進むほどお宝の取捨が迫られます。状況によってここで帰るか、もう少し頑張るかもプレイヤーが決める必要があります。このあたりで如実にプレイヤーのプレイスタイルが出るのも面白いと感じました。筆者は無理して死ぬタイプでした。筆者みたいなタイプよりもコツコツとプレイできる人の方が向いているかもしれませんが、もちろんワンチャンでダンジョン攻略というパターンがあるのも本作の魅力。己のプレイスタイルを信じるかは自分次第です。
こんな人にオススメ!
- トップビューのアクションゲームが好きな人
アクションの手応えもそこそこにあり、少し懐かしい感じがします。 - コツコツ進めるゲームが好きな人
お金があるほどゲームが有利に進むため、探索と商売による地道な成長こそ攻略への近道。 - アクションは苦手だけど経営シミュレーションは好きという人
お金を稼ぐほどダンジョン攻略が簡単になるので、アクションが苦手な人でも楽しめそうです。
逆に注意!
- ローグライクとは少し違う
ダンジョンは自動生成だけど、アクションはターン制ではなく、初期ゼルダなどに近い感じ。 - 謎解きメインではない
ダンジョン攻略の雰囲気はゼルダライクだけど、謎解きではなく純粋にバトルするゲームです。
筆者は、自分のゲームの下手さを痛感させられました。あのとき地上に戻っておけば……という場面が何回あったことか……。そういったタイミングなどの見極めもセンスとして問われると思うので、そこを冷静に見極められるクールなおじさんになりたいです……。
【そそれこ】第6回、いかがだったでしょうか。今回プレイしたゲームの主人公のように、筆者もライターと作曲家の「二足のわらじ」なのですが、上手く両立するのって本当に大変なのです。それを上手くできる「ウィル」を見習って生きていこうと思います(笑) 次回もどうぞお楽しみに!
プロフィール
津久井箇人 a.k.a. そそそ
自称「ゲームソムリエ」として、さまざまなウェブメディアでゲームプレイレポートを執筆。物心付いた頃にはMSXでゲームをプレイしていた根っからのゲーム好き。一方で、アーティスト・声優・ボカロの楽曲を手掛ける作曲家としても活動中。エンタテインメントにおけるプロとインディーの垣根を越えた活動を模索し続けており、近年は自身が代表を務めるサークルである創作集団「S-TRIBE」にてバーチャルYouTuberのプロデュースも行っている。
https://twitter.com/sososo291
■エンタメ創作集団 S-TRIBE 公式サイト
https://s-tri.be/
■エンタメ創作集団 S-TRIBE YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/STRIBE
My Nintendo Store - ムーンライター 店主と勇者の冒険
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