同じ場所でじっとしていられない男が落ち着きを払って潜入任務をできるか試してみた!「ヒットマン ザ・コンプリート ファーストシーズン」ゲームコレクターインプレッション

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黒いスーツを着こなし、赤いネクタイが決まっている、スキンヘッドのナイスガイ。日本国内でもいくつかシリーズが発売されている「ヒットマン」のはずですが、「ザ・コンプリート」や「ファーストシーズン」という続編っぽいネーミングではないタイトルなのが気になりました。そんな「ヒットマン ザ・コンプリート ファーストシーズン」のインプレッションをお届けします。

「ヒットマン」シリーズといえば、見た目はサードパーソンシューティングですが、物陰に隠れながら撃ち合うような激しい銃撃戦のイメージではなく、いかにこっそりと現場に潜入し、バレないようにターゲットに近づき、できれば銃など使わずに、背後からワイヤーを使って一瞬で仕留める、そんなイメージのゲーム。

こっそりと潜入するためには、見張りや監視カメラの位置を確認しつつ、ときにはダクトを使って移動するなど、見つからないことこそが正義ではあるのですが、誰の目にも見えている姿で堂々と潜入することも大事になります。

現場に堂々と正面から入ることは無謀ではありますが、人はそれほど人のパーソナルな部分には注目していなく、その場所に入ってもいい人が入ってくる分には、何の疑いも持たれません。つまり、その場にいて問題のない職業に変装することが大事になってくるんですね。

しかし、主人公のエージェント47は体格もよく、スキンヘッドはかなりインパクトがあるし、何よりもあのバーコードが……。

それでも、いろんな職業に変装してミッションをこなす姿が滑稽ながらも、その姿ゆえに「バレているかもしれない」と常に思いながらの行動になり、自然と気持ちが47と一つになり、ヒットマンとして感覚が研ぎ澄まされていきます。

ボクにとっての「ヒットマン」シリーズのイメージはそんな感じ。あと、ティモシー・オリファント主演の映画「ヒットマン」の、ゲームと比べるとちょっと線が細くて、ウブなところを露呈していた47のイメージもちょっとだけ加味されていたり。

ゆえに「ヒットマン」は冷静沈着なエージェント47が、完璧な変装をして、そつなく現場に潜入し、こっそりとターゲットに近づき、見事目的を達成するゲーム、ということはわかっているのですが、ボクがやるとそうはならず、しかし、そうはならないところにこそ、最大の魅力なのだとわかっています。

そんな認識が今回の新作「ヒットマン ザ・コンプリート ファーストシーズン」をプレイすることで、どう変化するのか、ともかくプレイを進めてみます。

冷静沈着にミッションを攻略?

プロローグで操作に慣れ、オペレーターとの信頼関係や組織の上からはあまりよく思われてないことを知りつつ、過去に実行された作戦のシチュエーションでターゲットを始末して脱出するミッションに挑戦します。操作は基本的なサードパーソンシューティングをプレイしたことがあれば特に問題なくプレイできます。

最初のミッションは、停泊している船に入り、ターゲットを始末するだけの簡単なミッション。まずは特殊な能力インスティンクトを使うことで、人の動きを感じ取っていきます。インスティンクトは、壁の向こうにいる人を含めて人の動きをすべて感じ取ることができ、ターゲットとなる人物のシルエットは赤く表示されます。この赤い表示のところに向かうことこそ今回のミッションで大事なことで、ともかくターゲットが船に乗っていることを確認できました。

しかし、正面から入ろうとすると止められてしまいます。

そこで、近くの建物に入って整備士を背後から襲って気絶させ、服を奪って整備士に変装。気絶させた整備士を裸のままで放置していると、発見されてバレる可能性が高まりますので、近くにある棚に放り込んでおきましょう。ヒットマンはお片付けが得意なんですよ。始末して片づける、これ、ヒットマンの常識です。

船に潜入したら、改めてターゲットの位置を確認し、追跡しようとしたところ、整備士の姿ではプライベートデッキには入れません。そこで、新たな変装をしたいところですが、船の上ではパーティが行われているため、人が多すぎて気絶をさせるにしてもバレずにこっそりと行動することができません。

そこで、部屋に入ると料理をしている乗組員がいたので、気絶させて服をはぎとり、乗組員の姿に変装。裸になった乗組員は近くにあるボックスにお片付けしてしまいましょう。

これでプライベートデッキに上がることができ、あとはターゲットを始末すればいいだけなのですが、もう少し変装を楽しみたいと思い、一人で警備している警備員を気絶させて服をはぎとり、警備員に変装。しかし、近くにお片付けできるボックスがないので……このまま放置していってしまいましょう。

警備員姿で見回りをしているとターゲットが個室で二人きりで話をしているようなので、チャンスです。会話の相手が向こうを向いているときに、サイレンサー付きのピストルを使って頭を一撃。

ターゲットを始末できたので、あとは船を下りて車の近くにあるボタンを押せば任務終了。

プライベートデッキに入るときには乗組員の姿だったため、警備員に怪しまれずに通過できたのですが、降りるときには警備員の姿で降りてしまったので、警備員に怪しまれてしまいました。

本来その姿では入っちゃいけないところに入った場合には怪しまれますし、今回のように、警備員の変装は同じ職業の警備員に疑われやすいという特性があるため、ここでは2つの意味で変装に失敗。

それでも、怪しまれているうちにさっさと立ち去ってしまい、ボタンを押してしまえばミッション成功。

チュートリアルなのに、余計な行動をしてしまいましたけど、それでもどうにか合格をもらえたのですが、改めて同じミッションを、別の方法で解決しろとのお達しがありました。

みんなが見ている前で堂々とバーン。

自分自身は隠れているけど、やっぱりみんなが見ている前でバーン。

逃げる自信があるのであれば、どんな方法をとっても構いません。しかし、エージェントたるモノ、なるべく危険の少ない方法で、誰にもバレずに仕事をしなくてはなりません。そこで、ボクが見つけ出した答えはこんな感じ。

もしくは、こんなところからも。

って、バレバレじゃん。

ちなみに、“バーテンダーになりすまして毒を盛る!?待望の日本語ローカライズ版「ヒットマン」のパリステージをプレイしてきた”の記事で挑戦されているパリのミッションをボクがこなすと……。

オペレーターが説明をしてくれている最中に、客人の前に現れて注目されているターゲットをいきなり、オラオラオラ!

たまたま居合わせたお偉いさんに、ちょっと服を貸してくれ!

危ないヤツが来ないように見張りをご苦労さん!

レディーには特に丁寧な対応を。

皆さん、お待たせしました。

じゃあ、次に行こうか。

……と、簡単にミッションをクリアしたように見えるかもしれませんけど、これでも何度か試行錯誤をした結果見つけた一つの答え。もうすでにステルス要素は全くなくなっているし、サードパーソンシューティングっぽさもありませんけど、この自由度がとにかく大事。

戦闘モードに入ってしまうと、なかなか平常に戻すのは難しいのですが、大胆な行動という意味では、こんな派手な場所に出てしまうこともできちゃいます(やらなくていいけど)。

実は、PS3の「ヒットマン アブソリューション」をプレイして、かなり無茶なプレイをしてもクリアできていたので、今回はどの程度無茶がまかり通るか気になっていたのですが、正直、今作で無茶な行動をするのはとても大変。

無茶をすれば、一気に敵に囲まれ、激しい銃撃戦を一人で対処しないといけないのですが、マップが広くて人が多いため、倒しても倒しても敵が出てきます。そのため、ステルスの重要性がより高まり、無茶をするほどそのゴールへの道のりが険しくなることが容易に想像できます。当然、机上の空論になるような無茶も山ほどありますし。

冷静沈着にサピエンツァに挑戦!

パリについては、また機会があればもっとスマートな47らしいクリアの仕方をしたいと思いますが、最後にもう一つだけ、ミッションに挑戦しておきましょう。

「ミッション/サピエンツァ 明日の世界」は、アマルフィ海岸の宝石と呼ばれる町サピエンツァで行われ、依頼内容は二人の人物の始末とプロトタイプの未完成ウィルスの破壊。

今回のミッションでは、パーティ会場ではなくターゲットの人物の屋敷のため、パリのミッションよりも部外者が入り込む余地がありません。サピエンツァのマップは、屋敷だけではなく、屋敷の外の街並みもしっかりと作り込まれています。ただ屋敷に入り込むだけでなく、屋敷に入るための方法を見つけることからミッションが始まっています。

しばらく歩き回っていると、事故を起こした花屋の配送車を発見しました。どうやらこの配送車は元々、ターゲットの人物の屋敷に花を運ぶ予定だったようです。

早速、電話をしている配送員を背後からクキッとして、衣服をはぎとったら衣服以外のすべてを海へドボーン。

車から花を取ると、屋敷に向かうのですが、入り口でボディチェックを受けたら、持っていた銃を発見されてしまい、殴り倒して戦闘開始。冷静沈着はどこに行ってしまったのでしょうか。

さて、気を取り直して2回目の挑戦。花を取るところまでは前回と同じですが、その場にピストルを捨ててから屋敷へ。ボディチェックも無事に終わり、屋敷の中に花を持っていくと、執事の案内で墓に向かいます。

案内によって墓に到着。しばらく墓で待っていると、ターゲットの一人が到着したので、花を墓において立ち去るフリをしつつ、背後から首をポキッ。

ここでこのターゲットに変装できないかと思ったのですが、どうやらそれは無理のようです。とりあえず一人目のターゲットを木箱に放り込んでお片付けも完了。これ以上、花の配送業者のフリをしてこの場にとどまることはできないため、近くにいる屋敷警備員を倒して服をはぎとり、服以外は箱にお片付けしておきましょう。箱には2人まで同時に収納(?)することができます。

その後もお片付けは続きます。屋敷の主を箱の中に収納してしまっているため、屋敷がちょっとざわついていますけど、ひとまずインスティンクトでもう一人のターゲットの場所を確認。

何食わぬ顔で屋敷を探索。やばいと思ったら背後からサクッと始末。変装にバレたら次の衣装を入手するためにサクッと始末を続けるのですが、なかなか丁度いい場所に箱がないため、お片付けを完了させることができません。服を奪えば即変装ができることは確かなのですが、元の服の持ち主が発見されてしまうと変装が見破られてしまうため、バレないためには箱へのお片付けが必須。結果、変装をしてもすぐにバレ、さらに変装をしながら逃走を続けることになります。しょうがないので、自ら箱に入って追跡を逃れることも。

ターゲットを探すために、ときにはインスティンクトも活用。おっと、屋敷内を探索しているうちに、運よく近づくことができていたようですよ。

ここからターゲットの動向を確認しつつ、バレないように始末する手段を講じるのが、本来の楽しみなのですが、なかなか堪えることができず、扉を開いて一気にバーン!

これはまずかったようです。すでにこれまでのプレイ状況でも全然ステルスっぽいことをしている感じではなかったのですが、それでも決定的にバレる行動をしているわけでもないというフワフワとした状況でした。しかし、今回の行動によって、屋敷全部が敵になってしまったような感じです。

パリのミッションであったら、このまま逃げればよかったのですが、今回は「プロトタイプの未完成ウィルスの破壊」という大事なミッションが残っています。これって、今始末したターゲットの行動で何らかのヒントを得なければいけなかったんじゃないですか? もう倒してしまったので、行動を見ることはできません。何のヒントもないままで、この先のミッションをこなさなければなりません。

油断している敵がいたら、ドーン。

屋敷警備員じゃなくても、ドカッ。

女性の衣装には変装できないので、あの子にはかわいそうなことをしたことを屋上で反省。

意外な絶景に感動したおかげで先ほどの罪悪感は消失。ついでに証拠も消し去りましょう。

一度大胆な行動を始めると、すべての行動が大胆になっていきます。ほぼ射撃はせず、背後からワイヤーを使ったり、正面から殴ったりと、とにかく肉弾戦を繰り返しつつも、暖炉にプロパンを放り込んでドーン!

ちょっとやりすぎてしまったので、しばらく外に出て、街並みを楽しみながら平静を取り戻します。

しかし、気持ちの平静さとは裏腹に、追跡は一切止まりません。さすがに、街中でこっそりと変装をして、すべてを隠密に進めることができないんですね。しょうがないので、改めて屋敷に潜入します。

次々と変装を繰り返しながら、二人目のターゲットを始末した現場に戻ってみると、誰もいなくて死体はすでに片付けられているという状況。そんな中、いいモノを発見しました。

やっとのことで重要そうなアイテムを入手したのですが、無理が祟りすぎて、屋敷の1階には屋敷警備員が山ほどいて、身動きが取れません。やっぱり、ステルス要素強めで攻略しないとこのゲームは厳しいことを実感できました。

いつかは冷静沈着に……

今回の挑戦はここで断念しましたけど、プレイしていて感じたのが、それぞれのステージのマップが広くて、登場人物が多く、一人一人が意思を持って行動をしているため、変なことをやれば現実と同じく怪しい目で見られ、無茶をすればそのまま行動が制限されるなど、即現実問題として返ってきます。

そして、目的は決まっていても、そこにたどり着くまでのパターンは山ほどあり、計画的に進めることも大事だけど、その場その場の判断も大事になり、その両方の要素をうまく組み合わせ、時には運の要素も重なってミッションが進んでいきます。

一つ一つのステージが、単純にゲームのために機能しているのは当然のこと、しっかりとそこには生活があるのは見事。まともにステルスでミッションをこなしていけばカッコよくクリアすることができるのでしょうけど、ボクのような無茶なプレイも許容してくれるので、同じミッションを何度も挑戦して、いろいろなクリアパターンを試してみたくなるような作りになっていることも実感できました。

残念ながらじっとしていられない行動によって、いつもの激しいバトルになってしまいましたけど、いつか落ち着いてミッションをこなせるようになりたいと思えるプレイでした。とりあえず、このあたりの表示に無理に反応しない程度はじっとできましたよ。

プロフィール

酒缶(さけかん)/ゲームコレクター

15000種類以上のゲームソフトを所有するゲームコレクターをしつつ、フリーの立場でゲームの開発やライターなど、いろいろやりながらゲーム業界内にこっそり生息中。「東京エンカウント弐」「ゲームラボ×仮面女子 ゲーム実況」にゲームアドバイザーとして協力。関わったゲームソフトは3DSダウンロードソフトウェア「ダンジョンRPG ピクダン2」「謎解きメイズからの脱出」など多数。価格コムでは、ゲームソフトとAndroidアプリのプロフェッショナルレビュアーを担当している。

■公式サイト「酒缶のゲーム通信」
http://www.sakekan.com/
■twitterアカウント
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■ブログ
https://sakekan.themedia.jp/

※画面は開発中のものです。

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