5pb.が2013年9月19日に発売したPS Vita用ソフト「やはりゲームでも俺の青春ラブコメはまちがっている。」のプレイレポートをお届け!
本作は、ガガガ文庫(小学館)よりシリーズ刊行中、渡 航氏著、ぽんかん8(数字は丸囲み)氏イラストによるライトノベル作品「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」を題材とした迷走系青春アドベンチャーゲーム。4月よりテレビアニメも放送されるなど、ますます人気を獲得している本作ならではのテイストで、原作ファンでも楽しめる内容となっている。
ここでは、ゲームをひと通り遊んでみて感じた本作ならではのポイントや、筆者自身の感想を交えて、プレイレポートとしてお届けしていく。まずは本作のストーリーと登場キャラクターを紹介していこう。
ストーリー
季節は夏。「プール、キャンプ・肝試し・花火大会」その他もろもろ……みんなで楽しむイベントの数々。
そんな世間のリア充ライフを他人事とし、誰とも会わず、遊ばず、働かず。これこそ非リア充面目躍如の夏休み。主人公・比企谷八幡は、外界から引きこもり非リア充ならではの充実ライフを満喫しようとしていた。
八幡はしかし、まだ知らなかった。抗いきれない流れに巻き込まれ、そして、「ボランティア活動」という名の“青春っぽいイベント強制参加”があることを――――。
登場キャラクター
比企谷八幡(CV:江口拓也)
主人公。総武高校2年F組。働いたら負けであると考えている。ひねくれた性格から友達も彼女もなく、ぼっちであり、自分は友達だと思っていたら相手にとってはまったくそんなことは無かった、という経験を積み重ね数多くのトラウマを抱えている。
「根性が腐っている」「目が腐っている」といわれる。“国語は学年3位、顔はそこそこいいので、基本高スペックである”と本人はのたまう。
結衣曰く「キョドりかたキモいし」。
雪ノ下雪乃(CV:早見沙織)
ヒロインの一人。奉仕部部長。総武高校2年で国際教養科に所属。もちろん八幡とは違うクラス。趣味は読書。帰国子女で、学力テストは常に学年1位。運動神経も良く、楽器や歌など音楽の才能も有り、家事もできる完璧美少女。
しかし、徹底してクール。常に本音で話すため、悪意はないが辛辣な物言いとなる。学内で誰もが知る存在であるが、友達はいない。
由比ヶ浜結衣(CV:東山奈央)
ヒロインの一人。八幡のクラスメイト。見た目が派手な今風ギャルであるという理由だけで八幡からはビッチと呼ばれる。人当たりが良く、空気を読むため友達も多いが、周囲の顔色を伺いすぎてしまい、自分の意見を言えないことも。
自分の悩みを相談するため奉仕部を訪れた際に、雪乃にキツイ言葉を浴びせられるが、本音で接する雪乃に憧れを抱き、なし崩し的に奉仕部の部員となる。勉強も料理も大の苦手。挨拶の言葉は「やっはろー!」。
平塚 静(CV:柚木涼香)
総武高校教師。生活指導担当しており、奉仕部の顧問を務める。八幡を奉仕部へ強制的に入部させた。見た目に反してワイルド(おっさんくさく)、熱血少年マンガに感化されている。年齢の話題に触れると殴る。八幡や雪乃のような、孤高であるが故社会への適応を危ぶまれる生徒を奉仕部へ入部させ成長を促す。独身。
戸塚彩加(CV:小松未可子)
八幡のクラスメイト。所属しているテニス部を強くしたいという奉仕部への依頼をきっかけに八幡との交流が始まる。外見も性格も女子っぽいのだが男子。女子との交流どころか、他人との交流を諦めている八幡はそれまで戸塚の存在を知らなかったため、初めて会話したときには女子だと勘違いした。しかし、男子とわかってからでも可憐すぎてやはり女子のように見てしまう。
八幡「戸塚かわいい、とつかわいい」。
材木座義輝(CV:檜山修之)
総武高校2年。重度の中二病患者。足利義輝にちなんで自分を「剣豪将軍」と呼んでいる。ライトノベル作家を目指している。八幡と別のクラスだが、おなじく友達がいない。 体育の授業では、残り物同士でペアを組んだことから、八幡を一方的に友人とみなしている。その存在感は濃厚なようでいて希薄。
比企谷小町(CV:悠木 碧)
八幡の妹。兄とは真逆でコミュニケーション能力が高く、天真爛漫な中学3年生。兄の八幡とは仲が良く、八幡の特殊性もよく理解している。もちろん、それが非常に痛くて非常に残念であることを理解しているので、他人に対しては兄の良い部分をアピールすることもある。曰く「今のは小町的にポイント高いかも」。
川崎沙希(CV:小清水亜美)
八幡のクラスメイト。不良っぽく人を寄せ付けない雰囲気を持っている。弟の川崎大志が小町と同じ塾に通っており、姉の不良化を心配していた大志に相談された奉仕部の面々が、事態の解決に一役買うことになった。
葉山隼人(CV:近藤 隆)
八幡のクラスメイト。成績優秀、スポーツ万能。両親はエリート。それを鼻にかけることなく、誰にでも友好的に接し人望も厚い。さわやかな好人物。いわゆる、クラスの上位カースト。まさに八幡とは正反対に位置するリア充。八幡を「ヒキタニ君」と呼ぶ。
三浦優美子(CV:井上麻里奈)
八幡のクラスメイト。結衣や海老名姫菜との女子グループで、葉山達と一緒にいることが多い。クラスの女子最上位カースト。八幡が「炎の女王」と言うほど、自分の感情にストレートで、プライドが高くわがまま。しかし、海老名に対する態度から察するに意外と面倒見が良いようだ。
海老名姫菜(CV:ささきのぞみ)
八幡のクラスメイト。見た目は地味で正反対だが、三浦と仲が良い。実は、極度の腐女子でクラスの男子でカップリングを楽しむ。が、その妄想が暴走し、三浦がストップをかけることもしばしば。
戸部 翔(CV:堀井茶渡)
八幡のクラスメイト。葉山をとりまくグループの一人で、葉山と同じサッカー部に所属している。ノリがよく、周囲を盛り上げるムードメーカー。だが、雪乃に言わせると「騒ぐだけしか能がないお調子者」。
原作をベースとしつつもゲームならではのifストーリーが展開
本作では、原作では4巻、アニメでは7~8話で描かれた夏休みの合宿から物語がスタート。これだけでは原作との違いがわかりづらいとは思うが、原作では合宿に参加することのなかった材木座が今作では参加しているなど、細かい部分で違いがあり、これらが物語に多彩な方向性を生み出している。
基本的なゲームの進行はテキストを読む進めつつ、時折出現する選択肢を選ぶオーソドックスなアドベンチャーゲームとなっているのだが、その中で特徴的なのが「行動選択肢」と「脳内選択肢」という2つの選択肢が用意されていることだ。
四角い吹き出しで表示される行動選択肢は、主人公・八幡の行動を選択することで、ほかのキャラクターの好感度に影響を与えるというもので、どのキャラクターと関係を深めていくかを選択する上では重要なものとなっている。
ただし、本作ではただ闇雲に相手の好感度を上げるだけではそのキャラクターとのシナリオにたどり着くことはできない。なんといっても八幡は“ぼっち”ならではの思考の持ち主なので、ほどよく腐っている必要があるというわけだ。
その度合いをわかりやすく示してくれるのが「廃人カウンタ」で、左にゲージがいくほど真人間度が、右にゲージがいくほど廃人度が上がっていく。そして、廃人度に影響を与えるのがもうひとつの選択肢である脳内選択肢だ。
脳内選択肢は八幡が場面場面で心の中でつぶやいていることが選択肢となって、雲型の吹き出しで表示される。ここで、真人間になりすぎていたら廃人度が上がる選択肢を、まさに廃人という状態であれば真人間度が上がる選択肢を選ぶという、ある意味で正解のない、状況に応じた選択が求められる。
こうした選択はシナリオそのものにも影響を及ぼし、例えば、作中で疎外されていた小学生・鶴見留美とのエピソードでは、選択肢によって原作とは異なる展開も待ち受けている。「原作でもし八幡がこの選択をしたら…」といった、読者、視聴者が想像したであろうシチュエーションが楽しめるのは本作ならではの魅力と言えるだろう。
沈黙を打破した先に待ち受けるのはドキドキ胸熱モード!
ゲーム中の選択によっては、ヒロイン(戸塚含む)との一対一の会話に発展する「沈黙打破モード」に突入することとなる。このモードでは、ランダムに出現する3枚の「会話カード」(沈黙の「……」は毎回出現)の中から1枚を選択し、その内容に沿った会話を相手と楽しめるのだが、不適切な話題を相手に振ると即座に失敗になることもあるなど、シビアなモードとなっている。しかし、沈黙打破モードに入る直前には自動的にクイックセーブされるので失敗してもすぐにやり直しはできる。
会話を終えると成功となりる。シーンによっては「ドキドキ胸熱モード」に突入して、恥じらう女の子たちとの会話をLive2Dの臨場感とともに楽しむことができる。
筆者個人としては、結衣とのその瞬間を楽しめるだけで、沈黙を打破するための苦労なんてなんのその! ゲームならではのヒロインたちの新鮮な姿をその目に焼き付けてはいかがだろうか。
小説内のさまざまカットが楽しめるビジュアライズモード
原作小説では、章の間に八幡のひねくれた読書感想文やレポート、八幡と他の人物とのメールでのやりとりなどが掲載されているのだが、ゲームではその場面を「ビジュアライズモード」として再現。特にゲームならではのやりとりの間があることで、ひとつひとつの発言を、まるでプレイヤー自身が直に聞いているかのような感覚で楽しめるのが嬉しいところ。
もちろん、小説の内容に留まらず、本作でしか見ることのできない組み合わせでのやりとりも楽しめるので、ゲームプレイの息抜きにぜひ楽しんでみてほしい。
原作の特徴をゲームとしての面白さに昇華させた内容に
本作では、廃人カウンタをはじめとした、痛々しくもどこか共感する部分もある八幡のひねくれぶりなど原作小説が持っている魅力をゲームとして十分に表現している。
その一方で、原作ではなかなか距離感を詰めきれない雪乃、結衣といったヒロインたちとここだけのエピソードが楽しめたりと、ゲームならではの要素もあり、原作・アニメ問わずに“俺ガイル”ファンであればぜひ遊んでほしい一作だ。
最後に、結衣と仲良くなりたいと思いつつゲームを進めた筆者が、気がついたら平塚先生とのエンディングを迎えた時につい八幡と同じく「誰かもらってやってくれ…」と思ったことを暴露して、プレイレポートを締めたいと思う。
(C)2013 渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。
(C)MAGES. / 5pb. (C)MarvelousAQL Inc.
※画面は開発中のものです。
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