スクウェア・エニックスが2026年に配信を予定しているiOS/Android向けアプリ「ディシディア デュエルム ファイナルファンタジー」(以下、「DDFF」)について、メディア先行体験でプレイした感想をお届けしたい。
「ディシディア ファイナルファンタジー」シリーズ(以下、「ディシディア」)といえば、2008年のリリース以来「ファイナルファンタジー(以下、FF)」シリーズの英雄と宿敵が一堂に会するクロスオーバータイトルとして親しまれてきた作品だ。1対1の対戦アクションから歴史がスタートし、アーケードでの3対3チームバトルへと発展。さらにスマートフォン向け派生作品「ディシディア ファイナルファンタジー オペラオムニア」へと広がるなど、多面的な展開を続けてきた。
「DDFF」は、従来の“対戦格闘”を大きく転換し、「3対3のボス討伐型チームバトル」という新たな形に生まれ変わった。舞台もコスモスとカオスが登場する神話的な世界から、私たちが暮らす“現代の東京”へと一新され、待望の新作に胸を躍らせつつも大きな変革に不安を抱くファンも少なくないだろう。今回はクローズドベータテストに先駆けて、メディア向け先行体験会に参加する機会をいただいたため、現状謎に包まれている「ディシディア」新作がどのようなタイトルに仕上がっていたのか感想をお伝えしたい。
※掲載されている情報はCBTに先駆け実施されたテストプレイ会時点の内容となり、今後変更となる場合がございます。
「FF」キャラクターが「現代の東京」へ降臨
先行プレイではあまりストーリー部分に触れることはできなかったが、突如東京の街に巨大なクリスタルが出現。その後クリスタルを汚染する謎の瘴気と魔物によって絶望の淵に立たされたが、同時に助けを呼ぶ声に応えるかのように「FF」キャラが召喚される状況に。正体を明かさずに戦う彼らを、人々が「ゴースト」と呼ぶようになったというあらすじのようだ。

本作最大の特徴は、やはり舞台が「現代の東京」に一新されていることだろう。たしかにナンバリングタイトルでは「FFVII」や「FFXV」などで、近未来的な我々と似た街並みを見ることはあった。しかしそれはあくまで“現代のような”という印象で、プレイヤーとキャラクターの世界観には隔たりが存在していた。だが本作で描かれる舞台は間違いなく私たちと地続きにあり、「渋谷スクランブル交差点」やミッドガルに似ていると度々取り上げられる「川崎工業臨海地帯」といった実在のスポットが戦場となったことで、没入感はこれまでの比ではない。
また情報公開時に話題になった、ゴーストたちが着用する「現代的な衣装」も紹介すべき点だろう。例えば「FFVI」のティナには「女子高生モチーフの服」が用意されるなど、東京に溶け込むためのオリジナルのコスチュームが多数用意されている(当然原作衣装も実装)。さらに「FINE」というメッセージアプリによるチャット形式のコミュニケーションや、「FFIX」主人公のジタンがスマホの操作に苦戦するといった、ファンタジー世界から現代に転移したギャップを活かした会話演出も導入された。これは本編を深掘りして、キャラクターの人間味をより身近に感じさせるファンサービスだと言えるだろう。


「ディシディア」から変化した協力&戦略アクション
それではメインコンテンツであるバトルの紹介に移ろう。これまでの「ディシディア」シリーズはブレイブ攻撃とHP攻撃を使い分け、「ブレイブを奪い合って相手のHPを0にする」バトルだったが、本作はボス討伐を目的とした「3対3チームバトル」へと変化。「所持ブレイブと同量のHPダメージを与える」という従来シリーズのシステムとは異なり、ブレイブの奪い合い要素は残っているがHPのシステムと切り離され、スマートフォンを通して片手でカジュアルに楽しめるようになった。

バトルの基本は画面下部の半円状のバーチャルパッドで移動を行い、青いリングで表示された攻撃範囲に敵を収めたまま停止すると、自動で通常攻撃が繰り出されるというシンプル設計だ。通常攻撃以外にもデッキに編成した5つのアビリティをフリック入力で発動させることも可能。ブレイブは「9999」まで溜めることで、「ブレイブバースト」状態へ移行可能となりボスにダメージを与える権利を得る。

ブレイブはフィールドに配置された、「汚染されたクリスタル」周囲のモンスターを倒して浄化したり、相手チームのプレイヤーを倒して奪ったりすることで入手可能だ。ただし勝利条件は「相手チームよりも先に巨大ボスを討伐すること」のため、プレイヤー同士の戦闘はあくまで「ボス討伐」準備の手段として位置づけられているのが、過去作との大きな違いだ。
いざボスに立ち向かったとしても、やみくもに攻撃すればいいわけではない。ブレイブバースト中にダメージを与えるアビリティを使用するとブレイブがリセットされる仕様だ(回復や防御魔法ではリセットされない)。ただ各アビリティにはクールタイムが設定されているが、強力な効果であるほどクールタイムが長い。つまりプレイヤー同士の対決に夢中になりすぎると、肝心のボス相手に「ブレイブが溜まっても使えるアビリティがない」というジレンマが発生するのだ。

またアビリティの発動に別のアビリティを入力することで、攻撃演出中はバースト状態を継続させることが可能。そのため回復などのサポート系のアビリティはすべて味方に任せ、自分はデッキすべてを攻撃アビリティにして一気に畳み掛ける戦術も生まれそうだ。さらにボスに対して2人以上が同時にダメージを与えると、「バーストチェイン」が発生してダメージが増加。「ブレイブバーストとアビリティをいつ切るか」の判断をもとに、アドリブで臨機応変な対応が求められる戦略が醍醐味だと感じた。
キャラクターには「フロント」「スピード」「ロングレンジ」「サポート」といった4種のロールが割り振られており、チームメンバーは役割を活かした連携も不可欠だ。例えばフロントのクラウドは攻撃力が高く前線で刃を交え、スピードのライトニングは誰よりも早くクリスタルを浄化するといった、ロールに応じた立ち回りが鍵となる。また「クルル」は“自分のブレイブを仲間に譲渡”する「ブレイブパス」といった、それぞれ固有のキャラクターアクションも存在し、チーム編成次第で数えきれないほどの戦い方が考えられるだろう。

クリスタル浄化、他プレイヤーとの戦闘、ボス討伐という異なる要素が並列する目まぐるしさに、慣れないうちは戸惑うかもしれない。しかしバトルで自分のすべき目標が明確なため、先行プレイの短い時間でもプレイを重ねて、立ち回りやアビリティの使い方を徐々に習熟していけた。

また一人用コンテンツとして用意された「チャレンジバトル」は、自分以外がCPUの状況下で特定の条件を満たすことで報酬が得られる。例を挙げると「ウォーリア オブ ライト」は“「強化」のアビリティを25回付与して勝利”など、プラクティスモードと並んでキャラクターのトレーニングとしての役割も担っていた。知らないプレイヤーとチームを組むのはハードルが高いという人も、本モードでセオリーを学ぶことで、オンラインバトルへのスムーズな導入と勝利への道のりを歩む達成感を得られるのではないか。


現代を舞台に再構築された「ディシディア」の未来
「DDFF」は、単に「ディシディア」を踏襲しただけの作品ではない。シリーズの特徴であった「FFキャラクター同士の共演」を前提にしながら、実在都市に現れたクリスタルと災厄から人々を守るゴーストとしての戦い。ファンタジーと現実が地続きとなる世界設計に転換することでプレイヤーはこれまで以上にキャラクターの存在を、“自分ごと”として身近に感じられる構造へ変化している。

バトルは複雑さを整理しながらも、従来の駆け引きと戦略性を継承しており、「巨大ボスを3対3で討伐する」という明確な勝利条件が設定。連携を前提としたアビリティ運用と役割分担で、純粋なアクションゲームとしての爽快感とRPGらしい達成感が両立でき、「チームで動きが噛み合った瞬間の快感」を味わうことができた。 今回体験できたのはあくまでクローズドベータテスト段階のビルドだが、それでも新しくも確かな手応えを感じさせてくれた。あとは2026年の正式リリースまでに、どれだけ洗練されるのかに期待したい。
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CHARACTER DESIGN: MIKI YAMASHITA / TETSUYA NOMURA
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