再びアイラ、シナツのエピソードを描く理由は?「プリコネR」7.5周年記念シナリオチームインタビューをお届け

プリコネR特集
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CygamesがiOS/Android/PC向けに配信中のアニメRPG「プリンセスコネクト!Re:Dive」(以下、「プリコネR」)。2025年8月15日にゲームのリリースから7.5周年を迎えたことを受け、シナリオチームへのメールインタビューをお届けする。

8月9日の「7.5周年直前生放送!」で発表された通り、7.5周年のタイミングでは6周年(2024年2月)のアニバーサリーストーリーイベント「I Wish 握りしめるこの手を」の続編となるハーフアニバーサリーストーリーイベント「【「I Wish」後伝】, And I Will 掴み取るこの手で」が開催予定。同時に、アイラ(CV:松岡由貴)、シナツ(CV:皆川純子)のプレイアブル化も発表されている。

今回、Gamerではアニバーサリーストーリーイベントの続編となるストーリーを描く試みをはじめ、普段のストーリー制作に対する意識や取り組みについて、シナリオチームへのメールインタビューを実施。「プリコネR」が取り組んできたシナリオ制作における変遷も感じられる内容となっているので、ぜひ目を通してみてほしい。

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――「プリコネR」のストーリーは主にメインストーリーとストーリーイベントが用意されていますが、作品におけるそれぞれの立ち位置をどう考えられていますか?

まずメインストーリーは、「レジェンドオブアストルム」という世界、そして主人公やプリンセスたち、そこに立ちはだかる強敵を巡って紡がれる一つの大きな物語を描く舞台として扱ってきました。

対してストーリーイベントは、メインストーリーとは切り分けて、さまざまなキャラクターや世界観の掘り下げ、あるいは夏やお正月などの季節感を味わえるお祭りの場、として扱ってきました。

それが5周年くらいまでの、プリコネ運営の考える「メインストーリーとイベントの立ち位置」だったのですが、現在はそこから方針を少しアップデートしており、メインストーリーから派生した「外伝」的なイベントも、年に数回実施するようにしています。

そのような方針に切り替えたのは、運営を長く続ける中で物語中でも様々な出来事が起こり、世界観も広がりを見せているので、外伝イベントとして描いたら良い物語になりそうなサブプロットが多く生まれてくるようになったという経緯があります。

7周年のタイミングで行われたストーリーイベント「ダイブ・アストルム 七つの願いと創世の残響」
7周年のタイミングで行われたストーリーイベント「ダイブ・アストルム 七つの願いと創世の残響」

――ストーリーイベントでは幅広いキャラクターが登場する多種多様なストーリーがありますが、(ストーリーのコンセプトを決める時や中身を作っていく際に)大枠として意識していることがあればお聞かせください。

まず第一に、やはり「キャラクターをより好きになってもらう」ことを何よりも意識しています。

加えて、開発現場では「オーダーメイド感」というキーワードをもとに議論することがあります。イベントを作る際、まず中心となるキャラとテーマを定め、そこから内容を作り込んでいくのですが、「面白いテーマだな」「良いお話に出来そうだな」というアイデアが挙がったとして、それがもし「良い話ではあるが、他のキャラに置き換えても成立しそう」な内容であれば良いイベントであるとは言えないので、そのような落とし穴に嵌ってしまわないように気を付けています。

この考えは、ストーリー以外にも、★3イラストやユニオンバーストの演出、イベントED楽曲制作などなど、キャラにまつわるクリエイティブ全般で大事にしています。

2025年5月末に行われたストーリーイベント「グランドリーム・オンパレード 宝石兎と秘密の仲間たち」では、そのコンセプトに合わせてよこはまコスモワールドとのコラボも行われた。
2025年5月末に行われたストーリーイベント「グランドリーム・オンパレード 宝石兎と秘密の仲間たち」では、そのコンセプトに合わせてよこはまコスモワールドとのコラボも行われた。

――特に周年のストーリーイベントはメインストーリーとの連動性も高い、ボリュームのある内容が用意されていますが、どのように描く内容を考えていくのでしょうか?

近年のアニバーサリーイベントは特にプリコネの世界観や設定部分に大きく踏み込む題材を扱うことが多く、それらはやはり、元から概要としては定まっているものに対してディティールを肉付けしていくような作り方をしています。

メインストーリーに絡む内容も多いため、ディレクター・メインストーリー関係者・イベント関係者で早い段階から定期的に企画会議を行い、メインストーリーの描写に調整を加えたりもしています。

ただその中で、6周年の「属性アップデート」と「I Wish」のストーリーを絡めたのは特殊なケースでして、属性システムを入れること自体は先んじて決まっていたため、「せっかくなら世界観やストーリー上での必然性があった方が面白いだろう」と、属性の力「アストラル」の設定を肉付けしたのが印象に残っています。

ユイ(アストラル)
ユイ(アストラル)

――8月末のストーリーイベントでは6周年で描かれた「I Wish 握りしめるこの手を」から連なる物語が描かれるとのことで、まずは「I Wish 握りしめるこの手を」で描きたかったことについてお聞かせください。

イベントタイトルにも入っている「Wish(願い)」をキーワードに、エリスやユイ、アイラやシナツと、多くのキャラたちの「願い」にスポットを当てつつ、その中でも特に「エリスとユイの物語の完結編」がこのイベントの大きな役目でした。

すれ違ったままだったこの2人が再会を果たし、「あなたはあなた。私とは違う。」「たとえ複製された存在だとしても、想いや、辿った道が異なれば、別々の人間である。」という答えに辿りつき、雪解けを迎える。そんなエンディングによって、第2部から続くこの2人の長い物語が一つの終着点を迎えます。

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またこのイベントでのアイラとシナツの存在は、「エリスと似た存在でありながら、全然違う2人」として大きな意味を持っており、その対比にも、エリスの苦悩や恋心がすべて「他の誰とも同じではない、ただ一人エリスという人だけのもの」というメッセージを込めています。

そしてエリスとは異なるこの2人の「願い」の行く末も、今回のイベントで描かれますので、ぜひお楽しみに!

――アイラ、シナツの存在は本作の世界観をまた一つ拡げる要素になったと思いますが、二人の存在や複製された世界はどのようにして生まれていったのでしょうか?

「プリコネR」の物語は、前作「プリコネ」の終盤の選択肢で「【トゥインクルウィッシュ】3人のうちから『ユイ』を選んだのち、バッドエンドを迎えた先の世界」が舞台になっています。

となるとやはり、「もしもヒヨリだったら」「もしもレイだったら」という選択の先は非常に興味深い世界観・テーマであり、これはプレイヤーの皆さんも長きにわたってしばしば言及されていましたので、6周年イベントでエリスとユイの完結編を描くにあたり、ストーリーに組み込んだ流れになります。

またその際、この2人が置かれた境遇や、複製元の人物との関係性といったものをエリスと同じにしてしまうと、描くテーマや辿る物語も似通ってしまうので、エリスとは異なり「世界ごと全てが複製された存在」という世界観にしました。

「本物と模造」の関係に思い悩むエリスと、「作り物の世界」に苦しむアイラとシナツ。似たような存在ではあっても、テーマは異なっています。

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――今回の7.5周年のタイミングでなぜ再びシナツ、アイラのエピソードを描くことになったのでしょうか?

ハーフアニバーサリーという盛り上がりに合わせて届けられるという点はもちろん意識していましたが、6周年からどれくらい年月が経ったタイミングでこのイベントを届けるかを吟味した結果、このタイミングになったという経緯があります。

あまり時期が近いと味気ない再会になってしまいますし、とはいえ早く続きの物語を届けたい!という気持ちもあり、その中間地点を取ったところ「1年半後」であるこの7.5周年での実施となりました。

プリコネでは何かしら大きな物語の区切りとして「1年半」という期間を設けるケースが過去にも何度かあったので、もしかすると運営チームの中で無意識的に「1年半」という長さが、ある種の物差しのようなものになっているのかもしれません…(笑)

ちなみに、プリコネの物語上での位置づけとしても、このタイミングになった意味が他にあるのですが、そちらは少しネタバレになってしまいますので、ぜひイベント本編をお待ちいただければと思います。

――アイラとシナツのプレイアブル化は当初から考えられていたのでしょうか?

もちろん「プレイアブル化を望まれるくらい魅力的なキャラにしよう」と意気込んで産み出したキャラではありましたが、実は、プレイアブル化は初めから本決まりではありませんでした。

イベントのゲストキャラクターを主役として新たなイベントが作られるようなケースも、これまでのプリコネには前例がありませんでしたし、この2人のキャラのその後の物語をどのような形で届けられるかは、運営側でも未知数なところがありました。

しかし、思い返してみれば6周年イベント「I Wish」の前編を開催した時点で、この2人のことを気に入っていただけた声が多く聞こえてきて、開発現場では既に続編イベントやプレイアブル化に対してかなり乗り気な空気だったように思います。

ハーフアニバサリーストーリーイベントという大舞台での再登場を、先日(8/9)の「7.5周年直前生放送!」でもプレイヤーの皆さんに歓迎していただけて、非常に嬉しく思っております。

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――8月末のストーリーイベント「【「I Wish」後伝】, And I Will 掴み取るこの手で」そのものの見どころについてもお聞かせください。

彼女たちの世界は、シミュレーションのために作られた模造の世界です。管理者だけでなく、住民まで全てが作り物……そんな場所であっても、アイラとシナツは心から大切に想っています。

そんな彼女たちが自分の世界とどう関わり、どう向き合うのか。また、「ラスボスを倒したらまたやり直しになってしまう」という残酷な運命の中で、先へ進むためにどんな選択をするのか。そして、こちらの世界の主人公やヒヨリ・レイたちがアイラとシナツに何をしてあげられるか。

注目ポイントが盛りだくさんですので、ぜひ楽しみにお待ちください!

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――今回、周年イベントの内容の続きをストーリーイベントで描くという試みが行われましたが、今後もこうした可能性は考えているのでしょうか?

今回初めてこのような前例ができ、また運営チームにとっても、ストーリーイベントの展開に広がりができた有意義なチャレンジとなりましたので、今後も可能性としては十分あり得ると思います。

今回のイベントの実施には、プレイヤーの皆さんからの「続編を描いて欲しい!」というお声が大きな後押しとなりましたので、これからもぜひ、ストーリーへの感想や要望のお声を挙げていただけますとたいへん嬉しく思います。

――今後のメインストーリーやストーリーイベントの展望も含めて、プレイヤーの方々にメッセージをお願いします。

いつも「プリンセスコネクト!Re:Dive」のストーリーへのご感想や応援の声をいただきありがとうございます。

7年半にわたり様々な物語を届けてきましたが、その中で、皆さんからのストーリーへの感想や、キャラ愛を語るお声を受けて、「ではこんな展開はどうだろう」「こんなストーリーなら喜んでいただけるのでは」と、キャッチボールのような感覚で作り込むようなところもありました。

一緒にプリコネの物語やキャラクターを作り上げてくださり、心より感謝いたします。今後も、より魅力的なストーリー・キャラクターをお届けできるよう努めてまいります。

また、メインストーリーとイベントストーリーをかけ合わせた複合的な楽しさも提供していければと思っておりますし、メインストーリー第3部では、いよいよ最後の七冠(セブンクラウンズ)も登場し、世界観にも更なる広がりを見せておりますので、ぜひぜひどちらもチェックしていただけますと幸いです。

===

ストーリーイベント「【「I Wish」後伝】, And I Will 掴み取るこの手で」は8月31日(日)12:00から開催される。アイラとシナツの再登場はもちろんのこと、彼女たちの世界がどのようなものになっているのか、そしてヒヨリやレイはどのように関わっていくのかなど、イベントの内容にもぜひ期待しておこう。

2011年イクセル入社後、Gamerをはじめとした媒体の運営に携わる。好きなジャンルはRPG、パズル、リズム、アドベンチャー(ほぼギャルゲー)。実はゲームよりもアニメが大好きです。

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