コロプラが2025年5月7日に配信開始予定の新作タイトル「神魔狩りのツクヨミ」。配信に先立ちゲーム情報やアップデート情報が発表されたイベントのレポートをお届けする。

目次
  1. 開発陣が語る「AI×神話」ゲームへの挑戦
  2. プレイの奥深さと課金要素、リリース後の展開も明らかに
  3. 開発陣に聞く「AI×神話」への手応えと、今後の展望とは
  4. AIが創ったカードを、開発者が選ぶ「盈月奉納の儀 特別篇」
「神魔狩りのツクヨミ」配信開始直前メディア向けイベントレポート:正式サービス版でプレイできる「ツクヨミ」や今後のアップデート内容も明らかにの画像

カード創造ローグライク「神魔狩りのツクヨミ」のリリース直前となる4月30日、メディア向けに開催された配信開始直前イベントでは、コンセプトプランナーの金子一馬氏とプロデューサー齋藤kevin雄輔氏が登壇し、開発経緯やAIとの共創について語った。

コンセプトプランナーの金子一馬氏
コンセプトプランナーの金子一馬氏
プロデューサー齋藤kevin雄輔氏
プロデューサー齋藤kevin雄輔氏

開発陣が語る「AI×神話」ゲームへの挑戦

「神魔狩りのツクヨミ」は、神話をベースとした世界観の中で、「神魔」と呼ばれる怪異を使役し、他の神魔を狩る存在「ツクヨミ」として、戦いを重ねるローグライクゲーム。金子一馬氏の画風を学習した「AIカネコ」がオリジナルの「神魔札(じんまふだ)」を創り出すカード生成機能が特徴だ。

物語面でも、本作はユニークな構造を持つ。プレイヤーが操作するのは、月の満ち欠けをモチーフにした4人の「ツクヨミ」たち。それぞれにバディとなる“金鵄”が付き、神話や古史に基づいた設定と関係性が描かれている。

4月14日~28日まで実施された先行体験版では、約3,500名のプレイヤーが参加し、アンケート結果では「キャラデザイン」や「カードの創成機能」が特に好評だった一方、「やや難しい」という声も多かった。齋藤氏によると、ゲームバランスについては調整を進めているとのこと。

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正式サービスでは、体験版でプレイできた「十六夜月」に加えて、「新月」がプレイアブルとして登場する。「満月」「半月」というツクヨミも順次解放される予定で、プレイスタイルや物語の視点が大きく異なるキャラクターたちが登場する。

たとえば「十六夜月」は無垢な少年で、プレイヤーが感情移入しやすい存在。「新月」は正統派の秩序側に立ち、「満月」はその対極で破壊を象徴する暴れん坊、「半月」は中立的立場で諜報的な役割を担うとされる。

いずれも古代の神話、陰陽師伝承、日本建国神話などを下敷きにした深みのある設定が展開されており、ゲームプレイだけでなく物語としての魅力も際立っていた。

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プレイの奥深さと課金要素、リリース後の展開も明らかに

本作は、低層・中層・高層の各層の攻略が目的だ。そして、高層クリア後にはエンドコンテンツとして超高難度ダンジョンが解放される。舞台である「HASHIBA」全体を再調査し、さらに強化された神魔や、世界観を掘り下げられるアイテムが獲得できる。

「神魔狩りのツクヨミ」配信開始直前メディア向けイベントレポート:正式サービス版でプレイできる「ツクヨミ」や今後のアップデート内容も明らかにの画像

気になる課金要素も公開された。大きな課金要素としては3つで、1つが「ツクヨミ神授」だ。課金アイテムを消費することでツクヨミの機能を解放でき、その機能の中にはダメージを無効化できたり、攻撃系のアイテムがドロップするなどの効果、さらに特定の強力な神魔札(渡辺の綱、鈴鹿御前など)を入手できるといったものがある。

「神魔狩りのツクヨミ」配信開始直前メディア向けイベントレポート:正式サービス版でプレイできる「ツクヨミ」や今後のアップデート内容も明らかにの画像
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これらは、通常のゲームプレイでも解放できるので、あくまでも時短的な意味合いになりそうだ。そして、この「ツクヨミ神授」をまとめて解放できるパックも用意される。

もう1つがプレミアムパスだ。これはログインボーナスのような機能に加え、AIカネコが登場する「オオカミ」との遭遇率が上がる特典などが付いたシステムである。そして、3つめが神魔札の生成回数を増やす機能となっている。

どれもPay2Winではなく、時短やよりゲームを楽しめるようにするための機能という印象だ。

「神魔狩りのツクヨミ」配信開始直前メディア向けイベントレポート:正式サービス版でプレイできる「ツクヨミ」や今後のアップデート内容も明らかにの画像
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そして、リリース後のアップデート情報として、プレイアブルキャラクターの「満月」、「半月」の解放、イベント「盈月奉納の儀」の開催、画像の生成パターンの強化なども行われ予定だ。

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開発陣に聞く「AI×神話」への手応えと、今後の展望とは

イベントの終盤では質疑応答も行われたのでその模様もお届けする。

――本作の発表からこれまでのSNSなどでの反響や手応えについてお聞かせください。

齋藤氏:X(旧Twitter)やDiscordを中心に、たくさんの反応をいただきました。歯ごたえのあるゲーム性に対して、「死んでも繰り返し遊んでしまう」といった声が多く見られ、難易度に対して前向きに楽しんでいただけているのが伝わってきました。

金子氏:自分のゲームは久しぶりだったので、SNSなどで「金子のゲームがまた遊べるのが嬉しい」といった声があって本当に嬉しかったですね。初めはローグライクというジャンルに不安もありましたが、意外と「やってみたらすごく面白かった」という声が多く、安心しました。

――今作のリリース以降、お二人はどのような形で運営に携わられるのでしょうか?

齋藤氏:継続的なアップデートとバランス調整を中心に運営していきます。ローグライクのゲーム性上、バランスが難しいところもあるので、常に調整を入れていく予定です。さらに、AIカネコのクオリティアップも継続していきます。

金子氏:「盈月奉納の儀」の選定作業を定期的に担当していきます。プレイヤーの皆さんが創生したカードの中から、気に入ったものを僕自身がリファインしてゲーム内に実装しますので、たくさん創生していただけると嬉しいです。

――AIカネコという存在が、ゲームのコンセプトや世界観にどのような深みを与えていると感じますか?

金子氏:開発当初、AIカネコのアイデアはなかったんです。でも「せっかく金子のゲームなんだから、AIも金子でいいじゃん」と言われて(笑)。取り入れてみたら、AIがまるでスタッフの一員のようになって、プレイヤーと共に世界を作っていくような形になりました。AIが生成したものを人が選び、それを僕がまた描くという“メタ的”な循環が生まれて、不思議な体験になっています。

――本作がゲーム業界にもたらす新たな可能性や刺激は何だとお考えでしょうか?

齋藤氏:AIとの「共創」という体験をゲームで表現できたことが一番大きなポイントだと考えています。AIによってパーソナライズされたプレイ体験ができることで、ユーザーそれぞれが「自分だけの物語」を作れるようになる。これが今後の新しい体験のひとつの方向性になるかもしれません。

金子氏:「AIを使って、個々の体験を支援する」という考え方は、非常に納得できるものです。今回、業界の中でもかなり早い段階で実装できたのは大きな意義があると感じています。

――今後「神魔狩りのツクヨミ」というIPをどのように育てていきたいとお考えですか?

金子氏:まだまだ外側の世界観があり、出していない設定がたくさんあります。今後「2」や「3」といった続編展開や、グッズ化やアニメなどにも広がってくれると嬉しいです。興味のある方はぜひ声をかけてください!

齋藤氏:今回はローグライクというジャンルの制約もあって語りきれなかった部分が多くあります。将来的には別のジャンルや舞台で、この世界をより深く展開していけたらと考えています。

――プレイヤーにどのような新しい価値観や視点を提供したいとお考えですか?

金子氏:これまでの自分の作品は「お話を体験するRPG」が多かったんですが、今回は真逆で、「ゲーム性の中にストーリーを忍ばせる」ようにしました。これによって、神話などに興味を持つきっかけになればと思っています。

齋藤氏:AIを通じて個別に生成されるカードやプレイ体験は、それ自体がひとつの“物語”です。ぜひそれを共有して、プレイヤー間の新しいコミュニティが生まれてくれればと思っています。

AIが創ったカードを、開発者が選ぶ「盈月奉納の儀 特別篇」

イベントのハイライトとなったのが、ユーザーが生成したカードの中から特に優れたものを選び、実際のゲームに採用する「盈月奉納の儀」の特別編。

今回はメディア体験者が生成した6枚のカードが候補として紹介された。最終的に選ばれたのはファミ通.comが創生した「ディオニュソス」。紫を基調とした幻想的なビジュアルと、雲と一体化したような構図が高く評価され、後日リアルカードとして贈呈されることが発表された。

「神魔狩りのツクヨミ」配信開始直前メディア向けイベントレポート:正式サービス版でプレイできる「ツクヨミ」や今後のアップデート内容も明らかにの画像
「神魔狩りのツクヨミ」配信開始直前メディア向けイベントレポート:正式サービス版でプレイできる「ツクヨミ」や今後のアップデート内容も明らかにの画像
「神魔狩りのツクヨミ」配信開始直前メディア向けイベントレポート:正式サービス版でプレイできる「ツクヨミ」や今後のアップデート内容も明らかにの画像

金子氏は「AIカネコは時に自分でも想像できないような絵を生み出す」、「自分の手を離れて広がっていく感覚がある」と話し、AIによる創造の“予測不能な魅力”を感じさせるセッションとなった。

「神魔狩りのツクヨミ」配信開始直前メディア向けイベントレポート:正式サービス版でプレイできる「ツクヨミ」や今後のアップデート内容も明らかにの画像

イベントの質疑応答でプロデューサーの齋藤氏は、「AIを通じて個別に生成されるカードやプレイ体験は、それ自体がひとつの“物語”です。ぜひそれを共有して、プレイヤー間の新しいコミュニティが生まれてくれればと思っています」と語り、本作が生み出す新たなプレイヤー体験への期待を示した。

本作のサービスは2025年5月7日より開始予定で、プラットフォームはSteam/iOS/Androidとなっている。今後どんな創造がプレイヤーたちの手によって生まれ、どのようなゲーム体験が紡がれていくのか。サービス開始が待ち遠しい。

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