声優の岩澤俊樹さんによる連載コラム「岩澤俊樹のゲーム1フレ勝負!」。第49回はPS5パッケージ版がSUPERDELUXE GAMESより11月7日に発売された「HUMANITY」を取り上げます。
皆様こんにちは!岩澤俊樹です。一年の過ぎ去る早さを実感する月になりましたね。そう、12月です。あっという間という感覚はあるのですが、自分としては色々なことがあった年でした。
「Gamerラジオ」が始まったり、個人YouTubeチャンネルを立ち上げたり、ラジオの相方「子安光樹君」と一緒にゲームショーに取材に行ったり、憧れだったゲームのプレイアブルキャラクターの声(一部)を担当したり、あと節目の年を迎えたり(笑)と新鮮な体験が沢山ありました。
いくつになっても色々な事に挑戦する心は忘れずにいたいですね!
そして2025年、「岩澤俊樹・子安光樹のGamerラジオ」も新たな展開があるかも!!??是非そちらもお楽しみに!
そんな2024年を締めくくるのは、個人的に一目で気になったこのタイトル!
実はこの「HUMANITY」、2023年5月に各種プラットフォームでDL版が、今年3月にMeta Quest版が発売していてずっと気になっていたのですが、この度PS5パッケージ版が11月に発売。「やるなら今しかない!」ということで今回取り上げさせて頂きました。
パッケージ版でゲームを遊ぶのはお久しぶり。やっぱり開封の瞬間は何歳になってもワクワクしますね(40歳)!
いざオープン! まず目に入ったのがパッケージ版オリジナルの特典「テレフォンカード風サウンドトラックダウンロードカード」。このデザインと材質、懐かしい…。
昨今、パッケージ版を買うことがめっきり減ってしまいましたが、やはりこういうのを見ると「パッケージ版もいいなあ…」って思います。
そしてもう一つ、「おお!!」と思ったことがありまして。なんと「COMPANION BOOKLET]という名のマニュアルが同梱されていました。
昔は当たり前についていたマニュアルですが、今は逆についている方が珍しく、あっても簡易的な「クイックスタートガイド」が主流になってます。内容は、ゲームを進めるヒントが書かれていたり、「CONCEPT SKETCH」という設定資料が載っていたりとついつい読み込んでしまいました。
パッケージ版を買う一つの切っ掛けになりますので、他の作品でもこういうのやってほしいですね!
「早くゲーム内容を紹介してくれ!」という声が聞こえてきそうなので、そろそろ本編に行きたいと思います!それでは、Let's「HUMANITY」!!
ある朝、目が覚さめると、私は犬だった
トレーラーやパッケージで「めっちゃ人が出て来るパズルゲーム」ということは知っていたのですが、それ以外の情報は全く持っていませんでした。とりあえずメインモードの「STORY」をプレイします。
主人公(プレイヤー)は「犬」です。そして聞こえてくる「声」。この声曰く「人間たちを光の柱(ゴール)に導け」とのこと。なるほど。
「スタートの扉から無限に現れる人間をゴール(光の柱)まで導く」というのがこのゲームの目的のようです。実にわかりやすい。「それだけ?」と思うかもしれませんが勿論それだけではありません。箱庭状の各ステージに用意された様々な障害が人間たちの前に立ちはだかります。
その障害を乗り越えるためにプレイヤー(犬)はステージを駆け回り、様々なギミックアイテムを設置、駆使してクリアを目指します。
ではまずその「アイテム」の中の代表的なものを紹介いたしましょう。まずはメインギミックと言ってもいいであろう「TURN」。
その名の通り、人の進む向きを変えることができます。4方向から選択し、「ワン!」という鳴き声と共に設置します。そのマスを通った人間を指定した方向に進ませることが出来ます。基本的に設置したアイテムが消えることはありません。
そして「JUMP」。これもその名の通りそのマスを通った人間をJUMPさせることが出来ます。
通常の「JUMP」の他に、より長い距離を飛べる「LONG JUMP」、より高く飛べる「HIGH JUMP」があります。
その他にも様々なアイテムがありますが、常にこれらすべてを使えるわけではありません。ステージごとに使えるアイテムが違うので(ステージによっては回数制限もある)、限られた条件でゴールを目指さなければなりません。
ここまで聞くと「難しそう」と思う方もいるかもしれませんが、ゲーム性はとてもシンプルなのでゴールを目指す「だけ」ならさほど難しくはありません。そう。ゴールを目指す「だけ」ならね(含み笑い)。シンプルなこのゲームを複雑かつ面白くする要素。それが「GOLDY」です。
この金ピカの銅像が「GOLDY」。人間がGOLDYのいるマスを通過すると、行列についてくるようになります。
一緒にゴールしてGOLDYを集めていくと「犬」に新たな能力が解放されていくのです。なので出来るだけ多くのGOLDYを集めたいのですがこれが大変なのです。
そもそものルールとして、人間たちは止まることは出来ません。そしてとめどなくドアの中から出てきます。時にはステージ外に落ちてしまうこともあるのですが、魂は生きているのでまた復活してドアから出て来るのです。
しかしこのGOLDYは一度ステージ外に落ちてしまうと復活することはありません。リトライしてステージを最初からやり押すことになってしまいます。なのでGOLDYは繊細に扱わなければなりません。
これが先ほど言っていたゴールする「だけ」なら難しくはない。という事なのです。「一度もミスをせずに、GOLDYを光の柱まで送り届ける」という要素が加わると、一気に難易度が上がる」というのがこの「HUMANITY」の面白さであり、醍醐味なのです(自分調べ)!
予めアイテムをすべて配置してから誘導出来るステージならいいのですが、リアルタイムでアイテムの配置を変えなければいけないステージだと一つのミスでGOLDYが奈落へ…(泣)ごめんよGOLDY…。
しかしゲームの進行において、GOLDYは一定数集めれば先に進めることが出来るので、全て回収する必要はありません。どうしても難しい場合は、ある程度は後回しにしても大丈夫です。大丈夫なんですが…我がゲーマー魂がそれを許しません(ただの負けず嫌い)。
わたくし岩澤は、もともとこういったパズルゲームは好きではあるのですが、ものすごく得意というわけではありません。スムーズにクリアできるステージと苦戦するステージの差が激しく、1時間近くかかることもありました…。しかしこの「HUMANITY」、中毒性が高くなかなかやめられません(笑)。
そして激戦の末、全てのGOLDYを回収しつつ何とか「SEQUENCE04」へ到達。
しかし、ここから更なる試練が岩澤を待ち受けるのであった。(続く)
「HUMANITY」は戦いだ。
ここまでも悪戦苦闘しながらもなんとか「SEQUENCE04」まで進めてこられましたが、ここでなんと人間達の前に立ちはだかる新たな存在「OTHERS」が登場。
彼らは「敵意はないがGOLDYが大好き」な存在。GOLDYが好きすぎる故、「OTHERS」は「GOLDY」に触れると、GOLDYを連れ去っていってしまうのです!なんて厄介な存在なんだ…!愛が強すぎる(重すぎる)よ!
これにより、通るルートやタイミング、アイテムを設置するスピードなどが重要になってきて難易度は倍増。しかしこれまでに培った思考能力を振り絞り、何とか進めていく岩澤。最初「OTHERS」の存在に及び腰になっていましたが、次々とステージをクリアしていきます。
「なんとかなりそうか!?」と油断したその時、おじさんゲーマーは更なる試練に悩まされることになります。先ほど「OTHERSに敵意はない」と言っていましたが、ステージを進めていくと人間達を「敵」とみなし、襲い掛かってくるのです。
某「星の戦争」に登場しそうなレーザーブレードの様なものを振りかざし、一心不乱にこちらに向かってきます。これに対し人間たちは最初は逃げることしか出来ません。「もはやこれはパズルゲームなのか…?」と思うかもしれません。僕は思いました(笑)。
ゆっくりじっくり考えてアイテムを設置していた頃が遠い昔のように感じます。しかし人間達もやられてばかりではありません。ステージをクリアしていくと、人間達も武器を手にし「OTHERS」に抵抗出来るようになるのです!
ますます「これはパズルゲームなのか!?」と思うかもしれませんが、「人間やGOLDYを光の柱に導く」という目的は変わっていませんし、「障害を搔い潜る為にいかに工夫するか」というこのゲームの根幹も変わっていません。ステージの構造や賑やかさはかなり変わっていますが(笑)。
近接攻撃が出来るようになる「HIT」、射撃攻撃が出来るようになる「SHOOT」。それぞれに得意な距離があり、有利に進められるようなルートどりが大事になってきます。個人的に「ここ」がこのゲームの一番すごいところだなと思いました。
ゲームのジャンルとしてはシンプルな「パズル」ですし、「対象物を目的地まで導く」という形式のタイトルは数多くあります。さらにゲームが進行していくと新しい要素が加わっていく、というのも王道の流れではありますが、その内容が実に個性的。さらにその内容がストーリーと連動した要素というのが良かったですね!途中からは「パズル」+「タワーディフェンス」+「アクション」といった感じでした!
そしてパズルゲームには珍しい(?)独特な世界観で、最初は「いったいどんな話なんだ...?」と思っていましたが、話が進むにつれて徐々に引き込まれていきました。
謎の声の主の正体は!?目的はなんなのか!?人間の行く末は!?なぜ「OTHERS」と戦わなければならないのか!?この不思議な物語の結末は是非あなたの目で確かめて下さい!
いかがでしたか?僕の第一印象は間違っていませんでした。不思議な魅力あふれるゲームでしたね…!要所に織り込まれた飽きさせない工夫が素晴らしく、気づくと時間を忘れて没頭していました…。
あ、忘れるところでした。この「HUMANITY」、VR版もあるんですよ!(PlayStation VR2、Meta Quest)
個人的にVRと箱庭の相性は抜群だと思っているので、是非VR版でも遊んでみたい! 皆さんも是非お好みのハードでちょっと不思議な「HUMANITY」の世界に浸ってみて下さいね!
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