日本一ソフトウェアは9月26日、「ファントム・ブレイブ 幽霊船団と消えた英雄 Global Press Conference」をアパホテル&リゾート東京ベイ幕張 48Fサンタマリアにて開催した。
今回の発表会では、「ファントム・ブレイブ 幽霊船団と消えた英雄」の発売日をはじめとしたさまざまな情報が公開された。そちらの内容は以下の記事を参照いただくとして、本記事では発表会で語られた内容と、開発責任者である細野裕矢氏へのインタビューをお届けする。
試遊では絆コンファインに加えてマップギミックの楽しさも体験
発表会に登壇したのは、日本一ソフトウェアより先述の細野氏と、シナリオ担当者・開発者の城花健人氏。また、ゲームへの出演者より司会を務めた寺井らんさん(ウルミ役)、そして戸田めぐみさん(アプリコ役)が登壇した。
本作では海賊がテーマとなっているそうで、主人公のマローネは海賊として各地をめぐり、そのトラブルを解決していくことになる。その中で、別れてしまった相棒のアッシュの手がかりを探していくことになるようだ。
前作におけるマローネは自身の能力から恵まれない境遇だったが、そこから成長していく姿が描かれた。本作においてはマローネ自身は英雄としての成長した姿が描かれつつ、恵まれない少女の成長記という点ではアプリコがピックアップされるようだ。
また、本作の特徴である、マローネ自身に味方のファントムを憑依させる「絆コンファイン」についても、ストーリーの流れで登場するキャラクターたちとの変身シーンを紹介。また、会場ではどの組み合わせかを当てるクイズも実施された。なお、メインキャラクターのほか汎用キャラクターも含めて15前後の絆コンファインが用意されているとのこと。
また、本作ではデザイン変更により、モデルの頭身を低くして可愛らしくなっているが、これはたくさんのキャラクターがマップ上を動いていくのを表現するにあたって、ワチャワチャ動いていく楽しさを重視してそうだ。
発表会の終了後はメディアごとに指定されたマップをプレイ。Gamerでは「シラユキ島」のマップを試遊することができた。
基本的なゲームシステムはマローネがコンファインでキャラクターを召喚していくもので、筆者が記憶している限りでは前作のゲームシステムを踏襲したものになっている印象。一度コンファインしたキャラクターは数ターンするとリムーブされ、その戦闘中は再びコンファインすることはできなくなるので、注意が必要だ。
そして絆コンファインは紹介の通り、使うと戦況を一変させる、強力な攻撃を繰り出すことが可能。また、絆コンファイン中には連続行動が可能な「ワンモア」も発生するため、一気に畳み掛けるチャンスとなる。
そのほか、マップごとのギミックも用意されていた。今回は段差に阻まれて移動できなかったところ、少し離れたところにある草に乗ることで飛び跳ねての移動が可能となっており、一気に敵の近くまで移動することができた。移動自体のキャンセルもすぐにできるため、色々試してみるのが良さそうだ。
細野氏インタビュー:シリーズを続けていくことを意識した作品に
上記の試遊後、開発責任者の細野氏にインタビューを実施。本作を制作するに至った経緯や、試遊内で気になった点などを聞いたので、ぜひチェックしてもらえれば幸いだ。
――まず、開発責任者という立場がどういうポジションなのかお聞きしてもよろしいですか?
開発責任者というと堅苦しい感じを受けてしまうかもしれませんが、ざっくり言うとディレクターです(笑)。発売スケジュールやどんなものを作るか責任を持って取り組むというポジションになっています。
――根強い人気のある「ファントム・ブレイブ」というタイトルの正統な続編を作ることになった経緯をお聞かせください。
弊社の代表的なIPとして「ディスガイア」シリーズがありますが、他のIPも展開していきたいという話になった時に、アメリカのほうで弊社タイトルのキャラクター投票を行った際に「ファントム・ブレイブ」のキャラクターが結構上位にいたということで、海外で人気なのかなという部分から、20年前のタイトルではあるもののIPとして復活できたら喜んでいただけるのかなというところから進めていきました。
――当時のタイトルを知っている人、逆に本作から「ファントム・ブレイブ」に触れる人それぞれにどういった点を意識していったのでしょうか?
20年前にプレイしていただいた方々には、本作をプレイした時にキャラクターやフレーズなどに見覚えがあるところをまずは楽しんでいただきたいと思っています。技の名前などにも前作のオマージュなどを残しています。
また、マローネたちのその後が一人のユーザーとして気になっていたので、本作では前作から半年後の世界で、地続きになったマローネたちの冒険を描いています。
そのほかの方にとっては20年ぶりというのがネックになると思いますので、まずは目に触れやすい、目に触れた時に入りやすいというところを目指しています。このあたりはゲームのシステムにも関連していて、RPGをあまりプレイしていない、シミュレーションRPGが苦手な人へのフォローとして、難易度を変更できるように調整していまして、ゲーム初心者の方でも最後までシナリオを楽しんでいただけると思います。
また、先ほどの発表会でも話題になった絆コンファインについて、条件をクリアすることによって発動できるものになりますが、条件さえクリアしてしまえば戦況をひっくり返すことができます。
――お話に出た絆コンファインも含めてですが、シミュレーションRPGとして構築する上でのバランスはどのような感じになっているのでしょうか?
吹き飛ばされたり、滑ったりといった要素は面白い方向につながっていたので、そのあたりは本作でも楽しめるようになっています。コンファインに関しても、どのキャラクターをコンファインさせるかで結構戦略は変わってきますので、そのあたりは前作同様、どこに置いたらステージを攻略できるのかを考えながらプレイするかたちになります。
また、マローネはコンファインしてマローネを支援するかたちが基本になるのですが、育て方によっては自身が前線に出ることも可能です。ゲームとしては「ディスガイア」同様に歯ごたえのある調整になっています。
――「ファントム・ブレイブ」の魅力は童話のエッセンスがある、優しい物語だと個人的には思っているのですが、本作でも基本的にはそういう良さは活かしながらシナリオを構築されているのでしょうか?
童話のような雰囲気は大事にしながらも、前作のシナリオから半年後ということもあって、マローネが英雄として扱われている部分は意外な一面として見えてくると思います。
――今回公開されたPVでもストーリーの導入をかなり見せていましたが、全体的なボリューム感はどの程度になるのでしょうか?
戦闘の難易度を下げてシナリオを楽しみたいというプレイスタイルでも30時間ほどは必要なボリュームになっています。メインのシナリオとは別に依頼や拠点でのNPCとの会話、あとプレゼントを渡す要素もあるので、そのあたりをいろいろと楽しんでいくとプレイ時間はうなぎ登りといった感じです(笑)。
IPを育てる上で本作で終わるつもりはなく、あくまで本作は立ち上げとして考えていますので、マローネとアッシュが依頼を受けるだけで進行していくのは難しいというのがあり、本作のテーマである海賊というのはそれだけで冒険心をくすぐるものとなっていますし、キャラクターたちも特徴豊かなキャラクターたちが揃ってきますので、(今回の島を巡っていくゲーム進行は)相性が良いものとなっています。
――絆コンファインでは今回紹介されたキャラクター以外の汎用キャラクターにも用意されているというお話でしたが、それぞれ演出が用意されているのでしょうか?
キャラクターメイクで作れる汎用キャラクターは多数いるので全部というわけでは無いのですが、カテゴリーで分けて用意されています。また、DLCで登場するキャラクターに関してはもちろん絆コンファインを用意できるよう鋭意制作中ですので、ご期待ください。
――DLCに関してはお話できることが少ないと思いますが、発売後に段階的に展開していく予定でしょうか?
そうですね。継続的に楽しんでいただけるように展開したいと思っています。
――前作以上に幅広い種族のキャラクターが登場するのも印象的です。
例えばルアンという獣人のキャラクターがいますが、彼はスタッフからの熱量もあって登場することになりました。ニヒルな雰囲気はありますが、言ってしまえばツンデレなところがあります(笑)。
――原田たけひとさんのデザインは今回かなりカラフルな感じになっていますし、キャラクターデザイン自体も少し幼さが出ている印象ですが、このあたりはどう意識していったのでしょうか?
シリーズとして続けていくためにも多くのキャラクターを用意したいというところで、ちょっと無理をお願いして変化をつけていただきました。また、デザインの方向性として可愛らしいキャラクターが好みなので、そこは筆がのった感じになっていると思います。
――最後に楽しみにしているファンの方に一言お願いします。
「ファントム・ブレイブ 幽霊船団と消えた英雄」は2025年1月30日の発売を予定しております。RPGが不慣れな方から「ディスガイア」のような歯ごたえのあるゲームを求めるユーザーさんまで、多くの方に手にとっていただけたらと思っています。ぜひよろしくお願いいたします。
――ありがとうございました。
(C)2025 Nippon Ichi Software, Inc.
※画面は開発中のものです。
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