千葉・幕張メッセにて9月26日~29日にかけて開催の「東京ゲームショウ2024」。シンガポールパビリオンに出展されていた「Love Eternal」を紹介する。

目次
  1. リトライのしやすさも魅力のホラーアクション
  2. Toby AldenさんとSam Aldenさんにインタビュー

リトライのしやすさも魅力のホラーアクション

重力反転アクション「Love Eternal」はパズル要素とアクション要素のバランスが絶妙で何度もプレイしたくなる!【TGS2024】の画像

「Love Eternal」は「VA-11 Hall-A ヴァルハラ」を販売したYsbryd Gamesによるホラーアクションで、開発を手がけるのはbrlka。注目ポイントはなんといっても重力を反転しながら進む2Dアクションだ。

本作ではボタンひとつで重力を反転させて、天地をひっくり返すことが可能。ジャンプだけでは進めない場所をこの能力を駆使して進めていくことに。なお、重力の反転は連続ではできず、ふたたび反転させるにはいちど地面に着地する必要がある。

重力反転アクション「Love Eternal」はパズル要素とアクション要素のバランスが絶妙で何度もプレイしたくなる!【TGS2024】の画像
重力反転アクション「Love Eternal」はパズル要素とアクション要素のバランスが絶妙で何度もプレイしたくなる!【TGS2024】の画像

天井や床には触れると一発でアウトのトゲのあるエリアが多く存在しており、これをジャンプや反転を使って、トゲに当たらないように進んでいくのが基本となる。ゴリ押しで進めることは不可能で、正解のルートを考えて進まなければならない。

重力反転アクション「Love Eternal」はパズル要素とアクション要素のバランスが絶妙で何度もプレイしたくなる!【TGS2024】の画像

おもしろかったのはパズルとアクションのバランス。どのタイミングで反転させれば先に進めるか閃いたときはうれしいし、狙い通りにジャンプや反転のタイミングがあったときは気持ちがいい。ジャンプは余計な感性もないので思った通りの場所に飛び移れるし、失敗してもすぐにリトライできるので、つい何度も挑戦したくなる魅力を持っていた。とくにジャンプに関してはなにもない場所でジャンプをしたくなるような手触りのよさがあった。

重力反転アクション「Love Eternal」はパズル要素とアクション要素のバランスが絶妙で何度もプレイしたくなる!【TGS2024】の画像

ゲームを進めると、触れることで再度空中で反転ができるようになる“赤い石”が出現。パズルやアクションの難度も上がっていき、やり応えのあるものになっていく。エリアを進めることで、トゲに囲まれた狭い場所や、赤い石を取るタイミングがシビアな場所も。一発でクリアするのが難しくなっていく。

ジャンプや反転のタイミングが1秒遅れるだけでトゲに当たってしまうこともあるため精密な操作が必要。無事にエリアをクリアできたときは爽快で、次のステージをプレイしたくなる。

重力反転アクション「Love Eternal」はパズル要素とアクション要素のバランスが絶妙で何度もプレイしたくなる!【TGS2024】の画像

また本作は謎に満ちた世界観も魅力。食事をしていた両親の姿が忽然と消えたり、自宅から外に出た先が廃墟になっていたりと、現実と夢が混ざりあった演出が用意されている。あえて状況を説明しないテキストや想像を膨らませやすいドット絵が独特な世界を作り出しており、唯一無二の魅力を持っていた。

重力反転アクション「Love Eternal」はパズル要素とアクション要素のバランスが絶妙で何度もプレイしたくなる!【TGS2024】の画像
重力反転アクション「Love Eternal」はパズル要素とアクション要素のバランスが絶妙で何度もプレイしたくなる!【TGS2024】の画像

Toby AldenさんとSam Aldenさんにインタビュー

ここからは本作を制作した兄弟であるbrlkaのToby AldenさんとSam Aldenさんのインタビューをお届けする。

重力反転アクション「Love Eternal」はパズル要素とアクション要素のバランスが絶妙で何度もプレイしたくなる!【TGS2024】の画像

――自己紹介をお願いします。

Toby氏:ゲームデザインやストーリー、コードを担当したTobyです。

Sam氏:Samです。自分はアートとアニメーション部分を担当しました。

――本作はシンプルなルールでありながら洗練されたゲームデザインでとてもおもしろかったです。最初からこの形で企画されていたのでしょうか?

Toby氏:ゲームのアイデアを考えながらプログラミングを打っているときに、重力の値をマイナスに入力してしまったことがあり、これをゲームのシステムとして組みこんだらおもしろいのではないかと思いました。

――アイデアが浮かんでからは、ゲーム制作はすんなりと進んでいきましたか?

Toby氏:ゲームのデザインはすぐにできたものの、ストーリーを考えるのが大変でした。ストーリーに関しては兄のSamにも作ってもらいました。

――今回プレイしたストーリーのラストは家族が異形のものになってしまう衝撃の展開がありました。ゲーム全体としては、家族愛を描くものなのか、それとも完全にホラーになるのか、どういったものになるのでしょうか?

Toby氏:作品全体の雰囲気としては不気味なホラーではありますが、グロいものは登場しないので安心して欲しいです。

重力反転アクション「Love Eternal」はパズル要素とアクション要素のバランスが絶妙で何度もプレイしたくなる!【TGS2024】の画像

――グラフィックを昔ながらのドットにした理由をお聞かせください。

Sam氏:リアルなテイストよりもシンプルなドットのほうがユーザーさんに想像の余地を残すことができると思いました。

――ゲーム部分について。パズルやアクションの難易度が秀逸だと思ったのですが、ちょうどいいバランスにするのは大変でしたか?

Toby氏:パズルよりもアクションのほうが大変でした。最初のバージョンは100人がプレイして8人しかクリアできなかったので、簡単な方向で調整しました。この調整には7年がかかりました。

――7年も制作していたんですか!?

Toby氏:正確には11年です。そのうちの7年間はゲームバランスの調整でした(笑)。

Sam氏:兄弟ふたりだけで制作しているのでどうしても時間がかかってしまいますね(笑)。

――ゲームは完成しそうでしょうか?

Toby氏:そうですね。来年には発売できそうです。

――ゲームのボリュームはどれぐらいになるのでしょうか?

Toby氏:平均的には6時間ぐらいでクリアできますが、RTA的な挑戦をするなら3時間ぐらいですね。

――最後に発売を楽しみにしている人にひとことずつお願いします。

Toby氏:本作に興味を持ってくださり、誠にありがとうございます。日本の皆さんに楽しんでいただけたら幸いです。

Sam氏:日本のアニメやゲームは自分の人生にとってとても大切なものです。我々のゲームを日本のみなさんに楽しんでいただければうれしいです。

――ありがとうございます。ちなみに好きな日本の作品は?

Toby氏:「シェンムー」です。

Sam氏:うん(笑)。

――まさかの「シェンムー」(笑)。「3」が発売されてよかったですね。

Toby氏:そうですね。自分たちが作っているゲームとはテイストがまったく異なりますが(笑)。

Sam氏:今敏監督の「パーフェクトブルー」や「パプリカ」だったり、「serial experiments lain」も好きです。これらの作品は「Love Eternal」の世界観を作るうえで多大なインスピレーションを受けました。「Love Eternal」もみなさんに愛される作品になってくれたらうれしいです。

――本日はありがとうございました。

1981年生まれ。東京都出身。2000年よりゲーム雑誌のアルバイトを経て、フリーライターとしての活動を開始する。アドベンチャーゲームやロールプレイングゲームなどのジャンルを好み、オールタイムベストは「東京魔人學園剣風帖」。ほかに思い入れのあるゲームは「かまいたちの夜」「月姫」「CROSS†CHANNEL」「ひぐらしのなく頃に」「ダンガンロンパ」「カオスチャイルド」「ライフ イズ ストレンジ」「レイジングループ」など。

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東京ゲームショウ2024

※画面は開発中のものです。

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