2024年8月21日~23日にわたって開催された「CEDEC2024」。本稿では8月23日に実施されたセッション「ゲーム開発の副産物で収益化!?ゲーム会社のグッズ制作ノウハウ」のレポートをお届けする。

登壇者はサイバーコネクトツーの入部春彦氏、田島 和氏。同社のようなゲーム会社がグッズを制作する理由はファンに作品を長く愛してもらうためだが、一方で基本的に売り上げを出す部署ではない業務部も会社の収益アップに貢献できるという側面がある。2023年には約200アイテムを制作し、売り上げは2022年は約3,600万円、2023年は約3,500万円で、2021年が約2,000万円なのはコロナ禍によるものだという。

グッズ制作は宣伝広報課のグッズ室、企画課のデザイン室、漫画室が連携。これにより在庫/販売管理などグッズ制作に伴う業務全体の管理、タイトルのPRに合わせた販促施策、作品の理解度の高いデザイナーによる高クオリティのデザインのほか、ニーズや商機、仕様変更にも対応できるスピード感のある新商品展開が可能となっている。


世界観の設定資料だけでなく没案やラフ、落書きもファンにとっては貴重なもののため商品化して販売をすべきだと田島氏。同社初のパブリッシングタイトル「戦場のフーガ」の設定資料集や「.hack」シリーズ20年分のイラスト画集なども展開しているが、同社の中では書籍が売り上げの主力商品となっているそうだ。1つのカラーイラストも線画のみ、モノクロで活用すれば3パターンで商品化でき、作画コストを抑えて文字のみでデザインするといった工夫もしている。

業者によるが、発売時期が近いアイテム、異なるIPでも同じアイテムを発注するなど、まとめて生産することで少ないロットでも費用を抑えてグッズを制作できる場合があるという。「.hack」シリーズ20周年に合わせて実施した展示イベントでもグッズを販売し、他社のグッズと合わせてライト層からコア層までカバーした満足度の高いグッズ展開が行えたと振り返る。

入部氏は徳島県で開催されているアニメやゲームをテーマとしたイベント「マチ★アソビ」についても紹介し、ここでは同社代表の松山 洋氏をデザインしたグッズがどれも完売するほどの人気を集めていると語る。当初は松山氏そのままではなく日常使いできそうなデザインの缶バッジを作ったが売れ行きは伸びず、そこでイベントで使いやすいタオルかつ松山氏の顔をほぼそのまま使ったデザインにしたところスタッフが驚く勢いで即完売。トレーディングブロマイドなども大好評で、中途半端ではなく対象をしっかり推せるグッズ展開が大事だったと振り返る。とくに松山氏は版権使用料がゼロなので利益率が大変高いこともあり、ぜひ自社の社長を使ってグッズを作ってみてはと笑いを誘っていた。




また、同社では2020年10月にオンラインショップ「CC2STORE International」をオープンしている。従来はリアルイベントと委託店舗で運用していたが、イベントの開催中止に売り上げが左右される、スピード感のあるキャンペーンや値下げが難しい、海外販路が限られるといった課題を抱えていた。これらの問題を解消すべく海外発送代行サービスも導入したところ、海外売上が2019年の約71万円から2023年の約850万まで大きく拡大。海外展開するタイトルをもつのであれば、グッズの海外販路は必須だと強く訴える。



併せて書籍展開では印刷版だけではなく、電子版の展開もすべきだと強調。従来はepubデータを作成してAmazon Kindleで発行していたが電子書籍配信サービスへ移行し、初期費用を抑えつつ幅広い電子書籍ストア/アプリへ配信できるようになった。なかでも反響が大きかったのは印刷版を出すハードルが高く再販できずにいた書籍で、悩まされていた高額転売などへの対応とユーザーの要望を一度に叶えられたという。


最後に小さくても展開を続けていけば作品を長く愛してもらえること、業務部の人材コスト捻出にも繋がる面を改めて訴え、グッズ展開に挑戦してみてほしいと締めくくった。
なお「CC2STORE International」では、8月26日まで最大62%オフのサマーキャンペーンを開催中だ。興味のあるファンは覗いてみよう。

CEDEC2024公式サイト
https://cedec.cesa.or.jp/2024/
本コンテンツは、掲載するECサイトやメーカー等から収益を得ている場合があります。
































