「ANTHEM#9」、「都市伝説解体センター」をプレイ!集英社ゲームズブースレポート【BitSummit】

発表会・イベント取材
0コメント 小林白菜

京都・みやこめっせにて7月14日(金)~16日(日)の期間で開催されたBitSummit Let’s Go!!(一般公開日は15、16日)。同イベントに出展した集英社ゲームズブースのレポートをお届けしよう。

集英社ゲームズブースに出展されていたタイトルは、このたび発表されたサバイバルクラフトRPG「PROJECT SURVIVAL」と、デッキ構築型ローグライト「ANTHEM#9」、ミステリーアドベンチャー「都市伝説解体センター」ーーこれら初プレイアブル出展となる3タイトル(※)に加え、発売済みの「ハテナの塔 -The Tower of Children-」、「SOULVARS」、いずれもプレイアブルの計5タイトルだ。

※「ANTHEM#9」は個人制作時代にイベントで試遊できたことはあったが、集英社ゲームズのパブリッシングを受けてからのプレイアブル出展は初。

今回はこの中から「ANTHEM#9」、「都市伝説解体センター」の2タイトルを試遊させてもらったので、そのプレイレポートをお届けしていく。

「ANTHEM#9」アクションパズル×デッキ構築型ローグライトの痛快なマッチング

「ANTHEM#9」は、集英社ゲームクリエイターズCAMPの“GAME BBQ vol.2【デモ無し】部門”にて大賞を受賞した、インディーゲームクリエイターのkoeda氏が開発するタイトル。2024年にPCでの発売を目指し、開発が進められている。

3色のジェムを組み合わせるパズル要素とデッキ構築型ローグライトの要素を組み合わせたタイトル、と聞いてもなかなかどんなゲームなのかイメージしづらかったが、実際にプレイしてみると、複数の要素がガッチリ噛み合い、おもしろさに繋がっていると感じられた。

本作のバトルにおいて自分のターンに行うのは、画面上部に表示されたスキルが発動するようにジェムを選択すること。スキルを発動させるには、ジェムの色を選ぶ順番もスキルの表記に合わせる必要がある。これを踏まえて、手札のジェムを使い切るまでに如何に多くのスキルを敵に叩き込めるかによって、与えるダメージが大きく変わってくるのだ。コンボ数によっては敵の攻撃を打ち消すこともできたりと、そのメリットは攻守ともに大きい。

このコンボ数を大きく伸ばすための重要な法則がある。それは「あるスキルを発動する際、最後に選択するジェムと、別のスキルの最初に選択するジェムの色が同じなら、このジェムの選択・消費をひとつ省略できる」というものだ。

つまり発動条件が「緑・青」と「青・赤・緑」のスキルは、青のジェムをひとつ省略して「緑・青・赤・緑」の4つのジェムの選択・消費だけで、両方くり出すことができる。ジェムの消費を抑えれば、当然より多くのスキルをコンボに組み込める。これを踏まえてジェムを選ぶ順番を考え、敵に絶大なダメージを与えられたときの爽快感は、やみつきになるものがあった。

今回プレイできたのは、チュートリアルを終えて、そこで学んだことを駆使してボス戦に挑むところまで。それまではじっくりジェムを選択する順番を考えられたのだが、ボス戦では1ターン30秒の制限時間が追加された。これが「ANTHEM#9」本来のプレイフィールなのだろう。

急かされるようで苦手な人もいるかもしれないが、アクション性の高いゲームが好きな筆者は、こういった瞬時の判断力が試されるものはむしろ大好物。こちらの手札のジェムを一部奪われる状態変化攻撃を受けるなど、アクシデントへの適応力を試される局面もありつつ、存分に楽しみながら、ボスを撃破できた。

今回のプレイ範囲ではデッキ構築の要素は最低限だったが、「スキルの性能はそのままに、発動するためのジェムの色を変更する」といったシステムの説明がチュートリアルに組み込まれていた。おそらくこの先のゲームプレイでは、より強力で、より効率よくコンボが組めて、不測の事態にも対応できるようなスキルの組み合わせを考えるといった形で、デッキ構築の手腕が試されるのだろう。

スタイリッシュなインターフェースやBGMは「ペルソナ5」を彷彿とさせるが、制限時間によりスピーディな判断を要求される中で、イケてるコンボを成功させたときの“やったった感”をクールに演出してくれるので、ゲームデザインともマッチした表現だと感じられた。

非常に高いポテンシャルを感じさせてくれた「ANTHEM#9」。一方、自分のターンにすべきことが基本的に「より多くのスキルをくり出す」になるため、製品版のボリュームを考えると、遊びがマンネリ化しないためのゲームデザインを如何に組み込むかが問われるように思う。このわずかな懸念が杞憂に終わるような傑作になることを期待したい。

「都市伝説解体センター」都市伝説を“真実”と“尾ひれが付いた噂”に解体せよ

「都市伝説解体センター」は、「和階堂真の事件簿」シリーズを手掛けてきたインディーゲーム制作チーム・墓場文庫がSteam向けに開発を進めているミステリーアドベンチャー。プレイヤーは“見えてはいけないもの”が見えやすい体質の少女・福来あざみになって、都市伝説がらみの依頼を解決していくことになる。

まずは表情豊かなキャラクターを中心に、ドットで表現された魅力的なビジュアルが目を惹く。スタイル自体が魅力的であるのと同時に、ホラー色が強くなりがちな“都市伝説”という題材に対し、デフォルメすることで間口を広げることにも一役買っていると感じた。

“都市伝説解体センター”のセンター長・廻屋渉(めぐりや あゆむ)から手渡された眼鏡を掛けると、自身の能力が増幅されたあざみは、これを駆使して都市伝説の真実を解明していくことになる。

本作ではそこにいない人の思念が実体化するなどのオカルト要素が登場するが、必ずしもそれだけが都市伝説の実態ではない。噂が人々の間で広まるにつれ、尾ひれが付いて真実とは異なる内容になる場合もあるようだ。あざみは都市伝説が目撃された現地での聞き込みとあわせて、SNSへの目撃投稿や、投稿への反応を手掛かりに、噂がどんなふうに広まったのかも調査することになる。

都市伝説の「噂が広まっていく中で生じた虚偽の内容」を特定することで、「大元の原因になったものの正体」も自ずと見えてくる……、「都市伝説解体センター」というタイトルには、そのような仕方で都市伝説の構成要素を“解体する”といった意味が込められているのかもしれない。

体験版はSNSの調査を通じて、都市伝説を目撃しSNSに投稿したのが、あざみの友人であることが明らかとなったところで幕を閉じた。

無責任な放言や悪意に溢れたSNSの投稿から真実の手掛かりを見つけ出すという行為は、物語を我々がいま生きるリアルな日常と繋ぎ、身近なものに感じさせてくれたように思えた。都市伝説が事実と異なるものとして広まっていく温床として、他人の言葉を自分に都合がいいように解釈しやすく、情報の伝わりかたが捻じ曲がりやすいSNSをゲームプレイの軸のひとつに据えたのは、慧眼と言っていいだろう。

発売時期はまだ未定とのことだが、この世界に没入できる日が楽しみだ。

※画面は開発中のものです。

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