Electronic Artが、EA Originals LabelとAscendant Studiosの共同で開発を進めているシングルプレイヤー・マジックシューター「アヴェウムの騎士団」(Immortals of Avuem)。先日行われた、本作のオンラインプレビューイベントに関するレポートをお届けする。
本作は2023年7月20日の発売が予定されている、PS5/Xbox Series X|S/PC向けタイトルだ。最新ハードの表現力で、“魔法を駆使して戦うFPS”というコンセプトのゲームデザインや、このゲームのために構築された壮大な世界観、そしてストーリーが描かれる。
そもそも、近年大ヒットしたFPSタイトルはオンラインマルチプレイを主体としたものが多かった。「アヴェウムの騎士団」のようなシングルプレイ専用の大作FPSを新たに開発すること自体、昨今では非常に珍しいことだ。
対人戦よりも、シングルプレイでじっくりと作品世界を味わいたいというタイプのゲーマーだって、まだまだ少なくないはず。かくいう筆者もそのひとりである。我々のような人間にとって、本作は注目すべき1作となる可能性が高い。気になった人は、ぜひ本稿を読み進めてみてほしい。
「Dead Space」クリエイティブディレクターが「CoD」開発中に得たインスピレーションが源泉
イベントの冒頭では、「アヴェウムの騎士団」の最新トレーラーを公開。SFとファンタジーが融合した壮大な世界観と、多種多様な魔法を駆使して戦う激しいゲームプレイの一端を観ることができた。発売日が2023年7月20日であることも、このトレーラー内で発表された。
Ascendant Studiosの創設者であるBret Robbins氏は、本作が自身のキャリアの中でも“最大のチャレンジ”であること、これを実現するために、素晴らしいスタッフが集結してくれたことを強調。スタッフたちが過去に関わったタイトルとして「バイオショック」「コール オブ デューティ」(以下「CoD」)、「ボーダーランズ」、「Halo」などの大ヒットシリーズの名前を挙げた。
Bret Robbins氏自身のキャリアの紹介も。Bret氏はゲームデザイナーとして1996年、クリスタル・ダイナミクスに入社。その後、エレクトロニック・アーツの子会社、EA Redwood Shoresで「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」と「007 ロシアより愛をこめて」のリードデザイナーを担当。クリエイティブディレクターとして開発に参加した完全オリジナルのSFホラーゲーム「Dead Space」を成功へと導いた。
2009年からは「CoD」シリーズの3作品に携わり、この人気ミリタリーFPSの開発中に「アヴェウムの騎士団」のインスピレーションが生まれたようだ。「CoD」で戦場を飛び交うヘリコプターが、ドラゴンだったらどうなるか? RPG(ロケットランチャー)の砲弾の代わりに魔術師がファイアーボールを撃ち合っていたらどうか? プレイヤー自身もライフルではなく魔法が使えたら? それらの発想が本作のスタートだという。
Unreal Engine 5.1によるハイクオリティなグラフィック、20時間を超える大ボリュームの壮大なストーリー
このありそうでなかった“魔法使いによるFPS”の世界を実現するために、「アヴェウムの騎士団」ではゲームエンジンは最新の“Unreal Engine 5.1”を使用。壮大なストーリーは、エンディングを迎えるまでに20時間以上を要する大ボリュームになるそうだ。
プレイヤーが操作する主人公の名前は“ジャック(JAK)”。ジャックはかつて魔法が使えなかったが、ゲーム冒頭の“とある出来事”により“トライアーク”という魔法が使える存在になるという。
トライアークは青、赤、緑の3色の魔法が使える魔法使いで、ジャックはその能力を見込まれ、魔法使いによる騎士団“イモータルズ”の一員として戦うことになる。
開発の上で大事にしたコンセプトは3つ。「バトルメイジ(戦う魔法使い)に成り切れること」、「魔法のコンビネーションを駆使したプレイスキルの成長を実感でき、卓越した存在に成り切れること」、そして「世界を救う、シネマティックなストーリー」。
ジャックの仲間となるイモータルズの面々はひとりひとりが異なる能力、ユニークな性格を持つヒーローなのだという。彼らがジャックと共に、ストーリーを盛り上げることになるようだ。
3色の魔法弾の使い分け、プレイスタイルに合わせたアップグレード、パズル・探索要素など、多彩なゲームプレイ
続いて公開されたのは、長尺のゲームプレイ映像。イモータルズと敵対勢力との壮大な戦いや、ゲームの導入部となるであろうジャックと仲間たちによる会話劇のカットシーンが流れたあと、いよいよプレイアブルなシーンに。
ジャックが使用する3色の魔法は瞬時に切り替えることができる。青の魔法は真っ直ぐに飛ぶ長距離弾、赤の魔法はショットガンのように近距離で大ダメージを与え、緑の魔法はホーミング性能を持っているという。敵の種類によって相性の良い魔法は異なるので、状況に合わせて使い分けていくことになるそうだ。
魔法はジャックが腕に装着した装置を使って放つことになり、これはゲームを進めていけばプレイスタイルに合わせたアップグレードが可能になる。“マナクリスタル”というアイテムを消費する、より強力な魔法もあるとのこと。
そのほかにも防御に有効なシールドや、瞬間移動能力、敵を引き寄せる能力など、補助的な魔法も充実しているようだ。敵を引き寄せて、至近距離で赤の魔法を食らわせ大ダメージを与えるなど、想像が膨らむ。
ゲームプレイ映像では、プレイアブルな場面からシームレスに展開されるダイナミックな演出も。突如襲いかかってきたワイバーンのような巨大な生物にジャックが捕らえられ、それまで戦闘をくり返しながら進んでいた広大なフィールドを遥か上空から見下ろしながら高速移動することになるといった、最新ハードの性能を活かしたであろうド派手な表現が見られた。
戦闘の合間にはパズルを解く局面もあるとのこと。ゲームが進んで新たなアビリティを獲得、それまで行けなかった場所に行けたり、新たなエリアをアンロックできることもあるということで、フィールドの探索もまた発見の多い、やりがいのあるものになるのかもしれない。
今回の映像では、ヒットした対象の動きを遅くする魔法弾を手に入れ、これでフィールドにある仕掛けの動きを遅くし、先へと進む場面があった。この能力は敵に使えば、敵の行動をスローにすることもできるという。活用の幅は広そうだ。
ゲーム後半での戦闘シーンの映像も観ることができた。新しい能力やアビリティを手に入れたジャックの魔法は、それまでに観ていた映像よりも派手なものに。そのぶん、敵の反撃もより激しいものになっている印象を受けた。このゲーム後半の戦闘シーンの映像も、今月末には解禁されるとのことなので、楽しみに待っていてほしい。
“最高のシングルプレイ”を目指す強い想いに、期待が高まる!
イベントでは最後にQ&Aが行われた。気になった質問と回答について抜粋していこう。
「過去のタイトルから踏襲した部分や、それとは異なる独自性を教えてください」という質問にBret氏は、「CoD」の快適な操作感は本作にも持ち越すよう意識しており、加えて魔法を使った戦闘という部分の創造性は、ゼロから構築しオリジナリティのあるものを目指したとのこと。
「マルチプレイ・協力プレイを追加する予定はありますか?」の質問には、それを検証していたこともあったが、現時点で言及できることは無いと回答。少なくとも発売まではシングルプレイの作り込みに注力すると見てよいだろう。また、ゲームプレイ時、オンラインである必要はなく、スタンドアローンで問題なく楽しめるとのこと。ゲーム内に課金要素は存在しないことも、ハッキリと明言された。
まずはシングルプレイのゲームとして、多くのプレイヤーが満足できるハイクオリティなゲーム体験を提供したい――そんなクリエイターの強い想いが見て取れる「アヴェウムの騎士団」。実際にプレイできる日を、楽しみに待ちたい。
※画面は開発中のものです。
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