ADVが好きなゲームライターが真のADVマニアを目指す連載企画。第2回は「探偵・癸生川凌介事件譚」を紹介します。
目次
連載「ADVマニアへの道」はADV好きのライター・カワチが、新旧問わずにさまざまなADV作品を研究していき、そのマニアへの道を目指していく内容。前回は解像技術“NVIDIA Image Scaling”を採用した美少女ゲーム「COSPLAY LOVE! : Enchanted princess」を紹介しましたが、今回は携帯電話アプリゲームとして発表され、近年、ジー・モードの「G-MODEアーカイブス+」で復活を遂げた「探偵・癸生川凌介事件譚」を取り上げます。
「探偵・癸生川凌介事件譚」とは?
「探偵・癸生川凌介事件譚」シリーズは、元気モバイル(現:And Joy)がフィーチャーフォンで展開していたコマンド選択式の推理アドベンチャー。
コンシューマーやPCではなく、携帯電話で遊ぶゲームだったのでプレイしたことがない人も多いかもしれません。かくいう筆者も「G-MODEアーカイブス+」ではじめてシリーズをプレイ。ハチャメチャなキャラクターのコミカルなやり取りや、法で裁けない悪について描くなど、社会風刺の効いたシナリオに魅了されました。自分の知らないフィーチャーフォンのゲームでこんな攻めたものが配信されていたのかと驚かされました。
また、ダークで救いのない部分もあるのですが、メインキャラクターたちは真っ直ぐでブレないので、やり場のない救いのない事件であっても“なにが悪であるのか”を公平な視点でしっかり提示してくれるので心強いです。そのうえで、クリア後に自分自身でゆっくり事件について考えることになるので、いつまでも作品のことが心に残ります。
主人公はタイトルにもなっている癸生川凌介……ではなく、癸生川の友人でゲームシナリオライターの生王正生。彼が癸生川の助手である白鷺洲伊綱とともに事件を操作していくのが基本となります。
癸生川は探偵らしくクライマックスに登場して美味しいところを持っていきます(笑)。事件が解決したと見せかけて癸生川がそれまでの流れをひっくり返し、驚きの真相を語りだすのはシリーズの醍醐味。ミステリーとしてのワクワクも詰まっています。
ゲーム部分はオーソドックスなコマンドアドベンチャー。移動場所や会話をする相手を選択して進める形式ですが、携帯アプリだったこともあり、選択肢は多くないのでそこまで難易度は高くありません。とくに初期作は1時間ぐらいで終わるボリュームなので、ちょっとした空き時間に遊ぶことが出来るゲームになっています。そのため、これから“G-MODE アーカイブス+”で遊ぶ人は1作目から順番に遊ぶのがオススメ。ストーリーや、グラフィック、ミステリーのトリックなど作品を追うごとに確実にパワーアップしていくのが実感できると思います。そしてシリーズの集大成となる10作目「永劫会事件」を遊んでほしいです!
10作目「永劫会事件」が傑作である理由
ここからは「永劫会事件」が傑作である理由について書きたいと思います。2006年に配信された「永劫会事件」は、ノストラダムスの大予言があったり、世界情勢が不安定だったことから人々が不安に生きていた世紀末が舞台。そんななか、世の人々は心の拠り所として“救世主”を求めており、全国各地で様々な新興団体が生まれていた……という背景です。
物語は予言の月である7月上旬に鞠浜台の河川で男性の遺体が発見されるところからはじまります。男性はある新興宗教の幹部を務めており、当初はそのトラブルによる殺人事件だと思われていましたが、調査を進めていくうちに不審な点が……。
プレイしていて感じるのは、よくここまで踏み込んだ内容の作品を世に出したなということです。新興宗教に関しては1995年に忘れられない事件が起きたことを思い出させますし、作品を読み進めることでほかにもいろいろなタブーに切り込んでいることがわかります。もともと法で裁けない犯罪など社会派のテーマを取り上げている「探偵・癸生川凌介事件譚」ですが、その重さは群を抜いています。犯人を暴いてスッキリするようなタイプのミステリーではないですが、クリアしたあとも心に残り続け、考えさせられるゲームになっています。筆者はいいゲームの条件のひとつにプレイヤー自身の行動や思考にも影響を与えるものがあると思いますが、本作はそんな1本になっています。
シリーズは基本的に生王と伊綱のふたりが事件の謎を解いていくストーリーであると書きましたが、過去を描いている「永劫会事件」は一新。別キャラクターとなっているので本作からでもすんなりストーリーに入り込むができます(できれば同じ過去の物語である「白鷺に紅の羽」「五月雨は鈍色の調べ」をやっておいたほうが話がつながるのでオススメ)。
また、本作はザッピングシステムが搭載されており、立場も目的も異なる4人の視点で物語を進めていくことになります。「対交錯事件」や「音成刑事の捜査メモ」など、それまでも複数主人公の作品はありましたが本作は4人になったことでより複雑に物語が入り乱れることになります。
主人公は新米エリート刑事の工藤貴樹とフリーライターの石上雅人、女子大生の妹浦澄佳。そして、謎の情報通という4人ですが、ストーリーを進めると判明する事実や張り巡らせられた伏線の数々は驚くハズ。具体的なことがなにひとつ言えないのでもどかしいですが、このキャラクターたちを主人公にすること自体がほかのゲームではありえないというか……。すいません、書きすぎました。ここまで! やってみてください!!
後半の展開には驚きの興奮よりもショックでツラいという感情が上回ることもあります。それぐらい覚悟のいるストーリーです。ただ、誤解しないでほしいのは決して悪趣味で描かれているわけではないということ。単純にユーザーにツラいシーンばかりを見せるのではなく、そのツラいことのあとでキャラクターたちはどうやって生きていくのか、どういう贖罪や救済があるのかといったことも真摯に描かれます。
フィーチャーフォン向けのゲームだったこともあり知らなかった人も多いと思いますが、ぜひ「G-MODEアーカイブス+」で本作に触ってみて欲しいです。
インタビュー
本シリーズの「永劫会事件」までを手掛けた石山貴也さんとG-MODEアーカイブス+で本作の復刻を担当する竹下功一さんにお話をお聞きしました。石山さんには各作品についてコメントをいただきましたが、少しネタバレも含まれているのでご注意ください。
略歴(※敬称略)
石山貴也
「探偵・癸生川凌介事件譚」シリーズで、「永劫会事件」までの企画、脚本、監督、音楽を手がけたクリエイター(なお、脚本は主人公である“生王正生”の名義を使用)。コナミコンピュータエンタテインメントジャパン(現・コナミグループ)にサウンドデザイナーとして勤務し、その後、元気に入社。元気モバイルに移籍して本シリーズを含む携帯電話用ゲームの企画開発を行う。2005年に同社を退社し、現在はスクウェア・エニックスに在籍。
竹下功一
ジー・モード取締役/G-MODEアーカイブスプロデューサー。ハドソンでコンシューマー、モバイル、スマートフォンの様々なタイトルの企画・プロデュースに関わり2018年より現職へ。「みんなで空気読み。」シリーズ等のNintendo Switch向け事業をスタートさせ「G-MODEアーカイブス」を立ち上げる。
新本格ミステリーの影響を受けた「探偵・癸生川凌介事件譚」シリーズ
――オリジナルの「探偵・癸生川凌介事件譚」シリーズが生まれた経緯を教えてください。石山さんはもともとサウンドデザイナーだったそうですが、企画職がやりたいと考えて元気に入社したそうですね。
石山:はい。元気に拾っていただき、最初は「首都高バトル」のお手伝いをしていたりしました。
――当時はサウンドから企画になるということは珍しくなかったのでしょうか? 総合的にすべてのことをやるクリエイターが多かった時代ならではのパターンかなと感じたのですが。
石山:うーん、どうなんでしょうかね? 自分はゲームが好きで、NScripterなどの無料のエンジンを使って当時から遊びでアドベンチャーゲームを作っていました。そういったなかで音楽作りもやっていたし、スクリプトもやっていたという感じです。
――もともとアドベンチャーゲームが好きで、形にしたいという思いはあったんですね。
石山:むかしからアドベンチャーゲームは好きでした。小学生のときに「ポートピア連続殺人事件」を遊んで「こんなことが出来るんだ!」と衝撃を受け、それ以降は似たタイトルが発売されたら気になってプレイしました。小学生だったのでぜんぶはプレイできませんでしたが、遊べるものはいろいろ遊んでいました。ミステリー以外のアドベンチャーゲームもたくさんでていて、そういうのも好きでしたね。
――「リップルアイランド」みたいな可愛いゲームもありましたね。
石山:まさにそうです。サン電子の「デッド・ゾーン」や「リップルアイランド」はすごく好きでした。中高生になってからはPC88でアドベンチャーゲームをたくさん遊んでいましたね。当時のエニックスから「ミスティ・ブルー」という作品が発売されていたのですが、とくにこの作品が思い出深いです。
――「探偵・癸生川凌介事件譚」はミステリーですが、なぜミステリーを選んだのでしょうか?
石山:当時、携帯電話のアプリを作る部門に配属されたのですが、月額形式で月に何十本もゲームを出さないといけなかったので、企画は書けば通るというような感じで、とにかく数をたくさん出さなきゃいけない時代でした。その代わり、3、4人だけで、2、3ヶ月で1本作らなければいけないという状況でしたが。とりあえず定番のゲームは一通り揃えていこうということになり、「こっちはスポーツゲームを作るから、デーブルゲームを作ってよ」とか「ポーカー作って」「麻雀を作って」とポピュラーなものから制作していました。そんななかで当時の携帯電話だと、やっぱりボタンが固かったりとか、処理速度が遅いとかで、アクションゲームを遊ぶのはキツいなというのが分かってきました。そこで、文字を読み進めるアドベンチャーは遊びやすいんじゃないかなと思ったので、アドベンチャーの企画も1本出そうかなと思いました。
――たくさんのアプリの企画があるなかのひとつだったんですね。
石山:そうです。当時はパズルも作ったしスポーツも作ったし、そのなかでアドベンチャーも1本作るかと考え、作るんだったら定番の探偵ミステリーで1本作っておこうかなと考えました。設定もベタに探偵事務所があって、探偵がいて、そこに通う助手もいるというド定番を狙ってできた企画です。初めから奇をてらったものを作ろうという考えはなかったです。ただ、当時はプレイヤーがワトソン役になるミステリーが多かったので、書記という役目はゲームならではで新しかったのかなと思っています。また、本作の探偵をキャラクターとしてより立たせるために、プレイヤーと探偵の間にさらにもうひとり助手となるキャラクターを挟んで、今のスタイルにしたという形です。
――王道を狙ったとおっしゃいましたが、最初の「仮面幻想殺人事件」は結構尖っていたように感じます(笑)。
石山:そうですかね?(笑) 個人的には王道を狙いました。不可解な殺人事件が起こって、紐解いていくと、ちょっと複雑な人間関係が見えてくる…というところがミステリーの面白いところかなと思っていて、そういったものを表現したかったんです。当時の推理小説はこういう内容のものも多かったかなと思います。
――たしかにゲームはライトのものが多いですが、小説のほうではこういった社会派だったりダークだったりする内容も多かった印象です。
石山:当時は新本格が主流になっていた時期で、学生時代は片っ端から読んでいたので、自然とそのあたりの影響を受けていたりしますし、そういう空気感は意識してちょっと狙ってやっていたりもしました。
――最初は「探偵・癸生川凌介事件譚」のシリーズとしてはじまったわけではなく、本当に単発の作品として作った感じだったのでしょうか。
石山:そうです。数あるアプリの中の1本で、タイトルも「~~殺人事件」というベタな感じにしました。その後、別のゲームなども作っていたなかで、幸いにも「仮面幻想殺人事件」の評判が良かったので続編を作れることになり、「続編をやるなら、次は館モノにしようかな」とかミステリーのよくあるシチュエーションを次々にやっていった感じですね。
――3作目の「死者の楽園」で、シリーズ全体の謎も出てきた印象があります。
石山:確かに3作目ぐらいになってから、ようやく「これは続くのかな」という感触になってきました(笑)。伏線を入れてみたり、ちょっと変化球も混ぜてみようかなということも挑戦できるようになりました。安定した評判を得ることができ、続けていける感じになったので、自分の仕事も「探偵・癸生川凌介事件譚」シリーズに傾いていきました。、その間も別のものを並行しながら作っていましたが、シリーズの1本はつねに走っていましたね。
2バイトを確保するために1文字を削る制作環境
――竹下さんは「探偵・癸生川凌介事件譚」シリーズを復刻されましたが、このシリーズにはどのような感想をお持ちでしょうか?
竹下:「G-MODEアーカイブス」を始めたあとに復刻してほしいタイトルのリクエストを送ってもらう企画をやったのですが、そのときにたくさんリクエストが届いたことで、このタイトルのことをはじめて知りました。不勉強で申し訳ないです。リクエストの数がそのほかのタイトルに比べて圧倒的に多かったので、それで気になってどんなゲームなのか調べました。
――確かにファンの熱量がとても高いタイトルだと感じます。
竹下:そうですね、調べ出してから、当時もこれだけ人気があったんだなということが分かりました。
――移植に関して、10作目の「永劫会事件」までやろうと決めたのか、とりあえず最初の「仮面幻想殺人事件」を発売して様子を見ようと思ったのか、どちらなのでしょうか?
竹下:ちゃんと出すことができた今だからこそ言えるのですが、「永劫会事件」はとくにリクエストが多かったタイトルなので、そこまではなんとか続けようと最初から思っていました。
――やるからには「永劫会事件」までやりたいと。
竹下:はい。ユーザーのみなさんの評価も高いですし、やりたいという要望がとにかく多かったので、なんとかそこまでは続けなくてはという使命感がありました。
――石山さんも「永劫会事件」は絶対に出したいと思っていましたか?
石山:最初に復刻するという話を聞いたときは、どれか1本だけだったら「永劫会事件」だけでも復刻してもらえたらいいなという気持ちでした。第1弾から復刻がはじまったときは、「大丈夫かな。続くかな」とドキドキしました。
――自分は最初の1作目をプレイしたあとに、時間が無くてその後のシリーズをプレイできていなかったのですが、10作目「永劫会事件」の知り合いの熱量の高いレビューを読んで、そんなに面白いと勧めるなら……と遊んでみて見事にハマりました。
石山:なるほど。そういうパターンなんですね。
――そのあと、2作目から9作目までを順番にやっていったのですが、改めて順番にプレイすると携帯電話の進化が目に見えてすごく分かりやすかったです。当時はシリーズが進むごとにどんどん開発がラクになったり、やれることが増えていったりしたのでしょうか?
石山:当時は半年ごとに携帯の新機種が出て、どんどん機能が上がってくので、携帯電話の進化がそのままシリーズの進化になっていました。今回移植されている第1弾の「仮面幻想殺人事件」も、リメイクした豪華版が「G-MODEアーカイブス+」で配信されていて、じつはその前にしょぼい50キロ版とていうのがあり、そっちが最初でした。さすがに50キロ版を出すのはちょっと厳しいだろうということもあり、配信されているのは豪華版のほうになっています。でも、最初のころは本当に50キロに画像とプログラムとシナリオと音楽全部を収める必要がありました。スクリプトだけはスクラッチパッドというところで読み替えはしていたのですが、企画とシナリオと音楽を自分1人でやってたから、容量のの融通を聞かせやすかったのだと思います。
――どこを調整するのか、選べたと。
石山:「ここにもう1曲欲しいから、こっちの会話を削って、明日までに音符20個で1曲作ればいけるな」みたいなことをやっていましたね。多分、「明日までに20音で1曲作ってくれ」みたいなことはほかの人には頼めなかったと思うんですよね。そういう融通が利くのは小さいプロジェクトだったからだと思います。
――容量の問題で調整しやすいのは、音楽でしょうか?
石山:いや、テキストですね、一文字減らせば2バイト減るので(笑)。言葉のあとの「……」をなくしたりとか、最初の頃は50キロで作っていたころは、そういうレベルで削っていました。10作目の「永劫会事件」になるころには、もうメガアプリになって、容量で苦しむことはそんなになかったのですが、ボリュームが増えて制作時間との戦いになっていきましたね。……いや制作時間は最初から戦っていましたね、そして、いつも負けていました。ゲーム制作はいつも時間との戦いですが、いつも負けています。
――作っている途中に、新しい機種が出ちゃうということもあったのでしょうか?
石山:ありました。「新しい端末が出るから、この機能に対応してよ」みたいなのを言われて「無理です」と断るのはしょっちゅうでした。こっちの機種ではこういう機能が使えるけど、こっちの機種ではできないから。別パターン作らなきゃいけないとか、そういった悩みはたくさんあり、このあたりは当時アプリ開発をしていた人ならあるあるだと思います。
――本シリーズには携帯電話ならではの謎解きもありますが、竹下さんは移植をするときに、ここはさすがに対応しようと思ったのでしょうか。
竹下:そうですね。テンキーの謎解きのところは直接的に書くしかないので、ゲーム内の遊び方のところに載せてみたり、ゲームの紹介サイトに載せたりすることで対応しました。ほとんど答えを載せているようなものですが、詰まって進めなくなってしまうよりは断然いいという判断です。
――石山さんとしてはせっかく携帯電話でやっているので、ガジェットに合わせた謎解きも入れてみたかったのでしょうか?
石山:そうですね。せっかく携帯電話でやっているので、独特な仕掛けが欲しいなと思って暗号解読のヒントに使ったりしてみました。ただ、移植のときに面倒なので機種依存の機能は使わない方がいいなと学びました(笑)。
便利だったからレギュラー入りした矢口さん
――キャラクターについてもお聞かせください。ジャーナリストの矢口さんだったり、警官の2人だったりといったキャラクターは、最初からレギュラーキャラになる予定だったのか、どういう経緯でレギュラーになっていったのか教えてください。
石山:警察は探偵モノには必須な役どころなので、初めから必要だなと思いました。探偵とツーカーの刑事さんという枠とで入れようと思ったのですが、よくいる役に立たない無能警察みたいな感じもちょっと面白くないかなと思ったので、2枚体制にして警部とその新米の2人組にしました。しかし、ただでさえキャラ枠が少ないのに、さらに2つ分食ってしまって失敗だったかなと思っています(笑)。キャラクターは容量の関係で1作品10人ぐらいしか出せないので、どちらか片方しか出ないことも多いです。レギュラーに生王、伊綱、癸生川がいて、そこに刑事も加わると4枠になって残りが6人になってしまうんです。
――そこから被害者と犯人も作らなければいけない。
石山:レギュラーキャラが増えるということは、それだけ容疑者が減るということです(笑)。最初は容疑者として登場した矢口さんはゲストキャラクターのつもりだったのですが、ジャーナリストがいるとすごい使いやすいなと思ってレギュラーになりました。情報を持ってきたりとか出歯亀して現場に踏み込んでくれたりとか、すごい便利です。「あってよかった。ジャーナリスト枠」と思ったのですが、またレギュラーが増えてしまってそこは大変でした。ただ、意外と矢口さんって出てこないんですよね。
――インパクトが強いからいつもいるイメージがありますが、登場作品自体は少ないですね。
石山:後半の作品はほとんど出てこないですね。「仮面幻影殺人事件」に出てきたのが最後かな。
――音成刑事は「音成刑事の捜査メモ」で主人公になりましたね。
石山:この時期にスピンアウトの短編を作るという話になったのですが、自分が忙しかったのでほかの人に頼むことになったんです。いきなりレギュラーキャラを総出演させるのもしんどいだろうから、音成刑事のスピンアウトという形にしました。
――別の方が書いていたと。本作のシナリオライターである“生王正生”名義は石山さんひとりではなかったんですか?
石山:裏側の話なのであまりおもしろくないですが、シナリオを書く人間は何人か存在しており、ほかの人に書いてもらったものを自分で直したりもしていました。当時は制作ペースを上げたいことで、違う人にも書いてもらうという流れもありました。
――「昏い匣の上」はフリーライター・弥勒院蓮児が主人公でしたが、後に活躍させる予定はあったのでしょうか?
石山:弥勒院こそ、まさにスピンアウトで別の人も書くことが決まったとき、別シリーズでそのまま展開できるようにとキャラ立てして生まれたキャラクターです。実際に10作目以降で彼が活躍していますね。
――シリーズの黒幕的存在についてはいかがでしょうか? こちらは決着させる予定などはあったのでしょうか?
石山:決着はついていないかもしれませんが、「五月雨は鈍色の調べ」でどういう人物なのかという正体を明かすことはできたので、そこで自分的には満足はしています。
――これまでG-MODEアーカイブス+で配信されているシリーズについて、今だから話せる当時の思い出や苦労をお聞かせ頂けますでしょうか。
石山:「仮面幻想殺人事件」は右も左も分からないままとりあえず1本を作ってみようと思ったものなので、荒削りな部分が多々目立っているなと思っています(笑)。2本目の「海楼館殺人事件」は館トリックでいこうと思ったのと、ラストでこれまでの推理をぜんぶひっくり返そうという考えで作りました。ここでシリーズらしさが固まったかなと思います。
――最後は本当にぜんぶひっくり返りましたね。ここでひとつのお約束が生まれた印象です。
石山:ごめんなさい、とりあえずぜんぶひっくり返しとけばいいかなという気持ちはありました(笑)。「死者の楽園」は、先程も話した通り「シリーズが続いていくのかな」と感じはじめたところで、後のシリーズにつながる含みを持たせてみました。また、着ぐるみを着た殺人鬼というのは一度やってみたかった題材でした(笑)。4作目の「白鷺に紅の羽」は、あえて過去を描こうかなと考えました。このシリーズは出会いから始まったシリーズではないので、それぞれの登場人物がなんでこの場所にいるのかということは語られていないのですが、そのなかで今回は助手の伊綱というキャラクターの過去を紐解くお話にしてみようかなと思いました。
――伊綱の過去がめちゃくちゃ重いだけに、今の彼女の明るさに救われますね。
石山:そうですね。過去にこんなことがあったんだというところに思い入れが出てくるんじゃないかなと思いました。
――この4作目から1枚絵のCGが入ったりとグラフィックが急激に進化した印象があります。
石山:ここから豪華版を作るようになり、4作目を作ったあとに、前の3作も作り直すことになりました。当時は古い機種の人も新しい機種の人もいたので、6作目ぐらいまでは50キロと256キロ版の両方を作っていましたね。大変だなぁ……(笑)。
――5作目の「昏い匣の上」はいかがでしょうか?
石山:「昏い匣の上」はさっき言った通り、ちょっとこの辺でスピンアウトとして別のライターさんに頼んで、作って展開させてみたタイトルです。
――自分はホラー風の雰囲気が結構好きでした。
石山:ほぼ自分でリファインしちゃったのですが、発想自体は自分のなかにはないものだったので、そこはうまく相乗効果で特徴的なタイトルにはなったのかなと思います。次の「対交錯事件」は、ここまで変化球が続いてたので、生王が捜査するスタイルに戻そうと考えました。トリックありきで、このトリックを使うならこういう展開にできるかなという逆算で作っていきました。次の「音成刑事の捜査メモ」は「対交錯事件」とほぼ同時に平行で作っていました。この時期はすごいハイペースで配信していたころで、複数のラインを作って、どんどん作品を出していくという体制になっていました。音成刑事をフィーチャーした短編で当時も外伝という扱いで、正規のシリーズに入れないこともある、ちょっと微妙な立場の立ち作品なのですが、今回の復刻には含めてもらえました。
――犬視点のザッピングは斬新でした。
石山:その「音成刑事の捜査メモ」を作っているとき、自分は並行して次の仕込みである「仮面幻影殺人事件」を手掛けていました。最初はニンテンドーDSで作ったものを携帯アプリに移植したので、「G-MODEアーカイブス+」で遊べるのはこのアプリ版になります。
携帯電話アプリをリリースしたときは、ゲームパックという毎月ゲームが追加されていくパックのなかの1タイトルとして配信されていたので、ミステリーとかアドベンチャーを探して検索してもヒットせず、そういうのを求めているお客様になかなか見つけてもらえませんでした。むしろよく気づいてくれたと感謝したくなるくらい、見つけにくかったと思います。
そこで、コンシューマでも展開することで、携帯のサイトでも大きく取り上げてもらってシリーズを広めていこうという試みで、当時発売が予定されていたニンテンドーDSでの企画を立ち上げました。また、容量との戦いばかりをしてきたので、1回そこから解放されて、もうちょっと余裕のある状態で開発してみたいなという思いもありました。DSも制限は大きいのですが、携帯アプリに比べたら、こんなこともできる、あんなこともできると違いにショックを覚えました。
――なるほど。
石山:プラットフォームを変えて、また1から始めるのはリブートに近い感覚でした。そういう意味で第1弾の「仮面幻想殺人事件」と似たタイトルにしたんです。当初企画したタイトルは「新・仮面幻想殺人事件」だったのですが、「それだと新しく始めてる人がなんだかわかんないので、別のタイトルにしよう」と言われて「仮面幻影殺人事件」にしました。ただ、すごく紛らわしいので、ちゃんと違うタイトルにしとけばよかったなと思います。むしろ、「新・仮面幻想殺人事件」でも良かったのかも(笑)。
――内容は社会の闇も取り扱っていますが、会社から反対などはとくになかったのでしょうか。
石山:とくにチェックする人もいなくて、口を出す人もとくにいなかったですね。みんな、自分のことで精一杯だったので、誰が何をしてるかまで見てなかったところもあります。それに、自分自身もそんなに尖った内容だとも思ってもないですしね。第1弾の「仮面幻想殺人事件」がちょっと荒削りで、いまいち消化不良なところがあったので、ちょっとリベンジとして同じテーマで作り直してみたいという考えでした。
――分かりました。「五月雨は鈍色の調べ」は?
石山:「仮面幻想殺人事件」が終わって1週間ぐらい経ってから企画書を提出しました。まだ携帯電話でシリーズを続けていこうという話になったとき、飛び抜けて評判が良かった「白鷺に紅の羽」と人気を二分するような、同じ路線のドラマ重視のタイトルを作ろうかなと考えました。また、当時はDS版を作っている間に携帯電話が進歩していたので、そのスペックをすべて活かして、画面をフルスクリーンにしてみたり、音楽をPCM音源を使って豪華にしてみたりと、意欲的に新機能を搭載しました。その結果、「うちの端末で遊べません」という声がたくさん届いて、慌てて軽量版を作りました……。
――では、最後に「永劫会事件」についてお願いします。
石山:いろいろなことがあり、当時はもうこれ以上シリーズが続かないなと思ったので、1番最後に1番最初の出会いの話をやろうと思いました。端末依存の機能を使いすぎちゃいけないだとか、このぐらいの容量を使えばこれぐらいができるだとか当時のノウハウをすべて集合させて、作ったので、バランスいいタイトルに仕上がったんじゃないかなと自分では思っています。
――システムとしてもザッピングがより複雑になっていて、フィーチャーフォンでここまで出来るんだと驚きました。
石山:群像劇の複数人視点でストーリーを追いかけていくというスタイルはやりたいなと思っていました。
――プレイしていて題材が重いなと感じたのですが、ここまでインタビューを聞く限りでは、石山さんとしてはそこまで意識されていないのでしょうか?
石山:まぁ、ミステリー小説だったら普通によくある内容だとは思っています。殺人事件というだけで本来は結構重いはずなのですが、わりと世の中にはカジュアルに人が死んでいくミステリーが多いなと。そういうカジュアルなミステリーのイメージがあると、結構ずしっと重い話なのかもしれません。普通に人が死ぬ作品を書いて、その背景を描いていったら、普通はこうなるんじゃないかなとは思っています。よっぽど重い理由がないと人を殺さないと思うんですよね。
――最後に現実での法律が変わっていることを提示するなど、フォローもしっかりしているなと感じました。
石山:せめてそれぐらいしないと救いがなくなってしまうなと。この事件がきっかけで法改正されたというような話ではないですが、「現実での今はもうちょっとマシだよ」みたいなことはせめて言っておかないとなと思いました。ただ「永劫会事件」に関しては、後味が悪い話になりますよと最初から関係各所に説明していましたね。
――ありがとうございます。竹下さんはここまでの10作を移植してみて、特にユーザーの反応が良かったものはなんですか?
竹下:お客さんの反応がすごく大きいなと思ったのは「白鷺に紅の羽」ですね。その次はDS版が出ていたこともあり、「仮面幻影殺人事件」が話題でした。ゲームの扱っている意外なテーマやストーリー、ボリューム感も好評でした。その後の「五月雨は鈍色の調べ」や「永劫会事件」なども、「また、これを遊べた」とすごくよろこんでいただけましたし、復刻できてよかったなと思いました。
――G-MODEアーカイブスは、もともと一律500円でしたが、2021年8月にタイトルごとに開発にかかる時間やタイトル内容に応じた適切な価格に変更することが発表されました。このことを発表することに不安はありましたか?
竹下:そうですね。最初はとにかく誰でも手に取っていただきやすい500円ではじめました。ただ。後期のものなどはコンシューマとほとんど変わらないぐらいのボリュームだったりするので、どうやっても開発コストと販売の価格が見合わなくなってきてしまうんです。それだと赤字確定で、このプロジェクト自体を続けられなくなってしまうので、Twitterで皆さんに「値段を上げてもいいですか?」と聞いてみたんです。
――はい。
竹下:そうすると、「むしろこれまでは安すぎたんで、ちゃんとお金を取って続けてください」という言葉をもらうことができ、勇気づけられました。細かい数字のことまでは申し上げにくいのですが、なかなかコストのバランスが取れなくてG-MODEアーカイブスを続けられなかったかもしれなかったので、ありがたかったです。なお、値段を変えさせていただいたあとも、ファンの方にも、これで初めて遊ぶという方にも買っていただけているという手応えは持っています。
――まだまだ続けられそうでよかったです。「探偵・癸生川凌介事件譚」シリーズは「永劫会事件」以降も続いていますが、現状、こちらの移植に関してはいかがでしょうか?
竹下:「永劫会事件」まではやり切るということは考えていたのですが、そこから先については状況次第でかね。お客さんからの要望が多いようであれば検討もしたいと思います。
――「永劫会事件」のあと、石山さんはシリーズに関わっていたのか、言える範囲でお聞かせ願えますでしょうか?
石山:基本的に、それ以後は関わっていません。後に関係者の方と話す機会があったとき、シリーズを続けていくなら、クッション的に、十六夜彩子の視点で弥勒院のスピンアウトをやっていくのが違和感もないし、いいんじゃないかなというアドバイスをした覚えがあります。
――かなり希望的な妄想話になるのですが、ジー・モードさんで「探偵・癸生川凌介事件譚」の新作を作れるという可能性は無いのでしょうか?
竹下:そんな願いが叶うとしたら素敵だなとは思うのですが、今のところはとくに予定はないですね。石山さんの今の立場もありますし、このタイトルは我々のIPでもないですからね。ただ、ファンの方が多くいらっしゃるタイトルなので、引き続き弊社がお役に立てたらいいなとは常々思っています。
――ぜひファングッズやイベントなども企画してほしいです。20周年でファンも盛り上がっていますし。
竹下:IPの権利はAnd Joyさんなので、ご賛同を得られれば弊社としてもお手伝いはしたいです。素晴らしい作品なので盛り上げたい気持ちはあります。
石山:サントラが欲しいです。音楽の評判がすごくいいですし、自分も欲しいです。
竹下:まずはサントラのリクエストからですかね(笑)。
――本当に月並みな表現ですけど、ファンの声が大きければ、竹下さんとして動く判断にはなるということですよね。
竹下:そうですね。「これだけの支援と応援がありますよ」というのが分かっていれば、動きやすくはなりますね。
アドベンチャーゲームがストーリー媒体として生き残るには
――この記事がこアドベンチャーゲームを盛り上げていく連載ということで、アドベンチャーゲームの今後についてもお聞かせください。竹下さんも、かつて「北へ。」などを手掛けられており、造詣が深いということで、おふたりの考えるアドベンチャーの魅力と今後の予想について教えてください。
石山:アドベンチャーゲームは割と特殊なジャンルだと思っています。ストーリーを楽しむ媒体は小説やコミック、映画などいろいろありますが、アドベンチャーゲームは自分が介入する部分がほかの媒体よりも多いので、濃密なストーリー体験ができます。そこがアドベンチャーゲームの特色かなと考えています。むしろその特色を活かしていかないと、勝ち目がないジャンルだなと思っています。ただ、小説を読むのは苦手だけど、テキストアドベンチャーなら読めるという人は多いんじゃないかなと思っています。そういう人が濃密なストーリー体験をできるジャンルだと思っているので、自分はなるべく地の文などを書かないようにしたり、画面に出る文章は2、3行程度にして、読む文章じゃなくて、見る文章で頭に入ってくるものということを意識しています。そうすれば小説とかアニメとかとは違うストーリー媒体として、生き残っていけるといいんじゃないかなと考えています。
――なるほど。
石山:一般的にシナリオというと、テキストを書くだけと印象があると思うのですが、これまでの名作アドベンチャーゲーム作家の人たちは演出まで全部やっている人が多いと思います。やっぱりそうしないと、体験を表現するのが難しいと感じています。演出に合わせて言葉も変えて、間も変えて、一体感を出していくのが名作アドベンチャーとなる条件なのかなと思っています。ボタンを押すワクワク感や音楽が鳴り始めるタイミングひとつも体験にしていったジャンルがアドベンチャーだと思っています。
――今後の展望はいかがでしょうか?
石山:僕はアドベンチャーゲームが割と尖ったタイプのゲームだと思ってます。アクションが必要ないから万人向けだよねという人もいるんですけど、そんなことはなくて、だいぶ人を選ぶジャンルだと思います。なぜなら、ゲームをしようという多くの人は文字を読みたくない、キャラクターを動かしたいからです。さらに読書が好きだという人でも好む作品が全然違うように、アドベンチャーゲームが好きならどんなアドベンチャーでも好きかというと、実はそんなこともなくて、普通にキャラクターや世界観やシステムに好みがあると思うので、人を選ぶジャンルで、かつ好みに合致しないといけないので、だいぶ狭いマーケットなんだなと思います。
でも、その分「これが好きだ」となった人の熱量はすごい高いなと思っています。こんなふうに特集記事を組んでいただいたりだとか、今、アドベンチャーゲームを好きだと言ってくれる方々は、大切にしていかなきゃいけないなと思っています。また、昨今は国内の日本のアドベンチャーゲームが結構海外で売れているという話を聞くので、海外にもテキストアドベンチャーの市場があるのかなと思っています。そういう翻訳の壁を越えられれば、そこに生きる道はあるんじゃないかなと思っています。
――ありがとうございます。竹下さんはいかがでしょうか?
竹下:私も石山さんと共感する部分が大きいです。アドベンチャーゲームについて、よくいろいろな方から「今後どうなるのか」とか「廃れてしまうんじゃないか」とか、そういう話も聞きますが、やっぱりこういったゲームのスタイルは必ずずっと続いていくんじゃないかなとも思ってます。20年前の「探偵・癸生川凌介事件譚」のことを鮮明に覚えていて、また遊びたいとおっしゃっている方もいらっしゃいますし、「北へ。」もいまだに多くのファンがいます。みなさんがまた遊びたいと言っているゲームを復活させることは、社会的な意義もゲーム史的にも意義があると思っているので、なんとかこういった取り組みを継続していけるように頑張りたいなと思っています。
――応援しています! では、最後に「探偵・癸生川凌介事件譚」シリーズファンに一言お願いします。
竹下:これまで、G-MODEアーカイブスを、「探偵・癸生川稜介」シリーズの復刻を応援していただいて本当にありがとうございます! 一旦「永劫会事件」のリリースまでは達成できましたが、今後も皆様のリクエストやメッセージを参考に今後の復刻タイトルは検討していきたいと思っています。ぜひ引き続き、ジー・モードを、G-MODEアーカイブスを応援していただけると嬉しいです! これからもよろしくお願いいたします。
石山:今のようにSNSもなかったので、まさかここまで愛されていたとは、当時全く思っていたいなかったです。ネットに上がってるのは批判的な声ばっかりだったりので、ネガティブな気持ちになったりもしたのですが、今こうして再評価していただいてるというのは、本当にありがたい話です。当時から推してくれていた方々、本当にありがとうございます。こんなノリとか演出とか、ストーリー体験が好みだという方がいらっしゃいましたら、「癸生川」シリーズかどうかは分かりませんが、僕個人が今後作るものはそういったマインド自体は確実に引き継がれたものになると思います。引き続き、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
――ありがとうございました。
後記
「G-MODEアーカイブス+」でプレイして、「当時こんなに面白いものがあったのか!」と驚き、第2回の題材に選んだ「探偵・癸生川凌介事件譚」。企画としては前回が超解像技術を採用した未来の美少女ゲームだったので、逆に携帯電話アプリ時代の苦労も聞いたら面白いかもという考えもありました。その考えは半分当たりで、1文字すら削らなければいけないような大変な作業環境について興味深く聞くことができました。
しかし、それ以上に驚いたのが石山さんの細部へのこだわりと、竹下さんの情熱です。自分自身、「20年前の携帯アプリゲームに今、こんなにもハマる理由はなんだろう?」と考えていましたが、インタビューでアドベンチャーゲームへのこだわりを聞いて、「神は細部に宿る」ということ、こだわりを持って作ったものは、いつまでもそのクオリティは色褪せないということがわかりました。ゲームライターという職業柄、どうしてもトレンドとなる作品を追ってしまいがちですが、こうした隠れた名作をいち早く発見し、読者のみなさんに届けるのも我々の仕事であると改めて気付かされました。丁寧な移植を担当してくれた竹下さんにも感謝しかないです。
今後もこの連載では、斬新なものでなく未来に残しておくべき過去の遺産をピックアップしていこうと思いました。それではみなさん、次回の連載もよろしくお願いします。
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