カプコンが、PlayStation5版を2020年11月12日、Xbox Series X版を2020年11月10日に発売する「デビル メイ クライ 5 スペシャルエディション」(以下、「DMC5SE」)について、本作の開発に携わったディレクターの伊津野英昭氏、メインプランナーの隈部潤也氏、プロデューサーのマシュー・ウォーカー氏、3名へのインタビューの模様をお届けする。
なお、このインタビューでは、前半は主に「デビル メイ クライ 5」(以下、「DMC5」)発売後のユーザーの反応や制作秘話、後半は発売を直前に控えた「DMC5SE」に迫った内容となっており、特に後半はメインストーリーのネタバレを多少含むため、未プレイの方はご注意願いたい。
「DMC5」では想定外のV人気、Vの制作秘話も
――まず、「DMC5」発売後、実際にプレイをされた方のご感想などはいかがでしたか?
マット氏:発売直後から、思っていた以上に反響が凄かったです。ファンの皆さんにも、とてもご満足いただけたのではと思います。
伊津野氏:特に小説とかアニメとかも全部チェックしてくれているようなファンの方からは、全ての伏線を回収してくれている、と、すごく喜んでいただけたようです。あと、以前に舞台版の「DMC」で出した黒騎士――プロト・アンジェロも、今回はキャバリエーレアンジェロとして出せました。「DMC5」は、かなり細かいところを色々回収出来て、僕としてもやり遂げられた感じはあるので、そういうところが好評だったならば嬉しいですね。
――ネロ、ダンテ、Vの中で、特に人気だったキャラクターとかはいましたか?
伊津野氏:Vが、めちゃくちゃ人気でしたね……。僕はもちろん、「このキャラクターは人気出る!」と思って、どのキャラクターも作っているんですけれど、Vは女子人気が何故か異様に高くて……(笑)。まさかこんなに人気が出るとは思っていなかったので、驚きました。
――すみません、私も今回はV推しです……(笑)。
伊津野氏:確かに、最初にVのデザインが上がってきた時点で、チーム内の女性陣から「すごく良い!」っていう声が聞こえてきて、「あれ? もしかして女性ウケするのかな?」とは思ってはいたんですけれど。
――伊津野さんとしては、女性に人気が出るとは思っていなかったんですか?
伊津野氏:僕はストーリーもキャラクターも、少年漫画を読んだ時に感じるかっこよさ、みたいなイメージで作ることが多いんですよ。「こういうシーンで、こういうことを言ったらカッコいいだろう」とか、「こんなキャラクターが出てきたらカッコいいだろう」みたいな。そうしたら、たまたま……ここ強調したいのでもう一度言いますが(笑)、たまたま、そういった世間の多くの皆様の好みに刺さったようでして。
――でもVって、あまり少年漫画の中に出てくるキャラクターに見えないような……。
伊津野氏:Vは……少年漫画というよりは、特に僕ら男性の憧れを詰め込んでいるんですよ。言うなれば「合コンで一言も話さないのに、何故か一番女の子にモテる」みたいな、周囲の男たちからとても羨ましがられる、というような人物像があって(笑)。
――それを伺った途端、すごく腑に落ちました(笑)。
伊津野氏:そういう”男の憧れ”みたいなものを詰め込んだら、結果的に女性からウケたようなので、コンセプトには合っていたということなんでしょう。まさに、無言なのに女性人気をかっさらっていくキャラクターになってしまいました(笑)。
――そういうキャラクターにしようと思って誰もがその通りに作れるならば、苦労はしませんから。コンセプト通りのキャラクターに仕上げられること自体が、素晴らしいことです。
伊津野氏:ありがとうございます! 新キャラクターでしたし、皆さんにVが受け入れてもらえて良かったです。
マット氏:あとキャラクターは、ニコが意外と人気出ましたね。今の時代と逆行しているヘビースモーカーなキャラクターだったので、実はちょっと心配だったんですけれど(笑)。タトゥーとかもバリバリに入っていますし。
隈部氏:開発ではニコは人気だったんですが、いわゆるヤンキーのような感じでしたから、ゲームファンの方に受け入れてもらえるかは解らなかったですよね。ニコは、トリッシュやレディとは違った雰囲気の”強い女性”に出来たとは思っています。
伊津野氏:ニコは、大分チャレンジしたキャラクターでした。
マット氏:でも伊津野さん、ああいうキャラクターを出したかったんですよね?
伊津野氏:そう、なんだかああいうタイプの女子に罵られたいっていうか、怒られたいっていうか(笑)。弱っちぃ男子中学生の僕らが、ちょっとヤンキーっぽい女の子に惹かれてしまうような、そういう歪んだ憧れから生まれたキャラクターです。
――(笑)。ニコは、トリッシュやレディともまた違う意味での”強い女性”で、3人それぞれ違う魅力があって良かったです。
伊津野氏:むしろあの中に入って渡り合うんだから、あれくらいの強さは必要ですよね。そういう立ち位置はもちろん気にして作ったキャラクターですが、それと皆さんに受け入れてもらえるかは別の問題なので、やはり出してみるまでは不安でした。
「DMC5」のバトルや、音声と字幕の秘密、そして写真部へ
――「DMC5」からの新要素だったデビルブレイカーについては、ユーザーの皆さんからの反応はいかがでしたか?
隈部氏:反応は、すごく良かったです。
伊津野氏:デビルブレイカーは、プレイヤー次第で使い方がまるで変わりましたね。一応僕としては、デビルブレイカーは壊れるところにこだわりがあって、壊れてナンボ、壊れるからこそ強くできる、くらいのつもりでいて、「でも壊れても、まだ次があるぞ!」と次々と取り換えていくようなイメージで作っていたんですよ。結構道中でも拾えますし、ニコのところで買うこともできますし。
隈部氏:でもデビルブレイカーについては、ちょっと開発内部でもどうするか悩んではいたんですよ。伊津野さんにも、「最悪、壊れないように仕様を変えてもらうかも」って言っていたくらいで。
伊津野氏:いわゆる”エリクサーを最後まで使わない派”の人たちからの、「デビルブレイカーを消耗したくない」という声も多かったんです。
マット氏:発売して実際に遊んでみたら、消耗型であることに納得してくれたかな、と思います。消耗型だからこそ出来る、強力な攻撃もありますし。
隈部氏:もちろん、その後も変わらず”消耗したくない”派の人たちもいましたが、そういう人たちは緊急事態の時の必殺技、みたいな立ち位置にしていたり……。切り替えることに慣れてくれた人たちはガンガン切り替えて遊んでいて、見事にプレイヤー次第で使い方が変わりましたよね。こちらとしては、そんな皆さんのプレイをニコニコしながら見ていました。
――デビルブレイカーがあることで、今作の攻略には無限の可能性があることを感じました。
伊津野氏:僕たちが思っていた以上に、プレイヤーの皆さんが色々な使い方をしてくれている、というイメージです。”デビルブレイカー”と一括りにしてしまっていますが、DLCを除いてもデビルブレイカーは8種類あるので、ネロだけはレッドクイーン、ブルーローズに加えて、更に8種類の武器を持っていることになりますから。
――そうなんですよね。壊れやすい武器とは言え、本当に楽しく遊ばせてもらいました。ちなみに「攻略にはこれがオススメ!」というようなデビルブレイカーはありますか?
伊津野氏:僕はどれも思い入れがあって作っていますが、やっぱり初期から使えるオーバーチュアとガーベラは、使い勝手がいいと思います。
隈部氏:ガーベラは特に屋内のバトルで真価を発揮するので、ぜひあまり使っていない人やこれから遊ぶ人は、そこを意識して使ってみてほしいですね。ガーベラは機動力も高いですし、おススメです。個人的にはパンチラインとラグタイムが好きですね。
マット氏:個人的な疑問なんですが、ブルーローズを撃った直後にラグタイムを使うとどうなるんです?
隈部氏:ブルーローズの弾も、ラグタイムで停まりますよ。なので、本来ならコンボの最中には当てられない銃弾も、ラグタイムで当てられたりします。
伊津野氏:一応こちらとしては、もしもデビルブレイカーの人気投票をやったらほぼどれも同数になるんじゃないか、というような想定で作っています。人によってどれが好みかも違うと思いますし、性能もどれが突出しているという風にはしていないので。
――あと、ひとつとても気になっていたことが……。私はどのゲームでも、日本語音声に日本語字幕をオンにして遊ぶのですが、「DMC5」は字幕と音声で文章が違うんですよね。あれはわざとなんですか?
伊津野氏:そうです。というのも、そもそもこのゲームでは、日本語音声と日本語字幕どちらも出して遊ぶ、ということを、あまり想定していないんです。
――私はどうしても字で見ないと、特に固有名詞が覚えにくいので、声優さんの演技を楽しみつつ、字幕も見ているんですが。
伊津野氏:音声のほうはキャラクターの持つ雰囲気を大事にしているのと、あと「DMC5」のリップシンクはそもそも英語のセリフにあわせて作られているので、そのリップシンクに合わせたセリフにしているんです。
――それは洋画の日本語吹き替えとかで、よくある手法ですよね。
伊津野氏:そうです、それと全く同じです。一方で字幕のほうは、一画面に表示される漢字の総量とかまで考えて、画面をパッと見て理解できるように、最適化しています。なので、音声と字幕の文章は、そもそも用途が違うんですよ。別々の翻訳になっているのはそういう理由なので、気になる人は色々試してもらえると嬉しいですね。実はそういう細かいところも、こだわって作っている作品なので。
――あと、シェアードシングルプレイは、「DMC5SE」でもあるのでしょうか?
伊津野氏:あるんですけれど、基本的には通常のメインのみです。バージルでのプレイ時は、シェアードシングルプレイには対応していません。さすがにバージルで進めている所に他のキャラクターが絡んでくるとおかしかったので……。
――私はスクリーンショット(SS)撮影が好きなので、「DMC5」にフォトモードがあったのがとても嬉しかったのですが、あまり知られていなかったので「DMC5SE」で改めてフォトモードを盛り上げたいな、と……。それで今回皆さんに贈らせていただいたのが、こちらのフォトブックなのですが。
伊津野氏:これ、すごいですね。全部アサミさんが、「DMC5」のフォトモードで撮影されたものですか?
――そうです。合計で30枚近く掲載していると思いますが、全部フォトモードで撮影したものです。
マット氏:こうやって本にしていただけると、とても嬉しいですね! 僕が言うのもなんですが、こうやって見てみると、改めてエフェクトがすごいな、と思いました。本当にありがとうございます。
――伊津野さんが以前に、「DMC5」はエフェクトにとてもこだわったというお話をされていたので、エフェクトを始めとしたバトルシーンのSSから作成しています。記事内では、その本に使用したSSをいくつか掲載させていただきますね。
伊津野氏:スチルショットでも自信を持って出せる画面に出来たと思うので、今回フォトモードを搭載させていただいたんですよね。
マット氏:「DMC5SE」ではレイトレーシングに対応していますから、反射とか光とかがより一層現実に近づいた写真も撮影できると思いますし、更にフォトモードを楽しんで頂けるのではないかと思います。プロデューサーとしても、こういった本を作って頂いたり、SNSに投稿して頂いたりするのを期待しています!
伊津野氏:そもそもはSNSに載せてもらえるといいな、と思って搭載したモードなので、ぜひ気軽にSSをアップしてもらえると嬉しいですね。最近、そういう遊び方も増えてきたように見えますし。
――今はフォトモードがある様々なゲームに、ユーザーによる写真部がありますし、「DMC5写真部」というハッシュタグがほしいくらいです。多分、「DMC5SE」が出たころに私が勝手に作りますけれど(笑)。
伊津野氏:実はフォトモードは、開発内でも当初かなり反対意見が多かったんです。というのも、やはりどこでもストップ出来るとなると、どうしても変なところにめりこんでいたり、変な顔で止めちゃうことも出来てしまうので、そういうところまでとても作り込めないから、この角度では写さないで、みたいな声もあったりしたんですが、僕が「うるさい! 搭載するんだ!」と、一喝しました(笑)。
マット氏:そういう経緯もあってなんとか搭載したモードですから、ぜひ皆さんの投稿で盛り上げていただきたいですね。
「DMC5SE」での新機能に迫る
――ではそろそろ「DMC5SE」について、お伺いしていきます。レイトレーシングをオンにしてプレイしましたが、本当にリアリティのある自然な表現で驚きました。
マット氏:次世代機で出すということで、できるだけそういう機能を活かそうと思ったんです。ですが「DMC」はプレイヤーによって、綺麗な画面をもっと綺麗にしたい方と、フレームレートを優先させたい方がいる作品ですので、解像度優先(4K/30fps目安)とフレームレート優先(1,080P/60fps目安)で、選択肢を持てるようにしました。
伊津野氏:さすがに全部の機能をMAXにしてしまうのは、ちょっと難しくて。
隈部氏:一応、フレームレート優先を選ぶと、これまでの感覚と変わらなく、画質だけが綺麗になっているように見える……はずです(笑)。
伊津野氏:ちなみにレイトレーシングをオンにして、グラフィックの綺麗さとかって伝わりましたか? 苦労して搭載したので、プレイヤー目線からはどうなのか、ちょっと気になりまして。
――はい、もともと「DMC5」の時点で充分素晴らしいグラフィックだったのに、古い鏡に映り込む姿とか、カーテンで揺らぐ光とか、「DMC5SE」は現実の映画のようでした。
伊津野氏:それは良かったです。そもそもオリジナルの「DMC5」は、レイトレーシングを搭載しているように見せているけれど搭載していなくて、でも搭載しているように見えるラインを目指して、頑張った作品なんですよ。「DMC5SE」はレイトレーシングを搭載しましたけれど、今度は解像度やフレームレートを犠牲にせずバランス調整するのがすごく大変だったので、そこに違いを感じて頂けたならば、我々としても嬉しいですね。
――レイトレーシングはとても綺麗でしたが、オンにするとハイフレームレートは使えないんですよね?
隈部氏:ハイフレームレートは最大120fpsになるのですが、レイトレーシングはかなりマシンのパワーを使うので、同時には使えないんです。
――今回、ハイフレームレートは体験できなかったのですが、ハイフレームレートだとやはりかなり綺麗に動くのでしょうか。
隈部氏:まさに「ヌルヌル動く」という言葉がぴったりです。あと、120fpsだとアニメーションの密度が高くなるので、目が疲れにくいですし、頭も疲れにくいですよ。
――そんな効果が……。ちなみに実際にハイフレームレートで遊ばれてみて、いかがでしたか?
伊津野氏:120fpsだとあまりに滑らかに動くので、これまでとは違うゲーム体験が出来ると思います。特に120fpsは、TURBOとの相性もいいですよ。でも開発チームにも120fpsで動かすのに対応したモニター、2つしかなかったよね?
隈部氏:そうですね、なので開発現場でも120fps環境は取り合いになるほどでした。もうみんなが「やりたい、やりたい」という感じで……それくらい違うということですね。
――1.2倍速になるTURBOは、違和感無く速くなるので素晴らしかったです。
隈部氏:TURBOは、体感的にかなり変わると思います。ただ、基本的に全て1.2倍速になっているのでその分忙しくはなるんですけれど、慣れてくるとそれがクセになってくるというか、心地良くなってくるんですよね。感覚もこれまでと変わってきますが、このスピード感を楽しんで頂ければと。
――感覚が変わる……例えばどういうところでしょう?
隈部氏:敵が早く動く分、自分も早く動かないと間に合いません。でも同じ時間で攻撃できる手数は圧倒的に増えますし、その分めちゃくちゃかっこよく見えるので、よりスタイリッシュに動きたくなるんですよね。なので、ハマりはじめるとTURBOにどんどんハマっていく、という感じです。
伊津野氏:コンボ動画とかも、TURBOで録画すると、なんだかとてもすごいことをしているように見えるんですよ(笑)。これまでの「DMC3」や「DMC4」の時もそうでしたが、コンボ動画をアップしている人はTURBOで撮影している人が多いんです。スタイリッシュさを求める人ほど、楽しめる設定だと思います。
――TURBOになると、入力受付のフレーム数とかはどうなるんですか?
隈部氏:フレームレートの受付自体は早くなります。ジャスト次元斬などが、モノによっては影響を受けづらいものがあり、例えばネロのイクシードのEXアクト等についてはあまり変わらないです。そもそも変わったとしても、MAXアクトはそもそも1フレームなので、これ以上変わり様がないとも言います(笑)。EXアクトも元々3フレームとかなので、基本的にTURBOでも変わりありません。
――では、新難易度レジェンダリーダークナイトについてお伺いできれば、と思います。
隈部氏:こちらは、せっかく次世代機で出すのだから、ということで、次世代機の性能をフルに活かすモードとなっています。
――あれだけたくさんの敵が出て来ても処理落ちしないことに、びっくりしました!
伊津野氏:あれはもう、処理落ちとの戦いで、とても試行錯誤したんで……。次世代機を作られたハードメーカーさんもとても頑張られてあの性能のゲーム機を発売されると思うんですが、僕たちもめちゃくちゃ頑張りました(笑)。
隈部氏:無節操に敵を増やすと、それに伴って難易度も上がりすぎてしまうので、その調整はちゃんとしています。
マット氏:ヒューリーを10体とか出すと、プレイヤーが死んでしまうので(笑)。
隈部氏:ヒューリー10体は、僕らでも捌けないですね(笑)。
――なるほど、ただやたらに敵の数が増えているわけじゃないんですね。
隈部氏:難易度には気を使いつつ、”レジェンダリーダークナイト”という名前に相応しいものに出来たと思います。
伊津野氏:画面から受けるインパクトを下げずに、難易度をキープするということで、ヘルカイナとかを1画面に50体くらい写るようにしているんですが、むやみに増やしているわけではなく、ちゃんと楽しい範囲に収まるように増やすというのを調整しています。
マット氏:ブラッディパレスでも同じくらいの量の敵が出て来たりもするので、現行機でもレジェンダリーダークナイトを追加できるのでは、と思われてしまいそうなのですが、やはり常時ゲーム上の背景を描画し続けながらあれだけ大量の敵を出すというのは、現行機では無理なんです。それこそ多分、処理落ちの嵐になって、快適なプレイ体験とは程遠くなってしまうかと。
隈部氏:レジェンダリーダークナイトは、マシンへの負荷がとても高いので、考えなしにただ敵の数を増やしているわけではないんです。実は登場する敵の数とかも、処理落ちしないギリギリのところを、何度も修正しています。あと一体増やしたらもう落ちる、というような部分をとても細かく詰めているので、楽しんでいただけると嬉しいです。
――レジェンダリーダークナイトの試遊のときにスーパーシリーズを使用させてもらったのですが、現行機でDLCとして販売されていたスーパーシリーズは、次世代機でも販売されるのでしょうか?
伊津野氏:販売される予定です。とは言っても、スーパーシリーズは難易度Dante Must Dieをクリアした方の特権なので、「やんごとなき事情があって、そこまでやり込む時間がない忙しい人向け」という感じに受け取ってほしいです。
――私にもやんごとなき事情があるので、助かります……。スーパーシリーズ以外の有料DLCも、全て次世代機で販売されるのでしょうか。
伊津野氏:基本的に、現行機向けDLCはほぼ今回の「DMC5SE」に最初から収録されています。ただ、「DMC5」の発売当時に限定特典だったアイテムは収録されていません。
バージルの細かい調整の数々に、突撃
――では、いよいよ皆さんが待ちに待っているバージルについて、お伺いしていきたいと思います。「DMC」シリーズのスペシャルエディションではもうバージルの追加がお馴染みとなってきましたね。
隈部氏:もう、スペシャルエディションといえばバージル、という感じで(笑)。今回のバージルは、「DMC4SE」の時の操作感やコンセプトを踏襲しつつ、「DMC5SE」ならではの進化を遂げています。
――では、今作でのバージルの変更点や特徴などをお願いできますか?
隈部氏:閻魔刀は時空裂閃という敵を引き寄せる技などを足して、更にパワーアップしています。真魔人はもちろんのこと、DTゲージを消費して出すことが出来る分身・ドッペルゲンガーも強力です。ベオウルフはコマンドの構成を変えつつ、新規のモーションが追加され、よりパワーアップしています。ガードを崩す性能が高いので、デスシザーズとかに対しては非常に有利です。ミラージュエッジは、コマンド構成変更と、新規のモーションが入ります。
――ミラージュエッジは、フォースエッジからの変更ということですね。
隈部氏:はい、基本はフォースエッジと同じです。ミラージュエッジの特徴としては、集中ゲージを維持すると多段ヒットしやすくなり、敵を気絶させやすくなるので、高難易度になればなるほど有効な武器です。難易度が上がるほど敵にダメージが通りにくくなりますが、気絶値自体は蓄積されていくので、ミラージュエッジで気絶させれば敵を制圧しやすいです。使いこなせれば、本当に強いですよ。
――そもそもフォースエッジがミラージュエッジに変わったのは、何故ですか?
伊津野氏:これは、「DMC5」のメインストーリーの都合ですね。メインストーリー上で色々あって、今作ではフォースエッジはダンテが魔剣ダンテとして持っていますので、同じ時間軸のバージルが持っているはずがない武器になっています。それで今回はフォースエッジをミラージュエッジに変更しました。
――試遊した感じですと、五月雨幻影剣からのベオウルフコンボも健在でしたね。
隈部氏:五月雨幻影剣からのベオウルフの組み合わせは、今作でも良いですよ。「DMC4SE」をやっている方ならば、五月雨幻影剣から真魔人化してドラゴンブレイカーをジャストで放つ、というのは、今作でも健在ですので、ぜひ使っていってください。あと、次元斬も基本的にほぼ変わらず、閻魔刀の攻撃からそのまま発動できます。
――試遊で遊ばせて頂いたバージルは、「DMC5」の本編に出て来たバージルと少し違ったような気がしたのですが……。
伊津野氏:実はメインストーリーに出てきたバージルをプレイヤーが動かせるようにしたわけではなく、それをベースにしつつも、かなり多くの部分を作り直しています。なので、「DMC5SE」ではぜひ皆さん自身でバージルを使って、色々見比べてみてください。”あのシーン”とかも、動きが結構違いますよ。
――“あのシーン”は、ネタバレが過ぎるので一応伏せさせて頂いて……バージルは、最初から使えるのですか?
伊津野氏:最初から使えますが、カットシーンなどはほぼ全部削除されています。雰囲気としては、「DMC3」や「DMC4」のスペシャルエディションと、ほぼ同じだと思って頂ければと。なので、新規の方はまずネロ、V、ダンテで一通り遊んでからバージルに挑戦して頂いたほうが、心の底から本作を楽しんで頂けると思います。難易度的にもバージルは少々操作が難しいので、その点も含めてまずは通常ルートを先に遊んで頂いたほうが良いかと。
――バージルは、テクニカルキャラですしね。
伊津野氏:「DMC5」はコントローラの全てのボタンを使用するゲームですが、ネロ、V、ダンテはストーリーの進行に応じて少しずつ色々なものが解放されていくようになっていて、プレイヤーが操作に戸惑わないように作っているのに対し、バージルは最初から全部の機能が解放されてしまっているので、初めての方が遊ぶには操作難易度の面でもハードルが高いと思います。
――バージルの新技となるワールドオブVは、R1+L3一回転+〇と、Vのロイヤルフォークと同じコマンドでしたが、ここは意図的なのでしょうか。
伊津野氏:実は最初はワールドオブVは、別のコマンドだったんです。元々のコマンドは次元斬・絶に近く、かつ方向指定があったんですが、それだと敵に囲まれてしまった時にキャラクターが今どちらを向いているのか解らなくなってしまい、開発内部でもみんな誤爆ばかりで……。特にバージルは疾走居合を出した後に振りむくので、ただでさえ敵が多い中で自分が今どこを向いているのか尚更解りにくいという状況になりやすく、コマンドが暴発しまくっていたんです(笑)。
隈部氏:それで改めて敵に囲まれても出しやすいコマンドで、必殺技のようなコマンドというのを考えた時に、Vのロイヤルフォークと同じコマンドならば誤爆しにくいのでは、という流れで、このコマンドになりました。それと、ロイヤルフォークと同じならば地上でも空中でも出しやすいという利点もあったんですよね。
――私は下手くそなので、試遊では2回ほどしかワールドオブVを出せなかったのですが、空中だと出しやすいのですね。
隈部氏:ロイヤルフォークもそうなんですけれど、コマンド入力が苦手な方ほど、空中のほうが出しやすいです。というのも、地上だとコマンド入力をしながらキャラが動いてしまうと判定が取り辛くなってミスしやすいのですが、空中だとキャラが動かないので比較的成功しやすいんです。……まぁザンギエフと同じなんですけれど(小声)。
伊津野氏:ザンギエフの、飛び込みからの着地スクリューパイルドライバーと同じです(笑)。R1+L3一回転+〇というコマンドを見ると難しそうですけれど、意外と入力は緩めで、特にLスティックはそんなに急いでぐるっと回さなくても大丈夫ですよ。なんならスティックを2回転させるつもりくらいでやってください。
――えっ、それで出るんですか? 頑張って練習します。
隈部氏:初心者の方ほど、ワールドオブVをうまく使えると、ストーリー攻略が楽になります。慣れてくると、ブラッディパレスとかでもお世話になるかと。
――バージルはテクニカルキャラなので私はなかなか使いこなせないのですが、それでも「DMC4SE」の時よりは少し扱いやすくなったような気がしました。
隈部氏:溜めから鞘が光った瞬間に出すジャストタイム次元斬の入力フレーム数とかは、「DMC4SE」のままです。基本的にはそこを乗り越えた人が面白さ、強さを体感できるキャラクターではあるのですが、そこのハードルが高いため、ドッペルゲンガー中に出す次元斬などは少し判定を緩くしてあります。
伊津野氏:今回はドッペルゲンガー、ワールドオブVと、バージルのDTゲージの使い方に幅が出たので、前作ほどストイックではないというか……、逃げ道が多めになっていますね。バージルを扱う難易度自体は変わっていないですけれど、前作よりもやれることが多くなっています。
隈部氏:ちなみにドッペルゲンガー中にバージルが閻魔刀以外の武器を装備していても、ジャスト次元斬と同じようなタイミングでボタンを押すと、ドッペルが単体で次元斬を出してくれますよ。チャレンジできる方は、ぜひやってみてください。
――先行配信されたバージルの戦闘曲の「Bury the Light」は、ネロの戦闘曲として好評を博した「Devil Trigger」の作曲者、Casey Edwardsさんが担当しているんですね。
伊津野氏:バージルとネロとで違う雰囲気を出したいと思ったのでボーカルは別の方ですが、作曲はCaseyさんにお願いしました。
マット氏:やはり、そこの関係性は重要ですので。ただ、ネロとバージルとでは強調したいところが違うので、そこは色々と考慮して、ネロの戦闘曲である「Devil Trigger」とは、ガラリと曲の雰囲気を変えてもらいました。
伊津野氏:「Bury the Light」が開発に届いた時、「DMC5」で音楽をやってくれた鈴木幸太くんが「やはりCaseyさんは天才だ!」と叫んでいましたよ(笑)。
マット氏:Caseyさんは「DMC」シリーズを遊んでくださっていて、主題歌を手掛けた「DMC5」にはとても思い入れがあるそうです。そしてバージルという存在がどれだけ作品の中で重要なのかを理解しているので、とても感情移入して作曲をしてくださっているそうなんです。
伊津野氏:歌詞や曲調も、バージルの影の部分とか、ダンテの双子という部分がすごく出ているんですよね。ボーカルはVictor Borbaさんにお願いしていますが、Victorさんがデスメタル系から悲しい感じの声、高めの声まで、すごく幅の広い声が出せる方なので、そのおかげで曲にとても広がりが出て、すごく良かったと思います。
マット氏:開発でもずっとループで聞いています。「Bury the Light」は、先行リリースさせていただきましたが、OSTのジャンルで1位にもなりまして。それくらい良い曲ですので、ゲームの中で聴くまで待っているという方も楽しみにしていてほしいですね。
――それでは最後に、本作を楽しみにしている皆さんに向けて、一言いただければと思います。
隈部氏:今回は次世代機で「DMC」の新作を出すことが出来て、とても嬉しいです。「DMC5」から更に進化した新しい「DMC5SE」を、ぜひシリーズのファンの方はもちろんのこと、「『デビル メイ クライ』は初めて」という方にも遊んでいただければと思います。
マット氏:「DMC4SE」のときは、スペシャルエディションまで7年もお待たせしてしまい、本当に申し訳なく思っていましたが、今回は1年半で皆様にスペシャルエディションをお届けすることが出来ました。ぜひこの機会に「DMC」を手に取ってみてほしいです。
伊津野氏:「DMC」シリーズとしては初の、次世代機ローンチタイトルとなれたことを、本当に光栄に思っております。次世代機の性能を楽しむのにも大変に良い作品となっていますので、ぜひ遊んでみてください。
――ありがとうございました。
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※画面は開発中のものです。
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