5pb.より2019年3月28日に発売されたPS4/PS Vita/Nintendo Switch用ソフト「メモリーズオフ -Innocent Fille- for Dearest」。発売から2ヶ月以上が経ってしまいましたが、一通りプレイしてみてのレビューをお届けします。
「メモリーズオフ(以下、メモオフ)」シリーズの最終作としてリリースされた「メモリーズオフ -Innocent Fille-」。私も以前レビューさせていただきましたが、切ない恋愛物語とサスペンス要素のある展開を兼ね備えつつ一つの大きな流れを作り出す、まさにシリーズの集大成的な魅力の詰まった作品となっていました。
本編をプレイし終えた時は大きな満足感に包まれたものの、同時にこれでもう終わりなのかという寂しさがあったのも事実です。そんな最中、シリーズでは恒例となっていた、ヒロインたちとのエンディングのその先を描くファンディスクとして「メモリーズオフ -Innocent Fille- for Dearest」が発表された時は、多くのメモオフファンと同様に歓喜の気持ちでいっぱいでした。

本来であれば発売に近いタイミングでプレイしたかったのですが、ズルズルと時間が過ぎ去ってしまって、気がつけば6月8日に行われるイベント「謝恩会」の間近になってしまいました。正直今プレイレビューを掲載したとしてもすでにクリアされている方も多いかとは思いますが、それぞれのルートに魅力的な部分があったので、そちらをこれからプレイされる方にもぜひ味わってもらえればと思い、私がプレイした順番に紹介していきます。
もちろん、ネタバレについては極力配慮した上でお届けしますが、元々が本編クリア後から続くストーリーとなっているため、本編に関するネタバレはあえて気にせずお届けしていきます。
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| 今作では稲穂信がマスターを務めるYuKuRuのメニューという形式で各ヒロインのルートを選択します。 こうした遊び心はまさにメモオフならではだなと思い、冒頭から楽しませてもらいました。 |
寿奈桜 Honest
主人公・楠瀬累(CV:坂泰斗)の下宿先である夕凪荘の大家の娘である志摩寿奈桜(CV:徳井青空)のエピソードでは、累が札幌へと帰るまでの日々の中で、兄妹のような関係性からの変化を描いていきます。寿奈桜の視点が多く差し込まれることで、お互いが想い合っているのにも関わらずギクシャクしてしまう様子や、差し迫る別れへの焦りなどが随所に感じられます。
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| 本編でも重要な局面で登場した選択肢システム「R.A.I.N.s」は今回ももちろん健在です。 | |
このルートの後半では、とあるきっかけで「メモリーズオフ6 Next Relation」にも登場した龍境温泉郷(りゅうざかいおんせんきょう)へと旅行に向かうことになります。ここではメモオフファンにはおなじみ、音羽かおる(CV:田村ゆかり)が登場します。果たしてどのような関わり方をするのか、ぜひゲーム中で楽しんでもらえればと思います。

寿奈桜のエピソードはある意味で一番ピュアなルートでして、友人である神崎美咲(CV:吉田仁美)が恋愛に対して不器用な2人に気をもむ姿も含めて、温かさを感じる内容になっています。これも寿奈桜の人柄あってこそだと思いますので、ぜひ保護者的な目線で2人を見守ってあげてください!
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柚莉 Birth
三城柚莉(CV:武石あゆ実)のエピソードは、彼女自身が抱えていた問題を乗り越えて無事に恋人同士になった2人のその後を描くものになっています。とはいえ、累と柚莉が幼なじみから恋人になっていく過程はDLCの柚莉アフターも含めた本編で十分に描かれているので、あくまでもその関係性の延長線上を楽しむという感じでしょうか。
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その一方で、柚莉が自分自身の将来に悩みながらも一つの答えを見つけ出すエピソードにもなっていました。その大きなきっかけの一つになるのはYuKuRuでのバイト。彼女がどんな未来を見出すのかにも注目してもらえればと思います。

そして何より、柚莉のルートは個人的には三城家のためのエピソードでもあると感じました。それは双子の兄である三城莉一(CV:鈴木裕斗)はもちろんのこと、未だに入院を続けている母親との関係性にもしっかりと目を向けていて、だからこそエンディングを万感の思いで見ることができました。
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琴莉 Rebirth
本作をプレイしてある意味で一番驚かされたのが、三城琴莉(CV:本渡楓)のルートでした。本編をクリアしている方はご存知の通り、琴莉はその存在自体がかなり特殊であるため、本編のどのエンディングから繋げるのも難しいのではないかと感じていました。
そして蓋を開けてみると、なんと2人が共に記憶喪失になっている状態から物語が始まります。サナトリウム内にある秋村先生の自宅で治療のための共同生活を送ることになるのですが、ある意味で全てのしがらみから解き放たれた2人が改めて惹かれ合っていく様は、いろいろと感じ入るところがありました。
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もちろん、周囲は記憶が戻ることを望んでいますが、ある意味で箱庭のような空間で関係を育んでいく2人にとっては、それは必ずしも幸せではないかもしれない。そんな中で累はどのような選択をするのか、そして琴莉をどのように受け入れていくのか、とても複雑な感情を覚えながらも心に染みるエピソードでした。
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瑞羽 Reverse
本編においても重要なキャラクターだった日紫喜瑞羽(CV:矢作紗友里)のエピソードは、彼女がこれまでの自分を捨てて累とともに札幌で生活を送るところからスタートします。どうしても本編では表現しきれなかった彼女の内面をさまざまな場面から感じることができ、可愛らしい面も楽しめるのではないでしょうか。
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一方で、本編では物語におけるすべての真相が明かされたのが瑞羽ルートだったこともあり、ある意味で答え合わせのようなルートでもあります。一連の事件が一体どういったものだったのか、それを改めて理解するとともに、本編ではどうしても解決できなかった物事にもしっかりと向き合える、大きな意味のあるエピソードでした。

その上で、結果的に自分を犠牲にすることになった瑞羽の未来を指し示す物語にもなっていました。その結末はぜひ直接楽しんでもらえればと思いますが、所々で出てくる「そうだよ」の一言が最後の最後まで印象的でした。
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ノエル Harmonie
嘉神川ノエル(CV:千本木彩花)のエピソードでは、本編のエンディングでは札幌に帰った累の元をノエルが訪ねるところから始まる、親友である寿奈桜のエピソードとは反対に、遠距離ならではの恋愛関係を描くものに。札幌での時間はとにかくイチャイチャしていて、そうしたシーンの一つ一つで可愛らしいノエルを堪能できます。
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逆に、ノエルや友人たちに会うために累が湘南へと一時的に戻ってきてからこのルートの物語は大きく展開していきます。お互いを想うがゆえに少しずつずれ違う部分や時折覗かせる嫉妬心など、微笑ましい等身大の恋愛模様が存分に楽しめることでしょう。

本編がノエルの悩みを解決させつつ関係を深めていくものだったので、ドラマという意味で大きな展開はないものの、細かなところにメモオフファンであればより楽しめる要素が盛り込まれた、正統派なエピソードだったと思います。
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それぞれのエピソードを遊んでみると、本編の補完となる要素も随所にあるものの、それ以上に累と5人のヒロインの未来をしっかりと描いたものだったという印象を受けました。その形はルートによってもちろん異なりますが、それもまたメモオフならでは一つのかたち。本編をプレイして面白かったという人はもちろん、彼女たちのその後を見てみたいという人にこそ触ってほしい作品です。
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| 各ヒロインのエンディングを迎えると見れるタイトル画面も素敵です。 エピソードと照らし合わせるとより楽しめるのではないでしょうか。 |
(C)MAGES./5pb./GloriaWorks
※画面は開発中のものです。
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