さまざまな創意工夫が楽しい「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」プレイインプレッションルートを見つけ出し、遺跡の謎を解き、立ち塞がる敵を倒す

プレイレビュー
0コメント 米澤崇史

スクウェア・エニックスより、2018年9月14日に発売予定のPS4/Xbox One/PC用ソフト「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」。その発売に先駆けて、プレイインプレッションをお届けする。

トライ&エラーを繰り返しながら、道なき道を突き進む

探検家ララ・クロフトの冒険を描いた人気アクションアドベンチャー「トゥームレイダー」シリーズ。シリーズ最新作となる「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」は、探検家となる前の若き日のララ・クロフトを描きつつ、システムも大幅に一新して見事なリブートを果たした「トゥームレイダー」、「ライズ オブ ザ トゥームレイダー」に続く、3部作の完結編にあたる作品だ。

本作のストーリーは、主人公であるララ・クロフトと、世界の裏で暗躍する秘密結社「トリニティ」が、今回の舞台となるマヤの古代遺跡に隠された秘宝を奪い合うという構造で進行していく。前作「ライズ オブ ザ トゥームレイダー」の後のエピソードが描かれることになるが、主人公であるララ・クロフトと、パートナーのジョナ以外は新キャラクターで構成され、舞台も一新されているため、「ララ・クロフトとトリニティという組織が対立していて、秘宝を奪い合っている」という点を押さえておけば、ストーリーに大きく置いていかれることはなかった。

そんなララの道中には、巨大な絶壁や遺跡の仕掛けなどのさまざまな障害が立ち塞がる。そこをさまざまなアクションで突破していくことになるのだが、本作のアクションは種類が非常に豊富だ。

その一つが、崖に斧を打ち付けて壁を登る「クライミングアックス」。クライミング中は「ラペリング」でロープを垂らし、崖から降りたり走ったり、空中でクライミングアックスを投げてそのままロープでぶら下がったり、「登る・降りる」以外にもさまざまなアクションを取ることができる。「他の崖に直接ジャンプするか、壁を走って助走をつけるか、ロープで下に降りてみる」など、ルートやアクションの自由度が高く、「こんなところにも行くことができるのか」と驚かされること多数。

他にも矢を打ち付けて仕掛けを動かしたり、ロープで道を作り出したり、壁蹴りでの2段ジャンプで這い上がったりと、多くのアクションが存在しており、一見行き止まりのような場所でも、それらのアクションを駆使することで道が開けていく。しかし最初のうちは、どこを掴めば登れるのかを判別できず、何度も落下死からのゲームオーバーを経験することになるだろう。プレイを重ねていくにつれ、「ここはたぶんクライミングで、こっちは壁蹴りだな」という判断ができるようになっていき、プレイヤー自身の成長も実感できる。

その一方で、道が分かっていてもジャンプの距離が届かずに落下したり、クライミングアックスを突き刺すタイミングが合わなかったり、ボタンを押し遅れてトラップで即死されられたりと、アクション面もなかなかシビアな作りとなっている。ただその分、オートセーブがかなり頻繁に行われる(難易度ベリーハード時を除く)ので、アクションゲームがさほど得意ではないという人でも、一つ一つを着実に突破していけば、きちんと先に進めるようになっていた。

陸地だけではなく、時には水中を泳いで進まなければならないことも。水の中は自由に潜水して探索が可能で、海中にはアイテムが隠されていることもあるので、ついくまなく探索したくなる。ただし当然水中にもぐり続けていると息が続かなくなるため、一度水面に出るか、時折配置されているエアポケットで息継ぎをする必要がある。呼吸の問題以外にも、水中にはララの命を狙う危険な海洋生物などが彷徨っていることもあり油断できない。

また、遺跡のような場所には、特殊なギミックが用意されていることもあり、仕掛けを解除して先に進むにはパズル的な思考が必要になる。今回のプレイの終盤には、遺跡内部で「試練」と称される三つの仕掛けに挑戦する場面があったのだが、謎解きに加えて上記のアクションをフル活用する必要もあり、なかなか歯ごたえのある内容となっていた。

そんな謎解きなどで困った時に役立つのが、「インスティンクト」と呼ばれる機能だ。これは、プレイヤーが次に目指すべき目的地や利用できるオブジェクトを色付きで強調表示してくれるヘルプ機能で、今回のプレイでルートに迷った筆者はこのインスティンクトを多用しながら進めていた。ただインスティンクトが示すのは、あくまで目的地となる地点や、ギミックが存在していることのみ。「どうやってその場所までたどり着くのか」「どのようにそのギミックを使うのか」という部分までは教えてくれない。

そのため、最終的には自分で試行錯誤しながらルートや仕掛けの解法を見つけ出していくことになり、それを達成した時の喜びは一塩。救済措置として、難易度がイージーの時は、ララがより具体的なヒントを出してくれるが、それもあくまでヒントレベルに留まっており、クリアした際には十分な達成感を味わえる。

探索を進めることで、ララの育成や装備の強化も可能

本作のフィールドには、メインストーリーを進める以外にも、ララの装備を作成する「クラフト」に使用する素材や、「埋蔵品」と呼ばれるコレクションアイテムなどのさまざまな要素が隠されており、自由にフィールドを歩き回ってそれらを探し出すのも大きな楽しみとなっている。

中でも埋蔵品は、一つ一つに非常に詳細な設定がなされており、シナリオや世界観を補足するTIPS的な役割も果たしている。前・前々作をプレイしていないユーザーに向けた基本的な設定の解説や、舞台となる土地の詳細なエピソードなどを知ることができ、読み進めていくとより「トゥームレイダー」の世界を深く楽しめる(無視して進むことも可能)。

またストーリーが進むと、とある街の中に入ることができるようになり、武器や薬を購入して住人に話を聞き情報収集するなど、RPGのような要素も存在。さらに人々に話を聞いて回っていると、メインストーリーとは関係ない「サブクエスト」が発生することもあった。

今回挑戦したとあるサブクエストは、強制労働を強いられている街の住人を助けるため、ならず者を排除するといった内容だったのだが、救出のタイミングを見計らっている間に、何人かの住人が撃たれて死んでしまっていた。それによって報酬が変化することはなかったが、もし迅速に制圧していれば、全員生存させるといった状況の変化が起きていたのかもしれない。

サブクエストとは別に、フィールドを散策していると「木の上にある花を○個採取」といった、「チャレンジ」と呼ばれるミニクエストが発生することもあり、やりこみ要素はかなり豊富で、あてもなくフィールドを歩き回っているだけでもメリットがあるのが楽しい。

一方、探索の休息地となるフィールドの各所に設置された「ベースキャンプ」では、レベルアップで獲得したスキルポイントを用いて、ララ自身を成長させることもできる。獲得可能なスキルは、アクションの幅を広げるものから、弾薬の節約や素材収集の助けとなるなどさまざまな種類があり、どれから獲得するか思わず目移りしてしまう。

各地に隠された「チャレンジトゥーム」やストーリーの進行でアンロックされるスキルもあるが、「チャレンジトゥーム」は、ストーリーから一段階上の難易度のパズルギミックが待ち受けており、クリアは容易ではない。その分、多くの経験値やレアなアイテムを入手できるメリットもあるので、挑戦する価値はある。

フィールドで収集した素材などを使って、コスチュームや装備をクラフト・アップグレードすることもできる。筆者は、ステルスからギミックの解除まで、使用用途が広く使い勝手のいい武器である弓を優先して強化を進めていったが、このあたりはそれぞれのプレイスタイルの個性が反映されそうだ。

さらにベースキャンプには、ファストトラベル機能も用意されており、一度行ったベースキャンプ間は自由に移動が可能。本作には上記のように、さまざまなやり込み要素があるので、一度のプレイで全ての要素を回収しきるのはかなり難しい。その点、クリア済のエリアで取り逃した要素も、あとから回収できるようになっているので安心だ。

また本作では、壁画や古文書を読んでララの古代文字のレベルを上げることで、フィールドに配置されているモノリスや石碑が読めるようになるというシステムもある。最初は解読できなかったとしても、ストーリーを進めて古代文字のレベルを上げてから再度訪れれば、新しい発見を見つけられるかもしれない。

気配を悟らせずに敵を無力化する「ステルステイクダウン」が楽しい

フィールド内では、ララを待ち受ける敵や野生動物と戦闘になることもあり、拳銃やアサルトライフル、弓にナイフといった多彩な武器で戦うことができる。今回プレイした範囲では、戦闘の頻度は一般的なTPSと比較すると控えめだったが、かなりの作り込みがなされていると感じた。

中でも楽しいのが、敵がララの存在に気づいていない時だけ決められる「ステルステイクダウン」。これは相手を確実に一撃で無力化できる、俗に言うステルスキル的な位置付けのアクションだ。近年のTPSにはよく採用されているシステムではあるが、短気な筆者はステルスプレイがなかなか苦手で、痺れを切らせて敵に発見され、結局力業で突破……ということが多かった。しかし本作では、マップに配置されている草むらなど身を隠せるオブジェクトに、近くに行くだけで勝手に隠れてくれるようになっており、アクションが発動可能になる距離も長め、弓を使えば離れた敵も音をたてずに楽に倒すことができるなど、かなりカジュアルにステルスプレイを楽しめるようになっている。

ただし敵の配置によっては、複数の敵が連携をとってそれぞれの視界をフォローしあっており、せっかくステルステイクダウンをきめても、別の敵に存在を察知されてしまうこともある。

そんな時にも役立つのがインスティンクト。インスティンクトを発動すると、連携をとっている敵は赤、孤立している敵は黄色という判別が可能で(難易度ノーマル以下の場合のみ)、黄色の状態になっていれば、ステルステイクダウンで倒しても察知されることはない。赤の状態の敵も、マップに配置されている空き瓶や、矢を撃ち込んでわざと音を立てておびき出すことで黄色へと変わり、一人ずつ始末できるようになる。他にも、泥を身体に塗ってカムフラージュ率を高めたり、水中に相手を引き摺り込んで倒したりと、ステルステイクダウンを決めるまでの選択肢が豊富に用意されているので「どうやって無力化させるか?」を考えながらプレイするのが楽しい。

今回プレイできた範囲では、イベントで強制的に戦う敵を除けば、道中の敵はほぼすべてステルステイクダウンで倒すことができた。万が一見つかってしまっても、無限に敵増援が出現したりということはないので、正面から戦って倒してしまうことも十分に可能で、プレイの自由度は広い。ステルステイクダウンに失敗して途中で見つかってしまい、強引に突破はできたものの、配置されていた空き瓶に後から気づき「これを使えばよかったのか!」とやり直したくなることもあった。

なおゲーム中はいつでも難易度が変更可能になっており、今回のプレイでは「イージー」「ノーマル」「ハード」「ベリーハード」の4種類の難易度が、「戦闘」「探索」「パズル」の3つの項目ごとに選択可能となっていた。ここまでのプレイでも何度か触れたが、変化するのは敵の強さだけではなく、オートセーブやインスティンクト、エイムアシストの有無からヒントの内容、制限時間の変化など多岐に渡り、ゲーム性そのものも大幅に変わってくる。とりあえずはノーマルでプレイして、行き先に詰まったり敵が強くて倒せなくなったら、イージーにして再挑戦してみる……というのもアリだろう。

現代的な快適性と、昔ながらのアクションの楽しさが見事に融合

恥ずかしながらこれまで筆者は「トゥームレイダー」シリーズを本格的にプレイする機会がなく、本作がほぼ初めてのプレイだったのだが、強く感じたのが探索及び戦闘の自由度の高さと、試行錯誤が楽しいゲームだということだ。さまざまなアクションを駆使して、大量の敵をステルステイクダウンで鎮圧していったり、最初は気付かなかったルートを発見・突破した時の喜びと達成感は代えがたいものがある。

インスティンクトによるヒント機能から難易度選択、細やかなオートセーブと、本作がプレイヤーへの配慮の行き届いた現代的なゲームであることは間違いないのだが、一方で操作を誤れば即ゲームオーバーになるシビアさがあるのがまた面白い。リブートを果たした「トゥームレイダー」シリーズではあるが、昔ながらの骨太なアクションアドベンチャーらしさが、しっかりと残されていると感じられた。

美麗なグラフィックとダイナミックなカメラワークによる映画のような映像表現もすばらしく、ララが窮地へと陥るシーンでは、その場にいないにも関わらず、思わず息を飲んでしまうほどのスリルがある(カットシーンに見とれていると、時折出現するQTE操作を忘れてゲームオーバーになってしまったこともあったが)。

また、主人公であるララ・クロフトがもつ魅力も忘れてはならない。ララ・クロフトというキャラクターは、それなりのゲーマーならおそらく誰もが一度は聞いたことがある名前かと思うが、「とにかく強くて逞しい、大人の女性」というイメージが強いのではないかと思う。

しかし反面、2013年の「トゥームレイダー」からスタートしたリブートシリーズでは、等身大の女性としてのララが描かれている。3作目となる本作では、前作・前々作の冒険を経験したことで成長を果たしてはいるが、ストーリー序盤で、とある大きな過ちを犯ししてしまい、それにより精神的に不安定になる場面などもあり、「等身大の主人公像」という路線は本作でも継続されていると感じた(余談だが、水からあがった時の髪をかきあげる時の仕草がめちゃくちゃセクシーでお気に入りだ)。

シリーズにおける位置づけとしては、3部作の完結編にあたる「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」だが、単なる「若き日のララ・クロフトの1エピソード」として、本作からプレイしてもしっかりと楽しむことができた。「トゥームレイダー」シリーズファンは当然のことながら、「インディ・ジョーンズ」「アンチャーテッド」といった作品に代表される冒険映画・ゲーム好き、やり込み要素を求めるアクションゲームファンなど、幅広い層に届く作品となっているので、是非ともプレイすることをオススメしたい。

※画面は開発中のものです。

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