声優の三宅麻理恵さんが気になるゲームを実際にプレイして紹介する「マリエッティのゲーム探訪」。第13回はレッド・エンタテインメントより2017年11月9日に発売されたPS Vita用ソフト「俺達の世界わ終っている。」を紹介します。
前回のゲーム探訪では、発売直前のタイミングでまだまだ謎に包まれた部分も多かったPS Vita用新世界ADV「俺達の世界わ終っている。」。制作スタッフインタビューから作品への期待が膨らみ、プレイされた方もいらっしゃることでしょう。今回は前編の探訪を踏まえ、改めて作品の紹介と、私自身でゲームを探訪した所感を述べさせていただきます。
前編:制作に携わる森田直樹さん、阿智太郎さんにインタビュー!
「俺達の世界わ終っている。」とは?
「俺達の世界わ終っている。」は、実際の浅草を舞台に日常が非日常へと書き換えられていく不可解な事件を追うアドベンチャーゲーム。
弱小ゲーム開発会社「ジャッジメント7」の“変態プログラマー”尾張世界が現実を拡張してしまう悪魔のプログラムを書き上げたことに端を発する闘いが描かれている。
2017年夏。浅草のゲーム開発会社ジャッジメント7から物語は始まります。プレイヤーはAD(ここではアルバイトディレクターという意味)の大学生、午前零時を通じて「俺達の世界わ終っている。」、通称「オレオワ」の世界に触れていくことになります。
上の画像で右にいるのが午前零時君。ゲーム内でもジャッジメント7のみんなから「ラノベ男」と揶揄されるような、普通で常識的な男の子です。ADとして数か月は経っているものの、まだまだジャッジメント7と完全には馴染みきれていない状態でのスタートとなります。ここから仲間たちとどのように絆を深めてディレクターとして一人前になるかはプレイヤーであるあなた次第です。
尾張世界
ジャッジメント7の創設者であり、メインプログラマー。キービジュアルの並びで位置的に主人公かと間違えそうになりますが、違います。凄腕のプログラマーで大黒柱のような存在ですが、変態的な性格でジャッジメント7の皆から顰蹙を買うことも日常茶飯事です。
イルカ2号
ジャッジメント7では企画、シナリオ、設定を担当。設定オタクでいわゆる中二病のような発言が多くみられますが、彼の生み出した設定やキャラクターが現実となり、世界が危機に陥ることになります。会話で奇声をあげることが多いイルカ2号ですが、台詞としては表記されない(できない…?)特徴的なイビキは必聴です。
早瀬アサノ
ジャッジメント7のサウンドクリエーター。作曲家なのに音痴だったり機械をすぐ壊したり酔ったら手が付けられなくなったりおおざっぱだったりと、残念さばかり前に出てしまいますが、妹想いの優しい一面もあります。美少年好きなだけに、美少年を見つけた時の行動は、比較的常識的に見えたアサノもジャッジメント7のメンバーなんだなと納得してしまうことでしょう。
結城七罪
ジャッジメント7に住み込んでいるグラフィックデザイナー。人と群れることが嫌いで態度もとげとげしさがあります。しかし仕事に対しては真剣に取り組みます。ジャッジメント7のみんなにも零時にも当たりが強い七罪ですが、親しくなるにつれて意外な一面や愛らしい性格を垣間見ることがあるかもしれません。個人的に「オレオワ」をプレイして大好きになったキャラクターでした。七罪さんは二人きりの時もみんなでいるときも可愛い。
タチアナ・アレクサンドロヴナ・シャラポヴァ
愛称はターニャ。ロシア生まれだが幼少より日本で暮らしてきた中学生。年齢より幼い口調と性格ですが、プログラミング能力は天才的。夏休みを利用してジャッジメント7のもとで暮らすことになり、零時がお世話係に任命されます。
早瀬ユウノ
サウンドクリエーターのアサノの妹で現役女子高生。ジャッジメント7にはアルバイトとして通っています。あらゆる業務のサポート役でのんびりとおだやかな性格は社内のムードを明るくしてくれます。3対3の割合のスペシャルブレンドシロップがかかった美味しいかき氷をたくさん作ってくれます。
尾張世界によって開発された新世界ゴーグルを使って、現実の風景を拡張して目の前の女の子を水着にしたり様々なデモンストレーションをしていくことになります。新世界ゴーグルも、各々個性が発揮されているカスタマイズぶりです。
そして、デモンストレーション中に浅草と瓜二つの閉鎖空間に閉じ込められ、自分たちが生み出してきたキャラクターやモンスターに遭遇していきます。
自分たちが生み出したキャラクターに立ちはだかれ、それを乗り越えるためのゲームをクリアしていくことになります。物語は話数で区切られており、テンポよく一人一人のキャラクターが掘り下げられたストーリーが展開されます。
「オレオワ」を進めていくと、度々出てくるのが「S.O.S.システム」。零時の感情が高ぶると発動し、プレイヤーは右から左へ不規則に流れてくる選択肢の中から選ぶことになります。どれにしようか迷っているうちに選択肢が流れてこなくなると、時間切れとなり何もしない・何も言わなかったという扱いを受けることになります。
現代浅草が舞台という事で、花やしき、浅草寺など実在する地名が登場するのも「オレオワ」の特色。「オレオワ」内の拡張世界だから思いきれる大胆な使い方を見ていくうちに、直にその場所を訪れてみたくなることもあるでしょう。特に零時達の憧れのお店として度々出てくる「ヨシカミ」は、私もいつか行って美味しいご飯を食べてみたくなりました。
「オレオワ」に登場するキャラクター達の多くは社会人ですが、頼りなかったりだらしがなかったりと、一見若者の見本には向かないキャラクター達ばかりです。それでもどうしても憎めない人間臭さがあるのが魅力のように思えます。物語が二転三転していくうちにジャッジメント7の仲間たちの内面は変化してゆき、零時との関係性も変わっていきます。
会社の仲間と騒いだり、喧嘩したり、仕事をしたり、時には世界の危機に直面したり。学生を卒業しても青春は訪れるんだと体感できる作品です。
2017年、夏。私たちの世界では終わっていますが、「オレオワ」の世界では始まったばかりです。
三宅麻理恵さんプロフィール

生年月日:1985年6月7日
出身:大阪府
趣味:読書・落語・ゲーム
主な出演作品:「輪るピングドラム」萩野目苹果 役、「銀の匙」御影アキ 役、「緋色の欠片」春日珠紀 役、「アイドルマスターシンデレラガールズ」安部菜々 役
(C)RED 2017
※画面は開発中のものです。
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