ゲームマーケットの牽引役を目指してーYahoo!のモバイルゲーム事業を担う「GameBank」タイトル発表会をレポート

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GameBankは本日4月8日、同社の事業説明およびゲームタイトルを紹介する発表会を開催。本稿では今後の事業戦略や今年配信予定の計4タイトルの情報をレポートしていく。

川邊健太郎氏
川邊健太郎氏

本日、東京・恵比寿のアクト*スクエアにて、GameBankの事業説明およびタイトル発表会が執り行われた。同社はYahoo! JAPANが2015年1月付で設立した、スマートフォンゲーム事業を展開するための子会社である。

まずはGameBank 取締役(Yahoo! 取締役副社長)・川邊健太郎氏が登壇し、昨今のスマートデバイス(以下:スマデバ)の普及とYahoo!提供のサービス利用者に関する紹介が成された。

現在、国内におけるスマートフォンを使ったインターネット利用者は延べ4,300万人にも上り、その内の約90%を占める3,900万人ものユーザーが、何かしらのサービス/アプリを通してYahoo! JAPANを利用しているとのこと。昨年2014年にはApp Annie集計による日本国内の年間アプリダウンロード数において、Yahoo!が総ダウンロード数1位を獲得(関連アプリ含む)していることからも、Yahoo!のサービス利用率の高さが伺える。

そんな中、なぜモバイルゲームを専門とするGameBankが設立されたのか? それにはサービス利用者のスマデバ利用時間が関わっており、スマートフォンユーザーは平均してスマデバの1日利用時間の内、約32%に及ぶ“51分”という時間をゲームアプリに当てているという。

Yahoo!はスマデバの普及に伴い、PC向けサービスなどのモバイル化をはじめとするユーティリティ開発に力を注いできたものの、今後はさらなるユーザーの獲得に向け、ユーザーが最も時間を使っているサービス、すなわち「ゲームアプリ」の開発を進めていくことを決めたのだ。

GameBankはこれまで数々のゲーム制作に携わってきた椎野真光氏をCEOに迎え、同時にゲーム/オンライン開発者たちを大量に採用し、Yahoo!の子会社でありつつ、1つの別の会社としてヒットアプリを狙う、独自の路線を進んでいくと述べた。

なお、ゲームサービスの提供に当たってはYahoo! JAPANの強みである集客力を活かし、「こういう新しいゲームができた」とプロモーションしていくこと、さらに100以上存在する関連サービスと連携しながら、Yahoo! JAPAN全体でスマデバの世界、ひいてはGameBankによる新しいゲームジャンルやゲームの世界の確立を推進していくとした。

椎野真光氏
椎野真光氏

次にGameBank 代表取締役社長 CEO・椎野真光氏が登壇し、事業説明に関する紹介が行われた。

同社の会社理念「人と繋がると、楽しい」は、コミュニケーションこそが最大のエンターテインメントであると示すものだ。これは数々のゲーム制作を経験してきた、そして遊んできた椎野氏が「仲間とゲームを遊ぶこと」が面白さの本質であると感じたことから、仲間とともにプレイできる、しっかりとしたオンラインゲームの提供に繋げていくことを現しているのだという。

続いて同社の今後のビジョンとして、「1億総ゲーマー」なる言葉が発せられた。これは日本人全員が、そしてゲーマーがゲームを愛する社会にしていきたいという考えで、日本人の殆どがYahoo!のサービスを利用しているという責務を果たすため、事業を通して目指していく道であるとしていた。

また、昨今はスマデバ全盛期であるものの、業界の流動は横ばいを見せ始めていることが、メディアを中心に論じられていると述べた。これは100%オンラインが保証されており、コンシューマ機に匹敵するほどの処理速度を備えるスマートフォンも、利用方法にブレイクスルーが必要であることが示唆されている。

そして椎野氏は同社の大きなゴールとして、「201X年までに、国内最大のオンラインゲームパブリッシング会社となる」という、大きな目標を露わにした。これには同社のみならず、Yahoo!グループの強みやパートナー企業との協業、コンテンツのライセンス契約などを通じて、パブリッシング環境の整備に当たるとしている。ゆくゆくは日本一「ゲームプレイヤーを創る」会社となれるよう、一歩一歩進んでいくと語り、説明を終えた。

北山俊輔氏
北山俊輔氏

続いてはGameBank プロダクション部 部長・北山俊輔氏より、同社が考える事業戦略が説明された。

まずは同社がどの戦場(マーケット)を切り拓いていくのかだが、これに際して2つのマーケットの分析が挙げられた。同社の考えるコンテンツのカテゴリにはカジュアル、ミッドコア、ハードコアという3つの間口があり、その中でも同社は「ハードコア」に対して強く訴求していくという。

なお、同社の考えるハードコアとは、リッチであったり複雑であったりと単純な“ゲーマー向けタイトル”という指し方ではなく、「オンラインへの関与性が高い/常時接続のタイトル」と定義しているとのこと。日本でのハードコアの普及はまだまだ未開拓であるため、そこに同社ならではの土壌を築くという考えだ。

他者作品を使っての大まかな区分け

また、ヒットタイトルから作られていくマーケットの形と時系列として、完全新規の「イノベイター」、2匹目のドジョウを狙う「フォロワー」、IPによる差別化を狙う「ニーチャー」、そして既存+新しい何かを加えた「リ・イノベイター」というマーケットの見解が語られた。

ヒットアプリが生まれた後の後続の流れ

北山氏は、開発力に長けている会社ならイノベイターを狙い、集客に強い会社なら2番手からユーザープールの差で勝機を狙い、そして独自IPによる差別化タイトルが出てくる時期こそが、1つのヒットアプリから生み出されたマーケットが成熟を迎えているという証であるとした。

これが同社の考える長期的な見通しで、ジャンルの区分けが難しいゲームコンテンツにあって、1つのタイトルから派生するタイトル群を含めた全体をグルーピングするという考え(マーケットサイクル)を示している。

その中でのシェアを含め、同社が狙うのは「イノベイター」だという。つまり、昨今のゲームコンテンツが多様に広がるマーケットにあって、後発の立場で真正面から挑むのではなく、ハードコアの先駆けとなってヒットアプリを創出していくという方針だ。

カジュアルとミッドコアに対してもアプローチするとのことだが、悪い意味で網羅的にならないよう、半分以上のリソースはハードコアに注力するという。例え、リスクを呈することになってNO.1を狙うという、強い意志の表れである。

なお、ハードコアのコンテンツで牽引役を担うために、「モバイルであってもPC並みの運用・運営力をもったタイトル」で挑戦するとした。集客力については上述したようなYahoo!の多岐にわたるメディアを、収益については日本国内特有のアプリ利用者層「ロイヤルカスタマー(例:5%のユーザーが80%の売り上げを生み出す)」に対するコミュニケーションを重要視するとのこと。

また、コンテンツは日本のみならず、中国などのアジア圏内を含めての提供が予定されており、2年で約10本ほどコンテンツを打ち出すことが発表された。そのほか、一般的なプロモーションと並行してYahoo!のメディアを利用して認知度を向上していくこと、Y!mobaie加入者に向けた独占先行体験版の存在も明らかにされた。

これらの試みを進めていく中で、同社が捉えた下記の4点が提示された。日本のハードコア市場が隆盛に乗る瞬間に戦えるタイトルの提供。ゆくゆくは共通化していくだろうアジア圏内のゲーム市場で一番ユーザーを掴めるタイトルの提供。現在、一般化されているモバイルゲームの課金モデルに新たな概念を打ち出す、もしくはモデルの転換期に乗ること。事業が軌道に乗った際にビジネスモデルを体系化し、収益の創出につなげていくことだ。

そして最後に、サービス提供に際して、ユーザー流動の解析システムを担当するメタップス 代表取締役CEO・佐藤航陽氏からのビデオレターも公開。佐藤氏はGameBankと協業するにあたり、ゆくゆくはアジアを中心としたグローバルでのパブリッシング業務に繋げていきたいとしていた。

今後配信される4つのゲームタイトル

右:平井善之さん
右:平井善之さん

ここで司会進行役に、ゲーム好きが高じて制作や宣伝などの場で人気を博しているお笑い芸人、アメリカザリガニ・平井善之さんがサプライズで登場。

平井さんと共に、同社が打ち出す新作アプリを見ていくことに。

「オービットサーガ」

「オービットサーガ」は、同社が打ち出す第1弾タイトルとして発表されたもので、“GameBankはゲーム会社である”という意思表示も担っていることから、本気を見せる意味での王道RPGに仕上げているとか。開発はモバイルMMORPG、モバイルARPGの研究開発に力をいれている台湾のパートナー企業・MOREGEEKが担当。また、ToydeaのiOS/Android「ドラゴンファング ~竜者ドランと時の迷宮~」とのタイアップも明かされた。

「大集合!ワイワイパーティ(仮)」

「大集合!ワイワイパーティ(仮)」は、みんなが初見で楽しく遊べることをコンセプトにした、オンライン常時接続型のパーティゲーム。さまざまなミニゲームを4人1組で遊ぶことができ、加えてYahoo!からの送客で常に多くのユーザーが賑わうよう心掛けるとしていた。また、面白い試みとして、Yahoo! ショッピングと連動し、ゲーム内でクーポン(ゲーム内ポイントを溜めることで交換など)を発行し、実際のショッピングに使えるようにするとのこと。

しかも、ただクーポンを発行するだけではつまらないという考えから、時には“誰もが欲しがる超高額クーポン”も用意するとか。単純ながらユニークなチャレンジといえる。

「みんなで釣りバカンス」

「みんなの釣りバカンス」は、8人同時プレイで楽しめる釣りゲーム。1000種類以上の魚、自分だけのキャラクターを生みだす着せ替え機能などが特徴だ。また、会場では本作のオフィシャルサポーターであるアイドルグループ「つりビット」が登場。「いつか世界を釣り上げます」をキャッチコピーに活動する彼女たちは、実機プレイのプレゼンテーションと、“釣り”をフィーチャーしたポップなアイドルナンバー「Go! Go!! Fishing」を披露してくれた。

なお、サービス開始以降はゲーム内にて、つりビットとのタイアップも行っていくとのことだ。

「Soul Gauge」

「Soul Gauge」は、事業戦略の要ともなる“最もハードコア寄りのタイトル”として設計されているタクティカルMMORPG。ユーザーはグリッドで区切られた戦場の中で、リアルタイムストラテジーの戦略性と、爽快なスキルアクションバトルを楽しめる。また、前線で戦うだけでなく、後方支援を主とした職業の導入、シンプル操作で自由なコンボが生み出せる操作性、人と人とが気軽にマルチプレイできるようにオートマッチングが実装されるとのこと。

さらに、モバイルゲームでは珍しい「GM制度」を敷くことで、丁寧で素早いサポートを提供していくとしていた。

最後の椎野氏のコメントでは、「今回は同社が早いタイミングでリリースする予定の4タイトルを紹介させて頂きました。我々はコミュニケーションを軸としたコンテンツを手掛けていきたいと考えておりますので、今後ともよろしくお願いします」と語り、発表会は幕を閉じた。

※本日発表の4タイトルのリリース記事はこちらをチェック

※画面は開発中のものです。

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