【CEDEC 2014】モバイルゲームを巻き込み急拡大を続ける中国ゲーム産業の今が語られる

発表会・イベント取材
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ゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC 2014」にて、中国のゲーム産業について語る講演「中国ゲームビジネス最前線2014」が行われた。研究者と経営者それぞれの視点から、PCオンラインゲームやモバイルゲームを含む、中国ゲーム産業の分析が発表されたので紹介したい。

パシフィコ横浜で行われたゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC 2014」にて、「中国ゲームビジネス最前線2014」と題された講演が行われた。

司会進行役を務めたのは、2002年から中国のオンラインゲームビジネスを研究し続けている中村 彰憲氏。また、中国のゲームビジネスに経営者として関わっている、崑崙日本 副社長の北坂 幹生氏とアクセスブライト CTOの谷井 貴宗氏を交え、それぞれの立場による分析が発表された。

中国ではモバイルゲームがPCオンラインゲームに迫る勢い

立命館大学 教授 中村 彰憲氏
立命館大学 教授 中村 彰憲氏

講演が始まると、まずは中村氏が、中国ゲーム産業の概観について説明を行った。中国のゲーム産業市場は10年以上、右肩上がりの成長を続けている。主流となるのは言うまでもなくオンラインゲーム(PCオンライン/ブラウザ/モバイル等)だ。一方で、パッケージゲームの市場はほぼゼロという状況が変わらず続いている。家庭用ゲームメーカー各社による本格展開が解禁となっているが、少なくとも現状の価格帯では広く普及せず、状況も大きく変わらないだろうと氏らは考えているようだ。

2013年における中国オンラインゲームの人気タイトルに関しては、世界的な成功を収める(※日本を除く)「League of Legends」「World of Warcraft」が中国でも根強くワンツーを決めているが、それ以外は中国産の武侠系タイトルがずらりと名を連ねている。後で谷井氏もコメントしていたが、近年は中国産タイトルのクオリティが急速に高まってきているのを実感しているという。

今回の講演において中国産タイトルのクオリティ向上よりも注目すべきは、“オンラインゲーム”の中に含まれる、モバイルゲームの急成長である。2009年の集計では2300万人程度だったモバイルゲームユーザーが、わずか3年で1億6300万人に膨れ上がっているのだ。ユーザー数だけを見ると、PCオンラインゲームユーザーの数は現在も優っているが、中国におけるスマートフォンの出荷台数は鰻登りで、今後両者の差が縮まる(あるいは、モバイルゲームユーザーが追い越す)ことが確実視される。

中国のモバイルゲームユーザーが、現在どんなタイトルで遊んでいるかが気になるところだが、今は数多くのメーカーが様々なゲームジャンルでしのぎを削っているとのこと。開発スタジオのシェアも、テンセントが26%で突出しているのを除けば後は似たり寄ったりで、この群雄割拠が今後どうなるか、目が離せそうにない。

中国と日本のモバイルゲーム環境における違い

アクセスブライト CTO 谷井 貴宗氏
アクセスブライト CTO 谷井 貴宗氏

続いて、日本のゲームタイトルの中国向けローカライズ/カルチャライズ業務を行っている、アクセスブライト CTOの谷井 貴宗氏が登壇。日本と中国は、ネット回線等の環境が大きく違っており、これを留意すべきだと語った。

詳しくはスライド画像を見て頂きたいが、興味深い話としては、中国では携帯電話の通信速度が非常に遅く、またパケット放題のサービスが無い。そのため通信量の多いタイトルは、面白い面白くない以前の問題で、通常のゲームプレイにお金を要してしまうため敬遠されてしまうのだそうだ。たとえ今後、LTE等の高速通信サービスが行われたとしても、従量制のビジネスモデルを続ける限り、状況は大きく変わらないだろう、とのこと。

チート(プログラムの不正改造)に関しては、PCオンラインゲームと同様に、モバイルゲームでも野放し状態となっている。チート用ツールの配布や販売は、ほとんど取り締まられておらず、ユーザーは軽い気持ちで試しているという。携帯電話ショップの店頭では、Jailbreak(iPhone)やRoot化(Android)といった改造を行うサービスが堂々と行われているというのだから呆れるばかりだ。

中国人ユーザーは日本企業に何を求めているか?

崑崙日本 副社長 北坂 幹生氏
崑崙日本 副社長 北坂 幹生氏

最後に登壇した崑崙日本 副社長の北坂 幹生氏は、中国のモバイルゲーマーの動向についての分析を披露。中国のモバイルゲーマーは現在、課金をほとんど行わない学生のカジュアルゲーマー層と、重課金を行う社会人のハードコアゲーマー層の2極化が進んでいるという。中間層のユーザーは少なく、日本と似た状態となっているようだ。

北坂氏は経営者の視点で、日本のゲームメーカーが中国のモバイルゲーム市場に食い込むことは可能と考えており、その鍵は「版権もの」「ゲーム性が高いもの」「新奇性が高いもの」にあるという。特に、有名IPを用いたライセンスビジネスは日本のゲームメーカーが得意とするところで、現在バブル期にある中国モバイルゲーム市場では、ヒットする可能性が高いと北坂氏は考えているようだ。

※画面は開発中のものです。

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