「クライシス3」発売記念イベントが秋葉原で開催―マイク・リード氏のショートインタビューもお届け

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0コメント 仁志睦

エレクトロニック・アーツは3月17日、秋葉原のUDXシアターにて「祝クライシス3発売!ファン感謝祭×お疲れ、我らがプロフェット隊長凱旋帰国イベント」を開催した。

PS3/Xbox 360/PC用ソフト「クライシス3」の日本での発売を記念して行われた本イベント。会場となった東京・秋葉原のUDXシアターには多くのファンが詰めかけ、大いに盛り上がった。

会場で特に目を引いたのが、ロビーのAMDブースに設置されていた最新の4K液晶ディスプレイによるデモ画面だ。映像の美しさ、発色の鮮やかさ、動きの滑らかさのどれを取っても驚異のひとことで、ぜひこの環境でプレイしてみたいと思わされた。

イベントでは、まずゲームの主役であるプロフェット隊長がナノスーツ姿で登場。隊長が日本のあちこちに出没する極秘プロジェクトの模様が紹介された。これは特設サイト「プロフェット隊長の秘密基地」にて実施されている企画で、隊長がメッセサンオーの1日店長を務めたり、渋谷スクランブル交差点に現れたりするユニークな内容になっている。

今回紹介された中で、特に面白かったのは隊長が合コンに参加するというプロジェクト。同席したStanSmith(スタンスミス)氏によると、このときナノスーツを着ていたのは上半身だけで、下半身はフツーのジーンズという異様な恰好だったそうだ。また、BRZRK(バーサク)氏はなぜか呼ばれなかったそうで「出会いが欲しいなあ」とボヤいていた。

uNleashed 田原氏(写真左)、BRZRK氏、StanSmith氏が司会進行とゲームの実況・解説を務めた。
これらの極秘ミッションの様子は前述の特設サイト内で見ることができる。

続いて、「クライシス3」のプロデューサーであるCrytek社のマイク・リード氏がステージに登場。ドイツ・フランクフルトにあるCrytek本社の様子や開発環境などについて、さまざまな写真を交えつつ紹介した。

リード氏によるとCrytek社は全世界に約800人、フランクフルトの本社には約400人のスタッフが在籍。社員の国籍はさまざまで、アジア人やオーストラリア人のスタッフもいるそうだ。また、本社のあるビルには投資銀行などのお堅い会社が入っていて、Crytek社のスタッフがビル内をジーンズなどのラフな姿で歩いていると、それらの会社の社員に変な顔をされるなどのちょっと笑えるエピソードも明かしてくれた。

本作のプロデューサーであるマイク・リード氏(左)。
開発中の写真や「クライシス3」の開発チームの集合写真なども紹介された。

リード氏が「クライシス3」について、さまざまな質問に答える「おしえて、マイク」のコーナーも実施された。最初の質問は「PC版のグラフィックを家庭用ゲーム機に適合する上でもっとも苦労したことは?」というもの。これについてリード氏は家庭用ゲーム機ではグラフィック面で諦めなければいけない、外さなくてはいけない部分が多々あったことを認めつつ、「プラットフォームが変わってもユーザーの体験は変わらないようにしなければなりません。そのためには何を外して、ときには何を追加するのか。その選択がもっとも大変でした」と語った。

「好きな日本のゲームは?」という質問には、1987年にファミコンで発売された「メタルギア」と回答。シリーズの大ファンで、1997年の「メタルギア・ソリッド」発売時には別のゲーム機を買うために一度は手放したプレイステーションをわざわざ買い直したそうだ。ちなみに、会場のファンからプロフェット隊長と「メタルギア」シリーズの主人公・スネークが戦ったらどちらが勝つと思うかと聞かれた際には、困った顔をしつつ「こればっかりは本当に分かりません」と答えていた。

また、開発陣のマネジメントに関する質問では、クリエイティブな人やテクニカルな人など、さまざまな個性を持つ人材が混在していることがゲーム業界の特徴であると語り、「世界中のいろいろな個性とスキルを持った人たちが集まっているので、日々まったく予想もしなかったことが起こって仕事ぶりがどんどん変わっていく。このダイナミックさがゲーム開発の魅力だと思っています」と述べた。

「クライシス」シリーズの今後については「“3”でシリーズが完結することはないと思っています」とコメント。クライシスの世界を舞台にした、スタイルの違うゲームを出していきたいという考えもあるそうで、まだアナウンスできることは何もないが「今後の可能性は無限です」と語った。また、将来的にはユーザーがナノスーツの機能をカスタマイズできるようなプラットフォームも提供もしていきたいとのことだ。

会場の中から選ばれたプレイヤーたちとBRZRK氏、StanSmith氏によるエキシビションマッチも行われた。ルールは全員が敵同士となるデスマッチで、第1ラウンドはBRZRK氏、第2ラウンドはStanSmith氏がそれぞれ10名の参加者と対戦。各ラウンドの上位3位に入ったプレイヤーには、マイク・リード氏とプロフィット隊長から記念のTシャツがプレゼントされた。

BRZRK氏は軽快な立ち回りを見せていたが、
StanSmith氏は本作をまだ十分にやり込んでいないようで不安定なプレイで会場の笑いを誘っていた。
豪華賞品が当たる抽選会やマイク・リード氏、プロフィット隊長との記念撮影も行われた。

本イベントのために緊急来日したマイク・リード氏にインタビュー

――「クライシス」シリーズに関わることになった経緯と、「クライシス3」の開発におけるマイクさんの役割を教えて下さい。

マイク・リード氏(写真右)
マイク・リード氏(写真右)

リード氏:私が「クライシス」シリーズに関わるようになったのは「3」からです。「3」ではディレクター委員会というところでアニメーション、ストーリー、オーディオの部分などをすべて決定するようにしていまして、私はその中で幅広く動いてチーム内のパイプ役となったり、Crytek社のマーケティングとゲームの方向性がブレないように調整したりするコミュニケーションの部分を担当しました。

――入社する前の「クライシス」シリーズへのイメージはどのようなものでしたか?

リード氏:実は「1」のリリース時には、私が使っていたPCがプレイできるほどのグラフィック環境を備えていなかったので、結局やらずじまいでした(笑)。ただ、テクノロジーの面で多くを成し遂げてきたゲームですし、FPSというジャンルの中で独自のポジションを占めている面白さは十分に評価しておりました。

入社後もこの印象自体は変わっていませんが、当然ゲームがどう開発されているか、開発チームのスタッフたちがどれだけ情熱的に仕事に取り組んでいるか目の当りにしてきたわけで、その部分での印象は大きく変わったと思っています。

――開発時には「クライシス3」を最終的にどのような作品にしようと考えておられましたか?

リード氏:「1」「2」で学んできたことを活かして、開発スタート時のPCの性能の範囲でできる限り最高のゲームを作ろうと考えました。ただ、ガラっと根底からすべて変えようと考えてはいなくて、シリーズをプレイしてきた皆さんに「また戻ってきたんだ」と思ってもらえるようにという意図で開発を始めました。

今回、特に大きく変えたかったのはストーリーテリングの部分で、例えば俳優の声だけでなく動きなどもキャプチャーしてキャラクターの動きに反映させる、パフォーマンスキャプチャーといった映画的な手法を取り入れています。「3」はこれまでのシリーズで学んできたことの集大成で、この一連の物語の完結編として捉えていただければと思っていますね。また、ストーリーテリングに関しては、これからの「クライシス」でも積極的に追及していきたいと考えています。

――これからプレイする人にはどの部分に注目してほしいですか?

リード氏:ゲームの世界を簡単かつ気軽に楽しんでいただけるよう、ゲームの操作の仕組みに細かい変更を加えました。今回初めてチュートリアルを組み込んだのもそのためですし、モード間の切り替えもスピーディに行えるようにしています。また、これは「1」の発売時から常に心がけてきたことですが、我々はプレイヤーに普通のFPSにはない新しい経験をしてもらいたいと思って開発をしています。今回は特にマルチプレイヤーの部分で、そういった進化を実感していただけるのではと思います。

――では、ストーリーのほうで特に注目してほしいことは何でしょう?

リード氏:「1」「2」ではキャラクターの個性がきちんと描き切れていなかったかなと感じていたので、その部分を特に重要視しました。先ほど紹介したパフォーマンスキャプチャーの使用もこれらの課題をクリアするための一環です。また、スティーブン・ホールさんという方にお願いして、各キャラクターに具体的な肉付けを与えていきました。

ストーリーの部分では欧米で人気のある「ウォーキング・デッド」のようにストーリーを深いところで語った上で、プレイヤーに感情を伴うような難しい選択を迫るやり方も取り入れたいなと思っていまして、「3」でも実験的に導入しています。つまり、映画的な深くて豊かな経験とゲームのインタラクティブ性の両立ですね。この部分はさらに追及していきたいと思っています。

――映画的な要素との融合を目指すとのことですが、ハリウッドのクリエイターとの交流などはあるのですか?

リード氏:あります。今回はアルバート・ヒューズさんという有名な映画監督にトレーラームービーを手がけていただきまして、よりビジュアル面で魅力的なものを展開できました。また、「スターウォーズ」最新作の監督と言われているJ・J・エイブラハムさんにも一部お手伝いしてもらいました。このようなハリウッドとゲーム業界のコラボによって、お互いにどのようなことをもたらせるかが、どんどん見えてきているというのが最近の流れなのかなと思います。

――新規ユーザーを獲得するため、マーケティングの部分で工夫したことは何ですか?

リード氏:キャンペーンに関しては、新しいファンを取り込むために大きくやり方を変えた部分があります。そのひとつが「スーツアップキャンペーン」で、これまでのプロモーションは真面目といいますか、シリアスすぎると感じていたので、もう少しくだけたものにすることで新しいユーザーに訴えかけることができたらと考えて、このキャンペーンを行うことにしました。

ゲームの方でもマルチプレイの部分で新しい人が入りやすいよう、マップをこれまでより大きなものにするなどのさまざまな変更を加えています。ボタン操作がふたつ増えだけでも操作がややこしいと感じて、ゲームに没頭できなくなってしまうということがありますから、そういう部分も含めて、とにかく簡単にゲームを楽しんでもらえるようにしました。

――マルチプレイのハンターモードはハンター対通常装備の兵士という対戦相手が非対称のルールになっていますが、このモードを制作するにいたった経緯を教えてください。

リード氏:マルチプレイモードの担当者がこういった非対称型の対戦をやりたいと長年考えていて、今回ようやく織り込むことができました。ちょっとユニークなのは、最後のひとりになったときにある種の絶望感を味わえることですね。この部分についてはもう少し発展させて、長いストーリーで作り込んでもいいじゃないかといったご意見もいただいています。

――「クライシス3」のDLCを配信するなどの計画はありますか?

リード氏:リリースしてまだ間もないということもあって、具体的にお話できることは何もありませんが、今後いくつか手を打っていきたいなとは思っています。この数年間で積み上げてきたものを活用してどのような新しい経験を提供していくか、いろいろ考えていきたいですね。

――最後に日本のファンに向けて何かメッセージをお願いします。

リード氏:「クライシス」によくしてくれている日本のファンの皆様、弊社のジャパンチームの皆様には大変感謝しています。「クライシス」シリーズのみならず、Crytek全体にとっても日本は大切な国と思っております。その日本のファンの方々に少しでも多くのエンターテインメントを提供できるよう、今後もがんばっていきたいと思っています。

――ありがとうございました。

※画面は開発中のものです。

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