過去の自分すら利用して、凶悪な殺人鬼を倒せ!「HOTEL BARCELONA」プレイレポート&インタビュー【Bitsummit the 13th】SWERY氏へのテキストインタビューも

BitSummit 13th
0コメント 洋ナシ

2025年7月18日から20日まで京都・みやこめっせにて開催されたインディゲームイベント「BitSummit the 13th Summer of Yokai」。同イベントにプレイアブル出展された「HOTEL BARCELONA」のプレイレポートと、SWERY氏へのテキストインタビューをお届けする。

HOTEL BARCELONA公式サイト
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過去の自分すら利用して、凶悪な殺人鬼を倒せ!「HOTEL BARCELONA」プレイレポート&インタビュー【Bitsummit the 13th】の画像

「HOTEL BARCELONA」はクリエイターSWERY氏が率いるWhite Owlsが開発を進めるゲーム。「Bitsummit the 13th」の開催に合わせPS5/Xbox SeriesX/S/Steamで2025年9月に発売されると発表されたばかりだ。

同作は2019年初頭に開催された「Travis Strikes Again: No More Heroes」のトークイベントに氏が招かれ登壇した際に、グラスホッパー・マニファクチュアの須田剛一氏がSWERY氏とのコラボレーションを突如宣言するところからスタートした企画だ。そこから長い年月をかけて開発が進められ、ついに発売となる。両クリエイターのファンにとっては待ちに待ったゲームだ。

ペンシルベニアとウェストバージニアの州境に位置する謎めいたホテル。このホテルはアメリカ屈指のシリアルキラーたちの巣窟となっていた。

プレイヤーはこのホテルに囚われた新米の連邦保安官ジャスティーンとなり、危険な殺人鬼たちと対峙することとなる。ホテルを脱出するためには、そこに巣食う殺人鬼を始末しなければならないのだ。だが、彼女の精神には凶悪な過去を持つ狂気の殺人鬼、Dr.カーニバルが宿っている。彼と協力すれば道は拓けるかもしれない。

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2Dアクションゲームである「HOTEL BARCELONA」は、ホテルに潜んだ7人の殺人鬼たちがそれぞれ根城とするステージを突破することがプレイヤーの目標となる。ボスとなる殺人鬼とステージは、1980年代のアメリカンホラーをモチーフにデザインされており、ホラー映画さながらの血みどろの戦いが展開される。

展示されていたデモを触ってみて感じるのは、その挑みがいのあるハードさだ。ジャスティーンはDr.カーニバルの力を借り戦闘モードになっており、装備したさまざまな武器を操り立ちはだかる敵を次々と倒し進むことができる。進むエリアにうじゃうじゃといる雑魚敵ならば、ゲーム開始すぐの初期状態でも楽々倒せる攻撃力だ。

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だが、その攻撃モーションには硬直と隙がある。何も考えずボタンを連打すると振り始めや終わりのモーション中に敵の攻撃を食らってしまうわけだ。雑魚敵の攻撃であってもかなり手痛いダメージ量で、しかも本作は回復手段が限られている。ステージ突破を目指すならばどんな小さい障害にも、細心の注意を払う必要がある。

道中の雑魚でこれなのだから、ステージの最奥で待ち受けるボスはさらに凶悪だ。とんでもない範囲の突進、高速で飛んでくる遠距離攻撃、ガード不能の掴みなどなど、むちゃくちゃをしてくる。当然その攻撃力もとんでもなく、数発でゲームオーバーとなってしまう。トライ&エラーの繰り返しで行動パターンを把握し、的確な行動が求められる。いわゆる死にゲーの様相だ。

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だが、本作はこの繰り返しの挑戦がプレイヤーの力へと変わるシステムを多く採用している。道中の敵やオブジェクトを破壊すると素材が手に入り、ゲームオーバーになった場合はこれを消費してスキルツリーを進めてジャスティーンを強化できるのだ。

最初はできなったタメ攻撃やパリィといったアクションが可能になり、立ち回りの幅が増える。また、道中には装備品、アイテムの獲得・強化ができる施設も存在する。獲得したものはロストしないため、繰り返しのプレイで強くなりボスへと迫るのだ。

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これに加え、本作には最大の特徴とも言えるスラッシャーファントムシステムがある。なんとゲームオーバーとなった以前の自分のプレイがファントムとして登場し、その当時自分が操った通りに行動する。ファントムにはちゃんと当たり判定も攻撃判定もあるため、過去の自分が敵にダメージを与えてくれるのだ。

さらに、敵を攻撃を途切れなく行うほどゲージがたまり、必殺技であるカーニバル覚醒が発動可能となる。手数が増えればゲージを増やす余裕も増え、必殺技でさらに強く敵に当たることが可能となるのだ。

繰り返しによるプレイヤースキルの成長、キャラクターの永続アップグレード、アイテムの獲得。死にゲーでは定番の持ち越し要素に加え、さらに過去の自分までの持ち越すという大胆なアプローチが本作の魅力だ。

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もちろん、過去の自分の持ち越しは強力だからこそ悩みもある。どのステージはいくつかのエリアで区切られており、次のエリアへ進むタイミングでバフやHP回復といった報酬が得られる。この報酬が毎プレイごとに変化するのだが、報酬目当てに前回とは違うルートへと進めば、当然過去のプレイの写しであるファントムは付いてこれず消滅してしまう。

ファントムを活用し手数でゴリ押すのか、バフで能力を高めるか。あるいは地道にキャラクターを育成するという道もある。いかに強大なボスを倒すかはプレイヤーの戦略次第というわけだ。SWERY氏と須田剛一氏のファンだけでなく、多くのゲーマーが挑みたくなる、そんなゲームに仕上がっていると感じるプレイアブルデモだった。

本作を開発するSWERY氏にテキストインタビューを行うこともできた。こちらも併せて紹介する。

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――2019年の「Travis Strikes Again: No More Heroes」イベントでの宣言から、ついに2025年9月リリース決定となりました。率直なお気持ちは?

SWEREY氏:2019年に壇上で「Hotel Barcelonaをやります!」と発表したときは、新しいリゾートホテルの起工式みたいな高揚感でした。それから数年、世界情勢という荒波を越えつつ設計図を描き直し、資材をそろえ、スタッフ研修を重ね……ようやく開業準備も最終段階です。「もうすぐチェックインできますよ!」と胸を張って言えるのが嬉しいですね。

――須田剛一氏とのコラボで気を配った点やエピソードは?

SWEREY氏:須田さんは僕にとってメンターでありマスター。ジェダイで言えば、僕はパダワンです。制作は、マスターの導く光の痕跡をたどりながら、自分自身をフォースそのものと一体化させていく――そんな作業の積み重ねでした。さらに、同じコーヒー豆でも焙煎や挽き方で味が変わるように、同じアイデアでも“須田ロースト”と“SWERYドリップ”を経るとどこにもない風味が生まれる。最終的に、そのブレンドこそが本作の個性になったと感じています。

――スラッシャーファントムシステムはどのように誕生しましたか?

SWEREY氏:「死」をただのペナルティではなく次の一手にしたい――そこがスタートでした。そこで既存のローグライクで持ち帰る経験値や素材だけでなく、遊んだ時間そのものを持って帰るゲームにしたいと考え、スラッシャーファントムのシステムを発明しました。ローグライクの再挑戦性と、スラッシャー映画の「やられてもまた戻ってくる恐怖」を融合するには、プレイヤーの痕跡そのものを資産にするのが最適と判断。さらに時間軸と天候や配置のランダム要素を加え、同じプレイを繰り返さないサイクルを構築しています。リトライ自体がご褒美になるループ――そこを目指しました。

――シリアルキラーとの戦いと物語について、書ける範囲で教えてください。

SWEREY氏:主人公ジャスティーンはある秘密を抱えてホテルを訪れます。凶悪なシリアルキラーを倒し、脱出を目指す過程で、彼女自身の隠された物語が少しずつ明らかになっていく――それが本作の核です。ビジュアルは80〜90年代VHSホラーの色味に現代的情報量を掛け合わせています。詳細はぜひプレイで確かめてください。

――ファンに向けたメッセージをお願いします。

SWEREY氏:長らくお待たせしました。ロビーも磨き上げ、鍵も用意しました。あとは覚悟だけお持ちください。フロントでお会いしましょう。ありがとうございました!

PCゲームの情報同人誌を作っていたところスカウトされ商業ライターデビュー。ゲームメディアを中心に執筆活動を行う。頻繁に自分は女子高生であると主張している。主な共著に『インディ・ゲーム名作選』(Pヴァイン、2021年)、『ゲーマーが本気で薦めるインディーゲーム200選』(星海社、2021年)、『インディ・ゲーム新世紀ディープ・ガイド ゲームの沼』(Pヴァイン、2022年)。

※画面は開発中のものです。

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