6月15日にパシフィコ横浜 国立大ホールにて開催された、「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」(以下、プロセカ)のオーケストラライブコンサート「セカイシンフォニー2025」横浜公演。ここでは、昼公演の模様をレポートする。

※記事中に公演のセットリストに関する記載を含みます。また、大阪公演では演奏曲が一部異なる場合がございます。
「プロセカ」に収録されている楽曲たちをオーケストラ+スペシャルバンドで奏でる「セカイシンフォニー」。5回目の開催となる今回も東京フィルハーモニー交響楽団およびセカイシンフォニースペシャルバンドの演奏が届けられ、横浜公演では井田勝大氏が指揮をとった。
そして今回は「MORE MORE JUMP!(以下、モモジャン)」より吉岡茉祐さん(桐谷遥役)、本泉莉奈さん(日野森雫役)がスペシャルゲストとして出演(※出演予定だった小倉唯さん(花里みのり役)は体調不良のため出演を見合わせ)。生歌唱によるパフォーマンスで盛り上げた。
最初に届けられたのはバンドサウンドにオーケストラのシンフォニックな響きが重なり合う重厚な演奏の「NEO(作詞・作曲:じん)」だ。ところどころに抑揚のきいたアレンジやさまざまな楽器のソロパートが盛り込まれており、まさに公演の始まりを飾るにふさわしい演奏だった。
「これまでの軌跡を思い出しながら音楽を楽しんでほしい」という初音ミクからのメッセージとともに、ここからは各ユニットの楽曲が順番に届けられていく。

まずは「Leo/need(以下、レオニ)」から、一歌が志歩に対して一緒にプロを目指すと告げるシーンが映し出されると、その流れで披露されたのは彼女たちの決意を歌った楽曲「「1」(作詞・作曲:164)」。力強いボーカルと、オーケストラサウンドならではの壮大さを感じさせる、メロディアスな演奏となっていた。
ドラムの勢いあるパフォーマンスから始まったのは「レグルス(作詞・作曲:ゆうゆ)」。星にちなんだ楽曲を数多く届けているレオニの中でも特に雄大さを感じさせる楽曲となっており、ここだけのシンフォニックなアレンジで楽しませてくれた。
続く「Vivid BAD SQUAD」のパートでは、杏がとある事実を知って泣きじゃくるところから決意を固めるシーンが映し出されると、這い上がっていくかのような力強いボーカルが印象的な「下剋上(作詞・作曲:Misumi)」が、楽曲の魅力に沿うような演奏で届けられた。
シックなボーカル曲「blender(作詞・作曲:こめだわら×R Sound Design)」のパフォーマンスでは、ピアノとバンドが作り出すグルーヴ感にオーケストラサウンドが乗ることで、こちらも原曲の魅力をさらに盛り立てる仕上がりとなっていた。
「ワンダーランズ×ショウタイム」からは、えむが現実と向かいながらも新たな選択肢を提示するシーンが描かれ、そのまま「オールセーブチャレンジ(作詞・作曲:香椎モイミ)」が披露される。伸びやかなボーカルとともに届けられるメッセージ性の強い楽曲を、抑揚のある演奏で引き立てていく。
続く「サイバーパンクデッドボーイ(作詞・作曲:マイキP)」はアンチテーゼなメッセージの詰まった、まさにパンクな楽曲となっているが、オーケストラならではの多面的なバイオリンの演奏により、ワードの一つ一つがより引き立てられていた。
そして4組目となる「25時、ナイトコードで。」のパートで瑞希が絵名に対して心情を吐露するシーンが流れると、会場からも大きなどよめきが。それだけインパクトのあるシーンから演奏されたのは、「余花にみとれて(作詞・作曲:keeno)」。訥々とした歌声に寄り添うような優しい音色とともに、バックに映し出された映像にも趣向が凝らされていた。
2曲目の「トリコロージュ(作詞・作曲:煮ル果実)」は、ポップでキャッチーさもあるメロディーと深みのある歌詞のアンバランスさが印象的だが、オーケストラならではのアレンジによって、より映える演奏に仕上がっていた。
ここで一旦休憩を挟んで、後半ではついに吉岡さん、本泉さんがステージに登壇し、モモジャンのパートへと移っていく。
最初に披露された「チームメイト(作詞・作曲:HoneyWorks)」は、キャッチーなメロディーとともに前向きな決意を届けていく楽曲となっているが、アイドルユニットらしい歌割に加え、クラップを促したり、コール&レスポンスがあったりと、オーケストラコンサートとしては異例とも言えるパフォーマンスに。そうした空気感を2人が作り出していたのも印象的だ。


遥(吉岡さん)と雫(本泉さん)として会場に向けて挨拶したり、横浜公演で参加できなかった愛莉からのビデオメッセージが寄せられた後は、メドレー形式で「イフ(作詞・作曲:ユリイ・カノン)」「はしる! とおく! とどく!(作詞・作曲:薄塩指数)」「パラソルサイダー(作詞:ナナホシ管弦楽団、作曲:岩見 陸)」の3曲を披露。楽曲ごとのオーケストラ+バンドによる演奏のバリエーションはもちろんのこと、吉岡さん、本泉さんの伸びやかな歌声による生歌唱も場を盛り上げていた。
ここまで披露したところで改めてキャストとして挨拶。過去4年の公演でほか4ユニットからゲストが出演していたこともあり、今回の出演を待ち望んでいたと話すとともに、本公演のために用意されたという衣装についてもアピール。それぞれのイメージカラーに合わせたデザインになっていることにも触れていた。
名残惜しくも最後の楽曲として披露されたのは「アンチユー(作詞・作曲:Chinozo)」。モモジャンとしては異色のテイストの楽曲となっているが、オーケストラによるシンフォニックな響きと歌声がマッチしていた。


その後は、サックスをはじめとしたソロパートの演奏が映える「QUEEN(作詞・作曲:Kanaria)」、ハイテンポに盛り上げる「少女レイ(作詞・作曲:みきとP)」フルートの音色が印象的だった「心做し(作詞・作曲:蝶々P)」、シックな雰囲気でオシャレな「花に風(作詞・作曲:バルーン)」、高揚感のある演奏で届けられた「快晴(作詞・作曲:Orangestar)」がインストメドレー形式で披露される。
畳み掛けるような演奏の余韻も冷めやらぬ中、再び登場した吉岡さん、本泉さんが披露したのはモモジャンの代名詞の一つとも言える「アイドル新鋭隊(作詞・作曲:Mitchie M)」。観客もスタンディングでコール&レスポンスを届けており、この瞬間はまさにアイドルによるステージとなっていた。


そしてミクからのメッセージを経て、公演の締めくくりとして届けられたのは「熱風(作詞・作曲:kemu)」。壮大なストーリー性のある楽曲だからこそ、深みを増していくオーケストラ+バンドによる演奏が映える時間に。カーテンコールも含め、指揮の井田氏も要所で会場を盛り上げ、最後まで熱気を味わえる公演だった。
昼公演セットリスト
01. NEO(作詞・作曲:じん)
02. 「1」(作詞・作曲:164)
03. レグルス(作詞・作曲:ゆうゆ)
04. 下剋上(作詞・作曲:Misumi)
05. blender(作詞・作曲:こめだわら×R Sound Design)
06. オールセーブチャレンジ(作詞・作曲:香椎モイミ)
07. サイバーパンクデッドボーイ(作詞・作曲:マイキP)
08. 余花にみとれて(作詞・作曲:keeno)
09. トリコロージュ(作詞・作曲:煮ル果実)
10. チームメイト(作詞・作曲:HoneyWorks)
11. スペシャルゲスト歌唱メドレー
イフ(作詞・作曲:ユリイ・カノン)
はしる! とおく! とどく!(作詞・作曲:薄塩指数)
パラソルサイダー(作詞:ナナホシ管弦楽団、作曲:岩見 陸)
12. アンチユー(作詞・作曲:Chinozo)
13. メドレー ※Instrumentalのみ
QUEEN(作詞・作曲:Kanaria)
少女レイ(作詞・作曲:みきとP)
心做し(作詞・作曲:蝶々P)
花に風(作詞・作曲:バルーン)
快晴(作詞・作曲:Orangestar)
14. アイドル新鋭隊(作詞・作曲:Mitchie M)
15. 熱風(作詞・作曲:kemu)
「セカイシンフォニー」公式サイト
https://pjsekai.sega.jp/sekaisymphony/index.html
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オフィシャル写真撮影:国府田利光
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