本日7月3日より再演が行われる、iOS/Android/PC向けに配信中のアプリ「勝利の女神:NIKKE」の舞台化作品「NIKKE THE STAGE」。ここでは、7月2日に品川プリンスホテル アネックスタワー クラブeXにて実施されたゲネプロの様子をレポートする。

目次
  1. 出演者(敬称略)
  2. ステージが低くなり、客席との距離感がより近くなった会場に
  3. 原作のメインストーリーに沿いつつ、名シーンを再現
  4. セリフを発していないニケの細かい仕草から感じたこだわり

出演者(敬称略)

マリアン、モダニア役:真島なおみ
アニス役:青山ひかる
ラピ役:御寺ゆき
ネオン役:篠崎こころ
ユニ役:伊織いお
ミハラ役:赤井沙希
ルドミラ役:小日向ななせ
アリス役:北澤早紀
スノーホワイト役:小鳥遊あみ(AVAM)
シフティー役:遥りさ
シュエン役: 黒木美佑
指揮官役:中野郁海

ステージが低くなり、客席との距離感がより近くなった会場に

2024年6月6日より上演が行われ、大好評の中千秋楽を迎えた「勝利の女神:NIKKE」の舞台版となる「NIKKE THE STAGE」。

その再演として7月3日よりスタートとなる公演では、前回は怪我のため降板となっていた黒木美佑さんが改めてシュエン役に、新たなラピ役として御寺ゆきさんを迎えているが、それ以外のキャスト陣は続投しており、ストーリーも昨年の公演と同じ内容となっている。

「勝利の女神:NIKKE」の舞台「NIKKE THE STAGE」が待望の再演――ちょっとした仕草からもニケの個性を感じ取れるこだわりのスゴさ【ゲネプロレポート】の画像

筆者は前回の公演を直接見られてはいないので、実際に比較することはできないのだが、前回の会場よりもステージの高度が低くなっており、より客席と近い距離感で舞台を楽しめるようになったとのこと。

実際、円形のステージを囲むように、三箇所ほどステージに上がるための足場が用意されており、そこからキャスト陣が場面に応じて登壇・退場をするのだが、それが本当に客席の目と鼻の先で行われる。

「勝利の女神:NIKKE」の舞台「NIKKE THE STAGE」が待望の再演――ちょっとした仕草からもニケの個性を感じ取れるこだわりのスゴさ【ゲネプロレポート】の画像

とくに戦闘シーンでラプチャーを演じるキャストが一斉に登壇する際などは、大勢のキャストが一斉に走ってステージに上がる際の振動も伝わってきたり、かなりの臨場感があった。今回、筆者の座席がキャスト陣がその足場に上がるために通る通路に面した席だったのもあって、「舞台ってここまでハードなものなんだ……」と改めて驚いたほど。

さらにゲネプロ前に行われた、マリアンとモダニアを演じた真島なおみさんの挨拶では、一部シーンが殺陣が増えてパワーアップしたり、芝居も一から稽古し直していることも明かされていた。

加えて真島さんは「前回来てくださった方にがっかりされない、“また来てよかった”と思ってもらえるステージにするために精進しました。ドキドキもありますが、幕が開けるのがすごく楽しみです」と、再演に向けた心境も語っていた。

「勝利の女神:NIKKE」の舞台「NIKKE THE STAGE」が待望の再演――ちょっとした仕草からもニケの個性を感じ取れるこだわりのスゴさ【ゲネプロレポート】の画像

原作のメインストーリーに沿いつつ、名シーンを再現

舞台の世界観は、もちろん原作のゲーム本編と同様。

「ラプチャー」と呼ばれる謎の機械生命体によって追い詰められた人類は、ラプチャーへの対抗手段として、人間の少女の外観をした対ラプチャー用決戦人型兵器「ニケ」を開発。主人公は指揮官として、ニケたちとラプチャーとの戦いに身を投じていくことになる。

「勝利の女神:NIKKE」の舞台「NIKKE THE STAGE」が待望の再演――ちょっとした仕草からもニケの個性を感じ取れるこだわりのスゴさ【ゲネプロレポート】の画像

新人の指揮官である主人公が攻撃に巻き込まれ、ニケの一人であるマリアンに助けられるところからスタート。その後、本来の指揮官を失ったラピ、アニスと合流し、以降もゲームのメインストーリーに沿う形で物語は進んでいく。

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ストーリー的な見どころはたくさんあるが、やはり印象的だったのは、指揮官が最初に出会ったニケであるマリアンに関連したシーン。

怪我をしたマリアンに包帯を巻くシーンに始まり、指揮官とマリアンとの信頼が描かれた後、実はマリアンがラプチャーに侵食されていた事実が判明する。最終的に指揮官が自らの手でマリアンを撃つことになるシーンは、やはり何度見ても心が苦しくなる。

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この指揮官とマリアンの関係性は舞台ではより掘り下げられており、指揮官が心の中でマリアンの言葉を思い出すシーンが定期的に挟まったり、マリアンを失ったことの大きさをより感じさせられた。

その後は、指揮官とラピ、アニス、ネオンのカウンターズの面々を中心に話が展開されていく。

各地で様々な任務を果たしていく内に、ユニとミハラ、アリスとルドミラといった他のニケたちも登場し、ゲーム内でもやや異質な雰囲気を放っていた、被虐体質のミハラと加虐体質のユニが、互いへのご褒美として足をつねるシーンは、実際に見るとちょっとシュールでインパクトのある光景となっていた。

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戦闘シーンでは、舞台の終盤、人語を話すラプチャーであるトーカティブとの戦いで指揮官の窮地を救う形で登場する、スノーホワイトの殺陣がとにかくカッコよかった。

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今回の舞台での戦闘は、小型のラプチャーを人間が演じ、トーカティブのような大型のラプチャーはスクリーンに映像が映し出されるという形式で演出され、ゲームさながらの激しい銃撃戦が描かれていた。その中でもスノーホワイトは、他のニケとは一線を画す戦闘力をもっていることが伝わるようにアクションも明確な差別化がなされている。

激しいアクションをする度に衣装のマントが大きくはためくのがまたカッコよく、非常に舞台映えするキャラクターになっていて、今回の舞台を通してスノーホワイトの魅力を再認識させられた。

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ネオンの火力バカっぷりがしっかり再現されていたのも嬉しいポイントで、戦闘では他のニケたちが突破口を開き、最後にネオンが持ち前の火力でラプチャーを仕留める……という、まるで主人公のような役割を果たすことが多く、ネオン推しは特に必見。確かにこれだけラプチャーを倒せるなら、火力を信奉するのも納得してしまう。

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終盤に登場するマリアンそっくりなニケであるモダニアは、マリアンと同じ真島なおみさんが演じているが、マリアンとの雰囲気のギャップに驚かされ、その変化にゾクゾクした。

ゲームでも印象的だったモダニアとスノーホワイトの戦い、そしてスノーホワイトが落とした武器を身体を張って使って指揮官が発砲するシーンは、クライマックスに相応しい盛り上がりに。その後、負傷した指揮官とラピたちが身体を温め合うシーンも、非常に印象的な場面として描かれていた。

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セリフを発していないニケの細かい仕草から感じたこだわり

筆者は一応ゲームもプレイしているので、ストーリーの大筋は既に知っていたのだが、ゲームのストーリーは2Dのテキストアドベンチャーで進行するため、想像で補っていた部分も多く、かなり新鮮な気持ちで楽しむことができた。

「勝利の女神:NIKKE」の舞台「NIKKE THE STAGE」が待望の再演――ちょっとした仕草からもニケの個性を感じ取れるこだわりのスゴさ【ゲネプロレポート】の画像
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個人的にとくに良かったのが、直接会話に関わっていないニケの動き。例えば、指揮官が作戦についての話をしているようなシーンなら、ラピは真面目に話を聞いている一方、ネオンは別のことを考えて話を聞き流していそうだったり、ユニは話をあまり聴かずに自由に歩き回っていたりと、セリフを発していないシーンでもニケたちの個性を感じられるようになっている。

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初めて雪を見たシーンでは、指揮官が通信でシフティーと会話しているのを傍目に、ラピたち3人がこっそりと雪合戦で遊び始めるような場面もあり、微笑ましい気持ちになった一幕も。

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このあたりは、会話に直接関係していないキャラも、同じ空間に存在している舞台ならではの楽しみで、それぞれのキャスト陣が細かい仕草までこだわった徹底した役作りをしていることが伝わってきた。前回の公演を一度見た方でも、1回目はあまり意識していなかったニケに重点をおいて見てみたり、改めて新しい発見をして楽しむこともできるだろう。

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キャラクターのイメージの再現度の高さも驚かされた点。本当に全てのキャスト陣が素晴らしかったのだが、中でも個人的にすごいと感じたのが、ネオン役の篠崎こころさん、アリス役の北澤早紀さん、シフティー役の遥りささん、シュエン役の黒木美佑さんで、声の雰囲気なども非常に近く、途中ゲーム内の音声を流しているのではないかと錯覚しかけたほど。前述した細かな仕草も合わせて、原作のイメージ通りのニケたちが本当に舞台の上で生きているかのように感じることができた。

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戦闘シーンを通して、指揮官がしっかりと指示を出していたのも印象に残ったポイント。ゲームでは実際にプレイヤーが攻撃の操作をしているが、実際の指揮官は、舞台版のように様々な細かい指示を出すことでニケたちをサポートしているのだろう……という想像も自然と広がっていた。

「勝利の女神:NIKKE」の舞台「NIKKE THE STAGE」が待望の再演――ちょっとした仕草からもニケの個性を感じ取れるこだわりのスゴさ【ゲネプロレポート】の画像
「勝利の女神:NIKKE」の舞台「NIKKE THE STAGE」が待望の再演――ちょっとした仕草からもニケの個性を感じ取れるこだわりのスゴさ【ゲネプロレポート】の画像

約2時間の上演時間内に、特殊別働隊が発足されるまでのメインストーリーがしっかりと詰め込まれており、前哨基地での、指揮官の部屋のシャワーの出の良さでアニスとネオンに怒りをぶつけられるなど、細かいエピソードまで再現されている。テンポよく進むが、ダイジェスト感のようなものは一切なく、しっかりとストーリーを流れとして楽しむことができる。

「勝利の女神:NIKKE」の舞台「NIKKE THE STAGE」が待望の再演――ちょっとした仕草からもニケの個性を感じ取れるこだわりのスゴさ【ゲネプロレポート】の画像
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やはり実際に舞台を見に行く人は、原作ゲームのファンが多いとは思うのだが、まったくゲームを知らない人が見ても、展開に置いていかれるようなことはないという作りになっている。原作をやったことがない友人と一緒に見に行って、「NIKKE」の布教を試みてみるのも大いにアリかも……と感じられた舞台だった。

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公式サイト
https://nikke-stage-2024.com/

ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。WEBのアニメ・ゲーム系媒体を中心に、様々なゲームの攻略本にもライターとして関わらせていただいています。ガンプラと美少女フィギュアに部屋のスペースを専有され、自分の生活空間がどんどん狭くなっているのが最近の悩みのタネに。ここ数年は「原神」を毎日プレイするのがすっかりに生き甲斐になりつつあります。

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