2KとGearbox Softwareは、2025年9月12日に発売予定のPS5/Xbox Series X|S/Nintendo Switch 2※/PC用ソフト「ボーダーランズ4」のメディア向けハンズオンを5月22日に開催した。
目次
今回はGearbox Softwareの社長ランディ・ピッチフォード氏およびグローバル・クリエイティブ・エグゼクティブのアンドリュー・ライナー氏によるプレゼンテーションと、ゲームプレイの所感をお届けする。
※Nintendo Switch 2版は2025年発売予定
「ボーダーランズ」史上最も野心的なタイトルに
「私が今日ここに立っていられるのは、日本のおかげなんです」と語ったのはランディ氏。最初にプレイしたのは任天堂のゲームで、日本のビデオゲームクリエイターのイマジネーションに影響を受けながら、ゲームを作り続けてきたという。そしていつの日か、日本の人々に愛されるビデオゲームを作りたいという夢を持っていたと話した。
そして、今回の「ボーダーランズ4」は「ボーダーランズ」史上最も規模が大きく、野心的なタイトルになっていて、この作品が出来上がることにワクワクしていると述べ、「私達のチームは何十年もゲーム開発を行ってきましたが、『ボーダーランズ』だけをとっても20年を優に超えています。その長い積み重ねで培ったこだわりやクラフトマンシップを感じていただければと思います」と意気込みを語った。

自由度を高めたマップ
本作の魅力の一つとして挙げられたのが、”ボーダーをなくした広大なマップ”だ。従来のシリーズ作品では、マップがエリアごとに分かれており、エリア間の移動時にはロードが発生していた。それを撤廃しようというのが、クリエイティブディレクターのグレアム氏の発想だったという。
シームレスなマップとなったことで、ストーリーの進行にかかわらず、自由に各地を行き来できるようになっている。また、サイドクエストも豊富に用意されており、探索の途中でイベントが発生することもあるという。

武器メーカーの追加や武器の種類を大幅に広げる「認可パーツ」
アンドリュー氏からは、「ボーダーランズ」の醍醐味である武器に関する内容が語られた。本作では今までにない数の武器が用意されていて、ルートの楽しみ方も多彩になっているという。
また、今回の大きな要素として「認可パーツ」要素と武器メーカー3社の追加が挙げられた。認可パーツを使ったシステムは、1つの銃に複数のメーカーのパーツを組み込めるようになるもので、これにより今まで以上に武器のバリエーションが増えているという。

武器メーカーは新たに精度の高いバースト射撃を重視する「オーダー」、チャージすることでフルオート化する「リッパー」、複数種類の弾薬を搭載する「ダイダロス」の3つが追加されている。
そのほか、ロケットランチャーや投擲物といったものが使えるガジェットや、ボタン一つで回復やキャラクターのバフを付与することができるリペアキットといった要素も特徴として挙げられた。

強化されたアクション
アクションに関しては、ダブルジャンプをはじめ、グラップリング、グライド、クライミングといった要素が実装され、大幅にグレードアップしているとのこと。
これらのアクション組み合わせることも可能で、ジャンプからグライド、グラップルからグライドに繋げるといったことも可能となる。
また、攻撃を避けるドッジのような動きや、本作からは初となる水中での泳ぎも実装され、過去作から大幅にアクションが強化されているという。

独裁者が支配する惑星が舞台に
さらに、本作の舞台となる惑星「カイロス」についても詳細が明かされた。
カイロスは、何千年にもわたってその存在が隠されていた惑星で、「タイムキーパー」と呼ばれる独裁者によって支配されている。住民たちは外の世界を知らされることなく、閉ざされた環境で暮らしてきたという。
タイムキーパーは、人々の体内に「ボルト」と呼ばれる装置を埋め込み、それを通じて惑星全体を監視・統治していた。さらに、カイロスには莫大な秘宝と力が眠っているという伝説が存在し、タイムキーパーはそれらを利用して、自身の不死と支配力を維持しているとされる。

住民たちは、生まれながらに自由を奪われ、この世界にはタイムキーパーしか存在しないという価値観を刷り込まれてきた。しかし、ある時惑星を覆っていた“ベール”が破られ、外の世界の存在が明らかになる。
この出来事をきっかけに、自らのボルトを引き抜いて自由を得た人々が現れ、やがて反乱へと発展。「リッパーズ」と呼ばれる反抗勢力と、支配体制を守ろうとする軍「オーダー」による内戦が始まった。
プレイヤーは「ヴォルトハンター」としてこのカイロスに降り立ち、力や富を求めて自由に冒険を繰り広げていく。

FPSとしての完成度に驚き
今回の試遊では、自由にフィールドを探索できるパートと、ボス戦が楽しめる「ヴォルトミッション」の2つをプレイできた。なお、今回のゲームプレイはPC版の英語環境で行っている。
製品版では4人のプレイアブルキャラクターが用意されているが、今回選択可能だったのは「ヴェックス」と「ラファ」の2人。フィールド探索パートではラファを使用してプレイを行った。

試遊はレベル5の状態からスタート。舞台は、惑星からの脱出を目指す反乱組織「アウトバウンダーズ」との接触シーンから始まる。開始直後から、支配勢力「オーダー」との激しい銃撃戦が展開され、否応なく戦闘の熱に引き込まれる。
なかでも印象的だったのは、アクションの操作感だ。ドッジ(回避)やダブルジャンプなどの基本動作が非常に滑らかで、直感的かつスピーディな動きが可能。アリーナ系FPSを彷彿とさせるこの軽快なキャラクター操作は、本作の大きな魅力といえるだろう。

装備していた武器も非常に個性的で、それぞれの性能や射撃感が明確に異なっており、撃っているだけでも十分に楽しい。筆者は初代「ボーダーランズ」で狙撃に特化した「モーデカイ」を好んで使用していたこともあり、今回も自然とスナイパーライフルを選択する場面が多くなった。

とはいえ、武器の“尖り方”があまりにも個性的なため、「これはどんな性能なんだろう?」という好奇心が止まらず、ドロップするたびに新しい武器を次々と試したくなる衝動に駆られる。
特に印象に残ったのが、ティーディオール社の「Occulted Synastry」というSMGだ。一見すると低レートで扱いやすい万能タイプの武器なのだが、最大の特徴はそのリロード方法。弾を撃ち切ると銃自体を敵に投げつけてダメージを与えるという、非常にユニークな仕掛けが施されていた。

探索中には、「デジランナー」と呼ばれるビークルも使用可能。ホバーバイクのような見た目で地形を問わず走破でき、ワンボタンで即座に呼び出せる点が非常に快適。広大なフィールドを移動するうえで欠かせない存在となっている。

メインクエストを進める中で敵の拠点に攻め込む場面も体験したが、戦力不足を感じる場面では、RPGらしくレベルアップによる対処も可能。シューティングの腕前に左右されがちなジャンルではあるが、本作はキャラクター育成によって難所を突破できる設計となっており、幅広いプレイヤーに対応している印象だ。

改めて強調したいのは、戦闘の完成度の高さ。シューティングRPGと聞くと、シューティングはおまけ程度…と構えてしまう人もいるかもしれないが、本作のFPSパートは単体でも高水準。アクション性に富んだキャラクター操作、過剰なまでに個性的な武器群、豊富なガジェットとスキルの使い分け。どれを取っても、プレイ体験に“飽き”が来ないよう設計されている。
そして何より、ハクスラ系タイトルらしい箱を開ける楽しさも健在だ。ボス戦や強敵を倒した直後、赤いチェストを開けて見たこともない武器が現れたときの高揚感は、シリーズファンならずとも大いに楽しめるはずだ。

歯ごたえあるボス戦が楽しめるヴォルトミッション
続いてプレイしたのは、ボスバトルを軸に構成された「ヴォルトミッション」。今回のハンズオンでは他プレイヤーとの協力プレイも可能だったが、ここではソロプレイ時の様子をお伝えする。使用キャラクターは、使い魔を召喚する能力を持つダークセイレーンこと「ヴェックス」だ。

ヴォルトミッションはリニア型のステージ構成となっており、エリアごとに現れる敵を殲滅することで次のセクションへと進んでいく。いわばレイド形式の高難易度コンテンツであり、敵の攻撃は容赦なく、油断しているとすぐに押し切られてしまう緊張感がある。

ステージの最深部に到達すると、いよいよボス戦に突入。ボスは通常の敵とは異なり、専用のギミックや攻撃パターンを持っており、アクションゲームとしての歯ごたえが一気に増す構成となっていた。

中でも印象的だったのは、ボスが一定のダメージを受けたタイミングで発動する特殊攻撃。地面全体に霧状の毒を展開し、プレイヤーはグラップルを駆使して空中を移動し続けなければならない。地に足をつけたままでは回避不可能という、まさに高度な操作が要求されるフェーズだ。
このヴォルトミッションをクリアすると、武器やアイテムだけでなく、強力なアップグレードも報酬として獲得できる。通常のミッションとは一線を画す高難易度チャレンジとして、本作のやり込み要素を強く感じさせる内容となっていた。

「我々自身も把握しきれないほど多彩」ランディ氏が語る圧倒的な武器の自由度
試遊の後にはランディ氏とアンドリュー氏へのグループインタビューを実施したので、その様子をお届けする。
本作のマップの広さや密度、クリアまでにかかる時間を聞かれた際に、ランディ氏は、広さに関しては、作り込んだ結果として広大なマップが完成したと語り、具体的な規模に関しては、これまで以上に巨大なものになっていると回答した。
シリーズの特徴であるコミック風のグラフィックの進化については、ディテールの向上や表現の高精細化が施されていると語る。
ポリゴン数の増加や高解像度テクスチャの採用に加え、キャラクターや環境のディテールに物理演算を取り入れることで、セカンダリーモーション(副次的な動き)がより自然でダイナミックになっているそう。

また、これまで背景に過ぎなかった広大な風景も、本作では実際に探索できるようになっており、世界の広がりをこれまで以上に感じられるようになっていると語る。草の一本一本、木々の葉の一枚一枚までが高精度にモデリングされており、圧倒的な植物量と相まって、「ボーダーランズ」シリーズ史上もっとも豊かで精緻な世界が実現されているとのことだ。
また、本作はマップをだけでなく全てにおいて「グレードアップ」したということを実感してもらいたいと話す。「本作では『ボーダーランズ』シリーズが持つ精神はそのままに、グラフィックやゲームプレイなど全ての側面をグレードアップしたいという想いで製作に臨みました」と語った。

「すべてをグレードアップした」と語る本作の中でも、特にランディ氏が強いこだわりを見せたのが「武器の自由度」だ。
インタビューの中で「一番こだわった要素は?」と問われると、しばし思案したランディ氏は、満を持してこの要素を挙げた。
「初代『ボーダーランズ』のころは、チームも小さく、時間も予算も限られていました。やりたいことはたくさんありましたが、その一部しか実現できなかったのです」と当時の制約を振り返る。そしてその「やりたかったこと」のひとつが、まさに武器の自由な組み合わせを可能にするという構想だったという。
そのため初期作では、まず武器メーカーごとに明確な強みを持たせ、そこから個性的な武器を作るという方針がとられた。結果として「ボーダーランズ」は成功を収め、シリーズを重ねるごとに開発規模は拡大。より多くのリソースを割けるようになったことで、ついに「メーカーごとの武器コンポーネントを豊富に取りそろえる」という目標が本格的に実現した。
そして今回、新たに導入されたのが認可パーツを使ったシステムだ。これは、複数のメーカーのパーツが自由に組み合わさったまったく新しい武器が見つかるようになるというものだ。

例えば、リロード時に武器をグレネードのように投擲することが特徴のティーディオール社の銃に、ハイペリオン社のシールド展開パーツを加え、そこにマリワン社の炎上効果、さらにはダイダロス社の弾種切り替えを導入する……といったように、組み合わせはほぼ無限大だという。ランディ氏は「もはやクレイジーと言っていいレベルです」と話す。
「組み合わせが多すぎて、我々自身でもすべてを把握しきれていません。でも、それが最高に幸せなことなのです」と本作で実現できたことに対する喜びを語った。

最後に、日本のユーザーに向けたメッセージとして「『ボーダーランズ4』という作品を愛してもらえたら本当に嬉しいです。日本のファンの皆さんがそう感じてくれることは、私たちにとっても大きな光栄です。その日が来るのを、心から楽しみにしています」と述べた。
試遊を終えて感じたのは、これまでの”ボーダーランズらしさ”を残しながらも、確かな進化が随所に盛り込まれているということ。
「ボーダーランズ4」は現在予約受付中。武器やアクションなどすべてがパワーアップした本作をぜひプレイしてみてほしい。

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