声優の三宅麻理恵さんが気になるゲームを実際にプレイして紹介する「マリエッティのゲーム探訪」。第40回はスクウェア・エニックスより発売中の「ライフ イズ ストレンジ ダブルエクスポージャー」を紹介します。

いやぁ、今年の春も寒くなったり夏日になったりと一筋縄ではいかない天候ですね。
10年以上の花粉症との付き合いがある私ですが、今年が一番くしゃみをする回数が多いです。毎年、去年の××倍の花粉量ですというニュースに「××倍は実感できないけど花粉症は辛い」という感想を持っていたのですが「今年は例年の3倍くらい酷いかも…」と弱気になるレベルです。
花粉症対策にすることといえば、とりあえずシャワーかお風呂に入ってさっぱりして室内で過ごすこと…。そう!ゲームですね。春はやっぱりゲームの季節ってことです。
最近は家で遊べる謎解きゲーム・脱出ゲームにはまっています。現実に起こった出来事かと錯覚するようなリアリティさ、しかし始まりと終わりには必ずフィクションですと注意書きが為されていて思わず安堵してしまう感覚。テレビ番組でも、フィクションを子供の頃に見かけたドキュメンタリー風に演出する、「モキュメンタリー」番組も去年話題になった印象。新しい気付きがあると背筋がゾクゾクして進行を進めてしまうのがまるで推理ゲームをしているような感覚でついつい新作を見つけると購入してしまいます。
時間を問わず、好きなタイミングで進められて中断もできるのが自分にとって触れやすいというポイントです。とはいえ、謎が気になって一気にクリアしてしまう事ばかりですが…。クリア後に同じくクリアした人と、行き詰まった謎について盛り上がれたり、ゲームという言葉がまた少し身近になるような体験が出来て嬉しいですね。
そんな新しい体験がまだまだ世の中に溢れているなんて、この連載をはじめた2016年の頃には想像しておりませんでした。…え!?9年前!!!!!!!!
もうそんなに経ってしまったのですね。まだまだ探訪していない、取りこぼしてしまった探訪先が山ほどあるのに、時間が足りない…時を戻したい!そう、第1回の頃に…。
今の私の知識と経験を踏まえて戻れるならもっと沢山探訪できるに違いません!…と力説しても私にそんな能力もない。あーあ…私に探訪第1回に取り上げた「ライフイズストレンジ」のマックスの能力があれば…。いやまてよ、能力はないけど「ライフイズストレンジ」の新作を探訪して初心に帰れば良いじゃないか!
という訳で、今回は第1回で取り上げた「ライフ イズ ストレンジ」の登場人物が活躍する新作、「ライフ イズ ストレンジ ダブルエクスポージャー」を探訪させていただきます。


主人公は、元祖「ライフ イズ ストレンジ」で主人公だったマックス。今作では年を重ねて大学で写真の講師を務めています。講師として生徒と接している様子を見て彼女の成長を感じられるのも楽しみの一つです。


今作は友人サフィの死から新たな超能力に目覚め、その力を使ってサフィの死の真相に迫る物語となります。
元祖「ライフイズストレンジ」ではマックスは時間を巻き戻す能力を持ち、その力を使って行く作品でしたが、今作はその力を使わず新たな超能力で進めていくというのが驚きでした。
新たな超能力、それは死んだはずのサフィが生きている世界線の移動と干渉。例えばサフィの死んだ世界では部屋の扉が開いているのにサフィが生きている世界では扉にカギがかかっている場合、サフィが死んだ世界で部屋の中に入り、サフィの生きている世界に戻って中から開錠すれば扉を開けられるという訳です。
頭を使うギミックですが、閃きがはまると気持ち良いです。また、世界線ごとに人間関係も細かく変化していくのでどの登場人物の動向も目が離せません。

行動の指針はゲーム内に表示されるので、ゲームの進行に迷うことはないでしょう。シリーズおなじみの様々なアイテムやポスターを調べる機能も健在。それを見てひとりごとを呟くマックスに「ライフ イズ ストレンジ」の魅力を感じていたんだよなあと嬉しくなりました。


今作は、物語を進めていくと多くの重大な決断を迫られます。その場しのぎの決断が、後々思いもよらない影響を及ぼすことがあるので慎重に選択しましょう。しかし、究極の選択ばかりでコントローラーを置いて唸りながら苦渋の決断になることも…。
各チャプター終了後には、他のプレイヤーの決断の割合を見られるので、時に共感し、時に驚愕する事でしょう。
「ライフイズストレンジ」シリーズのプレイ後、プレイヤー同士で話に花が咲く話題の一つです。


元祖「ライフイズストレンジ」のユーザーなら気になるのがクロエの存在。彼女の立ち位置をプレイヤーが選択する事に驚きました。選択により1作目と今作の空白の期間がプレイヤー内で一瞬で補完されるように思えました。私の選択ですか?ふふふ、勿論愛です。愛あふれる選択をいたしました。

登場人物が数多くいて、更に人間関係もきちんと構築されているだけに混乱してしまいそうですが、マックスのメモで人物の確認は逐一できるので整理しやすいです。マックスの主観も入っているので改めて確認してみるのも一興。SNSのようなクロストークや個別のやり取りのメッセージでそれぞれの人物の背景が見えてきます。
2つの世界線それぞれで投稿も変化しているので世界を跨ぐたびに通知が飛んできて、物語を進める前にまず立ち止まってSNSチェックをしてしまうというなんだかやけにリアルな体験ができます。ゲームの中でもSNS中毒になってしまう「ライフ イズ ストレンジ ダブルエクスポージャー」…恐ろしい子!!
そしてぜひ見ていただきたいのがマックスの日記。プレイヤーが操作している時には見えなかった心情がマックスの絵と共に描かれていてとても見応えがあります。いつか実際にマックスの絵日記をグッズにして欲しいなぁと願っています。


「ライフ イズ ストレンジ ダブルエクスポージャー」、今までのシリーズをプレイしていない方でも新しく始められる作品であり、シリーズをプレイしてきたプレイヤーの方には、新たな能力、新たな関係で始まる作品として楽しめる作品のように感じました。
素敵なボーカル曲や贅沢な吹替を堪能しながら、休みの日に、寝る前に海外ドラマを見るような感覚でプレイするとより楽しめるのではないかと思います。重大な決断は自分が握っているという、あなただけのドキドキハラハラする体験をぜひ味わってみてくださいね!
Life is Strange: Double Exposure (C) 2024 Square Enix Ltd. Developed by Deck Nine Games. All Rights Reserved.
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