4月18日から20日までの3日間、幕張メッセにて「スター・ウォーズ」の世界的イベントである“Star Wars Celebration Japan”が開催された。日本での開催は2008年以来の17年振りだ。世界中の「スター・ウォーズ」のファンが幕張に集結し、多くの日本人ファンも詰め掛けていた。
本イベントでは、シリーズに出演しているハリウッドセレブが登壇するイベントや、ファンアイテムを販売する物販ブースなど、さまざまなエリアが存在。今回、そのうちのひとつであるMetaブースの取材を行ってきたので、その様子をレポートする。

Metaブースでは、VRゴーグル“Meta Quest”を体験することができる。Meta QuestはVR機器のなかでは比較的手ごろな値段で手に入りやすく、扱いやすさもあってVR入門者におすすめされることも多い。もちろん「スター・ウォーズ」のイベントであるため、ここで味わえるVR体験も「スター・ウォーズ」のものとなっていた。
試遊できたのは、現在開発中の「Beyond Victory」に加え、発売済みの「Vader Immortal」と「Star Wars: Tales from the Galaxy's Edge」の3タイトル。それぞれ異なるアプローチで「スター・ウォーズ」の世界に浸れることができる作品となっている。
まず体験したのは、Meta Quest 3および3S向けに現在開発中の「Beyond Victory」。本作では、「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」に登場したポッドレースの出場者として、レースに参加することができる。ファンとして注目したいのは、なんといっても伝説的なレーサー、セブルバのチームに入るということだろう。

セブルバは、映画では主人公であるアナキン・スカイウォーカーのポッドレードでの最大のライバルとして立ちはだかる悪役として登場する。レーサーとしての実力もさることながら、レース内外で妨害行為を企てることも多い。そんなセブルバとチームメイトになり、同じ側からの視点で彼を見れるというのがおもしろい。

ゲームとしては、主観視点でキャラクターと関わったり、倉庫内を見て回ったりできるほか、俯瞰視点でエリアを見下ろすようなシーンもあり、立場的にも物理的にもさまざまな角度で「スター・ウォーズ」の世界を楽しめそうだ。

メインとなるポッドレースシーンも俯瞰視点で行われ、ミニチュアのように表現されたポッドレースを楽しめる。要所要所でブーストをかけたり、ドッジロールで障害物を避けたりしながら1位を目指していくのだが、さすがポッドレースというべきか一筋縄ではいかない。スピードが速くコントロールに慣れるまでに時間がかかってしまい、今回のプレイでは惜しくも2着となってしまった。

操作にクセはあるものの、それがまたポッドレースらしいところでもあり、アナキンの凄まじさを身をもって体験した。幸い、壁などに激突しても、本編のように爆発四散はしないので、ゲームが苦手でも安心してプレイできるのは嬉しい。
続いては「Star Wars: Tales from the Galaxy's Edge」をプレイ。こちらは銀河の辺境にある惑星バトゥーを舞台に、ドロイド修理工として物語に没入できるアクション・アドベンチャーだ。

体験できたのは物語冒頭のカンティーナ(酒場)の部分。店主であるシーゼルスラックの話を聞きながら、カンティーナ内を自由に探索できる。いろいろなものに触れることができたり、物を食べたりできるほか、ダーツを遊ぶことも可能だ。
カンティーナを満喫したあとは、店の外へ。バトゥーのフィールドで、襲ってきた敵を相手に戦闘を楽しめる。「スター・ウォーズ」世界ではブラスターと呼ばれる光線銃が一般的で、今回扱えたのもその一種だ。手元の銃から、ブラスター特有のあの音が聞こえるのが、「スター・ウォーズ」の世界に入り込んだような気がして嬉しい。

敵として立ちはだかったのはグアヴィアン・デス・ギャングだ。そう「エピソード7/フォースの覚醒」で、ハン・ソロを襲った赤い装甲をまとったギャングたちだ。マイナーな勢力がゲームでフィーチャーされるのは「スター・ウォーズ」ゲームではままあることだが、筆者は彼らの見た目が割と好きで記憶に残っていたため、嬉しいサプライズだった。
ちなみに、副題として付いている“Galaxy's Edge”とは、カリフォルニアのディズニーランド&フロリダのディズニー・ハリウッド・スタジオにある「スター・ウォーズ」のテーマランドの名前でもあり、実際に「スター・ウォーズ」の世界を再現したようなエリアとなっている。
最後に「Vader Immortal」だが、こちらは試遊時間の関係で会場では体験していない。しかし筆者がプライベートでプレイ済みのもののため、既プレイヤーの視点から本作を軽く紹介しよう。

本作では、プレイヤーはダース・ベイダーに見いだされ、彼の要請を受けて古代の遺物を探索することになる。その過程でライトセーバーやフォースの手ほどきを受け、さまざまな難敵を退けつつ冒険を進めていくことになる。
手元のコントローラーの動きに合わせてライトセーバーが動くというだけでも、ファンにとっては夢のような体験だ。動作と連動してライトセーバーのうなる音が聞こえるのも素晴らしい。ブラスターを反射することもできるが、しっかりと角度を付けて敵に打ち返すのが意外と難しく、やはり映画でバシバシ敵に当てているのは、訓練のたまものなのだなと思い知らされる。
なお「Vader Immortal」はエピソード3まで発売されているため、ボリュームの面でも満足できるだろう。
試遊後は広めのラウンジに通されて、一息つくことができた。会場はどこもごった返しており座れる場所が少なかったため、歩き疲れた人にとってはいい休憩スペースとなっていたようだ。取材日だった日曜には、「スター・ウォーズ」のコミックを手がけているアーティストのサイン会がゲリラ的に行われ、さらなる賑わいを見せていた。

今回の取材で改めて感じたが、「スター・ウォーズ」とVRとの相性はとてつもなく良い。視覚と聴覚のすべてが、まるで映画の中に入り込んだような錯覚を起こさせる。通常のゲームでは体験できないおもしろさなので、まだプレイしたことがない「スター・ウォーズ」ファンには、ぜひ一度体験してもらいたい。
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