2025年3月8日と9日、吉祥寺の東急REIホテルと武蔵野公会堂にて「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2025」が開かれた。
「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2025」は、世界各国からインディーゲームクリエイターが自分の作品を持ち寄り、デモ版を展示するというイベントだ。すでに評価を受けている作品から、見たこともないほどユニークな新作まであらゆる作品が並んでいた。イベントの全体レポートと、面白かった作品をいくつか紹介させていただく。
まず向かったのは武蔵野公会堂だ。こちらでは展示のほかに両日ともにステージイベントが開かれており、元SIEインディーズイニシアチブ代表の吉田修平氏や、にじさんじグループのVTuberらがステージを盛り上げていた。

筆者が最初に向かったのはCRITICAL REFLEXのブース。「Buckshot Roulette」や「Mouthwashing」といったヒット作をコンスタントに出しているパブリッシャーだ。
ここで筆者は最新作である「GIMMIKO」をプレイ(開発者はSorryPoniko!)。本作はローグライクのツインスティックシューターなのだが、ユニークな点として攻撃にダイスを用いる。

武器となるダイス自体、出目の数や攻撃力や跳ね方など千差万別で、ただ投げるだけでもそれぞれに癖が見えて面白いのだが、この出目それぞれに攻撃能力を割り振ることができるのだ。
突然強いシナジーが起きるなど、ゲームの展開がまったく読めず、かなりリプレイ性は高いのではと感じた。

また、本作のテキストはかなりクセが強く、チュートリアルパートだけでも異常な量のスカムジョークが詰め込まれている。ローカライズは「Buckshot Roulette」や「Mouthwashing」の日本語訳を担当しているnicolith氏(https://x.com/nicolith )が行っており、大量のマニアックなネットミームを日本語に落とし込んでいた。
https://store.steampowered.com/app/2101420/GIMMIKO/
続いて「Vampire Survivors」のブースも訪れた。ハロウィンかと思うほど細かく小道具が配置されており、その一角だけ異様な雰囲気になっていた。

奥のブラウン管に映っている映像は、今後の「Vampire Survivors」のイベントを予期する隠しメッセージが入っていたらしいので、もしも観ることができた人は、思い出しながらあれこれと考察してみてもいいかもしれない。
https://store.steampowered.com/app/1794680/Vampire_Survivors/
人も増えてきてちょっと手狭に感じたので、もうひとつのメイン会場である東急REIホテルの3階へ。
ここでは「推しタイトル総選挙」を開催していた。出展しているすべてのゲームが一覧になっているパネルがあり、来場者が好きなゲームに紙の花を付けることができるというものだ。

さて、筆者はここでまず「はがれがしー」をプレイ。絵本調のビジュアルで、シールを「剥がす」という動作を主軸に置いた2Dプラットフォーマーだ。
主人公はペリンという犬。マジョのイタズラで変わってしまった世界を、シールを剥がしたり伸ばしたりすることで元に戻そうというストーリーだ。

最初の面こそただシールを剥がしていくだけだったが、そのうちシール同士が重なっていたり、戻っていくシールの上に乗ったりとちょっとずつパズル性が上がっていくのが良かった。道中にある立派なシールを手に入れるためには、やや頭を使って解かないといけないパズルもあった。
何より温かみのあるグラフィックが素晴らしい。本作はSteamですでに販売されているので、興味がある人はチェックしてみてほしい。
https://store.steampowered.com/app/3006350/_/
続いて「Call from the Abyss」をプレイ。本作はマンタ型の潜水服を着た潜水士が、一攫千金を求めて海底を冒険するメトロイドヴァニアだ。

基本的には2Dマップを行き来するシンプルなメトロイドヴァニアだが、ユニークな点はここが海の中であるということ。ジャンプの軌道がふわっとしているのはもちろんのこと、主人公は常に「泳ぐ」ことができる。
泳ぎの最中に攻撃を入れるとメーターが回復し、さらに長い時間泳ぎ続けることが可能だ。このスピード感はなかなかクセになるところがあり、退屈なメトロイドヴァニアの移動も解消されていることだろう。

マンタになって海をユラユラ動きながら、危険な敵をバサバサとやっつける楽しさのあるゲームだった。
https://store.steampowered.com/app/2882820/Call_from_the_Abyss/
最後に遊んだのは「MAHOROBA CAT」という作品。こちらは旅行雑誌に使用する写真を撮るというシンプルな小品だ。

見てわかる通り、本作はすべて大きめのボクセルで作られている。十字に区切られた街をうろうろしながら、指定された写真を撮ってきて、お金を稼ぐだけ。とても単純だが、ちょこっとやりたくなるようなユルさがある。
指定された写真も「車の下で寝ている猫ちゃんを撮る」といったような、本当に雑誌で使えるのか怪しいレベルのものばかりで、そんな優しい世界観がウリのゲームだ。

といった具合で「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2025」を満喫させていただいた。他にも、吉祥寺PARCOや吉祥寺マルイなどで同時期にイベントが行われていたりと、町ぐるみで様々な展開がなされていた。
海外からの出展も多く、日本のインディーゲームシーンの盛り上がりを肌で感じられる素敵なイベントだった。
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