フランスのSandfall Interactiveが開発した、2025年4月25日発売予定のリアクティブ・ターン制RPG「Clair Obscur: Expedition 33」のプレビュー版プレイレポートと、先日開催されたメディア向けイベントの模様をお届けする。

目次
  1. コマンド入力とリアルタイムアクションを融合したターン制バトル
  2. 属性攻撃やチャージ攻撃など、スキルを駆使して戦え
  3. 「ファンタジー」と「ベルエポック」を融合した没入感たっぷりのグラフィックス
  4. メディア向けイベントでは開発時に影響を受けた作品などが語られる
コマンド入力とリアルタイムアクションを融合したターン制バトル――「Clair Obscur: Expedition 33」プレビュー版プレイレポートの画像

本作の舞台は、フランスのベル・エポックに着想を得た幻想的な世界「ルミエール」。この地は、毎年モノリスに数字を刻み、その年齢に達した人々を死へと追いやる謎の存在「ペイントレス」に脅かされている。今年刻まれた数字は「33」。一年以内にペイントレスを倒さなければ、また新たな犠牲が生まれる。生き残るため、プレイヤーは「第33遠征隊」の一員となり、運命をかけた旅へと出発する。

本作について、こうしたあらすじや美麗なビジュアルなど、断片的なゲームの概要は把握しつつも、具体的な作品のイメージができていない人は意外と多いのではないだろうか。

本稿ではそうした読者に向けて、今回のプレビュー版で体験できた具体的なゲームシステムや、先日メディア向けに実施されたイベントの模様をお伝えしていく。

コマンド入力とリアルタイムアクションを融合したターン制バトル――「Clair Obscur: Expedition 33」プレビュー版プレイレポートの画像

コマンド入力とリアルタイムアクションを融合したターン制バトル

本作の戦闘にはコマンド入力のターン制をベースに、リアルタイムの攻撃と防御のタイミング入力をプラスした、リアクティブ・ターン制バトルと称するシステムが採用。自分のターンでは「アイテムの使用」「通常攻撃」「スキル」「フリーエイム」の4種類から行動が選択できる。

コマンド入力とリアルタイムアクションを融合したターン制バトル――「Clair Obscur: Expedition 33」プレビュー版プレイレポートの画像

戦闘時のリアルタイム要素には、各キャラクターが持つ遠距離武器を使用した「フリーエイム」システムが採用されている。プレイヤーは画面内の自由な箇所に照準を定め、敵の弱点などを狙い撃つことができる。さらに、敵が仕掛けた自動回復効果を持つ花などのギミックを破壊し、戦況を有利に進めることも可能だ。

コマンド入力とリアルタイムアクションを融合したターン制バトル――「Clair Obscur: Expedition 33」プレビュー版プレイレポートの画像
コマンド入力とリアルタイムアクションを融合したターン制バトル――「Clair Obscur: Expedition 33」プレビュー版プレイレポートの画像

敵の攻撃に対しては、タイミングを合わせて「パリィ」を行うことでダメージを無効化し、カウンター攻撃を仕掛けることが可能。プレイスキル次第では、ノーダメージで強敵を倒すこともできる。また、パリィよりも成功しやすい「回避」コマンドも用意されており、安全に攻撃を回避できるが、その後にカウンター攻撃は発生しない。状況に応じてパリィと回避を使い分け、戦闘を有利に進めていくことが求められる。

コマンド入力とリアルタイムアクションを融合したターン制バトル――「Clair Obscur: Expedition 33」プレビュー版プレイレポートの画像

加えて戦闘のカギを握るのは「AP」の管理だ。APは、通常攻撃やパリィの成功時に各キャラクターが獲得できるエネルギーであり、フリーエイム攻撃やスキルの発動時に消費される。そのため、APの獲得と消費のバランスを考えながら戦うことが、戦闘を有利に進めるポイントとなる。

属性攻撃やチャージ攻撃など、スキルを駆使して戦え

「スキル」はキャラクターごとにそれぞれ異なる個性を持つ。

主人公・ギュスターヴは「オーバーチャージ」というスキルを持つ。ダメージを与えた際やパリィ成功時に蓄積される「チャージ」を、本スキル使用時に一気に消費することで強力な一撃を放つことができる。

コマンド入力とリアルタイムアクションを融合したターン制バトル――「Clair Obscur: Expedition 33」プレビュー版プレイレポートの画像
コマンド入力とリアルタイムアクションを融合したターン制バトル――「Clair Obscur: Expedition 33」プレビュー版プレイレポートの画像

ルネは属性攻撃がカギとなるキャラクターで、相手の弱点属性を突くことで与ダメージを50パーセント増加させられる。加えてスキル発動時には5種類のうちいずれかの属性を持つステインを獲得することもでき、ステインを消費することで、次のスキル発動時に与ダメージをさらに増加させることも可能となっている。

コマンド入力とリアルタイムアクションを融合したターン制バトル――「Clair Obscur: Expedition 33」プレビュー版プレイレポートの画像
コマンド入力とリアルタイムアクションを融合したターン制バトル――「Clair Obscur: Expedition 33」プレビュー版プレイレポートの画像
コマンド入力とリアルタイムアクションを融合したターン制バトル――「Clair Obscur: Expedition 33」プレビュー版プレイレポートの画像

マエルは与ダメージが減少する代わりにパリィ成功時や回避時にAPを得られる「防御の構え」、与ダメージが大幅に増加する代わりに、被ダメージも増加する「攻撃の構え」、与ダメージが増加する「名手の構え」といった「構え」を状況に応じて変更することで、スキルの効果を最大限に発揮することができる。

コマンド入力とリアルタイムアクションを融合したターン制バトル――「Clair Obscur: Expedition 33」プレビュー版プレイレポートの画像
コマンド入力とリアルタイムアクションを融合したターン制バトル――「Clair Obscur: Expedition 33」プレビュー版プレイレポートの画像

またそれぞれのキャラクターは戦闘を重ねるたびに経験値を得ることができ、レベル上昇時にはスキルポイントと特性ポイントを獲得できる。スキルポイントを使用することで新たなスキルの獲得を、特性ポイントを使用することで「体力」や「攻撃力」といったキャラクターの基礎能力を向上させることが可能だ。

コマンド入力とリアルタイムアクションを融合したターン制バトル――「Clair Obscur: Expedition 33」プレビュー版プレイレポートの画像
コマンド入力とリアルタイムアクションを融合したターン制バトル――「Clair Obscur: Expedition 33」プレビュー版プレイレポートの画像

加えてマップ上に存在する商人からは、装備の強化や新たなスキルを獲得できるアーティファクトを購入できる。ただし、それぞれの商人が持つ最高のアイテムを購入するためには、商人と決闘して勝たなければならない。

コマンド入力とリアルタイムアクションを融合したターン制バトル――「Clair Obscur: Expedition 33」プレビュー版プレイレポートの画像

「ファンタジー」と「ベルエポック」を融合した没入感たっぷりのグラフィックス

本作のグラフィックスは、神秘的で美麗な表現が特徴。発光するように描かれた木々などの自然環境は「ファイナルファンタジー」シリーズなどから影響を受け、建築物などは20世紀前半のフランス、ベルエポック時代をモチーフとしているという。Unreal Engine 5を使用した、「ファンタジー」と「ベルエポック」の融合による壮大かつ独特な世界描写が実現されている。

コマンド入力とリアルタイムアクションを融合したターン制バトル――「Clair Obscur: Expedition 33」プレビュー版プレイレポートの画像
コマンド入力とリアルタイムアクションを融合したターン制バトル――「Clair Obscur: Expedition 33」プレビュー版プレイレポートの画像

フィールドには、かつて敗れていった遠征隊が残した資料や、キャンプ場の跡などが残されており、ストーリーを進める上で重要な手がかりとなっている。これらのオブジェクトは生活感が残るものとなっており、フィールド探索の面白みや世界観の構築の上で重要な役割を担っているといえよう。

コマンド入力とリアルタイムアクションを融合したターン制バトル――「Clair Obscur: Expedition 33」プレビュー版プレイレポートの画像

序盤のストーリー映像では、「ペイントレスの討伐」を最優先とする主人公・ギュスターヴと、「ペイントレスがなぜ死の輪廻を描くのか?」という謎の解明に情熱を注ぐルネの対立が描かれる。それぞれの葛藤が交錯するやりとりが展開され、没入感のあるドラマシーンが生み出されていた。

コマンド入力とリアルタイムアクションを融合したターン制バトル――「Clair Obscur: Expedition 33」プレビュー版プレイレポートの画像

総じて、約3時間半のプレビュー版を体験した体感として、リアクティブターン制バトルと称された、コマンド制バトルとリアルタイムのアクション要素を融合させたバトルシステムが本作の最大の個性であると感じられた。フリーエイムやパリィ、AP管理を駆使し、キャラクターごとの個性的なスキルを活かした戦略的な戦闘を、美麗かつ独特なフィールドと世界観、ストーリーの中で楽しめる点が本作ならではの魅力であるといえるだろう。

メディア向けイベントでは開発時に影響を受けた作品などが語られる

2月25日には本作のメディア向けイベントも開催され、CEO兼クリエイティブディレクターを務めるギョーム・ブロッシュ氏とCOO兼プロダクションディレクターを務めるフランソア・ムーリス氏が登壇した。

(画像右)CEO兼クリエイティブディレクターを務めるギョーム・ブロッシュ氏、<br />(画像左)COO兼プロダクションディレクターを務めるフランソア・ムーリス氏
(画像右)CEO兼クリエイティブディレクターを務めるギョーム・ブロッシュ氏、
(画像左)COO兼プロダクションディレクターを務めるフランソア・ムーリス氏

会場では、本作に関する基本的な情報や特徴のほか、出演キャストなどが改めて開発者自身から丁寧に説明されたほか、Q&Aセッションが実施された。

影響を受けた作品はあるのかという質問に対しては、昔からJRPGや日本文化に興味があったことや、「ファイナルファンタジーVIII」「ファイナルファンタジーIX」「ファイナルファンタジーX」で体験した美麗かつ壮大なワールドマップに当時驚かされたといったエピソードなどが語られた。

また、「ソウル」シリーズのように中ボスや大ボスとの戦闘を次々とプレイヤーの意思で行えるといった、探索自体が楽しめるような工夫を凝らしているなど、本作にもさまざまな作品から受けた影響が活かされているとのことだ。

ギョーム・ブロッシュ氏は漢字やカタカナなどの文字としての日本語も好きらしく、パッケージ版の日本語デザインを見た際は嬉しかったと語っていたのも印象的だった。

コマンド入力とリアルタイムアクションを融合したターン制バトル――「Clair Obscur: Expedition 33」プレビュー版プレイレポートの画像

ゲームをはじめとするエンターテイメントの「現場」に行き、作品たちの魅力を最大限に伝えることが生きがいです!ビジネスや海外事情などを含めた、ACGカルチャーへの理解をさらに深めるべく、人々との出会いを大切にしながら、勉強の毎日を過ごしています!

X:https://x.com/yun_blueDaisy

※画面は開発中のものです。

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