Gamer編集長のTOKENが週末にかこつけて、ゲーム業界やメディアについてその時考えていることをいろいろと書いていく不定期連載コラムです。直近の国内における四半期決算発表がいろいろと考えさせられるものだったので、自分なりに整理してみました。
前回の更新が昨年2月ということでまる一年が経ってしまいました。元々不定期に、とは考えてはいたものの、昨年4月のリニューアル後もバタバタが続いて更新がここまでずれ込んでしまったのは企画倒れも甚だしいですが、それでもできる時には、ということで久々に書いていきたいと思います。
モバイルゲーム市場はより二極化が進むことに
思えば一昨年の11月にも決算発表から見る各社の現在地点を見ていきました。そこからおよそ1年強が過ぎて、さらに状況が様変わりしていきました。
全体的に苦戦を強いられていたモバイルゲーム市場は、一部のヒットタイトルが猛威を振るったことでより明暗が分かれるようになってきました。
一番分かりやすいところでは、上半期の「学園アイドルマスター」、下半期の「Pokémon Trading Card Game Pocket」という2024年のヒットタイトルの存在です。前者はバンダイナムコエンターテインメントとサイバーエージェントグループのQualiArts、後者はポケモンとDeNAにによる共同事業であり、それぞれの業績にも大きく貢献しました。
一方で、多数の新作タイトルが市場に投入されたものの、かなりのタイトルが1年持たずにサービス終了するという事態にもなりました。開発の長期化が進んで久しいですが、一方で回収のサイクルがいかに難しくなっているかを実感させられます。
そのような背景からタイトルのパイプライン自体を絞る動きも見える中、ポッピンゲームズジャパンやGOODROIDに代表される、IPを用いたものを含むカジュアルゲームタイトルと、数年かけて開発を進める大規模ゲームタイトルの二極化は進んでいる印象で、その中でどの程度生き残っていけるのかが気になります。
コンソールも我慢の時間が続く
上記のような流れからPCを含むコンソールゲームの市場への転換も進むかと思われましたが、近年の開発規模の巨大化はやはり組織の経営にも大きな影を落としており、多くのプロジェクトの開発中止やライブサービスの早期終了という自体に見舞われることになりました。
全体的には並行してタイトル開発は進められているものの、無事にリリースを迎えるまでの期間は現在だと数年はかかるという状況になっていて、その中でもユーザーに向けてどの程度コンスタントにタイトルをリリースするのか、というのは企業全体の難しい舵取りが求められています。
海外ではレイオフというかたちで人員整理が行われるため、開発自体のストップも含めて比較的状況が見えやすいところではありますが、日本国内においては実際にどのような状況になっているのかは見えづらいところがあり、そうした意味でも決算発表は状況を把握する場になっています。短期的には一定のタイトルをリリースして成果を出しているように思いますが、この先に控えるNinteodo Switch 2の発売も含め、市場の動向は引き続き見通しづらい状況が続きそうです。
また、個人的に気になっているのが決算発表では見えてこない中小のゲーム開発会社の業績です。伝え聞くような話でも決して安泰という状況ではないと感じていますので、今後世に出てくるタイトルで、ノウハウを持った各社の活躍を目にできれば嬉しいなと思います。
全体的に今のゲーム市場は見通しが難しい部分が多く、近年は大きなブレイクスルーもないかと思います。ニュースを扱う側としても何が次の時代への布石になっているのかも見極めながら、引き続き情報を取り扱っていきたいです。
コメントを投稿する
この記事に関する意見や疑問などコメントを投稿してください。コメントポリシー