2025年1月23日に、Steam/Epic Games Store版「ファイナルファンタジーVII リバース」(以下、「FFVIIリバース」)がリリースされました。

目次
  1. 「強くてNEW GAME」や、イベントシーン中の「シーン早送り」機能が搭載!
  2. 改めて振り返ろう、「FFVIIリメイク」(※愛重め)
  3. セミオープンワールドとなった大ボリュームの「FFVIIリバース」(更に愛重め)

そして、2024年12月13日にPS5/PC版「ファイナルファンタジーVII リメイク」(以下、「FFVIIリメイク」)と、PS5版「FFVIIリバース」に強力なアップデートが入り、より一層遊びやすくなりました。

本稿では、アップデートされた新機能の紹介と共に、今から新たに始める「FFVIIリメイク」プロジェクトを紹介します。

※本稿で使用している「FFVIIリメイク」のスクリーンショットは、PS4版のものも含みます。
※一部ネタバレを含みますのでご注意ください。

今から始める「FFVIIリメイク」プロジェクト:「強くてNEW GAME」なども搭載されて、より一層遊びやすくなった「リメイク」と「リバース」の魅力を紹介の画像

「強くてNEW GAME」や、イベントシーン中の「シーン早送り」機能が搭載!

まずは、「FFVIIリメイク」のアップデートについておさらいしましょう。アップデートされたのは、PS5版とPC版。

「強くてNEW GAME」の実装

タイトル画面で「強くてNEW GAME」を選択時、キャラクターのレベルや所持品があらかじめ強化された状態でゲームを開始することができます。

※通常の「NEW GAME(デフォルト)」も選択可能です。

▼強化内容
・すべてのキャラクターのレベルが45の状態でスタート
※SP(スキルポイント)もレベル45までに取得できるポイントを所持します。
・レベルが最大まで強化されたマテリアを複数所持
・物語の中盤~終盤に取得できる防具を各キャラクターが所持
・物語の中盤~終盤に取得できるアクセサリを各キャラクターが所持
・冒険に便利なアイテムを複数所持
・50000ギルを最初から所持
※本編・INTERMissionいずれも選択可能。

イベントシーン中の「シーン早送り」機能の実装

1.5倍もしくは2.0倍でイベントシーンを見ることができます。
※イベントスキップ機能も別途有り。

「FFVIIリバース」の評判が良かったからプレイしてみたいけれど、「FFVIIリメイク」からプレイしないとならない、となるとちょっと腰が重いですよね。そんな方にはもちろんのこと、「再プレイしたいけれど、なかなか時間がとれない」という方たちにも、ちょうど良い機能となっています。

特に「FFVIIリメイク」では、オリジナル版「FFVII」で重要なマテリアシステムを踏襲しつつも、コマンドバトルとアクションバトルが融合したバトルが特徴的だった反面、アクションが苦手な人にはちょっと難しくもありました(そんな人のために、アクションは自動で行われ、コマンド選択に集中できる「CLASSIC」という難易度もあるにはあるのですが……)。

難易度「CLASSIC」じゃ物足りないけど、難易度「EASY」でも、やることが、やることが多すぎる……!

となる、そこの貴方、わかります。何故ならば、筆者も同じだったからです。結局筆者はアクション自体は好きなので、難易度「EASY」で無事にクリアできたのですが、「EASY」でも雑なアクションでは全然クリアできなかったので、「FFVIIリメイク」は、なかなかやり応えのあるバトルだったと思います。

でも、「強くてNEW GAME」があれば、終盤までは雑なアクションでもサクサクと比較的力押しで進められてしまいます。比較的、と書いたのは、それでも力押しできない場面もあるからですが、レベルが高い分安全には戦えるでしょう。

ただ、ひとつだけ注意点があります。この「強くてNEW GAME」が実装されているのは、「FFVIIリメイク」のみ、という点です。

なので、「FFVIIリバース」も続けて遊びたい場合、「強くてNEW GAME」中に「FFVIIリメイク」プロジェクトのバトルシステムは、きっちりと把握しておく必要があります。

そして「映画やドラマは基本的に倍速で見る」という方にもぴったりなのが、「シーン早送り」機能。これはイベントスキップとは異なり、スキップせずにイベントシーンを1.5倍もしくは2.0倍で見れてしまうのです。時間のない方でもサクサクと遊べてしまうのは非常に嬉しいですね。

なお、この「シーン早送り」機能は、PS5版「FFVIIリバース」にも既に搭載されております(※PC版にも搭載)。「FFVIIリバース」はクリアまで時間がかかると聞いて尻込みしていた方に、ぜひ活用してほしい新機能となっています。

改めて振り返ろう、「FFVIIリメイク」(※愛重め)

それでは改めて、「FFVIIリメイク」とはどのような作品なのかを紹介します。

今更ではありますが、「FFVIIリメイク」は国民的ゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズの中でも屈指の人気作「FFVII」のフルリメイク作品となります。

素晴らしいグラフィック、最高峰のアレンジBGMと新曲の数々、シナリオの追加や改修などが行われており、筆者は実質「本作はオリジナル版をただ現代の品質にした作品ではなく、再構築された新作」だと思っています。

グラフィックの凄さについては、今更語るまでもないとは思うのですが、改めて見ると本当に凄い。キャラクターの3Dモデルはもちろんのこと、カットシーンの細かさ、背景、光量、各景色での空気感までが手に取るようにわかります。

グラフィックに関する全ての質で、現時点で「FFVIIリメイク」プロジェクトを超える作品は恐らくないと思っています。これだけの手間暇かけたグラフィックは「FFVIIリメイク」プロジェクトでなければ成し遂げられないというのは、プレイして2~3時間も経てばわかるでしょう。何せミッドガルの上層部と、下層部(スラム)だけでも、どちらも暗い場所ながら、漂う空気感がまるで違っているのですから。

今から始める「FFVIIリメイク」プロジェクト:「強くてNEW GAME」なども搭載されて、より一層遊びやすくなった「リメイク」と「リバース」の魅力を紹介の画像
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ゲーム開始序盤の魔晄炉爆破ミッションでは、オリジナル版「FFVII」をそのまま現代風のグラフィックにしたような演出が続くので、ここはここでオリジナル版をプレイしていると「あの時のあの光景がこんなにも鮮やかに……!」と感動するのですが、ゲームを進めて七番街スラムへとたどり着き、疲れた身体を休めて朝を迎えたその時、筆者は目に広がった景色を見て思わず涙しました。

オリジナル版「FFVII」では表現できなかった、夜と昼間の違い。当時は表現ができなかったから、スラムは万年ほぼ夜のような景色になっていましたが、「FFVIIリメイク」で眼前に現れた昼間のスラムの景色を目にして、「ああ、これがクラウドたちが見ていた本当の景色だったんだ……」と思い、この景色を形にしてくれた開発陣に感謝せずにはいられなかったのです。

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景色ひとつでこんなに語れてしまうのですから、ここにキャラクターやエフェクトの話が入ってくるととんでもないことになってしまいます……が。やはりキャラクターについても語りたい!

キャラクターの凄いところは、グラフィックだけではありません。キャラクターの一挙一動、セリフと声優さんたちによる命の吹き込み、全てが細やかすぎて、再び涙を流しました。

「オリジナル版の補正あるだろ」と思われそうですが、ぶっちゃけ声優さんによるボイスが入ることには少々懐疑的だったワタクシ。オリジナル版をプレイしているからこそ、文字だけの場面に自分なりの解釈というのがあるわけです。

30年間近くも時間が経ち、オリジナル版はほぼ1年に1回以上はプレイしている古参ファンだからこその「こじらせ」とは厄介なもので、いくら「FFVII ADVENT CHILDREN」のような映像作品などが既にあったとはいえ、「オリジナル版には自分が思う解釈があるから、それを穢されたくない」という気持ちも、発売前はどこかにありました。

ですが、「どうやったらこんなに違和感なくキャラクター作りをできるの?」というくらい、どのキャラも自然と「FFVIIリメイク」の世界を生きている!

実は、ここだけの話ですが、筆者は「FFVII」は好きだったのですが、キャラクターの最推しは30年間近くルーファウス神羅で、「クラウド? 興味ないね」というくらい、ルーファウス一筋でした。なのに、櫻井孝宏さんによって新たな命を吹き込まれたクラウドに、この時はじめて惚れました。

クラウドの姿(演技)の何がすごいって、文字だと「ああ」と相槌を打ちそうな場面で、「ん」と相槌を打つ場面です。何をどうしても文字にするとクラウドは「ん」と相槌は打たないんです。絶対に「ああ」とか「そうだな」とかなんです。(これがこじらせたファンです)

でも声の演技で、クラウドは違和感なく、「ん」と相槌を打ちます。クラウドの声のトーン、場面に応じた自然な会話、ここにとてもとても感動したのです。

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しかし、凄いのはクラウドだけではありません。ティファ、エアリス、バレット、セフィロスといった本作に登場するメインキャラキターの誰もに、一切の解釈違いが発生しなかったのです!

むしろ、ティファが抱く迷いとか、エアリスが見せる強さとか、バレットのウザさ(※誉め言葉です)とか「INTERGRADE」の主人公であるユフィの元気さとか、セフィロスの薄気味悪さとか、全てが「彼らが今蘇ったら、絶対にこういう台詞をこういう声のトーンとこういう間で喋るに違いない!」と思わせられるのです。

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これだけのものを作り上げるというのは、開発陣のオリジナル版への理解度はもちろんのこと、声優陣のキャラクターへの解像度も凄く上げていかなければならないはずです。オリジナル版があるからこそ、そしてオリジナル版を深く愛しているファンがいるからこそ、絶対に解釈違いを起こさせない、というような強い愛を感じました。

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なお、バトルなどのシステムについては前項で少々触れましたが、本作のバトルはオリジナル版のマテリアシステムを引き継ぎつつ、アクション要素がだいぶ強めになっています。

このアクション要素については、コマンドバトルしかプレイできないというオリジナル版のファンのために、難易度「CLASSIC」にて従来のコマンド戦闘が用意されていて、アクションが苦手な人へのフォローがしっかりしているのが素晴らしいです。

筆者は難易度「CLASSIC」はほんの少し触ってみただけに過ぎないのですが、回避が必要な場面で勝手に回避をしてくれたり、壁に隠れてくれたりと、なかなかに優秀です。本当にコマンドで魔法やアビリティの指示を出すことに専念できるので、アクション要素強めというところで二の足を踏んでいる人にはぜひとも難易度「CLASSIC」をおススメします(もちろん、「強くてNEW GAME」も)。

前述の通り、難易度「EASY」以上ではアクションに加えてアビリティや魔法のコマンドも組み合わせていかなければならないので、とにかくやることが多いのですが、これがアクション好きには癖になります。アクションのモーションはどれもかっこいいですし、エフェクトは綺麗ですし、最後まで楽しんでプレイできることでしょう。

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バトルをもっともっと遊びたい人のために、様々なチャレンジも用意されています。

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さらに、難易度「HARD」はアイテム使用不可という制限があり、難易度「EASY」や「NORMAL」とは完全に別のゲームというくらい、難しくなります。ポーションはもちろんのこと、エーテルも使えないためMPが足りなくなり、どこでどうMPを消費するかということをよく考え、マテリアの組み合わせなどもしっかり見直さなければなりません。

筆者も難易度「HARD」はChapter 3まではクリアできたのですが、それ以降は詰まってしまい、クリアできませんでした。難易度「HARD」はアクションの上手さももちろん必要ではあるのですが、頭を使わないと最終章まで突破するのは厳しいでしょう。「我こそは」という猛者は、ぜひ難易度「HARD」でのクリアにもチャレンジしてみてください。

ストーリーはいわゆる「一本道」と呼ばれる、寄り道要素がほとんどない作品となっていますが、その分物語に没入できるようになっていると思います。

むしろオリジナル版では5~6時間で突破するミッドガルだけを舞台に、よく一本の作品としてここまで仕上げてきたなぁと感服する内容になっているので、ぜひ新規追加要素なども駆使しつつ、プレイしてみてほしい一本です。

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セミオープンワールドとなった大ボリュームの「FFVIIリバース」(更に愛重め)

「FFVIIリメイク」の続編となるのが、「FFVIIリバース」です。三部作の中間となる二本目の作品で、ストーリーは「FFVIIリメイク」でミッドガルを脱出した直後のあたりから始まります。

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と書くと、「FFVIIリバース」をやってみたくても「FFVIIリメイク」からやらなきゃいけないんでしょ? と思われてしまいそうですが、「FFVIIリメイク」で覚えておいてほしいのは、ぶっちゃけ「敵はセフィロス」くらいです!

各キャラクターの様々な事情とかは確かに「FFVIIリメイク」をプレイしないと理解しにくい部分がありますが、「FFVIIリバース」の魅力はストーリーだけではありません。

「FFVIIリメイク」と「FFVIIリバース」の一番の違い、それは広大なワールドマップの存在です。

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「FFVIIリメイク」が寄り道のない一本道ゲームだったのに対して、「FFVIIリバース」はセミオープンワールドとなっています。

オープンワールドとどう違うのかというと、基本はメインストーリーを進めることによって新たなワールドマップ(フィールド)が開いていき、全6個から成る各ワールドマップがシームレスに繋がっています。

カームがあるグラスランドエリア、ジュノンがあるジュノンエリア、コスタ・デル・ソルがあるコレルエリア、ゴンガガがあるゴンガガエリア、コスモキャニオンがあるコスモエリア、ニブルヘイムがあるニブルエリア。大きく分けてこの6つで、ワールドマップは構成されています(更には海上なども探索できます)。

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決められた道を示された通りに進んでいく「FFVIIリメイク」とは全く違うゲーム性になったのが、「FFVIIリバース」。カームを抜けた直後にエアリスが口にする、「星って、生きてるんだ」という台詞は、本当にプレイヤーの感情をそのまま表していると思います。

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起伏に富んだフィールドを、時には自分の足で、時にはチョコボで駆け巡り、様々な探索スポットを発見していきます。探索スポットは、休息地点となるチョコボストップなどを始め、合成素材アイテムがたくさん採取できるスポットや、強敵が現れる場所、サブクエストが発生するエリア、などなど、探索をするのがとにかく楽しいです。

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探索をするためのモチベーションももちろん用意されており、豪華な“ここでしか手に入らない”マテリアなどの報酬が得られるようになっています。

アイテム合成といったような新たな要素も加わり、集めた合成素材を使って様々なアイテムを産み出したりすることができ、このアイテム合成で得られるアイテムを使ってクリアするサブクエストなどもあるので、どの要素にも無駄がないと感じます。

基本的に、やったことがすぐ何らかの形で報酬へとつながるので、やらされている感がなく、あくまで自主的に行動した結果としてそれがパーティの強化につながっていくのが嬉しいところです。

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もちろん、フィールドにはモンスターがたくさんいます。たくさん戦えば、それだけレベルが上がり、レベルが上がるというのは見た目にも最もわかりやすいパーティ強化ですので、結果的に待ち受けるメインストーリー上のボス戦は楽に勝てるようになります(それでも相変わらず、難易度「EASY」でもなかなか歯応えのある戦闘になっています。バトルの詳細は後述します)。

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また、各エリアには、ノーマルなチョコボの他、山チョコボ、森チョコボ、空チョコボ、海チョコボなど様々なチョコボが生息しており、山チョコボでは特定の崖を登ることができたり、森チョコボではマップ上のキノコから大ジャンプができたり、空チョコボは特定の場所から滑空ができたり、海チョコボは水上を飛べるようになったりと、これらのチョコボの特性を活かしたマップ作りがされています。

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チョコボに乗ったら簡単にエリアを踏破してしまえるだなんて、そんなことはもちろんありません。あくまで筆者の体感ですが、メインストーリーと探索要素を全て含め、各エリアにかかるフルコンプまでの時間は、約15~20時間ほど。これだけの時間を費やすほど、各エリアはひとつひとつがとても広大なのです。

それに、グラスランドエリアでは平原、ゴンガガエリアではジャングル、コレルエリアは山地、などなど各エリアごとの特徴もとても鮮やかで、新しいエリアに来るごとに「わぁ……!」と気持ちが沸き立ちます。

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そしてRPGと言ったら忘れてはならないのが、「街」の存在です。オリジナル版はワールドマップに街のシンボルがぽつんとあって、そこに重なれば街のマップに切り替わる、というシンプルな作りでしたが、本作は全てのエリアがシームレスにつながっているので、もちろん街もエリアのなかにどーんとあります。とは言っても、不自然に街が置かれているようなことは一切ありません。

むしろ、全てがシームレスに繋がっている世界の中で、どうやったらこんなにオリジナル版の雰囲気を壊さずに街をいくつも作り上げられるのだろう、と不思議になるレベルです。

自然で溢れたエリアから、人の手で作られた人工的な街という、ある種の静と動が見事に噛み合い調和している、といった風で、例えばジュノンエリアからアンダージュノンへとシームレスにマップが切り替わっていくあたりは、個人的に必見です。「こうやって導線を作ることで、実在感と没入感を損なわせないようになっているのか」としみじみ感じる場所のひとつです。

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そしてそれぞれの街はオリジナル版と比べ物にならないほど広くなっています。街すらも、「FFVIIリバース」では探索の一部なんです。例えば、「FFVII」をプレイしていなくても、ゴールドソーサーの存在を知っている人も多いと思います。色んなミニゲームが集まっている「FFVII」屈指のテーマパークですが、ゴールドソーサーの広さは、実在する某有名テーマパークのような規模感です。

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このように、完全なオープンワールドではありませんが、オープンワールドが好きな人ならば間違いなく好みな一本になるポテンシャルを持っているのが、「FFVIIリバース」なのです。

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また、キャラクターもマップの広がりに合わせるかのように、一気に増えました。「FFVIIリメイク」では、メインキャラクターといえば、クラウド、ティファ、エアリス、バレット、終盤で加わるレッドXIII、DLC版主人公のユフィ、そして敵であるセフィロスの他はそこまで目立ったキャラクターがいなかったのですが、「FFVIIリバース」ではそこにケット・シーや、ヴィンセント、シドといったキャラクターたちも合流していきます(※ヴィンセントとシドはノンプレイアブルキャラクター)。

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更に、「FFVIIリバース」の世界からは、いよいよザックスというひとつの異物が目立ち始めます。オリジナル版をプレイしている人ならば知っての通り、このザックス、オリジナル版では本当に少しだけしか登場しないキャラクターですが、「FFVIIリバース」ではザックスが世界に与える影響も描き始めています。

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それだけではありません。「FFVIIリバース」の発売直前にリリースされた「ファイナルファンタジーVII エバークライシス」で描かれているオリジナルストーリー「ザ ファースト ソルジャー編」の主人公で、元ソルジャー・クラスP0(パッシブ・ゼロ)のグレンという異物も、この「FFVIIリバース」の世界に絡み始めてきました。

本作は三部作の中間ということもあり、これらのオリジナル版とは異なる何かが今後この世界にどのような影響を与えるのかは不明ですが、登場したからには何かしらの役割が与えられているものだと考えられます。

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筆者的にもうひとり取り上げたいキャラクターは、ルーファウス神羅です。「FFVIIリメイク」では前社長であるプレジデント神羅が物語の終盤で死亡し、その後に新社長としてほんのわずかに登場しただけのキャラクターでしたが、「FFVIIリバース」ではいよいよ本格的に彼が動き始めます。

「FFVIIリメイク」の紹介で述べたように、ルーファウスは筆者のオリジナル版での最推しキャラクターでした。

そして、ここでひとつだけお詫びいたします。「FFVIIリメイク」プロジェクトにはキャラクターの解釈違いがない、と熱く語ったのですが、筆者にとってはルーファウスだけが唯一の「解釈違い」でした。

というのも、筆者の中の3Dでのルーファウス像は映像作品「FFVII ADVENT CHILDREN」の時のような、まだどこか幼さすら伺える儚げな印象を持つルーファウスだったのですが、「FFVIIリメイク」で登場したルーファウスは男前になりすぎていたんです……。

よりによって最推しであるキャラクターが3Dモデルごとめちゃくちゃ変わってしまったことだけがとてもショックで、「FFVIIリメイク」の時は「よし、ルーファウスのことはなかったことにしよう」と思ったほどでした(これがこじらせたファンです)。

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しかし、「FFVIIリバース」ではルーファウスの出番が格段に増え、そして彼が口にする台詞が全て「ああ……ルーファウスならこういうこと言うわね……」とあまりに説得力のある言葉ばかりで、30年近くルーファウスへの愛をこじらせたワタクシが「この台詞を口にするには、ルーファウスの顔がこれくらい男前のほうが納得するかも……」と、解釈違いを公式のフルパワーによって覆されてしまったのです。

だからこそ、「オリジナル版の思い出が壊れそう」とかそういうことは一度置いておいて、「FFVIIリメイク」プロジェクトを遊んでみてほしい! ……と、強く思いました。

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さて、ここまできてようやくバトルの話になりますが、基本的なシステムは前作の「FFVIIリメイク」から変わっていなく、「FFVIIリメイク」をプレイできた人ならば問題なく遊べるコマンドバトルとアクションバトルが融合したバトルになっています。

新要素の「連携アクション」と「連携アビリティ」の実装で、プレイヤーが戦闘中に取れる選択肢が更に広がり、より一層「やることが……多い……!」となったのですが、これについては筆者が語るよりも、「FFVIIリバース」発売直前に筆者がディレクターの浜口直樹氏に行ったインタビューを参考にしてほしいです。

――では次にバトルについてお伺いします。私はアクションがすごい下手で、それでもかっこよく戦いたくて連携アクションとか連携アビリティとか色々試してみたんですけど、もたつきがちになっちゃいまして、何かアドバイスなどはありませんか?

浜口氏:連携アクションはATBとか何かを消費して発動するものではないので、本当にアクション寄りの機能になっているんですよね。

敵の位置を見ながら溜め攻撃をしたりとか、敵の状況を見て自分を空中に打ち上げてもらって空中コンボにつなげるといった感じで、より深くバトルのアクション操作を深めたいというアクションが得意な人に向けて入れてています。、アクションが苦手な方はスキルツリーで連携アクションよりは連携のアビリティの方に特化していくほうがプレイフィール的にはいいのかなと思います。

連携アビリティとかは使いこなせましたか?

――私はショートカットで連携アクションを出すほうが楽で……連携アビリティのほうが全然ゲージがたまらなくて使いこなせなかったんです。

浜口氏:連携アビリティは、キャラクターのATBが溜まったらアビリティや魔法を発動させることで、連携ゲージのポイントが貯まり、ポイントが貯まったら連携アビリティを撃てるものなので、アクションが上手い下手というよりも、昔ながらのコマンド風で一定の行動をしていれば、定期的に使えるようになります。

ただ敵が弱いと結局ゲージが溜まり切る前にバトルが終わってしまうので、ある程度歯ごたえがある強い敵じゃないと使えないんですよね。

――私は、ついついクラウド操作のままでショートカットでブレイバーばっかり出してしまうんです。

浜口氏:なるほど。連携アビリティはクラウドだけを使っていても絶対に使えないので、そこは確かにひとつ乗り越えなければならないところですね。

そういう意味だと、バトルディレクターの遠藤(遠藤皓貴氏)が、今回「FFVII リバース」のバトルとして意識してほしいところに、「バトル中に、バトルメンバーを切り替えてほしい」という部分があるんです。

前作の「FFVII リメイク」が比較的クラウドだけを操作しても進めてしまっていたところがあるので、今作では「連携ゲージ溜まってきたから、他のキャラクターに切り替えよう」というパーティの切り替えに注意して欲しいという彼の思想から、こういう調整が入っています。

……とのことです!(雑!)

ちなみに、このインタビューを行った後から、浜口氏の助言通り「バトルメンバーを切り替える」ことを意識した結果、やることは多かったものの見事に強力な連携アビリティをバンバン使いこなせるようになり、バトルが格段に楽になりつつ、連携アビリティの演出で画面も華やかになりました。

広大な世界で繰り返し遊ぶことになるバトルだけに、「FFVIIリメイク」からさらに痒いところに手が届いたようなバトルになっていたのが嬉しかったです。

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長くなってきたのでそろそろ締めたいところですが、まだ筆者の「FFVIIリバース」最推しコンテンツであるカードゲーム「クイーンズ・ブラッド」についても紹介したい……!

クイーンズ・ブラッドのルール自体はここで語り切れるものではないので、実際にゲーム中でプレイしてみてほしいところなのですが、このミニカードゲームが「スクエニさん……またこんな神カードゲームを作りやがって……(※誉めています)」と腕組みして唸りたくなるレベルなのです。「FFVIII」のカードゲームが好きだった方とかなら間違いなくハマります。

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対戦相手をどんどん倒していくとやがてクイーンズ・ブラッドのラスボス的な存在へと行き着き、ラスボスを倒せればクイーンズ・ブラッドにまつわるサブストーリーもおしまい、という流れなのですが……クイーンズ・ブラッドだけをもっと遊びたいのでアップデートで対戦相手を増やしてほしい、と切実に思うほど面白かったです。

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試遊の時はルールがよくわからず、街にいるそこらへんの雑魚対戦相手にボッコボコにされるだけで終わった筆者でも、製品版でじっくりとクイーンズ・ブラッドに取り組み、システムを理解することでラスボスに無事勝てたので、デッキをよく考えて組めば基本的に全プレイヤーがきちんとクリアできる難易度になっていると思います。

メインストーリーでもクイーンズ・ブラッドの大会が登場したりと、クイーンズ・ブラッドを楽しめればより一層「FFVIIリバース」の世界を楽しむことができるでしょう(ちなみにメインストーリーで登場する大会では、必ずしも対戦相手に勝つ必要はありません)。

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もうひとつだけ「FFVIIリバース」で触れておきたいのは、The Game Awards 2024にてBest Score and Musicを受賞した、本作の音についてです。Best Score and Musicを受賞しただけあり、「FFVIIリバース」の音は他作品の追随を許さないレベルでの作り込みが為されています。

音、というのは、音楽はもちろんのこと、効果音、これらの鳴らし方、繋ぎ方など、ありとあらゆる「音」を含めます。「FFVIIリメイク」では、割と「これでもか」というくらいにオリジナル版の音楽が耳に残る聞かせ方をしていたのですが、「FFVIIリバース」ではセミオープンワールドになったことによって、オリジナル版の音を尊重しつつ耳障りの良い音楽の聞かせ方になり、100時間以上プレイをしても全く疲れない音作りに成功しています。

「FFVII」である以上、オリジナル版のファンの「あの曲を聞きたい」という要望に答えたアレンジを取り入れつつ、新曲も盛りだくさんで、しかもアレンジも新曲もクオリティが高すぎて、これはぜひ良いヘッドフォンなどできちんと細かいところまで聞いてみてほしいです。

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なお、本作の音についてのあれこれをより深堀りした話を、鈴木光人氏と河盛慶次氏へのインタビューで伺っているので、興味がある方には下記インタビューをぜひご覧いただきたいです。

※インタビューはストーリーのネタバレを多数含むので、未プレイの方は注意してください。

長くなってしまいましたが、「FFVIIリメイク」と「FFVIIリバース」は連作でありながら、全く異なったゲーム性となっています。

「オープンワールドは好きなんだけれど、リメイクをやっていないからなぁ……」なんて方もいるとは思いますが、新規機能でサクサクっと「FFVIIリメイク」をプレイするとか、もしくは「FFVIIリバース」を遊んでみて本格的にハマりそうだったら「FFVIIリメイク」にいってみるだとか、色んな遊び方があると思うので、ぜひこれを機に「FFVIIリメイク」プロジェクトに足を踏み入れてみてほしいです。

オリジナル版ファンも納得。新規層ももちろん楽しめる作品です。そして、何より、「FFVIIリメイク」プロジェクトほど手の込んだ作品は、後にも先にもなかなかお目に掛かれないと思います。ぜひ、今からでもその一端に触れてみてください。

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