2025年1月17日に公開となる、「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」のアニメ映画「劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク」。本作に出演する秋奈さん(小豆沢こはね役)、鷲見友美ジェナさん(白石杏役)へのインタビューをお届けする。
「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク(以下、プロセカ)」は、セガとColorful Paletteの協業によるリズム&アドベンチャーゲーム。2024年9月にリリースから4周年を迎えた本作初のアニメ映画となる「劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク(以下、劇場版プロセカ)」がいよいよ公開となる。
今回のインタビューでは、「劇場版プロセカ」に出演するキャストより秋奈さん(小豆沢こはね役)、鷲見友美ジェナさん(白石杏役)にインタビュー。作中のユニットであるVivid BAD SQUAD(以下、ビビバス)の2人ということで、劇場版に関する話はもちろんのこと、お互いが演じるキャラクターへの印象についても語っていただいた。

――「プロセカ」が劇場アニメになると聞いた時の感想をお聞かせください。
秋奈さん:これまでショートアニメの「ぷちセカ」や、ミュージックビデオは数多く公開されてきましたが、劇場版が制作されるとは全く想像していなかったので、劇場版が決定したというお話を聞いた時は本当に驚きましたし、とても嬉しく思いました。
私はいちバーチャル・シンガーファンでもあるので、劇場版のビジュアルを見た時、ミクちゃんが少し悲しそうな表情をしていたことが気になりました。その時点ではまだ台本をいただいていなかったため、ワクワクして楽しみな気持ちと同時に、一筋縄ではいかない展開になりそうだという予感があり、「どうなっちゃうんだろう」とドキドキ感もありました。
鷲見さん:劇場版が公開されるということでついに来たか、という感じで本当にもう楽しみにしていました。「プロセカ」はどちらかというと楽しくて希望を届けるようなストーリーになっていますが、今回はタイトルが「壊れたセカイと歌えないミク」ということで、こんなにも最初からミクが悲しい顔をしているセカイがあるんだな、そのストーリーってどんなものなんだろうというのは気になりました。
――実際にシナリオを読まれて、お二人はどういう風に感じられたのでしょうか?
秋奈さん:「プロセカ」には5つのユニットがあり、それぞれ個性が全く異なるので、その個性をどうやってひとつにまとめるのかとても気になっていました。実際に台本を読んでみると、各ユニットの魅力を活かしつつ、しっかりひとつにまとまっていると感じました。キャラクターの日常が垣間見えるほのぼのとしたシーンもあれば、物語の転換点では「こんな壮絶な展開になるのか」と驚かされる緩急があり、ひとつの映画としてとても見ごたえのある内容だと思いました。
鷲見さん:「プロセカ」のキャラクターたちが普段こういう生活をしているんだなというのがすごく面白かったのと、それ以外の作中の世界で過ごしている人たちというのも結構ちらほらと見えて、それがすごくリアルでした。本当に私たちの世界にもこういう人たちがいるんだろうなというのが描かれていたので、もしかしたら本当にそういう想いでできるセカイって知らないだけであるかもしれないと思えるような、面白さが詰め込まれた話だなと想いました。
――アフレコはみなさんでの収録となったのでしょうか?
秋奈さん:私はスケジュールの都合で全員での収録には1回しか参加できませんでしたが、やはりみんなで収録すると、一人で演じる時とは違い、気持ちが引っ張られる感覚がありました。誰かが熱い想いを叫ぶと、それに続くように熱く演じようと思いますし、どんどん気持ちが高まって、いつも以上に感情を込めることができました。仲間と一緒にひとつの目標に向かって頑張っていると実感できて、やっぱりみんなで収録するのは楽しいなと思いました。
鷲見さん:(アフレコには)ビビバス以外のキャストの人たちがいて、イベントとかでは過去に一緒になっていたりもしたので、そういう意味ではみんなと会えるのがまず楽しみでした。ただ、アフレコで合うのは初めてなので、ちょっとだけピリッとした緊張感もありましたが、初の劇場版に向けての良い緊張感だなと思うと逆にワクワクしました。掛け合いも純粋に楽しいですし、やっぱり人が多いので入れ替わりも結構激しいところがあって、それもなんかひとりではできないアフレコの醍醐味を感じられる時間を過ごせました。

――アフレコの中でお互いの演技も聴かれていたと思うのですが、ここが良かったというポイントがあればお聞かせください。
秋奈さん:こはねちゃんがフェニラン(※作中に登場するテーマパーク「フェニックスワンダーランド」)について熱く語るシーンがあるのですが、フェニランについて話そうかどうかもじもじしているところで、杏ちゃんが「教えて教えて」と引っ張ってくれるんです。そのとき、鷲見さんがそのテンションをしっかり声に乗せてくださったので、私もその後のセリフで、こはねちゃんが遊園地について熱く語りたいという気持ちを、よりポップで楽しげな感じで表現できたと思います。鷲見さんと杏ちゃんのおかげで、演じていてもとても楽しい気持ちになりますね。
鷲見さん:すごく印象的だったのが、もう全部つるっと録り終えた後に、改めて秋奈ちゃんがやっぱりもう1回やりたいと言ったことです。それってすごく難しいことなんですけど、それができるというのが、私はこはねちゃんの姿ともリンクして、本当に秋奈ちゃんだからこそ、こはねちゃんの成長を強く描けるんだろうなというのを、その一瞬で実感しました。
――今回は新たな楽曲も用意されているということですが、レコーディングなどを通して聴いてほしいポイントなどあればお聞かせください。
秋奈さん:歌割りをいただいたとき、「えっ、こんな挑発的な歌詞をこはねちゃんが歌うの!?」と驚きました。一見すると杏ちゃんが歌いそうなパートが、こはねちゃんのパートになっていて。そこに“ははっ”というフレーズがあるのですが、その部分は本当に挑発するような感じで歌ってください、というディレクションがありました。こはねちゃんがこんな治安の悪い部分を歌うのは新鮮で、彼女の新しい表現方法を知ることができたように思います。
鷲見さん:がっつりビビバスらしさ満載のカッコよくてイケてる感じの曲なんですけど、劇中で実際に歌う時とかも杏ちゃんがこうやって盛り上げるんだなとか、ビビバスの目配せとかもしっかり分かってそこがすごく楽しいです。ビビバスのパフォーマンスの中での杏ちゃんの役割みたいなのもしっかりと分かると思うので、注目してもらえたらと思います。
――ゲームでは現在、進級もするなど物語が大きく動いていますが、本作では時系列として少し前のエピソードとして描かれるということで、意識的に違う部分はありましたか?
秋奈さん:ありますね。歌だけではなくて、声や話すトーンにも気を付けました。こはねちゃんは元々引っ込み思案で、自分の意見をなかなか言えない子だったので、初期のシナリオを改めて読み直して、話し方に関しては、いつもより少し探るようなニュアンスを意識しました。
あとは途中でとある曲を歌う場面があるのですが、その際も初期のこはねちゃんを意識して、いつものビビバスのこはねちゃんより穏やかな雰囲気で歌唱しました。
鷲見さん:こはねちゃんがまだそういう感じなので、杏ちゃんとしてはもう引っ張っていくということで、なにか意見があったらしっかり言うけどカラッとしている、杏ちゃんらしさってこういう感じだよね、みたいなところは意識しましたね。
――二人の距離感みたいなところでは変化はあったりしましたか?
秋奈さん:距離感は一緒でしたね。
鷲見さん:でもアフレコを一緒にやるのは今回が初めてだったので、いつもより楽しめたなと思います。
秋奈さん:うんうん!
――ちなみに、お互いが演じるキャラクターの印象についてはいかがでしょうか?
秋奈さん:杏ちゃんはとにかくムードメーカーで、常に周りを引っ張ってくれるし、みんなが前に進むきっかけをくれる存在です。杏ちゃんがいるといないでこのユニットは全然変わっていただろうなと思います。
鷲見さん:こはねちゃんは杏ちゃんと出会う前は眼鏡をかけておさげ姿だったんですけど、なんで今までそんなにその才能と強さが開花されてなかったのかなと。
秋奈さん:杏ちゃんと出会うためだよ(笑)。
鷲見さん:そこまでずっと温めてくれてたのかな(笑)。本当にそのくらい可能性しかないし、何かあった時にもちろん杏ちゃんは引っ張っていくけど、こはねちゃんがすごい欠片を出してくれるから、それを杏ちゃんが拾って進めるみたいな。
秋奈さん:すごくバランスいいよね。
鷲見さん:だから……素敵です(一同笑)。

――劇場版に関わらず、「プロセカ」の特に好きなところを一つ挙げるとしたらどこですか?
秋奈さん:キャラクターやストーリーももちろんすごく魅力的なんですけど、「プロセカ」の魅力の一つとして、楽曲の多様性があると思います。ボカロPさんがいろんなジャンルの楽曲を書き下ろすことで、特定のジャンルにとらわれることなく、ユニットやキャラクターの魅力をいろんな角度から引き出しています。幅広いジャンルの楽曲を楽しめる点が、「プロセカ」の魅力をさらに深めているなと感じます。
鷲見さん:やっぱりバーチャル・シンガーみんなと歌えているところは「プロセカ」しかないと思います。キャラクターとバーチャル・シンガーとの歌が自然と馴染んで、こんなにも多くの人に聴いてもらえるんだなというのは可能性しかなくて、本当に貴重な体験をさせていただいています。
――ゲーム内でのユニット全体のエピソードを通じて印象的なものがあればお聞かせください。
秋奈さん:やっぱり凪さんのエピソード(イベント「Light Up the Fire」)は印象的でした。ビビバスが一歩進んで世界を目指すにあたって、やっぱり欠かせない存在だったと思っています。
鷲見さん:凪さんがいなかったら伝説の夜を越えようと思っていないし、こんなに奮闘することもなかっただろうし、ビビバスが伝説を超えるのに欠かせない存在だったのは間違いないです。
秋奈さん:そのエピソードはすごく苦しかったし、辛かったけど、進むにあたって大切な話でした。
鷲見さん:改めてテーマが相棒、仲間ということを実感しましたし、いろんなかたちの相棒や仲間があるんだなとは思いました。
――ありがとうございました。
公式サイト
https://sh-anime.shochiku.co.jp/pjsekai-movie
公式X
https://x.com/pjsekai_movie
(C)「劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク」製作委員会
コメントを投稿する
この記事に関する意見や疑問などコメントを投稿してください。コメントポリシー