タカラトミーより、2023年10月6日に発売されるNintendo Switch用ソフト「人生ゲーム for Nintendo Switch」。本作の発売に先駆けて行われたメディア向け体験会の様子をお届けする。
目次
「人生ゲーム for Nintendo Switch」は、タカラトミーを代表するボードゲーム・人生ゲームをベースにした作品。もはやタイトルを聞いただけで大まかな内容が想像できそうなぐらいではあるが、本作は人生ゲームをベースにしながら、最新のゲーム機でも遊べるように独自のアレンジも加えられている。
本記事では、実際にプレイして分かったゲームの特徴や魅力についてのレポートをお届けする。記事の後半では、本作の開発陣へのインタビューも実施しているので、そちらも合わせてチェックしていただければ幸いだ。
自分だけのオリジナルアバターを作るところからゲームがスタート!
ボードゲーム版の人生ゲームでは車の形をしたコマにピンを刺すところからゲームがスタートするが、本作はオリジナルのアバターを作るところから始まる。アレンジされているとはいえ、基本的にゲームとしてはボードゲームの範疇を超えているわけではないため、せいぜいプリセット的なキャラクターを選ぶ程度だと思っていたのだが……これが想像以上に凝ったものとなっており驚かされた。
最初にプレイヤーのカラーを設定したあと、アバター作成が開始。学生や結婚のときの衣装を選んだ後に、かみかた、りんかく、まゆげ、め、はな、くち、メガネ、アクセサリー、ふくそうの9項目でカスタマイズを行っていく。
ちなみに、アバター自体に男女の項目が用意されているわけではないのだが、自分の好きな服装や髪型などを選んで、ある程度好きな見た目にしていくことができるようになっている。参加者全員がアバターを作り終えて名前を設定すると、いよいよゲームが開始となる。
山寺宏一さんと花澤香菜さんが声を務めるキャラクターが司会を担当!
本作は、天界で行われるナンバーワンの人生リアリティSHOWという、バラエティ番組仕立てのノリでゲームが展開されていく。その架空の番組で司会を務めるのが、ハラン・バンジョーや順風マホというキャラクターたちだ。さらに、その声を担当しているのが大御所声優の山寺宏一さんと花澤香菜さんという、豪華絢爛なラインナップとなっている。
ゲームの内容は、ルーレットを回してコマを進め、最終的に総資産が一番多かったプレイヤーが勝利するというもの。「人生」を体験するゲームということで、赤ちゃん時代から始まるところもユニークだ。それぞれのプレイヤーには知力、体力、センスに運勢を加えた4つのパラメーターがあり、子ども時代ではそれぞれの能力を伸ばすことが目的となる。
本物の人生ゲーム同様に、コマが止まった場所によって様々なイベントが発生。たとえば職業体験ができるテーマパークに行くイベントでは、体力とセンスが上がるといった感じだ。このようなイベントを通して、能力を伸ばしていく。
赤ちゃん時代が終わると小学生時代に移り、その後は中学生時代、高校生時代へと進むのだが、いずれも3ターンで切り替わっていくため子ども時代は比較的サクサク遊べる印象だ。
ちなみに、プレイ中は能力を伸ばすだけではなく、様々なカードが入手できる。これらは持っているだけで効果を発揮するものや、ルーレットのマス目を好きなものに変更できるものなど、多くの種類が用意されている。中には子ども時代のみしか使えないカードもあるので、できる限り有効活用していきたい。
小学生時代になると、イベント中に選択肢が表示されるようになる。このときにどれを選んだかによって、上がるパラメーターの種類が異なってくる。また、これも本作ならではといったところだが、イベントによってはランダムに選ばれた他プレイヤーが現れ、お互いのパラメーターが上がるものも発生する。
このように、本作では他のプレイヤーを蹴落として勝ち上がっていくというよりも、時には協力するなど、それぞれがそれぞれのペースでキャラクターを成長させていくような作りになっているのだ。
中学生時代では、自分が活動する部活が選べるようになる。これにより、伸ばしていきたいパラメーターをある程度選ぶことができる。また、倫理観を問われるような選択肢が出たときは、どちらを選んでもパラメーターが伸びる一方、運勢の善し悪しに影響を及ぼすことがある。ある程度考えながら選択肢を選んだほうがいいだろう。
高校生時代では、最初に気になるタイプのキャラクターを選ぶイベントが発生。盤面状にはハートマスが登場し、ここに止まると将来パートナーになる人と出会うチャンスが訪れるのだ。特定の人との好感度が上がると、社会人になったときにプロポーズができるようになる。
高校生時代のもうひとつの人生の分かれ目が、大学を受験するか、就職するかの2択だ。受験する場合は、自分の知力によって成功・失敗の確率が変化する。
たとえば合格率が70パーセントの場合、1~10まであるルーレットの目のうち7つが合格になる。受験に限らず、確率が低くても一発逆転を狙うことも可能だが……このあたりは、あくまでもプレイヤーの判断に委ねられるところである。
ここまでで子ども時代は終了。育成がうまくいったと思ったときは、そのキャラクターを保存しておくことも可能だ。大学生も子ども時代に入っていると思われそうだが、同じタイミングで就職する人もいることから、大人時代として扱われる。
就職に結婚……大人になり波乱の人生が幕開け!
大人時代は、前半と後半に大きく分けられている。就職した場合は給料日があるため、金銭的に有利になりそうな印象もあるが、大学生ではパラメーターを伸ばすことがあり、大器晩成が狙える。どちらがいいかは一概にはいえないが、あくまでも自分の進みたい道を選んでいくのがいいだろう。
就職を選んだプレイヤーは、最初に職業を選ぶことになる。ここでも就職条件が設定されており、パラメーターがそれを満たしているかどうかで選べる職業の種類が変わってくる。
大人時代からは、プレイヤー同士が同じマスに止まったときにもイベントが発生。ミニゲームを遊ぶことでパラメーターを上げられる。たとえば「ぐるぐるシャッフル」というミニゲームでは、シャッフルされた3枚のカードの中からお題キャラクターの場所を当てると、パラメーターを大きく伸ばすことができる。
大人時代でのもうひとつの大きな出来事が、結婚である。これまで親交を深めてきたキャラクターの好感度がMAXの状態になると、ルーレットが金色に輝く。この状態ではハズレの目がなくなり、必ずプロポーズが成功するのだ。
余談だが、プレイヤーの誰かが結婚したときに、ご祝儀の金額をルーレットで決められる。そのお金はほかのプレイヤーたちが支払うことになるのだが、手持ちが少ないと所持金がマイナスになってしまうこともあるのだ。そのマイナスの状態が続くと、ランダムで借金取りがやってきて、さらにマイナスが増えてしまうなんてことも……。
しかしながら不幸なことばかりではなく、就職後は給料日があり、その都度ランクアップして収入を増やすチャンスも訪れる。多少のマイナスならば、ここで逆転する場合もあるのだ。
今回は時間の関係もあり最後までプレイできなかったが、赤ちゃん時代から大人時代の前半まで、ある程度ゲームを楽しむことができた。通常のすごろくや人生ゲームと比較しても、演出面を含めて大きな進化を遂げており、かなり楽しめるものになっている。友達同士でオンラインプレイをしても盛り上がりそうだ。
「人生ゲーム for Nintendo Switch」開発陣インタビュー
今回の体験プレイと合わせて、「人生ゲーム for Nintendo Switch」の開発メンバーであるプロデューサーの佐戸憲一氏、ディレクターの塩澤敦氏、渡邉亮氏にお話をお伺いすることができた。
――「人生ゲーム for Nintendo Switch」をローカルで遊ぶときに、「おすそわけプレイ」に対応していますか?
佐戸氏:「おすそわけプレイ」には対応していませんが、一台のNintendo Switch(Liteを除く)でコントローラーが4つあれば一緒に遊ぶことができます。
――人生ゲームといえばよくコラボ商品が多数発売されていますが、本作でそうした要素が追加される予定はありますか?
佐戸氏:今のところはありませんが、将来的には検討したいと思います。
――予定されているダウンロードコンテンツはありますか?
渡邉氏:アバター用の衣装の特典が増えるものは、今作っているところです。
――1時間で終わりにするなど、ゲームをプレイするモードは選べますか?
佐戸氏:3つのモードがあります。「一生モード」は赤ちゃん時代から最後の時代まで遊べるモードで、4人ならば2時間半ほど掛かります。1人なら、だいたい1時間ちょっとで遊べます。
それとは別に、一生をふたつに分解した「子どもだけモード」と「大人からモード」を用意しています。「子どもだけモード」は赤ちゃん時代から高校生時代まで遊べるモードで、勝敗の優劣をつけず、単純にパラメーターだけを上げてキャラクターをストックしておくことができます。
「大人からモード」は、ストックしたキャラクターかデフォルトで入っているキャラクターを使い、いきなり大人時代から遊ぶというモードです。「大人からモード」だけなら1時間半ぐらいで終わります。
――「子どもだけモード」で育成が失敗してどん底になっても、最終的に逆転する可能性はありますか?
佐戸氏:ありますね。ゲームを作る上でのコンセプトとして、あまり激しい大失敗はなく、成功の中みんなで競っている感じにしたいと考えていました。楽しい人生を歩んでほしいので、育成を失敗してどん底になるというほどのものはありません。ただし、大人時代では借金をしてしまうこともありますが(笑)。
――人生ゲームをNintendo Switch向けに作ろうと思ったきっかけはなんですか?
佐戸氏:タカラトミーは基本的におもちゃ会社ですが、2017年くらいに私のいるデジタル事業室ができました。2019年には、「DUEL MASTERS PLAY'S」というアプリゲームをリリースしています。
そのリリースからちょうど1年くらい経ったタイミングで、次の作品を作ることになりました。そこで改めて弊社が取り扱っているIPを見渡したときに、人生ゲームが一番デジタルゲームに合っていることに気が付いたのです。
昔と違って、世の中的にNintendo Switchが相当普及しています。任天堂のソフトを含めて、家族で遊ぶ構図ができているのを見て、「今人生ゲームを出したら売れるかも」と思ったのです。
昔のゲームは子供だけで遊ぶ構図が中心でしたが、今は親と遊ぶ人も多くいらっしゃいます。「人生ゲーム for Nintendo Switch」も、こうしたシーンで遊んでもらいたいなと思いました。
また、ゲーム配信者や実況者、VTuberも含めて、3人から4人で遊べるゲームはすごく盛り上がります。今このゲームを出せば、そうした人たちが遊んでくれるのではないかという期待も持っています。
――本作には、ボードゲームと違って選択や育成の要素が入っていますが、それは企画当初から考えていたものなのでしょうか?
佐戸氏:最初は、ボードゲームとの差をつける何かを入れなければならないと考えていました。ボードゲーム版の人生ゲームは、ルーレットを回して楽しいだけで終わってしまうからです。
実は、開発してから1年くらいは何の要素を入れるかすごく迷っていました。一時期は迷走したこともありましたが、やはり、選択や育成の要素を入れようということになりました。自分がRPGやシミュレーションゲームが好きということもあり、そちらの要素を入れた方がいいと提案して、導入した感じですね。
――ゲームの企画がスタートしたのはいつ頃でしょうか?
佐戸氏:企画がスタートしたのは、2年半前の2021年の2月ぐらいですね。最初は「モノポリー」のように戦略的なものにしたほうがいいのではないかという意見が強かったのですが、人生のゲームなので、みんな幸せになった方が楽しいし、幸せの中で競い合った方が楽しいと考えました。
どんどん自分が成長していく楽しさがあれば、次は野球でメジャーリーガーを目指したいとか、次は国会議員になって総理大臣を目指したいなど、リプレイ性につながると思いました。
――職業は何種類くらい選べるのでしょうか?
佐戸氏:最初の段階で見えている職業は13種類が基本です。それに加えて、さらにエクストラ職業になる場合があります。
――2016年に発売されたボードゲームの人生ゲーム(7代目)が本作でもそのまま遊べるようになっていますが、こちらを入れた理由を教えていただけますか?
佐戸氏:人生ゲームは、弊社が誇る超売れっ子定番ボードゲームです。それがおまけで入っていると、喜んでくれる人が多いのではないかと思いました(笑)。ボードゲーム版はシンプルで楽しいので、オンラインで田舎のおばあちゃんと遊ぶこともできます。
――一番新しい55年モデルではなく、7代目にされた理由はなんですか?
佐戸氏:ゲームを開発していたタイミングで最新版だったのが、7代目の人生ゲームでした。こちらは定番ということもありますし、最新の8代目と被ってしまうことも避けられるので、ちょうどいいかなと思いました。
――本日はありがとうございました!
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※画面は開発中のものです。
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