スマートフォン向けの新作タクティカルFPS「Arena Breakout」をレビュー。美麗ビジュアルと臨場感あふれるサウンドによって、リアルに潜入を表現。バツグンのスリルが味わえる一作だ。
「Arena Breakout」は、Tencent Gamesの開発スタジオ「MoreFun Studios Group」が手掛けたスマートフォン向けの新作タクティカルFPS。本作でまず目を引くのがそのビジュアルクオリティ。圧倒的な美しさによって、戦場を写実的に表現している。また、サウンドのクオリティもビジュアルに匹敵。カジュアルなゲームが多いスマートフォンゲームの中で、コンソール機やPCに匹敵する没入感が味わえる一作なのだ。
戦闘が目的ではない!アイテム獲得を任務とする略奪型FPS
FPSといえば、銃を撃って敵を倒すゲーム。もちろん本作の主人公も銃を持っており、撃つことで敵を倒すことができる。しかし本作のメインは戦闘ではなく、「略奪」。任務によっては敵を倒すことが目的になることもあるのだが、基本的にはマップ上に配置されたアイテムの獲得が目的となっている。
ゲームがスタートしたら、任務として設定されたアイテム獲得を目指してマップを探索。アイテムを獲得したら脱出ポイントを目指す。脱出ポイントに到着し、生存したまま一定時間経過できればクリアとなる。
もちろんマップ内には敵が存在するため、すんなりアイテムを獲得して脱出できるわけじゃない。敵を発見したら、こちらが銃で攻撃される前に倒ししまうのがベストだ。ただ最初に書いた通り、倒すことそのものが主目的ではないため、敵を回避できるのであれば回避したって構わない。場合によっては敵を迂回して脱出ポイントを目指したっていいわけだ。
操作システムは、一般的なスマートフォン向けFPSを踏襲している。画面左側をスワイプして移動、画面右側スワイプで視点移動。射撃ボタンタップで銃を撃つことができるほか、銃弾のリロードやしゃがみ、伏せといった姿勢制御もボタンタップで行える。
一般的なFPSと異なる点が、装備だろう。本作は銃や手りゅう弾といった武器だけでなく、ヘルメットやチェストといった防具、回復アイテムなどのアイテム類まで装備化されている。これらの装備類は、キャラクターに装着しなければ効果を発揮しない。また、持ち歩けるアイテムには上限があるため、マップ上で新たなアイテムを手に入れた場合、どれを持っていくかという取捨選択が発生する。
どう倒すかではなくどう立ち回るか?まさにタクティカルFPS
「戦闘」よりも「略奪」、そして細かな管理を必要とするアイテム類。…こうした要素によって本作は、既存のFPSよりも立ち回りが重要になっている。
FPSによって差はあるが、一般的なFPSで重要なのが、エイム。エイムとは、いかに短い時間で正確に敵を狙い撃つかという要素だ。エイム能力に優れたプレイヤーは、敵対するプレイヤーをいち早く倒すことができるため、勝利しやすい。もちろん本作でも、敵と対面した局面などではエイム能力が求められる。ただ先に書いた通り、本作の場合は敵との戦いを回避することが可能だ。
いち早く敵の位置に気づくことができれば、戦うのではなく敵のいない方向へ進行ルートを切り替えればいい。進行ルートを切り替えるのが難しい場合でも、しゃがみ移動やほふく前進といったアクションを使えば、敵を回避できる可能性がある。
本作で敵に倒されると任務が失敗するだけでなく、それまでに獲得した戦利品をすべて失ってしまう。つまり、敵と戦うという行為はアイテム喪失というリスクを抱えている。一方で、敵を倒せば持っていた戦利品を略奪可能。なので、より大きなリターンを期待するなら積極的に戦った方がいい。ただし、見事敵を倒せたとしても、その分弾薬や、場合によっては回復アイテムを消費することになる。こうしたことを踏まえて、どうふるまうのがベストなのか?…つまり、立ち回りこそ本作にとって最も重要な要素なのだ。まさにタクティカルFPS。
ゲームシステムとビジュアル、サウンドが融合して生まれる極限の緊張感
対戦を前提とした一般的なFPSでは、「マップ上の特定ポイントに爆弾を仕掛ける」だとか「マップ上の特定エリアを一定時間占領する」だとかいったかたちで、プレイヤー同士が接触するような仕組みをルールに組み込んでいる。これはバトルロイヤル形式のFPSも同様。ダメージゾーンが徐々に拡大し、安全地帯を狭めていくことでプレイヤー同士が接触を促している。この理由はもちろん、既存FPSの設計が戦闘の楽しさを中心としているから。
一方で本作は、アイテム獲得の立ち回りを楽しさの中心としているので、戦闘を促すつくりにはなっていない。このため既存FPSと比べて、1プレイあたりの戦闘回数が少ない印象だ。でも、だからといって緊張感がないとは感じなかった。むしろ、本作ならではの緊張感に繋がっている。
確かに戦闘こそ少ないものの、本作ではプレイヤーが常に判断し続けることになる。アイテムを確保するためにどんなルートを進むべきか?銃声が聞こえたからルートを変え敵を回避するか?アイテム獲得時にどのアイテムを持ち帰り、どのアイテムを捨てるか?…たとえ非戦闘時であっても、こうした判断を行い続けるため、非戦闘時=何もしていない時では決していない。と同時に、いつ敵が現れるかはわからない。いきなり出現し、襲われるかもしれないのだ。これが、本作ならではの緊張感。
そして、この緊張感を増幅しているのが本作のビジュアルとサウンドだ。既に触れたとおり、本作のビジュアルとサウンドはスマートフォンゲームの中でもトップクラス。このクオリティによってリアルな戦場が表現されているため、実際に戦場にいるかのような高い緊張感が味わえるのだ。
この本作ならではのスリルによって、既存FPSに慣れたプレイヤーであっても新鮮味を感じられるだろう。またその一方で、本作は立ち回りを重視しておりそこまでエイム能力を求められないため、FPSに不慣れなプレイヤーにもオススメできる。ジャンルが成熟してきたこともあり、初心者が今からFPSを始めるとなると、エイム能力を伸ばすまでの間、どうしても他プレイヤーに負け続けることになってしまう。実力差がダイレクトに勝敗へ影響するのは健全なことなのだが、とはいえ負け続けるのはおもしろくない。ただ本作の場合、そもそも敵との遭遇が少ないこともあって、銃撃戦の腕前がなくとも十分任務達成可能だ。このため、今からFPSを楽しむという人であっても達成感を味わうことができるだろう。少しでもFPSに興味のある人は、是非一度プレイして欲しい。
(C) Proxima Beta Pte. Limited
※画面は開発中のものです。
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