カプコンより6月2日に発売予定のPS5/PS4/Xbox Series X|S/PC用ソフト「ストリートファイター6」に収録される、ワールドツアーモードのプレイフィールをお届けする。
「ストリートファイター6」は、「ストリートファイター」シリーズの最新作で、バトルハブモード、ファイティンググラウンドモード、ワールドツアーモードと3つの遊び方を搭載している。
今回のレビューでは、そのうちのワールドツアーモードについて、遊んでみた感想をお届けしていこうと思う。なお、ストーリー序盤のネタバレを若干含んでいるので、閲覧の際には注意してほしい。
強さとボシュを求めて世界を巡る旅に出よう!またおまえかマッドギア。
本作で収録されるワールドツアーモードは、わかりやすく言うとストーリーモードといったところだ。
本格的なアバタークリエイトが可能で、自分の思い描くキャラクターをそのまま作り出せる。一般的なキャラクタークリエイトに比べて、筋肉周りの微調整が利くのが印象的だ。一度決定した後でもあとから手直しは可能だ。
という事で、筆者は「ストリートファイター」で一番好きなバルログを作ってみた。似てない点には目をつぶっていただいて……参戦するといいなぁ。
キャラクターを作り終えたら、いよいよ物語が始まる。ある日、ふと「強さとは一体何か」という疑問を感じた主人公は、その答えを求めて民間警備会社が一般向けに開放している基礎トレーニングコースの門をたたくところからお話がスタートしていくのだ。
担当教官のルークに格闘のイロハを教わっていたところ、同期のボシュにいきなり殴りかかられるというハプニングなどはいかにもストリートファイターらしい展開。とはいえ、本作の世界は“ストリートファイター”なので、殴り合うことで和解するプレイヤーとボシュ。拳を通じた会話というやつだ。
その後、ルークに「二人一緒に、ストリートでいろいろ学んでこい」と、「ファイナルファイト」シリーズの舞台でもある“メトロシティ”に繰り出すのだった。
ここから世界がオープンになり、ショッピングを楽しもうが道端のチンピラに殴りかかろうが自由になる。基本的にはストーリーの本筋を追いつつ、任意でサブミッションをクリアしたり、ストリートにあふれる格闘家たちと手合わせしながらキャラクターのレベルを上げたりといった感じだ。
本筋の方に話を戻すと、ボシュと楽しくメトロシティを散策し、ルークとの2VS1も終えると、主人公とボシュはすっかりパートナーといった雰囲気に。
しかし「楽しい」という言葉に過剰な反応を示すボシュは、「今すぐ強くならなくちゃいけないんだ! お前とは違う、楽しんでなんかいちゃダメなんだ」と強烈な捨て台詞を残し失踪してしまう。ある意味、何となくトレーニングコースを受けに来た主人公とはいえ、そこまで言わなくても……。
その後は、失踪したボシュを探すべく、世界を飛び回りながら格闘大会に参加したり、新たな師に出会いながら“強さとは何か”を求めていく。どうやら失踪したボシュの陰にはマッドギア(※)が絡んでいるらしく……ってまたおまえか!
※「ファイナルファイト」シリーズに登場する犯罪組織。「ストリートファイター」シリーズにも、元マッドギアメンバーのポイズンやヒューゴー、アビゲイルといったキャラクターが参戦している。ハガーやコーディーらの活躍で今は比較的おとなしくなった様だが……?
強さを求めて旅する主人公の姿はまるでリュウのようで、「ストリートファイターの世界観の良さってこれだよな」とプレイしていて感じた。オープニング映像でも語られているのだが、「この時代に拳一つに強さを求めるバカな連中がいる」という言葉がしっくりくる感じで、一つのことに全力で向かっていく姿に、あなたも元気がもらえるかもしれない。
対戦重視になりがちな格闘ゲームだが、今一度「なぜ戦うのか」を考えさせられるいいストーリーだと感じた。対戦で心がすさむことがあれば、ぜひ本モードを遊んでみてほしいところだ。
旅をしていく中でちょっとずつゲームシステムが解放されていく設計も良く、どんどん冒険したいという好奇心を刺激される。ストーリー途中で、ドライブインパクトが解放されていないときに、イベント戦で“とある悪役”にボコボコにされてしまったので、製品版が出た日には筆者もリベンジしようと思う。
師匠と出会うのはなにもストーリー本筋を追っていればいいというわけではなく、サブストーリーをクリアすることで会えることも。サブストーリーは格闘ゲームのイロハを学べるものからちょっとしたミニゲーム感覚で楽しめるものまでさまざまだ。ストリートファイターの設定を知っている人にはピンとくるヒントがちりばめられているが、個人的にはサブストーリーは見て回るのをオススメしたいところだ。
技カスタマイズでオリジナルコンボをキメる爽快感
“ワールドツアー”モードの中で個人的に一番面白いと感じたのが“師匠との交流”だ。物語の最初は先述した通り、ルークに師事しながら技を学んでいくわけだが、最初はライジングアッパーとフラッシュナックルの2種類しか覚えていない(とはいえフラッシュナックルの汎用性が非常に高いので不便さはないことだけは言及しておく)。
そこから人づてにメトロシティのチャイナタウンでカンフー教室を開いている春麗に出会い、春麗のバトルスタイルをゲットするのだが、ここから本作の面白さは爆発的に加速する。
バトルスタイルとは、簡単に言うと基本性能。必殺技以外の通常技、特殊技が選択したスタイルのものになる。これがなかなか面白く、例えばルークの弱フラッシュナックルから春麗スタイルの鷹爪脚(ジャンプ中にしたと一緒に中キック)でコンボする、なんてことは対戦モードだとできないわけで、「これとこれ組み合わせたらコンボになるんじゃね?」と組み合わせをとっかえひっかえ試していくのが面白かった。
一例として筆者がたどり着いた答えを紹介しておこう。
“キャミィスタイルの後ろ中パンチ→大キックターゲットコンボを狙いながら、キャノンストライクで近づき、困ったらしゃがみ中キックからジェイミーの流酔拳かローリングアタックで突っ込む”
なかなか友達が減りそうなキャラクターになった気もするが、筆者はまだ出会っていない師匠が多くいるのでまだまだカスタマイズしがいがありそうだ。
マップをよく見ればいたるところに“まだまだ遊べる”要素も!
そのほかにも、本モードでは格闘ゲームの基礎をミニゲーム形式で遊べるアルバイトや、衣類のカスタマイズ要素など、遊び足りない人向けにさまざまなポイントが用意されている。
アルバイトを例にすると、ピザをオーダー通りに作るアルバイトではコマンド入力を遊びながら学習できるし、「ストリートファイターII」のボーナスステージをオマージュしたトラックをぶっ壊すアルバイトなんかもある。
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ドット絵風に変化する演出はさすが。 スクラップにしなきゃいけない車なので、思い切り壊してOKだ。 |
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「ストリートファイターIII」にあったバスケットボールをブロッキングするミニゲームが再現。 ブロッキングと違って本作のパリィは長押しできるがゲージ残量には注意。 |
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瓶切のバイトはタメコマンドの感覚をつかむのに良さそうだ。 |
アルバイトのいいところはプレイするだけでお金がたまる点。クリアするまで夢中で遊んでいたら、気が付いたら大金持ちになんてこともあるだろう。格闘ゲームに精通している人なら、このコマンドは! と驚くものもあるので、個人的にはピザのバイトを一度はプレイすることをおすすめする。
ここまで、簡単にワールドツアーモードを紹介してきたが、RPGとして非常に完成度が高く遊びごたえのある作品だった。ネタバレを極力控えたレポートなので、ぜひプレイして驚きとワクワクを体験してみてほしい。
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※画面は開発中のものです。
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