日本一ソフトウェアは2022年8月5日、人気シミュレーションRPG最新作「魔界戦記ディスガイア7」のメディア向け発表会見を東京都内で実施した。
会場では「魔界戦記ディスガイア7(以下、ディスガイア7)」のディレクターを務める美濃羽 俊介氏と日本一ソフトウェア元代表取締役社長の新川宗平氏(※8月19日付けで辞任)が出席して、開発で注力したポイントを解説。メディアの合同インタビューにも応じた。本稿では発表会の内容をまとめていきたい。
※本会見は2022年8月5日に行われたものです
キーマン2人が「ディスガイア7」を語る
発表会ではまず、新川氏が「ディスガイア」シリーズを振り返る。初代「ディスガイア」発売当時は、すでに名作シミュレーションRPGが数多く登場していた戦国時代とも言えるタイミング。そんななか、ありきたりなものを作っても見向きもされないと考えた新川氏は、「独自性」を強く意識したそうだ。
そして考えたのが、レベル9999、億越えダメージ、敵も味方もぶん殴るというシミュレーションRPGの既成概念を打ち壊すゲームデザイン。「ディスガイア」のそういう規格外とも言える突出した部分は、当時、多くのユーザーに受け入れられた。
そして「ディスガイア」は今年2022年で20周年を迎え、全世界累計出荷本数がシリーズ累計で500万本、国内では220万本を突破。特筆すべきはシリーズを重ねるごとに海外市場が大きくなっていること。ここ数年、北米では日本の3、4倍は売れているらしい。
「ディスガイア」は日本のアニメやゲームのパロディーも多く、海外の人に受け入れられられるとは思っていなかったため、海外での躍進は予想外だったと新川氏は振り返る。
![]() |
| 「常識破壊」をテーマとしており、毎作、独自要素が盛り込まれている「ディスガイア」。 全ての作品に、それぞれ違った味わいがあるという。過去作をプレイしていなくても満足できるうえ、 次回作もプレイしてみたいという気持ちになれるように制作されているそうだ。 |
![]() |
| 現行機で遊べる「ディスガイア」も紹介された。 体験版も用意しているので、「ディスガイア7」の前にぜひ試してほしいとのこと。 |
最後に新川氏は、「ディスガイア」の前身タイトルとも言える「ラ・ピュセル 光の聖女伝説」(PS2)について触れた。日本一ソフトウェア初のシミュレーションRPGとして自信を持って制作していたが、結果は振るわなかった同作。当時の日本一ソフトウェアは開発ラインが一つしかなく、制作中のゲームが上手くいくかいかないかで全てが決まる綱渡りのような状態だったそうだ。
「ラ・ピュセル」の不振を受け、新川氏は「何が受けるのか」を必死に考えたそうだが、結局答えは出なかった。次が最後の作品になるかもしれないため、新川氏は、「スタッフ各々の好きな要素を詰め込んだタイトルを作る」という方針を打ち出す。
しかし、いくら好きな要素を入れると言っても、ある程度の説得力は必要になってくる。そんななか思いついたのが、舞台を魔界、主人公を悪魔にするというアイディア。新川氏らは、上記の設定をベースにしたうえ好き放題に制作を続ける。その結果、奇跡的に「美味しい闇鍋」が出来上がった。それが今も続く人気シリーズ「ディスガイア」の第一作目だ。
ただ「ラ・ピュセル」の不振があったため、自分たちが面白いと思ってもそれが世間に受け入れられるかは分からない。不安が残るまま発売日を迎えたが、蓋を開けてみたら「ディスガイア」はあっという間に品切れ。その後もリピートが入り一ヶ月で13万本を突破する快挙を成し遂げる。新川氏は自分たちの熱量が伝わり、それが本当に良いものであれば、ユーザーが応援団として広めてくれるんだということを、この時初めて実感したという。「ディスガイア」シリーズはそんな新川氏らの思いが詰まった作品なのだ。
自身も「ディスガイア」の大ファンであるという美濃羽氏によるプレゼン
ここからは「ディスガイア7」ディレクターの美濃羽氏が同作のポイントを解説。まず、なぜ「7」の世界観が和風になったのかということだが、美濃羽氏によると「5」と「6」が複数の魔界にまたがる内容だったため、今作「7」では一つの魔界に絞ることが当初からの方針だったという。
そんななか、汎用キャクラクターの説明欄に「魔界で悪魔なのに武士道を守っている侍」という一文があり、「和風なら掘り下げていて面白いのでは?」と思い、和風の世界観に決定したそうだ。新川氏にいわく、今までのシリーズでも一部分が和風の設定はあったものの、フルでの和風設定は「7」が初めてなので新鮮なのではとのこと。
続いては、「7」から新たな登場したシステム「弩デカ魔ックス」について。美濃羽氏によると、同システムはキャラクターが巨大化することで攻撃範囲が大幅に広がり、マップ全体への攻撃ができるもの。
さらに、巨大化キャラクターは存在するだけで地形効果が生まれ、固有のエフェクトも発生するそうだ。例えばプリニーでは「プリニー爆破」で全員が爆発するという効果も。
ただそうするとゲームバランスが気になるところだが、バランス的にはそこまで壊れたものにはならず、バトルを補助してくれる一要素として役立ってくれるという認識でいてほしいと美濃羽氏。
ただ一方で、レベルを上げてから巨大化すると敵を一気に蹂躙できたりもするらしいので、プレイヤーの使い方次第で、振り幅は大きく変わってきそうだ。
また、「弩デカ魔ックス」は移動が面倒くさいと感じてしまうシミュレーションRPG特有の問題点を解決することにも繋がるのではと話す。加えて、それだけだと単調になってしまうので地形効果も加えて戦略性も感じられるようになっているそうだ。
続いて紹介されたのが「アイテム転生」。氏いわく「ディスガイア7」における「やり込み要素の最大値」とのことで、エンドコンテンツとしても楽しめる内容になるそうだ。
アイテム転生では「アメ」や「ガム」など、食べ物を「食べられる武器」として転生させることもできる。食べると、もとになった武器の効果がステータス上で再現されるのだという。つまりアメを剣に転生させて食べると、剣の持ってるHP分のライフが回復するという効果もあるようだ。
なお、武器技も復活している。美濃羽氏いわく、ただ復活させるだけでは面白くないので、アイテム転生で槍を剣に転生しても剣の状態で槍技が使えるようにしているという。つまりキャラクター一人で全ての技の最終技が使える剣を作ることも可能なようだ。
シリーズ最多45体もの汎用キャラクターが登場するという「ディスガイア7」。「6」と比べると、その数は2倍(+1)とのこと。キャラクターは「6」に引き続き、3Dで表現されている。
自動戦闘も「6」に引き続き実装されている。自動戦闘は便利だが放置することが最適解になってしまうため、ゲームとしての面白さには結びつけづらいと感じていると話す美濃羽氏。「ディスガイア」はレベリング、つまり強くなることを効率化していく過程が楽しいゲームでもあるので、「7」では自動戦闘に「魔ソリン」というコスト性を導入することにしたそうだ。そうすることで、少ないターンでクリアできるようにAIや装備をいじったりと、ユーザーに工夫する楽しさを味わってほしいとのこと。
「ディスガイア7」にはオンラインAI対戦も実装されている。現在は「結論パーティ」などができないよう、バランスを調整している段階だそうだ。
最後に新川氏と美濃羽氏による質疑応答をお届けして、本稿の締めとしたい。細かい部分にも回答いただいているので、ぜひ最後まで読んでほしい。
――「ディスガイア7」のメインストーリーの難易度についてはいかがですか?
美濃羽氏:難易度については「ディスガイア5」の基準に戻そうという明確な基準があります。レベリングをする必要はないが、工夫すればクリアできる。もしくはレベリングすれば楽にクリアできる「5」の難易度感をベースにして作っています。
――アイテム転生についてもう少し詳しく教えてください。先ほど剣をガムに転生させるという例を出していただきましたが、他に何か注目のポイントはありますか?
美濃羽氏:例えば杖は「魔法の射程が1伸びる」という特性があるのですが、それは隠された要素なので表示されていないんです。あとは拳武器を付けていると反撃回数増えるとかも表示されていない。アイテム転生をさせる時には、それらが全て明文化され、特性として付いているということが分かるので、そこは分かりやすいかなと思います。
――「ディスガイア」と言えば与えるダメージが桁違いというところがインパクトあるのですが、今作「ディスガイア7」ではその辺りはどうなっていますか?
美濃羽氏:「ディスガイア7」のダメージ感は、「ディスガイア6」を除く「ディスガイア」シリーズと同じくらいと思っていただいて良いと思います。最高レベルも9999です。
――プラットフォームはPS5/PS4/Switchとのことですが、PC版は予定されていますか?
新川氏:今のところ、PS5、PS4、Switchの3ハードなのでPC版の予定はございません。ただ、ございませんイコールやりませんではないので、「今のところ予定がない」という風に受け取っていただければと思います。
――主人公とヒロインについて、もう少し掘り下げて教えていただいてもよろしいでしょうか。
美濃羽氏:主人公のフジははぐれ武士で金の亡者です。貧乏武士なので色々とあくどい手を使って金儲けをする悪魔的な発想を持っています。ヒロインのピリリカは平和な魔界の出身者で、かつ「愛」が好き。しかもお金持ちなので、フジにお金を渡して色々やっていうこうみたいな感じですね。
――自動周回についてなのですが、「6」と具体的にどう変わるのでしょうか。
美濃羽氏:アイテムを転生させるために、アイテム界などに潜っていくと、戦闘によって「魔ソリン」が手に入ります。そしてその魔ソリンを使って、オート戦闘およびスキップで、そこでアイテム界に潜るために必要なものを手に入れ、それを周回していきます。という流れですね。
――「7」の演出はこれまで通り2Dの立ち絵を使ったものなのか、それとも3Dを主体してものなのか、その辺りはいかがでしょう。
美濃羽氏:今回は2Dの立ち絵になります。「ディスガイア」は原田たけひとさんのイラストがウリでもあるので、3Dでやるとその部分が見せづらいというのが主な理由です。
――今回は「和風」がコンセプトということですが、楽曲のほうも「和」を散りばめたテイストになるのでしょうか。
美濃羽氏:そうですね。戦闘曲もそうですし、歌曲も存在していて、それも和をイメージしたものになっています。演歌も入っていますよ。
――楽曲以外で和を感じる要素はありますか?
美濃羽氏:北海道、沖縄、四国など、日本の観光名所をオマージュした場所が登場します。マップやシナリオからもその土地の雰囲気を感じ取れます。
新川氏:温泉もありますよ。岐阜です(笑)。
――弩デカ魔ックスについてですが、主人公側だけではなく敵側も巨大化するのですか?
美濃羽氏:そうですね。巨大キャラ同士の戦闘もあります。相手の巨大キャラを巨大キャラでシバいてやると、魔界全体にかかっている効果を打ち消して、マップギミックを無かったことかのようにして強引に進めることもできます。
――ありがとうございました。
(C)2023 Nippon Ichi Software, Inc.
※画面は開発中のものです。
本コンテンツは、掲載するECサイトやメーカー等から収益を得ている場合があります。





















































