ディースリー・パブリッシャーより、2022年8月25日発売予定のPS5/PS4用ソフト「地球防衛軍6」のプレイインプレッションをお届けする。
「地球防衛軍5」から3年後、侵略者が再び襲来する
EDF(全地球防衛機構軍)の隊員となり、地球に迫り来る侵略者たちと戦うTPS「地球防衛軍」シリーズのナンバリング最新作である「地球防衛軍6」。
従来の「地球防衛軍」シリーズのナンバリングタイトルは、「THE 地球防衛軍」→「THE 地球防衛軍2」、「地球防衛軍3」→「地球防衛軍4」といったように、2作品の間で世界観を受け継いでいるのが恒例となっていた。本作も「地球防衛軍5」と同一の世界観が採用されており、「5」のラストから3年が経過した西暦2027年の世界が描かれる。
前作「5」からストーリー要素の比重が高まっていたこともあり、本作は従来のナンバリングシリーズよりも前作との繋がりが強いと感じられた。とはいえストーリーラインはシンプルなので、前作をプレイしていなくても話に置いて行かれるようなことはまったくないのだが、前作をプレイしているとより楽しめるのも間違いない。
ストーリー面の演出は、「5」以上に力が入っており、なおかつ従来のシリーズ作ともややテイストが異なっている印象だ。とくに特徴的なのが、「5」で最終的に人類はプライマーに勝利したものの、人口の9割を失ったというラストの展開をしっかりと受け継いだ形となっているということ。
EDFの戦力も激減しており、空軍が壊滅しているためエアレイダーは爆撃機等の要請を行えない。燃料の温存と整備性のためか、搭乗式の強化外骨格であるコンバットフレームを、本来の二足歩行ではなく車両と接続して運用しているなど、前作よりも状況が悪化していることをゲーム内でも感じ取れる。
それでもプライマーの残党と戦うEDF隊員の心の支えとなっているのが、「人類は一度プライマーに勝利した」という事実だった。だが、疲弊した地球に再び侵略者が近づきつつあった。
この侵略者(プライマーかどうかは謎)が再来する際の絶望感はシリーズでも屈指。人類存亡の危機をいかに覆していくかというストーリー展開は、「3」以降のシリーズに共通した見どころとなっているが、本作は序盤からクライマックス級の展開が待ち受けている。
基本的な流れは従来のまま、兵科はさらに扱いやすく
一方で、基本的なゲームシステムについては前作「5」のものが踏襲されている。
プレイヤーは「レンジャー」、「ウイングダイバー」、「エアレイダー」、「フェンサー」の4つの兵科の中から1つを選択し、兵科ごとに異なる様々な装備を身に着けてミッションを選択。ミッション内では、兵科の耐久力を向上させるアーマーや新たな装備が入手できることもあり、繰り返しミッションをクリアして兵科を強化しつつ、より難易度の高いミッションに挑んでいく……というお馴染みの流れは、本作でも健在だ。
2020年に発売されたスピンオフ「ま~るい地球が四角くなった!? デジボク地球防衛軍 EARTH DEFENSE FORCE: WORLD BROTHERS」では、アーマーや武器の回収はなく、仲間を集めたり敵を倒すことでキャラクターが成長する仕様となっていたが、本作では過去のナンバリングシリーズと同じ手動のアイテム回収でキャラクターが成長していく方式だ。
その一方で、兵科には様々な調整が施されている。中でももっとも大きく変わったと言えるのが、広範囲の攻撃を得意とするエアレイダーだ。
ストーリー部分でも触れた通り、本作ではEDFの空軍がすでに壊滅しており、前作のような航空支援が行えない状態となっている。代わりにエアレイダーに追加されたのがドローンを使っての攻撃。ドローンは、攻撃地点にマーカーを撃ち込んでその周囲を攻撃するもの、従来の航空支援のように効果範囲を指定するものなど様々な種類が存在するが、功績値ではなく通常の武器と同じリロード方式となっている。
ドローンのマーカーは射程がかなり長いのが強みで、射線さえ確保できれば遠くにいる目標も攻撃してくれる。ただ、ドローンの攻撃は、「マーカーを撃ち込む」→「目標に接近する」→「攻撃を開始」という流れで行われるのだが、離れたドローンが自分の元に戻ってくるまでマーカーのリロードが行われない。そのため、「目標との距離が離れるほど武装のリロードも遅くなる」というデメリットも存在している。
その一方で、ドローンには他の武器に切り替えている間もリロードが行われるという、明確な強みも存在している。ドローンに指示を出したらすぐに武器を切り替えるようにすれば、ほぼ攻撃を途切れさせずに戦うことが可能。ドローンのリロード状況も把握しながら武器の残弾管理も必要になり、切り替えもかなりの頻度で行うため、処理する情報量や操作はかなり忙しいが、劇的に使いやすい兵科になったと感じた。
また「5」のエアレイダーは、テレポーションシップなど空中の敵への攻撃手段が少なく、ミッションによっては難易度が大幅に上がってしまうことも。「6」ではドローンの追加で空中の敵にもかなり対処しやすくなった。一体を攻撃したい場合はマーカーを集中させ、逆に複数の敵に対処したいときはマーカーをばらけさせるといった使い分けも可能で、様々なミッションで活躍できるようになっている。
レンジャーとエアレイダーには「バックパック」、ウイングダイバーには「独立作動装備」というカテゴリがそれぞれ追加された。
陸戦歩兵の代表的な存在であるレンジャーは、豊富な銃器を使いこなす攻守にバランスのとれた兵科。新たな装備枠となる「バックパック」では、手榴弾、爆弾、自動砲座などを装備できる。その内の多くは、従来のシリーズでも武器として登場していたものなのだが、汎用性があまり高くなく、メインの武器としては選択しずらいものも少なくなかった。メインと別の装備枠に回った「6」では、比較的用途が限られる武器も選択しやすくなっており、比較的オーソドックスな兵科であるレンジャーに一種のアクセントを持たせられるようになっているのが面白い。
フライトユニットを装備した「ウイングダイバー」は、唯一の飛行が可能な兵科。他の兵科よりも耐久が低いという弱点はあるものの、上空に避難して高いビルに陣取ったり、立ち回りの自由度の高さが特徴。ただし攻撃と飛行の両方でエネルギーを消費し、一度エネルギーを使い切るとしばらくの間ほぼ何もできなくなってしまう、エネルギー管理の難しさが存在していた。
「独立作動装備」は、そんなウイングダイバーの弱点をフォローしてくれる装備だ。独立作動装備は、その名前の通りウイングダイバーのエネルギー源であるプラズマコアと接続されていないため、使用時にエネルギーを消費しない。一定時間の間射撃を防ぐシールドや、敵の進路に配置して侵入してくる敵にダメージを与えるトラップなど、従来のウイングダイバーには見られなかったタイプの武器も豊富で、新鮮な感覚で使用できる。
エネルギーが切れた状態でもある程度戦えるようになり、エネルギーの管理もしやすくなっているので、ウイングダイバーに慣れるまでの敷居が下がった印象だ。
残るフェンサーは、ガトリング砲やスピア、シールドといった巨大な武器を装備できるのが特徴。その代わりに歩行速度が非常に遅く、スラスターでのダッシュやジャンプを的確に使いこなして立ち回る必要がある、クセの強い上級者向けの兵科だ。細かな武器の調整等は行われているが、他の兵科のような装備枠の変更はなく、前作とほぼ同じ感覚でプレイすることができそうだと感じられた。
ビジュアル面がより進化。ハプティックフィードバックによる銃の反動も
本作はPS5とPS4の両方向けにリリースされるが、今回筆者はPS5版をプレイした。
PS5版の特徴の一つは、公式コントローラー「DualSense(デュアルセンス)」の機能であるハプティックフィードバックへの対応だ。アサルトライフルのような連射系の武器なら小刻み、バズーカなら大きくといったように、使用する武器に応じて振動が変化する。長時間プレイの妨げにならないよう、振動の強さは抑えめに設定されている印象だったが、臨場感は従来から明確に増しており、新しい武器を使う時のワクワク感をより引き上げてくれている。設定でオフにすることもできるのだが、個人的にはオンでプレイするのをオススメしたい。
画面解像度も選択可能で、フレームレートを優先するフルHDと、グラフィックを優先する4Kの2種類のモードが存在する。今回はフレームレートを優先したフルHDでのプレイとなったが、それでも従来のシリーズからグラフィックのパワーアップを実感できる。分かりやすいのは煙や爆発のエフェクトで、爆発系の武器を使用した時に敵や建物を吹き飛ばす、見た目の爽快感が増した。
グラフィックの雰囲気も「5」から変化しており、EDF隊員の制服がかなり汚れていたり、街の建物やアスファルトが風化している。全体的に少しくすんだような空気感が漂っており、「5」からの時間経過が映像的にも感じられるようになっている。
なお「EDF」シリーズといえば、大量の敵が発生するマップで処理落ちが発生するケースもしばしば見られたが、フルHDモードであれば処理落ちはまったくといっていいほど見られなかった。今回プレイできたのは序盤のミッションだったので、終盤どうなるかは分からないものの、ハードスペック向上の恩恵をしっかりと受けていると言えるだろう。
細かな変更点としては、攻撃が命中した際にダメージが表示されるようになった。従来のシリーズでも、武器の攻撃力自体は出撃前に確認できてはいたのだが、あくまでも武器のスペック上の数字であるため、実際にどのくらいのダメージが出ているかが分かりにくかった。ショットガン系など、武器によっては敵との相性でDPSが大きく変わることもあり、ダメージを直感的に把握できるようになったのはミッションにあった武器を選ぶ上でかなりありがたいと感じた。
フェンスやガードレールのような低い障害物であれば、近づくと専用のモーションが発生して乗り越えられるようにもなった。緊急回避中は乗り越えられないので、戦闘中に障害物に引っかかることが完全になくなるわけではないのだが、ジャンプで飛び越えたり武器で破壊するといった手間が掛からなくなった。
またカメラの設定も追加され、従来の真後ろからの視点と、左から正面に向かって銃口が向くような一般的なTPSに近い視点の切り替えが可能に。普段シューター系のゲームをプレイしている人にとっては、より馴染みやすくなっている。
今回プレイして感じたのは、やはり「EDF」シリーズの楽しさは不変だということ。装備枠の追加やグラフィック面の進化、新機軸ストーリーなど新要素も多いのだが、プレイ感は従来の「EDF」シリーズから大きな変化はない。シリーズファンであれば、本作も間違いなく楽しめるだろう。
一方、あくまでも筆者の感覚的な話になるが、従来のシリーズよりは少し難易度が高めで、やりごたえはかなりのものになりそうだとも感じた。今回は基本的にノーマルの難易度でプレイしていたのだが、序盤のステージでもクリア間際には凄まじい数の敵が出現し、気を抜くと平然とゲームオーバーになるくらい歯ごたえがある。ミッション1つ1つのボリュームも、従来よりも長めになっていると感じた。
意外と重要なのは、ほとんどのマップで登場するNPCのEDF隊員たちで、NPCが全滅するとその後の戦闘の難易度が劇的に上がる。一方で自分のHPが全快でも、回復アイテムを拾って仲間のHPを回復しておいたり、バックパック枠の装備であるエリア内の味方を回復する「エリアル リバーサー」や「ライブベンダー」などを使用すると、あっさりとクリアできることも多い。
決して理不尽な難易度ではなく、装備や陣取る位置を工夫すれば光明が見えてくるので、試行錯誤しながらプレイする楽しさも味わえる。どうしても難しい場合は、イージーの難易度も用意されているので初心者も安心だ。
またネタバレになるため詳細は伏せるが、ストーリー面にはとくに力が入っており、従来の「EDF」シリーズでは見たことがないような驚きの展開も待ち受けている。是非とも自分の手でプレイし、その結末を見届けて欲しい。
※画面写真はすべてPS5版のものです。
(C)SANDLOT (C)D3 PUBLISHER
※画面は開発中のものです。
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