日本一ソフトウェアが、ホラーアドベンチャーゲーム「流行り神」シリーズ5年ぶりの最新作として、2014年8月7日に発売するPS3/PS Vita用ソフト「真 流行り神」のプレイインプレッションをお届けする。
5年ぶりのシリーズ最新作は、我々にいかなる恐怖を与えてくれるのか
RPGに定評のある日本一ソフトウェアのタイトル群では異色とも言えるホラーアドベンチャーゲーム「流行り神」。「都市伝説」をコンセプトに掲げ、徹底して恐怖の世界を創り上げてきた本シリーズは、ナンバリングでは3作が発売され、今もなお多くのファンに支持されている。
そしてこの夏(2014年8月7日)、満を持してシリーズ最新作となる「真 流行り神」がPS3/PS Vitaで登場する。2009年に発売された「流行り神3 警視庁怪異事件ファイル」から数えて実に5年ぶりとなる本作は、「都市伝説」の恐怖はそのままに、キャラクターや設定、シナリオを一新したリブート作。果たして本作では、如何なる恐怖が描かれているのだろう。本稿では、そんな「真 流行り神」が持つ怪しい魅力に迫ってみたい。
基本的なゲームデザインは、第一作目から続く、オーソドックスなテキストアドベンチャーのままで変わりはない。テキストを読み進めながら、ときおり出現する選択肢の中から適切なものを選び、事件の解決を目指していくものだ。シナリオは、メインとなる「ブラインドマン編」のほか、「悪霊編」、「パンデミック編」、「寄生虫編」など多数存在する。ブラインドマン編は、その名の通り、猟奇殺人を繰り返す謎の人物「ブラインドマン」の正体を突き止めるのが目的だ。「流行り神」らしい、リアルとオカルトの境界線が曖昧な、生々しいストーリー展開がプレイヤーを刺激する。
主人公・北條紗希も良い味を出している。凛とした表情やファッショナブルな外見も魅力的だが、人間味溢れる、等身大のキャラクターが親近感を感じさせる。このあたりは、前作までの主人公・風海純也に通じるものがあると思う。
さらに、脇を固めるキャラクターも必見。一癖も二癖もあるキャラクター達と紗希の絡みは、見ているだけでニヤリとさせられる。1つのシナリオをクリアするのに、だいたい3~4時間くらいのボリュームがあるにもかかわらず、あまり冗長に感じないのは、キャラクターの魅力とテキストの面白さがあるからだろう。
シナリオによってキャラクターの性格までも変化?
ちなみに本作は、ブラインドマン編をクリアすると他のシナリオに派生する選択肢が登場し、それを選ぶことによって別のシナリオへジャンプできるようになっている。もちろん、名前別に分けられているだけあって、どのシナリオも「ブラインドマン編」とは違う怪しい魅力に満ちている。
またストーリーだけではなく、同じキャラクターでも、シナリオによって役どころが大きく変わっている点も見逃せない。「えっ、まさかあの人が……?」といった具合に、「ブラインドマン編」では見られなかったキャラクターたちの違った側面が見られるのだ。これは、前作までのオムニバス形式ではなく、分岐性にしたからこそ生まれた演出だと思うので、過去作のファンはその辺りも意識してプレイすると面白いかもしれない。
過去作をプレイしている方ならばご存知だと思うが、「流行り神」の選択肢には「カリッジポイント」というシステムがあり、それが大きなアクセントとなっている。もちろん、「真 流行り神」にもカリッジポイントは健在だ。
「カリッジ」とは「勇気」という意味で、選択肢の中には「こんなの選んだらヤバイんじゃないか?」というプレイヤーの好奇心を煽る刺激的な選択肢がしれっと混在している。さらに、カリッジポイントは数に限りがあり、ポイントが尽きると、ポイントを必要とする選択肢を選ぶことができなくなる。これがなかなかやっかいで、ポイントを使いまくったために、終盤で大事な選択肢が選べないというアクシデントもしばしば。カリッジポイントを必要とする選択肢は、時として重要な展開や結末に繋がっていたりするので、雑な使い方は極力控えたほうがいいだろう。
「流行り神」を象徴するシステムの1つとして外せないのが、「推理ロジック」だ。ストーリーを進めていると、ポイントポイントで事件の推理に必要なキーワードを入手することになる。推理ロジックでは、ロジック図に人間関係や事件の概要といったキーワードをはめていき、事件の全体像を整理していく。
ストーリー終盤では推理ロジックの最終チェックがあり、一定以上の結果を出さないと、場合によってはバッドエンドを迎えてしまうこともある。逆にロジック図を全て埋めて、事件の真相を解き明かしたときなどは、確かな達成感が得られるハズだ。「真 流行り神」にも推理ロジックは登場するので、色々と悩みながら推理して、事件の真相をを解き明かしていこう。
言葉を武器に相手を翻弄。スピード感溢れる新システム「ライアーズアート」
ここで「真 流行り神」の新システムである「ライアーズアート」に触れてみよう。ライアーズアートとは、紗希の特技でもある「嘘」や「演技」を駆使して対象者から必要な情報を引き出したり、やっかいな状況を切り抜ける際に突入するシステムだ。次々に出現する選択肢の中から適切なものを選んでいかなければならないのだが、とにかく展開がスピーディなのが同システムの特徴。選択には時間制限も設けられているため、一瞬足りとも気が抜けない緊張感に包まれる。
さらにライアーズアートに突入すると、サウンドや背景グラフィックがガラリと変わるのも大きな特徴だ。特にサウンドは、クラブテイストの、これまでの「流行り神」にはなかったタイプの楽曲となっている。雰囲気が大きく変わるため、初めてプレイする際は戸惑ってしまうかもしれないが、慣れてくれば、言葉で相手を翻弄する快感が病みつきになることだろう。特に終盤でのライアーズアートは盛り上がること間違いなしだ。
実は筆者、最初は「ライアーズアート」が苦手だったのだが、だんだんとその魅力にハマっていったクチ。言葉を武器に相手と戦い、そして勝つのは良いものだと実感した次第である。
さて、ここまでザッと「真 流行り神」について紹介してきたがいかがだっただろうか。まだまだ書き足りない部分はあるのだが、ここからはぜひ、実際にプレイして「真 流行り神」の魅力に直に触れて欲しい。昨今では純粋なホラーゲームが少なくなってきているが、本作は、そんな縮小しかけているホラーゲームの市場を盛り返すカンフル剤になるのではと、筆者は期待している。過去作からプレイしているという筋金入りのファンはもちろん、「真 流行り神」で初めてシリーズに興味を持ったという方も、ぜひ一度プレイしてほしい。きっと、これまで見たことのないような恐怖が待ち受けているハズだ。
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